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zoom RSS 防衛大綱 陸自定員と戦車の削減

<<   作成日時 : 2010/12/13 11:07   >>

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陸自定員、1千人減の15万4千人で決着 新防衛大綱2010年12月12日20時48分
http://www.asahi.com/politics/update/1212/TKY201012120148.html

 防衛大綱は先週末に発表だった予定が、今週にずれ込んだようです。色々と最終的な調整が必要だったらでしょう。 ですからこれまで報道された内容と若干異なるものになる可能性も残っています。その前提で話をします。

 まず定員ですが、1千人減の15万4千人になるとのことですが、ぼくはまだ削ってもいいと思っています。削るのは無論陸自からです。

 何度も書いていますが、現在の予算規模では既存装備の維持費や人件費すら満足に支出できない。しかもC4ISTAR関連の装備は悲しいくらいに遅れている。ショーケースに正面装備だけ並べておけば戦争が勝てるというものじゃないでしょう。
 
 陸自は本格的な構造改革が必要です。いや戦車は減らせない、兵力は減らせないというのは制服組の専門家的見地からの主張ではなく、身内から嫌われたくない、という陸自村の論理です。

 3自衛隊この傾向が強いのですが、頭数が多い陸自がこの傾向が一番強い。本音では現状ではダメだと分かっていても身内に嫌われると出世できないからから、組織の内側を向いた主張を外に対してもする。


 一番の問題はこの定数で、現在4割強しかいない士(兵隊)をどれだけ増やせるか、換言すれば定数ほぼいっぱいの将校、下士官をどれだけ減らせるかです。
 また各階級の充足率をどのレベルにするのかも大きな問題です。

 以前からぼくは今度の大綱で戦車の定数が大幅に削減される可能性が強い、故に大綱がでるまで新戦車の調達は見合わせるべきだと主張してきました。
 
 さて、戦車の数は600輛から400輛に減らされました。これまでの経緯だとこの中に機動戦闘車が含まれるわけですが、仮に機動戦闘車を200輛とするとMBTは200輛となります。現状780輛ぐらい(現大綱終了までに600輛に減らすつもりだった)から約1/4になるわけです。
 仮に10式を200輛生産するならば、開発費込みの単価は概ね13億円前後になるでしょう。しかも少なくない90式を破棄する必要が出てきます。
 
 10式戦車の予算を認めたのは民主党政権の失策です。

 陸自は戦車や特科を減らして、歩兵部隊の増強、水陸両用部隊の編成、ヘリ戦力の拡充を行うべきです。また合わせて既存装備の稼働率を上げるべきです。
 そのためにも、主たる人員削減は将官・高級幹部から行う必要があります。

 また不要となった戦車は破棄せずにモスボールして保存するなり、他の用途に転用するなりが可能になるように法律を変える、あるいは法律を変えずにやれる上手い方法を考えるべきです。
 有事に際しては、工場で急に増産なんぞできません。モスボールの方が余程有用です。

 残念かがら陸自にその処方箋は書けないでしょう。

 本来政治の出番なのですが、民主党に各論まで突っ込んだ具体的な改革ができるのか、はなはだ疑問です。


WEBEONZに以下の記事を寄稿しております。
条例改正案から小説・映画を対象外とする東京都知事の見識
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2010121300036.html

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コメント(19件)

内 容 ニックネーム/日時
削減するからこそ、10式戦車は必要。量より性能です。ポンコツ90と74式じゃ話しになりません。
戦車削減
2010/12/13 12:39
少ない90?
キヨタニさん、90は現在何両あるかご存知ですか?
もちろん知ってますよね?まさか知らないわけじゃ…まず、何両あるのか根拠を述べて下さい。まあ自分は知ってますが。
チョン
2010/12/13 12:44
別のところでもコメントさせていただきましたが、現行より1/3削減するとなると、まず第1戦車群は廃止。戦車教導隊も縮小せざるを得ませんよね。また、第1機甲教育隊も廃止。第7師団隷下の各戦車連隊も一つに減らさざるを得ないでしょう。第2戦車連隊にしても縮小。そこまでして、ようやく400輛達成できそうなのですが。
で、もとの第72・73連隊は別の師団に転属。あるいは海兵旅団にでも編入。こんなのはどうでしょうか。
カッコ
2010/12/13 13:44
10式は74式の更新分ですが、この分だと90式が早期退役する事により90式をも更新するのでしょうね。まあ戦車師団は戦車旅団に格下げでしょうかね?
機動戦闘車はまだ開発中なんですし戦車のカテゴリに含むかも未定ですから今、あーだこーだ言ってもしょうがないとも思います。
七色雲南
2010/12/13 14:59
まぁ400両となったとしても実際にその台数まで減るのはだいぶ先のことですし、その時まで民主党政権が生き残っているかと言うと…
重点を定めて予算を投入することは悪いことではありませんが、数量減は結局予算を削る口実に使われますからね
その時の予算であれを削ってこれを増やそうという話になっても、あれを削ったんだからもっと予算を削るよという話になってはいつまでたっても均整のとれた防衛力整備はできないと思います。
ゆう
2010/12/13 15:23
適切な戦車や定員数の議論は、別にして、
「身内から嫌われたくない、という陸自村の論理」
は、本質をついており、耳が痛い、ご意見だと思います。
たけ
2010/12/13 20:50
陸では良くも悪くも田母神氏のような人物が幕僚長になることはあり得ませんね。
キヨタニ
2010/12/13 22:20
人件費の高コスト状態について思ったことなんですが…
現代の兵器の操作には高い技能と経験が必要で正直1任期目の新兵(1士以下)に任せられるのなんて、
単純作業(ここを掘れ、これを運べ)を「誰かと一緒になって」任せ…訂正、全く任せていませんね
実際に個人携行以外の兵器の操作を任せるのは陸曹から(陸士だけで操作できる重火器はありますか?)と言う状態なので、
戦力的に陸士は補助でしかない状態です。
それでも3任期目なら一部は若手陸曹並みの能力を持ちますがすぐ退職してしまいます。
永久就職でもないのに引き留めるのはここが限界でしょう
そして、陸曹に昇任するとしても、40代で退職させられるとしたら手厚い就職援護が必要で、それを保証するには天下りとそしられる。
援護が十分できなければ将来への不安から陸曹になるのは少なくなると…
救いがない話なのでどなたかに突っ込んで頂いて明るい話にしたいところです。
ゆう
2010/12/14 10:38
>ゆう
迷案ですが。
大石英司氏の著作
新世紀日米大戦に登場する「足軽3号」こと鈴木太郎三曹みたいなのをホンダに開発してもらえば人件費は・・・。調達費が凄そうだけど。
七色雲南
2010/12/14 11:12
機動戦闘車は100両程度で、戦車とは別枠だと新聞には書いてあったような。

それにしても、90式で340両ですから、10式60両でしょうか?
74式の代替は機動戦闘車にして、90式と二本立てにした方がましなような?
戦車兵の技能習得に時間が掛かるなら尚更ですし、90式の生産ラインも現役ですよね?
人材育成は、学校や奨学金制度なんか駄目でしょうか?
防衛大なんか、官僚になりたい人間が行く所に見えます。
所得格差で十分な教育が出来ない家庭に奨学金を出して防衛専門学校に入って貰うとか、そこで危険物取扱いとか、大型免許を取れるようにするとか、需要と供給のミスマッチを無くす方法を探るのが良いと思います。
しかし考えてみると、なかなか妙案は出て来ませんね。
歩兵
2010/12/14 19:29
>歩兵さん
防衛大から官僚は遠い道のりです。
まだ政治家になる方が行きやすいかも(笑

学校や奨学金制度とはどういったものでしょうか?
その卒業生は曹候補生としてそのまま入隊なら貧困家庭対策にいいかもしれませんね。
しかし、どこが金を出すやら…
ゆう
2010/12/14 20:34
>ゆうさんへ

あんまり知らない世界ですからね。
しかし、受験する人種が近いような気はしてました。
敢えて言えば防衛大・幹部コースの方が、妥協した人達が多かったですかね。
コネなんかも要るような事を言われてましたし、エリート公務員志向の学生の間では、特殊な部類に捉えられているのかも。
しかし、深刻なのは一般自衛官の状況のようですね。
所得格差の拡大とか、固定化それも世代を越えて世襲されるとか、何らかの対策が必要でしょう。
教育に金を出す事が子供手当てと称して賛否ありますが、本当に手当てが必要なのは経済的に貧しい家庭の子供ですよね?
だったら手に職が付いて、更に就職先が確保されている防衛大のような曹候補クラスの学校を、奨学金付きで作れば助かる家庭もあるだろうと思ったんです。
それで自衛隊も助かれば、八方丸く収まる所ですが、まあ、素人考えですからね。
防衛も教育も格差の是正も、国の将来の為には全て必要だとは思いますが。
歩兵
2010/12/14 21:03
>歩兵さん
いやー妥協したって言うのは違いますよ
防衛官僚と自衛官ではまったく役割が違うわけで防衛官僚なれないから(上位大学は入れないから)防衛大に入った人っていうのは続かないか洗脳されます(笑
卒業するまでに嫌々な人は淘汰されます
コネはいりません。いやマジで

>手に職が付いて〜
就職先が確保されているのであれば手に蜀をつけることは必要ないのでは?
それに防衛大なら国家公務員なので学費は要りません
学費を取る専門学校的なものだと扱いが難しすぎます。まだ学費を取らずに基本卒業生全員入隊の方が筋は通ります。(今はなき自衛隊生徒みたいなものです)
問題はこれをするとさらにコストがかかってしまうことですけどね…
ゆう
2010/12/14 21:35
>ゆうさんへ

>就職先が確保されているので
いやいや、これは案外重要だと思いますよ。
自衛隊に入らなければいけない事にすると、人が集まり難いと思います。
全員が自衛官になる必要はなく、希望者のみ入隊だけど、手に職は付くし、高卒資格も貰えるぐらいでないと、なかなか少子化時代に子供は来ないかも知れません。
公立高校が無償で、朝鮮学校まで無償なら、別にそんな学校があっても良いんじゃないでしょうか?
赤字財政が恒常化してる日本ですが、未来や安全保障に必要なお金を使っても、「そんなには」国民は怒らないでしょう。
先進国一般に、軍隊はプロ化=職業化の傾向がありますから、民間企業や他の公務員に負けない魅力が要求されているのだと思います。
近頃だとIT人材も欲しい筈ですが、民間と競合する分野で最先端の技術を持った即戦力が採れるでしょうか?
そんなインドア系の人材も吸引するような、魅力的な就職先に変身しないと、人材獲得競争に付いて行けないのかも知れないですよ。
何か、ウルトラCでもあればいいんですが。

歩兵
2010/12/14 22:12
 自衛隊の中に、山本 権兵衛
のような人がいることを願う、
と、言っても削減の規模が違う
が、
名無しK
2010/12/15 12:42
もう一つ思いついたこと
それぞれの階級で一人前とみなされる時期
幹部:1尉(約10年)で高階級はそれ以上
陸曹:2曹か古参3曹(約10年)先任等は20年
陸士:約4年
…ということは現在陸士が不足していても予算が潤沢になれば幹部陸曹の半分の期間で補充が効く
そして現代戦では実質的に軍曹から戦力になるとすると現状の階級構成は正しいかも知れませんね
ゆう
2010/12/16 10:36
有事の際は言うに及ばず、政治情勢が緊迫してる時の4年は厳しくないですか?
大卒の曹候補生コースは別にして、陸士から陸曹の叩き上げコースを考えると、何年後に陸曹不足になるってのが見える訳で、防衛上の弱点になりませんかね?

それにしても、早く育成する方法や、訓練が短くて済む戦術や装備があれば経済的なんですね。

歩兵
2010/12/16 18:15
>歩兵さん
ヒント:非任期制の陸士が存在します
どういった制度かはご自分で調べてみるのがよろしいでしょう
実際今の所で不足しているといえるのは任期制の陸士(陸曹になるかわからない隊員)なのですよ。
>4年
予算が緊縮されてどこかを削らなければならないときに補充しやすい所から削るか、しにくい所から削るかの話です。
陸士だけ削っていれば、何らかの要因で予算が潤沢になれば4年で元通り(当然問題は多いですが)
幹部陸曹も均等に削ると予算が潤沢になっても本当に戦力になるのは10年後…ということです
ゆう
2010/12/16 20:57
>ゆうさんへ

いや何、足りているなら良いのです。
徴兵制じゃありませんし、不人気な職業だから人手不足になっても仕方ない仕事じゃありませんからね。

人員削減の話ですが、熟練兵と新規雇用と、実力を削るか活力を削るかのような話ですね。
熟練兵は人件費がそれなりになってるでしょうし、外国では民間に委託とかして節約してるんでしょうか。
派遣と正社員とか、同じ労働で給与を変えてはいかんでしょうし、節約って訳にも行かないですよね、どうしたもんでしょう。
とは言え、現状で特に問題無ければ別に良い話ですよね。

歩兵
2010/12/16 22:46

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