日仏の120ミリ自走迫撃砲システム

ジェーンズのIDW誌7月号の「Thales 120mm 2R2M system deliveries to begin for Griffon」で、仏陸軍のグリフォン装甲車の自走迫撃砲にタレス社が2R2Mの生産を開始するとあります。6x6グリフォンの自走120ミリ迫撃砲はMEPAC(前線近接火力支援迫撃砲)と呼ばれます。仏国防省調達局はプロトタイプと54輌の調達を予定しており、審査は2022~23年で終了。その後調達が2024年~2027年の3年で終了する予定です。

2R2Mは陸自が共通戦術装甲車の自走迫撃砲で採用がほぼ決定しております。ご存知の通り、本来この8輪装甲車を担当するはずだったコマツの試作がクズだったのでプログラムがキャンセルになって仕切り直しとなったわけです。ところがコマツはブラジル製の2R2Mのパチモンを提案していました。当事者意識が欠如しております。そして同社はその後装甲車製造から撤退を決定しました。こんなもんは、装甲車メーカーが提案するのではなく、陸幕が決定して支給すべきものです。
陸自が使用している120ミリ迫撃砲、120RTです。2R2Mはその派生型ですから、
採用は順当であるとは言えます。

そして文民統制の民主国家としては失格レベルの防衛省と陸幕はこの自走迫撃砲の調達数も未だに公開しておりません。本来ファミリー車輌の構成と、なぜ必要なのか。全体のプログラムの調達数、調達期間、予算総額は納税者と国会にプログラムが始まる前に提示すべきです。
この点我が国の防衛省は北朝鮮や中共に近いでわけね。民主国家とは言えません。さすが報道アパルトヘイトシステム、記者クラブ制度を維持している国だけあります。

装軌式の120自走ミリ迫撃砲はわずか24輌を調達するのに、わざわざ車体も砲も開発しました。しかもあの時代では既に時代遅れの固定式砲を採用しました。
着想が素人以下であり、まともな軍隊ではありえない調達です。24輌であれば、車体は89式ICVあるいは74式戦車の車体あたりでも流用すべきだったし、そもそも第7師団専用で第2師団やその他部隊に配備しないというが頭がおかしいレベルです。
よくぼくは陸自の90式戦車はじめ、装甲車輌は「白い恋人」だといいます。その心は北海道の部隊にしか配備されないから。ところが96式はそれ以上におかしな調達となりました。
このブログの読者の市ヶ谷関係者あたりからはよく「お前は、もっと優しい物言いをできないか」と言われます。多少の問題点ならともかく、このような犯罪的な調達をやっている連中に優しくマイルドに諭しても、なにも通用しないでしょう。こういう調達を許した政治にも大きな責任があります。


さて、陸幕はどのようなペースで調達するのでしょうか。流石に96式よりも大きな数を調達するでしょう。いっそのこと兵器としては使い物にならない96式の後継も同じ車輌を採用すればコストは大幅に下がるはずです。
車体はともかく、せめて2R2Mだけでも2~3年で調達をすべきです。2R2MのシステムはFCSなどもシステムが含まれております。10年も20年も調達に時間を掛けて行うのであれば、部品が枯渇して仕様が異なってしまう、あるいは生産が終わってしまう可能性があります。

せめて他所の国の軍隊レベルに調達のあり方を変えていくべきだと思いますが、市ヶ谷や永田町の人たちはそうは思っていないようです。

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この記事へのコメント

Goodman80
2021年08月09日 19:17
新装輪装甲車にパトリアのAMVを採用してくれれば、パトリア NemoでもAMOSも選べるんですが、89式ICVなら改造すればAMOSを搭載できるかもしれません。
まあ、どうせMHI製の車両になるでしょうから、データ改ざんしまくりの日本国土の仕様に合わせた自衛隊専用車両が何種類か10年以上もかけて生産されるでしょう。
Suica割
2021年08月09日 19:34
こういう話を聞くと、ダッソーは賢いと思います。
こんなワガママな連中相手にするより、もっと売りやすい相手に力注いだ方がいい。
どうせ、当て馬ですしね。
やれやれ
2021年08月09日 19:52
「装軌式の120自走ミリ迫撃砲はわずか24輌を調達するのに、わざわざ車体も砲も開発しました。しかもあの時代では既に時代遅れの固定式砲を採用しました。」
これも不思議な話ですよね。わざわざ開発して24両で打ち切り?しかも全数北海道でしたっけ。この数で何の役に立つのでしょうか?よく分かりません。
私は東千歳の駐屯地祭でしか見たことがありませんが(正確には北海道の駐屯地祭はここしか行ったことがない。駐屯地祭で実弾射撃も見せていた静内とか行ってみたかったですね)レア物でしたがそんなに気に留める人は多くないですね。やはり素人は戦車ですよ。
正に白い恋人ですね。白い恋人は北海道物産展等でも買うことも可能ですけど、自走迫撃砲も総火演で出演したこともあるようなので同じようなものですかね(白目)。

ポーランドではパトリアAMV(KTO ロソマク)の自走迫撃砲タイプを見ました。いいじゃないですかこれで、って感じです。パトリアAMVの派生型(ポーランド軍)多分全部ここで見ました。すっかり気に入っちゃいましたね(笑)。
96式装輪装甲車もコレくらいバリエーションがあれば多少評価できたのですが、重くなるしちょっと無理かな。
次世代型はマトモであることを祈ります(あまり期待していない)。
ブロガー(志望)
2021年08月09日 21:10
お邪魔します。
 小火器やらF15やらも含めて本当に「良い仕事」をしていると思います。「日本を戦おうとしても戦えない国にする」ための。根本的には「軍事など血と死と人の恨みに穢れた穢れ仕事」としか思えないのでまともに考えられないのでしょう。米も「銃規制は建国の精神を損なう」という考えが頭から離れないからあれだけ銃犯罪があっても銃規制は進まないですし、「福祉は働く奴稼ぐ奴から奪って、働かない奴稼がない奴ごねる奴に与える事」がという考えが頭から離れない事が先進国なのにあれだけ多くの新型コロナウィルスを蔓延させた一因ではないかと思ったりもします。
 今の日本は言わば「一億総平安貴族」で、「武士」はほぼ絶滅状態で残っていても日本の大勢には影響を与えられないでしょう。「武士の商法」という言葉がありますが、今の日本は「公家の兵法」と言えるかも知れません。それがまともになるとすれば日本以外にルーツを持つ日本人が、日本にルーツを持つ日本人が放ってきた軍事に着目し、そこを握る事で自分達の存在を認めさせる事に成功した時かも知れません。尤もそれまで日本があればの話ですが。
ミスターフリゲート
2021年08月09日 23:33
わざわざ96式を作るより、73式を自走迫撃砲タイプにしていればまだコストは低かったはず。

それよりもご参考に

代替イージスの建造費見送りだそうで
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021080700402

個人的には計画自体中止にして普通にイージス艦導入するだけでいいというのに。なぜSPY7ありきなのか
Goodman80
2021年08月10日 07:59
ネットで調べてみると

陸自補給統制本部、共通戦術装輪車システム設計を契約2018年1月
「共通戦術装輪車システム設計A」を三菱重工業と契約
Aは16式機動戦闘車をベースに3タイプ

品目 共通戦術装輪車(歩兵戦闘型及び偵察戦闘型)
数量 1 式
契約日 2019/12/20
契約相手方 三菱重工業
契約額 2,352,680,000 円

品目 共通戦術装輪車(機動迫撃砲型)
数量 1 式
契約日 2020/11/16
契約相手方 三菱重工業
契約額 442,530,000 円

と言う物が有りました。完全に小松は嵌められた感じで、最初から三菱の為の開発としか考えられませんね。
Suica割
2021年08月10日 12:19
やれやれ様
私も千歳の駐屯地に行って見たことがありますが、隊員曰く、他の車両についていけないことが多い。よくスタックする。困りものですわ。
という代物でした。
そりゃ、本格量産は見合わせますわ。
やれやれ
2021年08月10日 15:07
Suica割さん、
そうなんですか。装軌式なのにスタックとか。ましてやついていけないとか。
色々聞いてみれば良かったですね。見ただけでなんとなく満足したと言うか。珍器以上の興味がなかったので写真だけ撮ってスルーしちゃいました(汗)。
Suica割
2021年08月10日 17:59
やれやれ様
俺「車で迫撃砲運ぶと楽でいいですね。しかも、キャタピラ式(ここは、登録商標だろとかのツッコミは遠慮して頂きたい)だから、戦車みたいに悪路に強そうですね。」
隊員「いや、それがそうじゃなくて大変なんですよ。」
という、ところから聞き出した話です。
隊員の本音はこんなのいらん。
同じようなのを更新で入れるなら、もう少しなんとかして欲しい。
という、不満でございました。
聞いてる俺は、じゃろねと納得しかありませんでした。
Suica割
2021年08月10日 18:18
そもそも、24両という少数兵器を独自開発、しかも全て新規にする必要あったのかと言えば、全くないですね。
他の兵器を改造して開発するのは、まだマシですが、それでもやる価値はないと思います。
他の国のものをライセンス生産するにしても、1から開発よりは、性能の不安も少ないですし、独自開発よりは安くはなるように思いますが、それでも不経済ですね。
スケールメリット考えたら、外国製を輸入するのが一番合理的です。
そこの勘定出来ずに、作れないのは恥という感情に任せるから、微妙な装備ばかりができると思います。
清谷氏が酷評する64式小銃は、当時の日本人の体格の悪さに合わせて、パワーを下げることで、キックバックを弱め、扱いやすくするという、まだ納得というか、理解を示すことが出来る理由がありました。
今回の自走迫撃砲システムには、そういう納得出来る理由がありませんね。
やれやれ
2021年08月10日 21:19
Suica割さん、
「隊員「いや、それがそうじゃなくて大変なんですよ。」
という、ところから聞き出した話です。」
私も同じような感じで聞いて思いもよらない回答で驚くことがよくありました。聞き出そうと言うより素朴な疑問をぶつけると愚痴が10倍くらい返ってくるみたいな(汗)。
実際に運用する隊員からしたら命がけの仕事の道具があまりにへっぽこなので勘弁して欲しいってところなのでしょうね。それを一般の人にも分かって欲しいみたいな。
そういう事もあって自衛隊の兵器大丈夫かいな?と言う疑問が生まれてきましたね。

19190213
2021年08月11日 10:00
迫の利点の一つは構造を簡略化出来る事です。
本来射撃時の衝撃を吸収し再照準するには、駐退復座機が必要ですが迫は地面に底板を依託することでその仕組みは必要ないものとなります。
下手に完全な車載にするよりも、射撃時のみ地面に降ろすようなソ連軍方式の自走迫の方が車台開発のコストを下げれますし部品のコストを下げ製造コストも安くあがるのではないかと思います。
究極的には自走迫の車台は旧式装軌車でもいい訳ですから、そのまま安くあげるかもしくはGPS+INSを載せればトータルで見た時の陣地侵入速度は飛躍的に伸びますし精度も上がります。

今では装輪式にとって代わりそうですね。