最大の「国難」は金正恩じゃなくて安倍晋三 その3 安倍首相は軍事だけじゃなく経済も音痴

 さて、前回二回では主に安部首相が如何に軍事に疎いか、そして我が国の防衛を危うくし、あまつさえ危機すら自分個人的な権力維持に使っていることを述べてきました。

 さて、最終回は経済です。経済もこれまた音痴です。

 アベノミクスは所詮、猫だましです。
 極端な円安誘導と、税金と国の借金を市場につぎ込んで株式をつり上げただけです。
 で、株主の7割は外国人投資家で、国富を外国に流出させただけです。

 また同時に円安で、輸出企業の輸出拡大を狙いましたが、殆ど輸出は増えませんでした。それは、日本企業は既に生産拠点を海外に多く移しており、円安の影響を受けないからです。逆に日本メーカーでも海外生産は増えており、それらは「輸入品」ですから製造コストは逆に円安で高騰します。さらに国内に拠点がある企業でも、実は日本の輸出企業は為替に左右される消費者向けの製品ではなく、品質や性能が重視さ、非価格競争力があるBtoBの製品が多かったりします。つまり円安誘導しても輸出は増えないのは馬鹿でも分かるはなしでした。
 
 輸出企業が儲かったのはドルベースの利益を円換算したら、1ドル80円だったのが120円になったら利益が1.5倍になるということです。企業努力も何もいりません。まさに濡れ手に粟です。企業がそのような「不労所得」を気前よく使うわけがないでしょう。内部留保に回すのは当然です。

 そして円安には大きな副作用がありました。GDPの約6割を占める個人消費を冷やしたことです。衣料などは97パーセント以上が輸入品です。食品、雑貨、生活用品も日本企業の製品ですら外国製品が多いわけです。そして高くなったコストは一部では消費者に転嫁されましたが、多くは企業の負担となりました。これは消費を冷やし、また流通、サービス業の企業の収益を悪くしました。これで内需が拡大するわけがありません。

 消費者だけではありません、農林水産などの1次産業、サービス業もエネルギーや様々コストで収益が悪化しました。これは輸出企業の下請け企業も同じです。円安になったら輸出が増えるというのは半世紀前の高度成長期のお話です。

 よく消費を冷やしたのは消費増税だというリフレ派の方がおいでですが、それは事実ではないでしょう。確かに一時的には影響があったでしょう。でも慣れればどうということはない。たった3パーセントの増税で5年も10年も消費が落ち込むならば20パーセント前後の消費税の欧州各国の好況は説明が付きません。消費増税がとか「自称経済の専門家」って、こういう事実を無視して自説を主張します。

  円高に加えて、社会保障費の負担増も個人と企業、特に中小零細企業の負担になっています。給与所得者にとって天引きされる社会保障費は増税と同じです。これは消費増税よりも消費行動を冷やします。

 手取りが減る社会保障費の負担増は例えば、5千円の負担が増えたとしましょう。5万円入っている財布だったのが、4万5千円になるようなものです。対して消費税の場合、使えば5千円が減るにしても、入っている金額は5万円のままです。その心理的な圧迫感は大きく異なります。ですから延々と個人消費は冷え込んだままです。
 むしろキチンと消費増税をして、国の借金を減らしていえば将来に明かりが見えて消費が拡大する可能性はあります。ところが消費増税を公約違反で先延ばしした安倍政権は、今度は借金返済に使うべきところを人気取りのばらまきに使う、換言すれば国の借金を増やすと公約しています。将来の増税、さらなる社会保障費の負担増、年金の減少が予想されて消費は更に冷え込むでしょう。

 消費が増えない理由はここにあります。将来の増税と社会保障費の負担増のさらなる拡大、年金の減少を皆想定しているからです。これだけ国の借金が増えており、将来は楽観できないと誰もが考えるわけです。であれば、消費を抑えて貯蓄に励もうというのが人情です。

 よく国はいくらでも借金ができるのだという話をする人がいますが、そうであれば税金も社会保障費もゼロにしてこの世の楽園を簡単に築くことができるでしょう。ですが、実際には社会保障費の負担増は増えてます。

 政府は、GDPは拡大しているといいますが、税金と国の借金を増やして、国家予算とその補正予算でばらまいている部分がかなり大きいでしょう。そのために安倍政権下では200兆円も国の借金を増やしました。
 ところが不思議なことに安倍政権に批判的なメディアもこの補正予算の乱費をあまり批判していません。
 同様に政府と日銀は借金で株や不動産につぎ込んでいます。完全に官製相場です。資本主義の否定です。しかも安倍首相が大好きな「リーマンショック級の経済危機」が起きたらどうなるでしょうか。
 当局のカネをつっこだカネを回収できないでしょう。巨大な投資家である日銀と政府が回収に走れば、巨額の資金が市場から引くわけで、リーマンショックどころではない、壊滅的な打撃を受けるでしょう。ですから当局は相場で損をしようが売れません。その負担はすべて我々納税者が被ることになります。安倍首相や黒田総裁が払ってくれるわけではありません。

 バブル崩壊以降、自民党政権は景気浮揚と称して公共投資を増やしてきましたが、すべての国の借金を増やしただけです。無論東日本大震災のような未曾有の災害においては話は別で、国家予算で経済を下支えする必要があるでしょう。
 ですが、乗数効果の低い公共投資を増やしても経済は活性化しないことはこれまでの自民党政権の「社会的実験」でも明らかです。ですが手かえ、品替えで「アベノミクス」という看板を掲げて、借金が原資の税金の大盤振る舞いをしているわけです。これで景気が良くなるはず無いでしょう。


 結局安倍首相が大好きなリフレ派の人たちというのはアメリカの株主至上原理主義者か、留学してその思想にかぶれた人たちです。
 極端にいえば、株価が上昇して大企業の利益が極大化すれば、庶民は失業しようが、飢え死にしようが「好景気」であるというのが彼らの考え方です。
 アメリカのインフレはカネを借りた企業にとってはいいことです。借りたカネのバリューが段々下がるわけですから。対して庶民は、給料は増えないのに支出だけは増えます貧困層も増えています。 企業が儲かっても首を切るのでホワイトカラーが失職し、転落してます。
 ところが株屋の新聞であるウォールストリートジャーナルなどの経済メディアやアナリストだけではなく、一般メディアも米国経済は絶好調だと報道を続けました。
 ですが、さすがに米国でも庶民はそんな株主至上原理主義者の大本営発表を垂れ流す大手メディアやそれを真に受ける政治家を信用しなくなりました。それがトランプやサンダースが本命の大統領候補にまでなり、トランプが大統領になった理由です。

 それでも米国がなんとかなっているのは人口増・若年層増加で、経済のパイがまだ拡大しているからです。対して我が国は人口減に老齢化が進んでいます。これを同じ環境だとして「実験」しても違った結果になるのは子供が考えても分かる話でしょう。

 ところが安倍政権は安易にそれを真似しようとしました。アメリカの経済の偉い先生、そしてその信者たちのご神託を真に受け、更に経産省の伊藤レポートでは企業の配当を増やせ、社外取締役をおけと企業に圧力を掛けています。ですが、米国企業はR&Dや人的な投資を削って配当を増やしています。そして自社株買いを通じて株価をつり上げています。これを真似すると長期の物作りが得意で強みの日本企業の体質が弱体化します。社外取締役にしてもその優等生だった東芝の惨状をみれば有効性は怪しいものです。

 同じ株式会社といっても米国と日本では企業のあり方も成り立ちも違います。それをクソも味噌も一緒に論じて、アメリカで成功したから日本でも成功するというのは無知なアメリカ人や洗脳された留学組の主張です。
 かつて、アメリカで学んだダイエーの御曹司はハイパーマーケットに業態を転換しようとして、業績が悪化していたダイエーにとどめを刺しました。日本と米国の消費者の嗜好を全く無視したからです。

 さすがにクルーグマンも自説は間違っていたと懺悔しましたが、それでも安倍政権や黒田総裁は誤りを認めず、本土決戦まで行くつもりでしょう。自分たちの自殺に我々国民を巻き込むつもりです。
 
 景気は拡大と言いますが、景気がいいと判断しているのは政府であり、第三者機関ではありません。これも大本営発表と考えるべきです。景気がよく、日本経済の先行きが明るいのであれば企業は積極的な投資をおこなっているはずですが、内部留保をため込んでいます。
 
>景気は長期間拡大を続けてきたわけではなく、実際には2014年1月をピークに、その後1年半余りの間、景気後退にあった可能性があります。景気動向指数がこれを示唆しているのですが、これを判定する景気循環の判定委員会に対し、所轄の内閣府が「景気後退とは言えない」と結論を半ば強制したのです。

>従来の委員会では、内閣府はあくまでデータの提供にとどめ、判定は7人の委員に委ねていたのですが、今回の景気判定では、景気後退と判定されるとアベノミクスの評価に傷がつくとして、景気後退ではない、という判定を強要しました。

http://www.mag2.com/p/money/312774


 安倍政権はインフレになれば、消費者は先を争って消費をすると主張しましたがそうはなっていません。これがアフリカあたりの最貧乏国で、貯金ゼロが国民の大半。そして物資が恒常的に欠乏している国にではそうなるかも知れません。

 ところが我が国は良くも悪くも先進国で貯蓄率も高いわけです。先にも述べましたが将来の不安に備えて、貯蓄に励みます。

 インフレにさえすれば消費者は先を争って消費するなんて普通の生活者なんかしませんよ。
 これも何度も申し上げておりますが、需要が増えてビジネスが拡大するならば、消費も増えるし、人手不足になるので「いいインフレ」が起こります。そうであれば物価が上がっても問題ないでしょう。10個のリンゴを例えば5~10人が買う状態であれば値段はそのままですが、10個のリンゴを30人以上が欲しがれば売り手は値段をあげることができます。値段を上げても欲しい人がいるからです。ところが前者の場合欲しい人がさほどいない状態で値段を上げても、買い手から敬遠されるので値段をあげても儲かりません。

 安倍政権が狙っているのはこれではなく、コストプッシュ型のインフレです。コストが上がっても、需要が増えなければものは売れません。こんなことは商売している人間ならば誰でも分かる話です(分からない人は事業に失敗します)。ところがなまじ高学歴でこ理屈をこね回す学者やそれを真に受ける政治家にはそれがわかりません。

 この選挙で安倍政権が勝てば、国の借金は膨れ上がり、また国防の弱体化も進むでしょう。
 それが果たして「美しい国」とか「日本を変える」とか「戦後レジュームからの脱却」といえるのでしょうか。







"最大の「国難」は金正恩じゃなくて安倍晋三 その3 安倍首相は軍事だけじゃなく経済も音痴" へのコメントを書く

お名前
ホームページアドレス
コメント