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zoom RSS 哨戒機 マレーシアに無償供与?気前がいいことで。

<<   作成日時 : 2017/05/05 14:07   >>

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哨戒機 マレーシアに無償供与へ 政府、中国をけん制
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS02H63_U7A500C1MM8000/

>政府は海上自衛隊のP3C哨戒機のうち、使わなくなった中古品をマレーシアに無償で供与する方針だ。発展途上国に防衛装備品を無償供与できるようにする法改正後に実施する。南シナ海での同国の監視能力の向上を後押しし、海洋進出する中国をけん制する狙いだ。

>政府は中国への装備品や関連技術の流出を危惧しており、そうした懸念も審査する。P3Cの開発元が米企業のため、米政府が定める国際武器取引規則(ITAR)に基づく承認も得る予定だ。



この記事だけを読むと、随分とナイーブな感じをうけます。
ただでくれてやるなんて気前が良すぎます。

むしろ、第三国のメーカーとかをかませた近代化とサポートシステムを構築すべきです。

現在のP-3Cのまま再整備しても長期の使用には耐えられません。また整備コストもかかります。
であれば近代化改修を行う必要があります。

主翼を新品に交換すればほぼ新造機と同じ飛行時間を確保できます。
これは日本飛行機にやらせばいい。実際に米軍のP-3Cの機体のこのような近代化はやった実績があります。
そうすれば日本のメーカーにカネが落ちます。

コックピット廻りやエンジンは換装しないと、維持費がかかりすぎますから、これは換装する。
コクピットをデジタル化すれば維持費が下がるだけで無く、重量も軽減するので燃費もよくなります。
エンジンを換装すれば当然燃費も維持費も安くなります。また飛行速度が増大したり、航続距離も延長できるなどのメリットも期待できます。

これらとミッションシステムの更新はエアバスとかロッキードマーティンとか丸投げすれば宜しい。
日本製を使うと機密だなんだとうるさいでしょう。外国製ならば中国に情報が渡っても知ったことじゃないし、
外国メーカーも独自に技術流出の対策を取るでしょう。

これはマレーシアと相談して、決めれば宜しい。

そしてオーバーホールは日本飛行機が担当し、運用や整備の指導などは退職した自衛官を雇用した新会社を設立して、そこが請け負えば、我が国にカネが落ちるし、自衛官の再就職先の確保にもなるでしょう。

実は同じような相談を某国駐在武官からも相談を受けたことがあります。マレーシアだけでなく、他の国、例えばベトナムとかその他の国に提案すれば宜しい。運用している機体は60機ほどですが、遊んでいる機体もあるので、また70機ほどは機体が残っているはずです。

これを商売にして、自衛官の再雇用にもつなげるビジネスモデルを構築すべきです。ほぼ新品同様、新しいミッションシステムを搭載すれば長年にわたって、我が国に整備、維持の仕事が転がり込んできます。

その場合、利益の一部は防衛費に繰り込んでもいいでしょう。
更に申せば、P-1の調達機数を減らして、そのようなP-3C近代化機を採用するという選択もあるでしょう。ミリタリーマニアな人たちは国産新兵器大好きですが、コストということには極めて無頓着です。どうしても予算という概念が理解できず、新品がいいのだと言い張ります。まあ、自衛隊も似たようなものではあるのですが、プロがこれでは困ります。
ですがP-1の維持費用は極めて高く、このままで調達数を大幅に減らされる可能性もあります。であれば、併用も一つの選択です。無論、二機種の併用によるコストや兵站の負担も勘案する必要がありますが、検討すべきだと思います。


こういうスキームを防衛省、特に装備庁と経産省あたりが組んで作るべきだと思います。そうすれば他の装備に関しても同様のビジネスが可能となります。
英国とは南アフリカなど多くの国では国防省に軍払い下げを担当する部署があります。それこそ軍艦から軍服まで販売しておりますが、そういう組織を防衛省内につくる、例えば装備庁の下部組織として作り、商社などの人間を招いて商売してはどうでしょうか。



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コメント(9件)

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>>ミリタリーマニアな人たちは国産新兵器大好きですが

あれですね。新兵器を有り難がってるうちは素人ですね。
使い込んだ品に手を入れて息を吹き込むのが通なのです。
きらきら星
2017/05/05 14:30
他国に中古装備を供与するのは別に構わないと思いますが、かなり使い込んでいると言われる自衛隊装備を引き取ってくれるんですかね?
防衛省がマレーシア側とそこまでのパイプを構築できていたとは驚きですが・・・
八王子の白豚
2017/05/05 17:34
此れまで高値で売れる物を税金使ってスクラップにしてましたから、少しはマシになりました。
これを期に陸海空自衛隊で不要となった武器を含めた不要品を中古で売却するのか、博物館に寄贈するのか、標的にするのか国会で与野党が議論されるといいですね。
Masaya Hariu
2017/05/06 04:21
やはり新型導入!と聞くと、つい興奮してしまいますorz それはそうと、装備庁や経産省が組んで中古装備の払い下げや売却を手掛ける組織や仕組みを立ち上げるのは、たいへん良いアイデアだと思います。願わくは、「人殺しの道具を売るだなんて!( ・`д・´)」などとメディアや野党が横やりを入れないで欲しいですが(今回の件に関して、共産党や社民党辺りから抗議は無かったのでしょうか?)。



>巡航ミサイル導入を本格検討

http://jp.mobile.reuters.com/article/idJP2017050501001568

先日のイージス・アショア導入の件もですが、そこまでして米帝様に貢ぎたがるアレ総理って、アメリカ側に何か弱味でも握られているのか?と勘繰りたくなるのですが。何も巡航ミサイルを手掛けているのはアメリカだけじゃないでしょうに。
KU
2017/05/06 07:22
タダでくれてやるのはいくらなんでも気前がよすぎませんか?

中古品とはいえp-3哨戒機はどの国でもまだまだ第一線で現役です。

これってなんか戦略とか利益とか考えてのことなんでしょうか。
それとも武器を気前よくくれる"大国"を気取りたいのならやめてほしいものです。
大卒無職
2017/05/06 22:38
お邪魔します。
 マレーシアは北朝鮮に対してビザなし入国を認めていましたが、その北朝鮮に金正男殺害事件を起こされたばかりかそれを有耶無耶にされました(ミャンマーのように断交もせず?)。人を思い通りに動かすには「飴と鞭」が必要で、その二つを比べれば短期的には「鞭」が強いです(生物の自己防衛本能ゆえ?)。フィリピンとかもそうかも知れませんが、日本が「飴」を大盤振る舞いしても、中国や北朝鮮が「鞭」を振るえば、あるいはそれをちらつかせれば、日本よりも中国や北朝鮮の方につくのではないかと思われます。
ブロガー(志望)
2017/05/07 21:41
たとえ些少でも対価は絶対に必要。
対価を伴わないやり取りは、与えた側は奢り、得た側は扱いが雑になり、要求は際限なく続く。そして、それが得られなければ不満は募り恨みとなる。

自分で金を稼げば、この程度のことは分かりそうなものですが、税金が降ってくるお役人には理解不能かもしれません。

しかし、タダで整備した最悪の結果が中韓ということを我々は忘れてはならないと思います。
知り合いの自営館
2017/05/11 12:34
フィリピンの場合は有償貸与であり、
実は売却したのではなく貸付扱いなんですよね。
なんでこんなめんどくさいことになったかと言えば
国有財産について財政法9条は
「法律に基づく場合を除き「適正な対価」で譲渡や貸し付けを行う」よう
規定しているからと指摘されています。
財政法9条の改正も検討されているようですが、
マレーシアへの無償供与も
法改正を前提にしているのかも知れません。
台湾におやしお型潜水艦を
中古として売るのはどうだろうかと思いましたが、
蔡英文政権誕生以降、
台湾は国産潜水艦の開発に舵を切っています。
それでも日台共同開発という形により
ビジネスチャンスになるのではと思います。
無論、ブラックボックス化や提供技術の制限でリスクを抑えます。
中国が激おこになるのは当然ですが、
日本の国防戦略としては
中国の台湾占領に伴う太平洋進出を阻害できます。
太平洋に抜けて東京湾まで中国の潜水艦が来ると面倒ですからね。
それに台湾の潜水艦新規取得は
南シナ海で活動する中国の潜水艦を
監視してもらうこともできます。
名無し
2017/05/17 21:46
>先日のイージス・アショア導入の件もですが、
横レス失礼。
国産率を高めると有事の際、
部品共通率が低下するので弊害も発生します。
電子システムのデータ共有も難しくなります。
それでも総論としてはイージスアショアが不適切なのは同感です。
イージスアショアはSM-3を運用しますが、
ディプレスト軌道で発射される
弾道ミサイルには対応できないか格段に難しくなります。
本来はディプレスト軌道に対応するTHAADを導入すべきですが、
コストや艦隊防空ばかりが強調され、
ディプレスト軌道に対する脅威が無視されています。
コストの為にディプレスト軌道の脅威に対する
防御手段が犠牲になっています。
日本もTHAADを導入すべきでしょう。
名無し
2017/05/17 21:56

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