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zoom RSS 防衛産業というリスク

<<   作成日時 : 2014/06/24 15:38   >>

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川重社長らを株主提訴=官製談合の損害46億円請求―神戸地裁
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140623-00000042-jij-soci

 同様な訴訟は東芝、富士重工、住友重機とか防衛調達関連のスキャンダルを起した会社の経営者は皆起こされる可能性があります。

 そろそろ経営者の皆さんは、自社の防衛部門に関してまともに考えるべきじゃないですか。
 
 大体が大手メーカーの防衛部門の売上は数パーセント、コマツなんぞもちょっと前までは300億以上あったのが今じゃ250億を切っているそうです。

 

 つまり本業ではない。しかも自社のHPに防衛関連のビジネスの情報を載せずに隠しているような企業も多いわけで、自分たちも卑しい、あるいは後ろめたい商売をしていると思っているのでしょう。

 武器禁輸が解禁されても自社の防衛部門を拡大しようという会社は少数派でしょう。

 売り上げ的にはあってもなくてもいいけど、お上相手だからとりっぱグレがない(それも最近変わってきましたが)。会社にとっては空気みたいに無視できる存在です。

 ところが、経営陣は今回のように不祥事の始末を取られさる可能性があります。しかも負ければ家屋敷から退職金まで召し上げられます。

 まともに考えれば、本業とのシナジー効果の薄い、しかも将来の成長性があるわけでもない。

 そして多くの場合、同じ分野に数社が存在し、それぞれの縄張りをもっており、競争もない。売上は確保されても、ぞれぞれの売上が少ない。
 当然設備投資もR&Dも満足にできない。それでまともな装備が作れる可能性は低い。

 当然ながら、値段は他国の何倍も高い。

 だけど、経営者たちは事業の売却とか、統合とかを考えない。

 自分の代で防衛部門に手を付けるとOBとか役所がうるさいことを言っているからでしょう。
 改革は自分の代ではやらず、次の世代の経営者に押し付ける。つまりは問題先送り。経営者としての自覚がない。防衛部門を盛り立てていくきもない。
 やがては売上減少でビジネスとしての採用規模を割り込み、採算割れになってなし崩し的に撤退か廃業。そうなればその分野の技術は失われます。

 つまりいい加減な気持ちでの防衛産業部門の維持は、自社の資源の浪費だけではなく、納税者、国に迷惑をかける半社会的な行為です。
 ところが多くの経営者はそのような自覚がありません。


 ですが、こういう無責任なことをやっていると、ある日突然訴訟を起こされて、身ぐるみを剥がれる可能性があるわけです。
 そのことを、防衛部門を抱えているという重みをもっと経営者は自覚すべきです。






 新しい防衛航空宇宙専門サイトを始めました。
「東京防衛航空宇宙時評・Tokyo Defence & Aerospace Review」

http://www.tokyo-dar.com/

strong>NEXT MEDIA "Japan In-Depth"[ジャパン・インデプス]に以下の記事を寄稿しております。
NEW<海上自衛隊のシーレーン防衛はフィクション>日本には戦時に守る対象となる自国の商船隊が存在しない
http://japan-indepth.jp/?p=6994

<バーバリーと三陽商会>ファッション業界「ライセンスビジネス」の怪
http://japan-indepth.jp/?p=6198
<防衛産業も営利企業>政府は防衛産業の持続可能な利益確保の必要性を国民に説明すべき
http://japan-indepth.jp/?p=5052

<武器禁輸緩和>安倍政権は「防衛装備生産基盤の危機回避」という本意を国民に説明せよ
http://japan-indepth.jp/?p=5014

<200億円の海自P-1哨戒機>性能も怪しい高コスト機の開発ではなく現有機の近代化を
http://japan-indepth.jp/?p=4818

朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しました
NEW国連加盟は憲法違反である
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014061900005.html?iref=webronza

国益のために国内ヘリ産業を潰すべきだ
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014051200007.html?iref=webronza

ロシアとウクライナが簡単に刀を抜けない理由
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014041500002.html

知られざる日本発のクールジャパン的ヒット商品「エア・ソフト・ガン」はなぜ市場を失いつつあるのか?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014032400011.html






 



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コメント(4件)

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清谷様

パリでの取材、今回は色々と新しい情報をご提供いただき、ありがとうございました。

清谷様も会社を経営されているので、十分ご承知の上で、書かれているのだと思いますが、株主代表訴訟を起こされても、経営幹部は有限責任ですから、身ぐるみ剥がされることはないですよね。

ただ、防衛産業にかかわらず日本はオーバーカンパニー状態なので、やはり整理が必要かと思います。

防衛産業の場合、大人の事情が絡んでいそうですから、余計に本来のリストラは難しいのでしょうね。
ブリンデン
2014/06/25 16:51
防衛産業は、工場がある地域にとって必要不可欠な存在である為
企業が撤退すると言ったら住民の猛反発を受けます。
当然、市長や議員も有権者の意思により企業に圧力を掛けるので
会社経営陣は渋々続けるしかないのです。

元が税金だけに「地域の雇用を守る」という大義名分には逆らえないと思います。
萌え人
2014/06/28 08:22
当時、UH-X部門が属していた航空宇宙カンパニーのトップがM氏でしたが、
UH-Xの不正行為が明るみになった頃、
M造船合併に伴う社内の造反でM氏は社長に就任しました。
社会的な常識で言えば不正を犯した部門の監督責任が問われるのは当然ですが、
そうした総括もなしに昇格したのは
当時は信じがたい光景でした。
該当企業に関係する某従業員はコンプライアンスは高いと主張していますが、
このような人事では信用できません。
自浄作用が働いていないと思われても仕方がありません。
そればかりかE社と組み、
UH-Xのやり直しで再び関与する非常識な姿勢は不快でしかありませんでした。
防衛省が間接的にでも関与を認めるようであれば、
防衛省自身の腐敗体質まで改善されていないと疑われかねません。
このような不正行為は容疑が確定した関係者全員を内乱幇助罪等で起訴して
死刑に処すべきだと思います。
そうでもしなければ防衛産業の風紀や
官僚の不正は是正できないのではないでしょうか。
名無し
2014/06/30 19:33
冷静に考えるとそれを維持しているのは組織としてリスキーだけど、付き合いや慣習で切れないって話はよくありますよね。
日本社会では珍しい光景ではありませんが、欧米諸国ではどうなんでしょうか?
まあ、あちらは兵器産業が商売として成立してるからこんな問題起きないんでしょうけどね・・・
八王子の白豚
2014/07/05 20:05

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