FT合成燃料の将来性

 4月24日付けのJane's Defence Weekly に「International interest grows in US-led alternative fuel push」という記事が掲載されています。

米空軍は既にFT法による合成燃料をJP-8と半々のブレンドで輸送機など使用を始めています。現在その利用を戦闘機になどにも拡大する予定です。現在の所、アフターバーナー使用時などに問題がないかなど試験をしております。
 で、この記事によると英国、フランス、及びカナダの空軍もこれに一口乗るらしい。来月にはパリでこのメンバーによる会議がもたれるということが書いてあります。

 どこの空軍もケロシンの高騰には頭を悩ませています。
 また石油はなんだかんだ言ってもその多くを中東に依存していますから、安全保障上からも石油由来以外の燃料があるにこしたことはないわけです。
 米国防省は合成燃料の使用を民間のエアラインにも呼びかけていますが、NATO諸国の空軍が合成燃料に使用に踏み切るとエアラインの合成燃料採用に弾みがつくでしょう。
 
 FT法による合成燃料の利点はケロシンに比べて若干二酸化炭素の排出量が少ないこと、それから排気には大気汚染の原因となる成分が少ないことが挙げられます。つまり環境負荷が少ない。
 
 航空燃料として普及すればこの合成燃料はディーゼルエンジンでもされるでしょう。即ち軍用車輛にも転用されるでしょう。となれば勿論民間のトラックや乗用車などにも利用が広がるでしょう。

 ディーゼル車は燃費がいいわけですが、排気ガスに含まれるNoxなどが大気汚染の原因として日本では乗用車のエンジンとしては人気がありません。
 また排ガスの有害物質の除去ためのフィルターを付けたりする必要があり、これにはコストがかかります。仮に完全にFT法による合成燃料に切替られれば、ディーゼルは非常にクリーンなエンジンとなり、除去のためのフィルターも必要無くなります。

 FT燃料のいいところはエンジンを殆ど改造する必要がないことです。バイオエタノールではそうはいきません(バイオエタノールを原料にFT燃料を生成することはできますが)。
 またずいぶん前にこのブログで予想したとおり、現在トウモロコシなど食い物を燃やして燃料にすることが穀物相場を上げ、途上国に深刻な問題を与えていると非難が大きくなっています。
 今後食品のバイオマスにするということは何らかの制限も加えられる可能性もあるでしょう。

 そんなわけで、ぼくは石油の代用燃料としては天然ガスや石炭などを原料としたFT燃料がもっとも有望ではないかと思っています。
 防衛省もFT燃料の実用化に向けて研究を進めるべきだと思います。

 FT燃料の普及によって原油の値段が下がるかも知れません。ですがその分投機マネーが流れ込んで石炭や天然ガ値段が上がる可能性もあります。資源問題は世界の金余り問題です。お金はあるところにはある物なんですねえ・・・・


 
  関連過去ログ

  米軍が合成燃料の開発を推進
  http://tb.bblog.biglobe.ne.jp/ap/tb/8b88e5ca1a

  自衛隊とFT合成燃料
  http://tb.bblog.biglobe.ne.jp/ap/tb/4f09e8ab9d

 

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この記事へのコメント

マタンゴ
2008年05月31日 13:38
石油の代替は、
天然ガス及び天然ガス由来の合成液体燃料が論理的帰結ですね。
ななし
2008年06月12日 00:56
結局化石燃料を燃やすんなら、温暖化対策としては何も意味がない。
環境負荷という局所的な問題の解決だけでは将来性は明るくない

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