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zoom RSS 安倍首相のモチベーションは名誉欲のみじゃないのかね? 

<<   作成日時 : 2015/09/20 04:40   >>

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 さて、国会で安保法制関連法案が通りました。

 あれだけデモが起きるのは意外でした。彼らの主張は幼稚だし、全く同意はしないのだけと、政治的な危機意識をもって自ら行動を起こしたことは評価すべきだと思います。自宅のPCやスマホで匿名で「愛国の念」を旗印にして人の悪口や誹謗中傷に始終して、テメエは偉いと思いこんでいる連中よりは遥かにましです。
 何かをした人間は、何もしない人間よりもあとになって得るものがあると思います。その昔デモに参加した団塊の世代だってそうでしょう。デモに参加した連中がみんな未だにプロ市民やっているわけじゃない。

 自民党や法案支持する人たちが「現実的」というとそれも違うでしょう。勝手に自衛隊=軍隊という幻想を信じて、法案さえ通れば他国の軍隊宜しく自衛隊はあれこれできると思い込んでいる。
 ところが私めが常々指摘してきたように自衛隊ゆえの平和ボケなことは色々あるわけです。
 現状法規制やその他の規制で自衛隊は軍隊のように活動できないし、またその前提で来ているので、軍隊のように考えるとができない。纏足した女性にマラソンやれ、みたいなものです。

 今月の軍事研究の第20代空幕長の手記にもE-2を買っても、持っている10以上のチャンネルで、法規制で使えるのは1、2チャンネルだけ。これでまともなECMなんぞできない、と書いております(P155)。

 こういう規制は一つづつ、法律を改正したり、役所の規制を外したりする地道な努力が必要です。それには今回のような大騒ぎをする必要もありません。憲法解釈を変える必要もない。法律を変えるにしても、端的に申せば「自衛隊は除く」と付け加えればよろしいだけです。

 それはすぐれて政治家がやるべき仕事です。
 
 それを果たして政治家、特に安倍首相がやってきたのか。小泉内閣時代は国民保護法、有事法でかなりは変わりましたがまだ不十分です。ぼくは小泉氏を評価するのはまさにここに手をつけたからです。ですが、その後の内閣、特に第一次、そして今回の安倍内閣でそれに手をつけたでしょうか。

 これらの自衛隊をめぐる規制の撤廃は本来一番ベースの土台となるべきものです。銃で敵を撃ったら殺人罪に問われるとか、撤退に高速道路を使えないとか、衛生兵が投薬も注射もできないとか、馬鹿な規制がいくらでもあります。
 このような問題を政治に知らせるもの自衛隊、防衛省の仕事なはずです。ところがそんなことはせずに規制の中で怠惰に(主観的には一生懸命なのでしょうが)過ごしています。波風をてるよりは楽ですから。ところがそれをやっていてると、それが常識となり、軍事の常識から取り残されます。


 また海外に自衛隊を送るにしても、まともな情報機関がなく、どうやって派遣が必要かどうかの情報を収集し、また分析するんでしょうか。それがなければ米帝からお前も付き合えよ、と恫喝説得された時に、勇気を持って、エビデンスをもって断れるのでしょうかね。



 本来これらを解消し、地ならしをしたうえで、今回のような法制定を行うべきでした。

 ところが安倍首相はそのような「地味な仕事」には興味がなかったのでしょう。ひたすら歴史に名を残すような、爺さんを超えるような大宰相になりたかった。
 でもそれが政治家として優れていることでしょうかね。現実を無視して自分の名誉欲だけを追っておるだけじゃないでしょうか。

 一将成って万骨枯れる、になるんじゃないでしょうか。今回の法制定で首相個人の名誉欲は満たされたのでしょうが、失うものが多くなると思います。勲章亡者の経団連の経営者OBと同じレベルでしょう。ですが、国政に与える影響は遥かに甚大です。

 育ちはいいが、頭が悪い坊っちゃんの夢想に、全国民が振り回されているんじゃないでしょうか。昔見た映画「戦争のはらわた」にでてきた、勲章ほしい病で部下に無理な戦闘を強要するとっちゃん坊や将校と安倍首相がダブって見えるのは気のせいでしょうか。

 自分の名誉欲のために国民や「国軍」を使い捨ての道具にするような利己的な男を、「大宰相」なんて歴史は評価しないでしょう。またそうさせてはいけないと思います。


東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
エアバスは、なぜ日本政府に激怒しているのか
不透明すぎる日本の防衛調達の問題点
http://toyokeizai.net/articles/-/84639

東京防衛航空宇宙時評で軍事見本市、DSEIのレポートを掲載しています。
 http://www.tokyo-dar.com/

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
野党はただ反対ではなく、先にやるべき法整備があると主張するべきでした。
仏作って魂入れず。
政治家達に防衛出動をかける覚悟が無いまま、現場に委ねる責任と判断だけを拡大して行く。
後方支援をたかが輸送任務じゃないかと、騒ぎを馬鹿にする支持者の多い事。
前線から離れた地域での通商破壊作戦は、戦争の基本中の基本だと思うのですが。
相手国が潜水艦を持っていれば、当然やるでしょう。
支援しているだけだと言う理屈は通用しません。
軍への支援は戦争参加と同じなのです。
同盟国の危機を支援する事が悪いのではなく、
後の始末を考えていない事に問題がある。
政府はこれまでの派遣では損害は出していないと主張していますが、実際はちょっと違う。
起こらないはずの戦闘が起きて、隠しようが無い損害が出た時、
政府は相手国とどう交渉し、どう決断し、どう国民に話すのか。
政府からも支持者からも、残念ながら浅い考えしか見えて来ない。
結局、法律作っただけで満足して、次の選挙までは経済一本に集中するつもりでしょう。
張子の虎にウンザリ
2015/09/20 10:50
正直言ってデモをやってる若者にも反対を叫んでいる野党にも吐き気がするくらいの嫌悪感を感じています。
感情だけで戦争反対を叫んでいれば戦争が回避できるなんて本気で信じているならまさに「脳味噌お花畑」ですね。
「火の出る装備」だけ揃ってれば戦争ができると思ってる幕のお偉いさんと同類です。
八王子の白豚
2015/09/21 16:06
知行一致!吉田松陰の名言です。知識があっても行動しなければ知識は宝の持ち腐れです。
私は安保法案についてデモには参加しませんでした。弁護士会主催の安保法案の勉強会に参加し、 元幹部自衛官として 兵站活動、軍事的合理性について講演しました。弁護士先生から自分を○○先生と呼ばれるのは意外でした。弁護士は法律の専門家であって、軍事の専門家ではありませんから。
また、あるジャーナリストから後方地域のリスク、兵站活動での戦闘の可能性についてセカンドオピニオンを求められました。以上が私が行動したことでした。 私は勉強会に参加した方々や取材を求められたジャーナリストに今回の安保法案を比喩すると 中学生が高校受験もせず、大学受験に挑むものだ! 田舎の弱小運動部が地区大会も経ず、全国の強豪校に試合を挑むもの!
国内でまともに戦えないのに海外で戦うなんて狂気の沙汰です。
元キャプテン
2015/09/21 20:16
安倍首相の大罪は、自衛隊の幹部に責任逃れの口実を与えたことです。この法律によって不十分な装備しか与えられていない自衛隊員は犬死にするでしょう。その時自衛隊の幹部は安倍首相の責任にするか、殉職者を英霊にするでしょう。必要な装備調達を怠ってきた自衛隊幹部は責任を逃れられます。
BNSF
2015/09/21 20:36
民主党はアレな首相以上にアレでしたね(笑)自分の固定客向けのパフォーマンスに終始して、次の選挙は労組議員以外は消滅でしょう。民主党は、勝てる機会がありながら見送りました。憲法改正発議に応じるから国民投票にかけよう(自公は案を出さなかったでしょう)、と言っていれば今回のような反対の仕方でも説得力は失わなかったろうし、国民投票となってもスコットランドや大阪のようにネガキャンする方が勝っています。民主は第二社民党に転落ですね、国会包囲デモなんぞ一般国民はドン引きです。
マリンロイヤル
2015/09/22 08:02
お邪魔します。
 自分は「中国や北朝鮮に攻められた際にアメリカ様が助けてくれないかもしれないという"不安"」ではないかと思います。「脅威という"事実"に"対処する"」のではなく「"不安"から"逃れる"」ために「ここまですればアメリカ様は守ってくださるに違いない」と"思い込む"ためにやっているわけですから、実際の有事への対処にならないのはある意味当然な事です(自分達が戦うという事は想定外?)。この件を巡る日本国内のバトルは「戦争になる、加害者になるという"不安"」と「中国・北朝鮮に攻められる、アメリカ様が守ってくれないという"不安"」の「お前が折れろ」バトルと言うわけで。その根幹にあるのは「心情>>>>>事実という日本人の特質」ではないかと思います。
ブロガー(志望)
2015/09/22 09:41

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