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zoom RSS 災害派遣、現場の問題を隠蔽する防衛省 東電と防衛省は似たもの同士

<<   作成日時 : 2011/04/15 10:51   >>

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JBRESSに現場の自衛官からの告発ともとれる記事が掲載されています。

災害派遣、現場自衛官から上がる悲痛な声
なぜ政府は現場が活動しやすいように手を打たないのか

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5869

 具体例が広範囲に渡って挙げられています。ぼくの得ている情報とも合致する内容も多くあります。
 恐らく著者は一佐あるいは二佐あたりの人物ではないかと思われます。

 ぼくも災害派遣の問題点に関する追加の記事を近々日経ビジネスオンラインで公開する予定です。

 
 実際防衛省・自衛隊は「不都合な真実」が外部にでることを隠蔽しています。
「すべては上手くいっております。現場の士気は良好であります」とでも大臣には報告しているのでしょう。
ですが、現場はこの告発の通りの状態です。

 恐らく陸自は情報保全隊をつかってこの著者を特定し、隔離すべく動くでしょう。バレれば左遷は確実です。

 何故そのような人物が叱責される恐れを犯してまでもこのような「告発」をおこなったのでしょうか。 


 それは、現場は身をとして頑張り、官僚主義におかされた上の方は責任感も問題意識もなく、組織と自らの保身に走るという、東電にそっくりな防衛省の隠蔽体質があるからでしょう。

 本来解決すべき問題があり、そのような現場の声が上がっています。ですが、市ヶ谷ではそのような情報が途中で消えてしまったり、店晒しにされることが少なくありません。

 既に本省では災害派遣は終わったという楽観モードに入っています。本省内では動員も解除されつつあります。
 現場では来月半ばまで交代部隊が派遣されない部隊が多数あるというにもかかわらずです。
 現場に情報の幕僚がこない。だから上級司令部は現場の様子がわからない。その代わり作戦担当の幕僚がやってきて引っかき回して帰って行きます。
 
 まるで、前の戦争のどこかの帝国陸海軍みたいです。

 また現場で自分たちのキャパを越えた問題があり、上級司令部に連絡をするとお前達が何とかしろと、押しつけられます。ですから、解決すべき問題があっても現場の部隊が上に情報を上げないようなケースも増えています。
 
 先週から現場の隊員のメンタルな問題を危惧するような記事が出ておりました。防衛省はカウンセラーを巡回させてこれでOKとしていますが、それではカウンセラーと隊員の間にキチンとした関係を作れません。各中隊にカウンセラーをおくべきです。カウンセラーが足りないなら外部に応援を頼むべきです。
 現状を放置すれば今後自殺者が多発する可能性もあります。

 メディアは現場の隊員の頑張りを美談で伝える情緒的なものが溢れています。

 ですが、どこのメディアも現場では遺体袋がまったくたなかった事実には触れていません。
 また既にぼくが指摘しているように士=兵隊の充足率が4割強しでしかない事実もこれまた報道するメディアは殆どありません。防衛省・自衛隊はリストラと称して兵隊の数を減らしておいて、幹部の数は増やしています。自衛隊のあちこちの組織に対して仕事のない1佐がゴロゴロしています。
 
 またボランティアがテレビカメラが取材するような現場に集中するとい現実も報道されません。
 真面目なボランティア団体も多いのですが、自分たちのためにやっているようなボランティアがいるのも事実です。彼らは自衛隊に燃料や食い物を寄越せと要求したりしてます。



 自衛隊には大震災という「有事」に対応するためのシステム、装備が欠如しています。このようま場合に不具合や齟齬が生じるのは当たり前です。ですがそれを是正するための情報収集・分析・方策を行うためのシステムも機能していません。
 すべて現場のガンバリズムに頼っています。前の戦争から一体何を学んだんでしょうか。

 メディアの役目は情緒ではなく、現場で何が起こっているかを冷静に観察・分析して読者に伝えることです。それの情報が世間で認知され、政治が動けば次の震災の時にその教訓を活かして少しでも被害を減少することができるでしょう。現状それがまったくなされていません。

【追記】
民主党内で自衛隊に使せるべき災害予備費を災害復興費に振り向けようという動きがあります。
そのような主張は「現状問題無し」という防衛省の大本営発表を鵜呑みにしてるからでしょう。現場で足りないものは
山ほどあります。現場の連隊長、中隊長レベルに一定のカネを今すぐにでも渡すべきです


 




WEBRONZA+に以下の記事を寄稿しております。
自衛隊のNBCスーツ(防護服)装備は十分なのか?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2011040500003.html
自衛隊の化学戦部隊は、夏の暑さに対応できない
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2011041200013.html

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コメント(15件)

内 容 ニックネーム/日時
素人にもわかる客観的な証拠が欲しいですね。現状では軍事などに多少の知識がある自衛隊などとは関係がない一般人が適当に吐いている可能性が高いです。なんせ自衛隊は敵(自衛隊批判論者)には苦労しませんからね?(笑)
ソースがな〜
2011/04/15 13:49
ううむ。
告発?を読みましたが、要するに新装備が早く欲しいんでしょうね。つまり予算を増やせと。(現状の何倍いるかな?)C-2とか10式戦車とか一杯調達しろとか。それら大物以外でも隊員の個人装備がもっと欲しい。戦車で民衆を示威したい。交代部隊が足りないのでもっと部隊を増やせだとか。恐らく佐官ではなく軍事オタクか士=兵隊が書いたのではないでしょうか?ボクの考えた最強のぐんたい。な感じがビンビンします。
中二病?
2011/04/15 14:18
化学防護衣が隊員100名中10着くらいしかないとの事ですが何か問題があるのでしょうか?
疑問
2011/04/15 14:36
最近、「兵士を守る 自衛隊にオンブズマンを」著者 三浦耕喜作品社から発行されてる本を読んだんですが、この著者の言うとおり防衛省とは距離を置いたオンブズマンが必要ではないでしょうか?
日本の政治家は自衛隊を物としか、扱っていないように思われます。ドイツのようにオンブズマンの権力を強くして、政治に強く影響を与えられるような法整備をするべきです。
自衛隊も人間の集まりです。
とめ吉
2011/04/15 20:33
最近、「兵士を守る 自衛隊にオンブズマンを」著者 三浦耕喜 作品社から発行されてる本を読んだんですが、この著者の言うとおり防衛省とは距離を置いたオンブズマンが必要ではないでしょうか?
日本の政治家は自衛隊を物としか、扱っていないように思われます。ドイツのようにオンブズマンの権力を強くして、政治に強く影響を与えられるような法整備をするべきです。
自衛隊も人間の集まりです。
とめ吉
2011/04/15 20:33
>中二病?2011/04/15 14:18

これって新装備がほしいという話では無く、災害派遣されているのに必要な装備が不足しているし、どうしようも無くて隊員が自分で買っていると言う話としか読めないのですが?

私物の携帯電話を使っていたり、懐中電灯が不足したり、怪我しやすい装備しか無かったり、怪我しても薬品が足りないとかは嘘なんですかね。

>疑問 2011/04/15 14:36

前線に出ている部隊ならNBC個人装備は100%装備が当たり前です。この数字は全自衛隊での比率の可能性も有りますが、福島原発に派遣されている部隊がそうなら大問題です。装備が必要なときに無ければ大きな戦力の消耗となります。
774
2011/04/15 20:48
 現場の市ヶ谷に対する信頼はかなり薄れています。5月半ばまで交代できない現場の部隊も少なくありません。中隊長クラスにかなり深刻な精神的な徴候がでています。 
キヨタニ
2011/04/15 21:44
……総理は何を視察なさってきたんでしょうね。
記事末尾で言う「ただで帰ってきた」に等しい有様ではないですか。
総理周辺が、必要な情報を全然渡せてない背景を考えるとあまりきつくも書けませんけれども。

仰るとおり、こういうのはメディアの仕事ですね。
情報を伝達しない部分があって全体を殺しかねないのであれば、もう一つ経路を作る他なく、この場合はメディアが一番近い距離にあるように思います。
次の災害といわず、現時点でもきちんと政治の然るべきところに届けないと、このままじゃ我々のために頑張ってくださってる方々に背中から切りつけるのと変わらなくなってしまいますね。
vis
2011/04/16 03:37
総理の一言で自衛隊の災害派遣が10万人規模になった段階で交代要員が不足するということは、だいたい想像していました。よくも思いつきで口走ったものだと。
さらに問題は震災が深刻になるにつけ、装備の貧困さが浮き彫りになっているてんです。
隊員の食事が缶詰めだったり、福島原発の瓦礫除去に戦車を代用したりするのは装備や備蓄が貧困であることを言っているようなものです
みけねこ
2011/04/16 05:32
メンタルケアの問題を解決するためにも環境整備はするべきと思います。
食事、風呂、衣服この3点を改善するだけでも隊員の精神的負担は改善します。重機の補充は阪神大震災の時も問題になった点です。いまからでも遅くはないからリースで調達するべきです。
10万人規模というムチャな派遣を総理の思いつきで決められるのだから、派遣隊員の職場環境も政治主導でやっていただいて欲しいものです。
みけねこ
2011/04/16 05:47
また、現場で隊員の犠牲者(病死)が出たようで、お気の毒としか言いようがありません。

ところで、素人さんの中には、管総理の10万人体制の号令に対し、防衛省・自衛隊はサボタージュをして出動を遅らせていたという主張をしている人がいます。どうも、常時、戦時動員が可能なように勘違いしているようです。

ところで、ある程度、隊員の皆さんが体力を維持しながら、現場で活動するためには交代要員の確保が必須だと思うのですが、それを考えると、キヨタニさまは専門家のお立場で、第一線へ投入できる戦力は、どれくらいの人数が妥当だとお考えですか(もちろん、現在の自衛隊の体制でのお話です)。もし、支障がなければ、専門家のご意見をぜひうかがいたいと思っております。
ブリンデン
2011/04/16 17:29
動員はどの程度の期間にするかですよね。
同じ人数で半年と次第に傾斜して減らして行くかで違ってきますよね。それと期間。
政治的なメッセージを込めて10万にしても、それを2〜4週間に限定し、あとは5万人体制で維持するなら半年でも大丈夫でしょう。それが2年3年にならば別ですが。
出口をどうするかによって動員も変わって来ると思います。
通常の業務もあるし、教育もしなければならない。政治がどのへんまでそのあたりを考えているのは知りませんが。
キヨタニ
2011/04/16 18:41
キヨタニさま、ご回答ありがとうございます。確かに派遣期間が大きく関係してきますね。
しかし、現状では、いつまでこの体制が続くのでしょうかね。
ブリンデン
2011/04/17 13:00
5月半ばまで交代が出来ない部隊がたくさんあります。現場の隊員、特に指揮官クラスの人達がそれまで持つか気になります。
キヨタニ
2011/04/17 21:33
元自衛官ですけど自衛隊の活躍がテレビで取り沙汰されていますけど内部はいじめや不正など腐敗だらけです。

これでは旧日本軍の時と同じ運命を辿ると思います。

やはり、防衛オンブズマンを設置するべきです。
ぼやき君。
2014/11/09 21:45

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