清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所 

アクセスカウンタ

zoom RSS カールグスタフ無反動砲はM4輸入がお得。

<<   作成日時 : 2017/05/29 14:59   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 9 / トラックバック 0 / コメント 6

サーブ、カールグスタフ無反動砲のメディアブリーフィングを開催
http://www.tokyo-dar.com/news/2776/

先日のサーブ社のカールグスタフのブリーフィングに参加してきました。
色々と面白いお話が聞けました。

不思議なことに、陸自はM4が出る直前に現用のM2の後継としてM3の導入を決めました。
M4の開発はかなり前から知られており、それを陸自が知らなかったのでしょうか。他の軍隊ならばあり得ないですが、情報に無関心な自衛隊ではあり得る話です。

本来M4のリリースがなされてから、比較してどちらかを導入するか決めればいいものを、M4リリース前を狙ったかのようなM3の導入決定でした。

何か大人の事情、豊和工業でのライセンス生産をねらっているなどの魂胆があったのではないでしょうか。
邪推すれば、M3ならば豊和工業でもM2同様、ライセンス国産国できるだろうが、チタンやカーボンを多用し、電子部品も多いM4だとお手上げ、あるいは設備投資がかかりコストが馬鹿高くなる可能性がある。だからM3の導入を決定したとか。

M4はM3の約1.5倍の値段とのことでした(サイト抜き)。
だからM3は普及品、M4は特殊部隊など向けと報じられることもあるのですが、先日聞いた話では、まずは特殊部隊などで導入され、それから一般部隊への普及を狙っているようです。近年はそのようにして普及する装備も増えています。

M4は軽いだけはなく、インターフェイスも装備されて各種火器管制装置付のサイトも使用できます。このため射撃精度、特に夜間の射撃精度は格段に向上します。これは対中国軍、ゲリコマ対処、あるいは将来のPKOなどにも有用でしょう。RPGに対する技術的な優位性を確保する必要があります。

お値段にしても、実はリーズナブルです。
M4は射撃弾数のカウンターが装備されています。このため砲身寿命1000発まで無駄なく使えます。大してM3以前のモデルだと、射撃弾数の管理は難しく、砲身寿命が尽きる遙か前に廃棄されることが多いそうです。例えばM3を600発ぐらいで廃棄するとコストはあまり変わらなくなります。

仮にM3を豊和工業でもライセンス生産する予定であれば、これまでの例を見る限り値段は3倍以上にはなるでしょう。であれば、輸入のM4の方が、お値段でも性能でもお得、ということになります。

ついでに言うと、特殊部隊はともかく、エリート部隊例えば空挺団、水陸両用機動団などをM4、一般部隊をM3にすると国産に必要な生産数を確保できない。本来M4がエリート部隊には有用であっても、国産することを優先するために全部の部隊でM3を使用するのであれば問題です。戦うことよりも、調達という手段が目的化することになります。でも、そういうことを考えるのが市ヶ谷の組織です。

また、きちんと調達計画を立てて、必要数をいつまでに、という計画を立てて、相応のペースで調達すれば輸入品にしても単価は大きく下がります。軍隊の調達ををメーカーと問屋レベルの取引に例えるならば、自衛隊はメーカーと個人消費者レベルの取引が多いわけです。正直いい加減にしてくれ、というのが、外国のメーカーの本音でしょう。
ところが市ヶ谷の人たちが自分たちの調達が如何に非常識だか分かっていない。ですからOH-1の欧州サプライヤーから調達を切られてしまったわけです。
ですが、未だにその反省がない。調達はもっと合理化し、残すべき国産は取捨選択し、リソースを集中すべきです。全部大事、という官僚的な言い草では本来守るべきである国産品も生産できなるなるでしょう。
すべてを得ようとするものはすべてを失うことになります。





コンバットマガジン7月号で、ガールズバンド、キノコホテルのリーダーマアンヌ東雲姐さんのグラビア&インタビュー記事が掲載されております。企画&インタビューはぼくが担当しました。


コンバットマガジン 2017年 07 月号 [雑誌]
ワールド・フオト・プレス
2017-05-27

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by コンバットマガジン 2017年 07 月号 [雑誌] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



画像






テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 9
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス ナイス ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
お邪魔します。
 ライセンス生産でお仲間企業にお金を落とすために敢えて「型落ち」にしたのではないかと思われます。開発元も元を取らねばならないので、最新型のライセンス生産は難しいと踏んで。一般消費者であれば「敢えて型落ちにする」のは「同レベルならより安価、同価格ならワンランク上」を求めての事でしょうが。

「日本の国防・安全保障はアメリカの胸三寸だから、日本が真っ当な努力をしようがしまいが関係は無い」というある種の”虚無主義”なのでしょうが、「達観」までは出来ないので、不安等に駆られて思い付きで高額兵器を買ったりするのかも知れません。
ブロガー(志望)
2017/05/30 23:19
キーボードのカーキ服の女性はなんなのでしょうか?


単なる趣味なのかも
aaa
2017/05/31 00:41
カールグスタフM4ですか、かなり軽量化されて性能も上々らしいですね。
M3も悪くないですが、M2と比べて半分の重さで性能も勝るこちらを何故採用しなかったのかは不思議ですね。
有事の調達性を考慮すべきという意見もありますが、本当に有事になった時に大量に備蓄してあるものを使うのとメーカーに依頼して生産のピッチを上げて納品してもらうのとどっちが即応性高くなるでしょうか?
自衛隊の調達、特に陸自の装備は万事このパターンが多いですね。
八王子の白豚
2017/05/31 01:46
やはりというか、完成品を輸入にしちゃうと、いろいろと困る方々が出てくるのでしょうね、いろいろとorz ところで輸出入の話というと↓

>救難飛行艇輸出が暗礁 インドの熱意冷め頓挫の恐れ 解禁から3年、実績ゼロ

http://www.sankei.com/smp/politics/news/170531/plt1705310005-s1.html

未だに売れると本気で思っていたんですね...。
KU
2017/05/31 08:14
>aaaさん
別記事で取り上げられていた、キノコホテルのマリアンヌ東雲さんでしょう。清谷さんのお気に入りだとか。

カールグスタフ……確かにM4を入れずにM3を導入したのは先走りでしたでしょうが、他の諸々の装備と比べれば、まだ許容範囲内と言えるのではないでしょうか。
一読者
2017/06/03 00:20
面白い意見を聞きました日本の会社拘るなら。ライセンスじゃなくOEM供給にしたら、どうなるか?カール輸入して豊和の刻印だけ打ち込んで高性能多目的ランチャー。HK-417とかFN-SCARだって別にミネベアのブランド名でも良いと。生産国だって原産国でなくても良い。どっかライセンス生産してる国に相乗りしたって良い。会社も生産ラインを抱えるリスクを考えたら気楽かもしれない(笑)

電子装備品は色んなこと考えないといけないけど。歩兵火器なんてのは余りそう言うのがない。
トンネル
2017/06/04 14:51

コメントする help

ニックネーム
本 文
カールグスタフ無反動砲はM4輸入がお得。 清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所 /BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる