スカイマークのA380とJALの将来
エアバスの巨人機、A380は日本の航空業界では評価があまり高くありません。
これからは中型機の時代だ、というのでしょうが、このような大型機が不要になるわけじゃありません。常に満席状態の基幹路線では尚更です。
世界の航空需要は膨らみますし、より多くの旅客と貨物を安価に運ぶ需要があるはずです。60年代に登場したジャンボはいくら近代化するにしてもこの先数十年も生産が続く訳じゃないですし。
さてスカイマークがA380を導入して、欧州路線に乗り出すというのはさすがに驚きました。
ですが欧州路線は常に満席状態です。業界大手のHISの営業力を持ってすれば、席を埋めるのはさほど大変ではないでしょう。
既にエールフランスやルフトハンザは東京便にA380を導入していますが、スカイマークの進出するらしいロンドン便ではA380を導入しているところはありません。そこを狙ったのでしょうか。
剣呑なのはANA、とJALです。777や既存の747などと比べてA380の方が旅客輸送コストは低いわけですから収益ではかなわないでしょう。
しかもA380には目新しさもあるし、エンジン音が低く静かなので既存機とどちらを選ぶと言われれば、A380を選択する乗客は少なくないのではないでしょうか。
それでもANAは比較的業績がいいので何とかなるでしょうが、JALは大変です。
業績が悪い上にドル箱の欧州期間路線に手を突っ込まれて顧客をもぎ取られるのですから。しかも人件費もスカイマークの方が圧倒的に低い。
ただ、JALにとって利益となるのはスカイマークがJALの退職者を雇用してくれるのことでしょう。市場は奪われるけども、辞める人間を引き取ってくれる。痛し痒しでしょう。
この傾向が続けば、税金まで投入したJALの再建は極めて困難になるでしょう。
本来JALなんぞというヤクザな会社に公的資金を突っ込むべきではありませんでした。中の人達はどうせウチは潰れっこない、やばくなったら政府が面倒見るんだ思っていたわけですから、再建なんてできません。
JALは潰しておけば、それの機材や人間はスカマークや他の新興エアラインがを「格安」で引き取ったでしょう。
JAL倒産による連鎖倒産が不安ならJALの取引先に融資の面倒を見ればいいだけの話です。
スカイマーク 日航退職者採用
http://www.nhk.or.jp/news/html/20101202/t10015586671000.html
WEBRONZAで以下の記事を掲載しております。
武器禁輸緩和(1)国際共同開発の前に国内共同開発を
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2010120300007.html
文民統制の根幹を知らない日本の政治家
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2010120200006.html
これからは中型機の時代だ、というのでしょうが、このような大型機が不要になるわけじゃありません。常に満席状態の基幹路線では尚更です。
世界の航空需要は膨らみますし、より多くの旅客と貨物を安価に運ぶ需要があるはずです。60年代に登場したジャンボはいくら近代化するにしてもこの先数十年も生産が続く訳じゃないですし。
さてスカイマークがA380を導入して、欧州路線に乗り出すというのはさすがに驚きました。
ですが欧州路線は常に満席状態です。業界大手のHISの営業力を持ってすれば、席を埋めるのはさほど大変ではないでしょう。
既にエールフランスやルフトハンザは東京便にA380を導入していますが、スカイマークの進出するらしいロンドン便ではA380を導入しているところはありません。そこを狙ったのでしょうか。
剣呑なのはANA、とJALです。777や既存の747などと比べてA380の方が旅客輸送コストは低いわけですから収益ではかなわないでしょう。
しかもA380には目新しさもあるし、エンジン音が低く静かなので既存機とどちらを選ぶと言われれば、A380を選択する乗客は少なくないのではないでしょうか。
それでもANAは比較的業績がいいので何とかなるでしょうが、JALは大変です。
業績が悪い上にドル箱の欧州期間路線に手を突っ込まれて顧客をもぎ取られるのですから。しかも人件費もスカイマークの方が圧倒的に低い。
ただ、JALにとって利益となるのはスカイマークがJALの退職者を雇用してくれるのことでしょう。市場は奪われるけども、辞める人間を引き取ってくれる。痛し痒しでしょう。
この傾向が続けば、税金まで投入したJALの再建は極めて困難になるでしょう。
本来JALなんぞというヤクザな会社に公的資金を突っ込むべきではありませんでした。中の人達はどうせウチは潰れっこない、やばくなったら政府が面倒見るんだ思っていたわけですから、再建なんてできません。
JALは潰しておけば、それの機材や人間はスカマークや他の新興エアラインがを「格安」で引き取ったでしょう。
JAL倒産による連鎖倒産が不安ならJALの取引先に融資の面倒を見ればいいだけの話です。
スカイマーク 日航退職者採用
http://www.nhk.or.jp/news/html/20101202/t10015586671000.html
WEBRONZAで以下の記事を掲載しております。
武器禁輸緩和(1)国際共同開発の前に国内共同開発を
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2010120300007.html
文民統制の根幹を知らない日本の政治家
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2010120200006.html
この記事へのコメント
新興エアライン/LCCは、機材繰りがタイトだったり他社便への振り替えができないなど、トラブった場合どうにもなりません。そうなるとビジネス客には敬遠されますから、観光客が主体になると思います。観光客は季節による波動が大きいですから、A380しかないSkyは苦戦するのではないでしょうか。
今回、スカイマークの発表を見ると、ビジネス客を主体にするようなことを言っています。となると、どこのアライアンスにも入っていないスカイマークの場合、よほど値段を下げない限り、ビジネスでの利用者は獲得できないような気がします。
いくらHISとは言え、A380クラスの機体を毎日、満席に近い状態で運行するほど、お客さまを集められるでしょうかね。
個人的には、ハワイ線当たりを格安で運行すれば、値段によっては新しい需要を掘り起こすことも可能なような気がしています。
後は、整備などのコストもかかるでしょうから、その当たりをどうするのか、興味はあります。
その頃海外で日本の航空会社はJALしかなく、両親につれられ、知人の出迎え/見送り等で行く空港でJAL機を見ると故国への繋がりを子供心に感じていました。
日本に帰る時もJALに乗った瞬間、まわりは皆日本語で、ああ!日本に帰るんだな!とうれしくなったのも覚えています。だから今のJALの有様には個人的にはとても寂しい気がします。でも一企業に税金をつぎ込むという特別扱いを、自覚しているとは思えない彼らは市場から退場すべきでしょう。