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zoom RSS 「憲法9条は集団的自衛権行使を禁じていない」多分そうだろうけど、政治にその能力は?

<<   作成日時 : 2014/05/12 16:27   >>

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政府の有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」がまとめた報告書の全容が8日、明らかになった。憲法解釈について「憲法第9条は集団的自衛権の行使や国連の集団安全保障への参加を禁ずるものではない」と明記。集団的自衛権の行使にあたっては密接な関係にある国が攻撃を受けた場合などの条件を提言し、集団的自衛権によって不測の事態を抑止することの重要性を訴えている。13日にも安倍晋三首相に提出する。

「憲法9条は集団的自衛権行使を禁ずるものではない」 安保法制懇の報告書全容判明
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140509/plc14050907580002-n1.htm




 「憲法9条は集団的自衛権行使を禁ずるものではない」
 多分そうなんでしょう。ですがね、日本の政治に他国の戦争お付き合い程度の気持ちで参加しない、という強い意思を保てるのでしょうかね。
 
  自民党にも野党にも。
  アメリカ様に恫喝されれば簡単に派兵しちゃうんじゃないですかねえ。

  何しろ、FX(次期戦闘機)選定でも始めからアメリカ空軍の最新鋭機ありで、前のFSXでさんざん煮え湯を飲まされたのに、前の自民党政権は防衛大臣が揉み手で、ステルス戦闘機を売ってくださいまし、とワシントン詣でをしたし、民主党政権も同じようなものでした。競合入札は形ばかりで始めからアメリカ政府のお勧めのF-35の採用は決定していました。
 
 また今度の中期防でも、オスプレイもAAV7も、グローバルホークなどのアメリカ製の玩具も調査や評価試験をする前から採用が決定しています。これは防衛省が欲しがったというよりも政治決定でしょう。アメリカ様のご機嫌をとったとしか思えません。
 しかもこういうデタラメが議会でまともに議論さえされない。
 センセイ方の多くは票にもならない国防なんぞに興味がありませんからね。
 他の国だと票にもならない国防や外交はそれ何に人材もいるし、結果はどうあれ議論もされるのですが。
 

 またかつての自民党では防衛庁長官は単なるお飾りで、大臣量産マシーンでしかありませんでした。半年交代で取り得ず大臣のしてやって、おらがセンセイたちに箔をつけさせたわけです。当然殆どの大臣には防衛の見識もありませんでした。
 日米は同盟関係にないと発言した宰相すらおりました。

 未だに後方支援=兵站は軍事行動ではない、とかいうセンセイ方もいらっしゃいます。

 こういう軍事に疎く、対外交渉にも疎い人達にあまり権限を与えるのはどうかと思います。

 
 ぼくは以前から「平和憲法」は死んだおやじの遺言だと言ってきました。

 それは国際社会という寄り合いとかアメリカ様という親分から「出入り」の付き合いを迫られても「すんません、これだけは死んだおやじの遺言なんで勘弁してつかーさい。カネならナンボでも出しますけん」と、断ることができました。
 この点「平和憲法」は便利な方便でした。
 政治がいくら無能でもこの「死んだオヤジの遺言」を持ち出せばなんとかなりました。
 政治家がいくら無能でも「死んだオヤジの遺言」を振り回していれば何とかなりました。
 この点をぼくは「平和憲法」を評価するのですが、その代償として国民が国防をまともに考えなくなってしまったという副作用もありました。


 で、その「死んだおやじの遺言」が毀損された場合に票にならないからと安全保障、軍事を軽視してきた、また常にパブロフの犬のようにアメリカ様のケツを舐めるのが習いグセになっている我が国の政界が国益を真剣に考えて、海外派兵の「お付き合い」を断ることができるでしょうか。

 国益を主張してアメリカと渡り合える政治家や政党、官僚がどれだけいるのでしょうか。


 無論今回の解釈の変更がいきなり海外での戦争参加にはならないでしょうが、既成事実の積み上げて、規制をなし崩し的に壊していくのが我が国の政治や行政の習いグセです。
 心配するなという方が無理でしょう。

 個人的には集団的自衛権は見直すべきだと思っています。ですが、現在の我が国の政治家達の見識やアメリカ様に一喝されると土下座するような体質を見るにつけ、極めて危険であるように思えます。
 


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<武器禁輸緩和>安倍政権は「防衛装備生産基盤の危機回避」という本意を国民に説明せよ
http://japan-indepth.jp/?p=5014

<200億円の海自P-1哨戒機>性能も怪しい高コスト機の開発ではなく現有機の近代化を
http://japan-indepth.jp/?p=4818

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ロシアとウクライナが簡単に刀を抜けない理由
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知られざる日本発のクールジャパン的ヒット商品「エア・ソフト・ガン」はなぜ市場を失いつつあるのか?
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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
おいしんぼの鼻血描写の件で社会問題化していることを語ってほしい
ななし
2014/05/12 17:09
お疲れ様です。
>第九条  日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
○2  前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
↑、
国権=政府、国会
で、
>武力による威嚇又は武力の行使
↑、
多国籍軍、国連軍なんかもろこれですね。

>国際紛争を解決する手段
↑、
もろですね。

よって、不可です。
我国の憲法は、我国の利益と限定していません。今のような事態をも予測することができたのでしょう。我国の戦後憲法は、ものすごくよく考えて作っています。GHQの裏をかいています。その苦労があちこちに読み取れます。また、あの時期に、今のような世界をも予想するくらい多岐に渡る想定をし、その対応をしているのが凄いものです。
我国の憲法は、他国のそれとは違い、ほぼ完璧に近いですねぇ、
unimaro
2014/05/12 19:25
お邪魔します。

 問題は「アメリカ」どころではありません。日本では意思決定はしばしば「合理的な思考」では無く、「その場の”空気”」によってなされます。「戦艦大和沖縄特攻」がそうでした。「これが”空気”だ」と言われたら、「何をか言わんや、よく了解した」と言って従わねば、それこそ”KY”の烙印を押されて排除されてしまうのです。

 戦後日本は長く「戦争ダメ、ゼッタイ」の”空気”に覆われてきました。今行われている事はその”空気”を「集団自衛権容認やむなし」の”空気”で打ち消す事です。ですから「戦争ダメ、ゼッタイ」の”空気”の元で「もし外国に攻められたら?」と言おうものなら「戦争屋、平和の敵」と罵倒されるように、「集団自衛権容認やむなし」の”空気”の元ではそれへの批判どころか「積極的に賛成でない」と思われようなら「国賊、非国民」のレッテルを貼られるようになるでしょう。どちらにしても「合理的な思考」では無く「その場の”空気”」で物事が決まる事には違いが無いわけで。

 日本の政治家にとって必須のスキルは「その場の”空気”を読み、それに順応する能力」であって、「専門的知識など無用、むしろ有害(”空気”に反応できなくなる?)」なのではないでしょうか。
ブロガー(志望)
2014/05/13 22:52
日本自身の防衛力強化の方が、何倍も重要なんですがね。財務省様の許可が出ないので、目先を変えてみた感じでしょうか。東南アジア版NATOでも創るなら画期的ですが、アメリカだけが対象なら新味はありませんね。
マリンロイヤル
2014/05/15 11:58
結局財務省はそんなに防衛省 自衛隊がきらいなんでしょうかね?厚労省には年金滞納者対策予算やらポンポン通す癖に
カンメシ
2014/05/16 06:48
この国の権力中枢にいる人たちは基本的に保身が大好きです。
だから改憲だとか集団的自衛権だとかのハイリスク・ローリターンな議論で積極的に活動して仲間外れにされたくないんでしょうね。
私たち国民も根本的な国の在り様を語る人よりも自分の住む地域に新幹線の駅や高速道路を引っ張ってきた人ばかり歓迎してきました。
そういった国ですからこの問題で政治家の資質に期待するのはそれこそ「八百屋で魚」でしょうね。
八王子の白豚
2014/06/14 23:24

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