アベノミクスの「大本営発表」と小売の現場との乖離

 さて、先週はビッグサイトで行われた国内の小売関連の最大の見本市、ギフトショーに出展しておりました。結構見本市出展は疲れます。
 
 うちは既存の取引先以外に、例年よりも少ないですが新規の質の高いコンタクトがそこそこありました。

 ですが、ショー全体を見れば、明らかに来場者が減っています。特に小売店のバイヤーさんが減っています。主催者側はVIP来場者には電話で来場を促す電話をかけまくっていたそうです。
 チェーン店を含めた小売店に元気がない。恐らくは新規の仕入れよりも、在庫を如何に売るかに汲々としているところが多いのではないでしょうか。

 物価が上がれば、消費者は先を争って消費をするので、景気がよくなる。アレ首相はアレノミクスに関してこのように説明しておりました。
 ところが小売の現場や見本市を見る限りそうではないようです。アレ首相の説明が正しいならば、本来小売店のバイヤーで見本市は立錐の余地もないはずでしょう。
 ところが現実はそうではありません。実際にお話して景気のいい話はあまり聞きませんでした。

 また期間中近くのホテルに滞在していたのですが、マッサージのお姐さんたちからは、今回はマッサージを頼むお客さんが減っているとこぼしておりました。地方からのビジッターは勿論、地方からの出展社だけではなく、公共交通機関や天候の乱れが起こった場合に対応するために、東京の出展者もホテルにとまることが少なくいのですが、出展者の懐具合が今回欲なかったのでしょう。


 毎度のお話ではございますが、我が国のGDPの6割は個人消費でございます。安倍政権は円安誘導し、物価を上げました。基本的に雑貨、衣服、食料、日用生活品は輸入が多いわけです。国内製品でも原料は輸入が多い。農業にしても肥料や飼料、燃料は輸入です。
100円のりんごが120円になったらいつも1個のりんごを2個買おうという奇特な人はいません。
日銀の黒田総裁やら株屋の学歴だけは高い予想屋の皆さんはりませんけどね。

 アレ首相や黒田総裁の主張が正しいならば、本来これで小売は売上が増えて万々歳のはずでした。何しろ黒田総裁は昨年原油安が物価の下落を招く=景気を冷やすとして追加緩和を行った人です。

 ですがどうなったでしょうか。

 例えば可処分所得が10万円の人が物価が上がったら、生活を維持するなら11万必要でしょう。ところが多く人は生活防衛のために買い控えをして、例えば消費は9万円にしいて1万円は貯蓄に回すでしょう。
 何しろ国借金は膨大で、将来の年金は当てにできない。現在の年金生活者だって将来がフなんで買い控えます。消費者が財布の紐を緩めるは、国借金を減らして、財政をスリム化し、未来を楽観的に見られるようにすることでしょう。

 ところが、あいも変わらず政府はバラマキで、国の借金を増やしております。

 地域振興券なんか矛盾もいいといころです。値段があがったら消費が増えるならば、例えば1万2千円の商品が1万円で買える地域振興券なんてばらまく必要ないでしょう。
 値上げて消費が減ったからこういう胡乱な手段を使っているわけでしょう。これまた借金を増やすことにほかなりません。頭が悪いから金をばらまく。外務省の外交と同じです。
 地方振興券をみれば、安倍政権のアレ具合がわかろうというものです。

 景気が冷えたのは増税のせいだといいますが、それは違うでしょう。恐らく増税の影響は限定的です。増税したのに、バラマキを止めず、予算が肥大して国の借金が増え続けることを国民が恐れているからじゃないでしょうか。
 消費が冷え込んだのは円安誘導による、物価上昇が原因と見るべきでしょう。

 我が国企業の99パーセント以上は中小零細企業であり、個人消費に関連する小売や流通、サービスなどの産業は、コスト増で、社員の給料を増やすどころではありません。給料が上がるはずもない。アレ首相は給料アップといっておりますが、一部上場企業のごく一部の輸出企業だけを抽出した数字を振りまいています。しかもトヨタにしても賃上げはせいぜい1パーセント。儲けはひたすら内部留保です。
 そしてたのみの輸出はさほどに伸びていない。輸出企業の円ベースでの利益が膨らんだだけです。

 お偉いエコノミストの方々はもっと足を使って、消費の現場、それもヨーカドーとか大企業ではなく中小零細企業をリサーチしてはどうでしょうか。


東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
陸自の「機動戦闘車」調達は予算のムダ遣いだ
陸自機甲科の失業対策が主目的?
http://toyokeizai.net/articles/-/82806

Japan In Depth に以下の記事を寄稿しました。~
【防衛省、機銃の調達はMINIMIのみ】~小銃用弾倉による空砲射撃で“弾詰まり”
http://japan-indepth.jp/?p=21427



 
 




 





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