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zoom RSS 陸自がフランス製新型揚陸艇の導入を検討中

<<   作成日時 : 2014/04/08 14:25   >>

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 陸幕はフランス、CNIM社のカタマラン型揚陸艇、L-CATに興味を持っているようです。

画像

 L-CATはDGA(仏国防省装備庁)の主導で開発されたもので、海自も運用しているLCACなどのホバークラフトと通常の揚陸用舟艇の中間的なプラットフォームです。これは米海兵隊や陸軍も興味を持っています。

 http://www.cnim.com/en/sea-landing-systems-lcat.aspx

 全長30メートル、全幅12.6メートルだ。最大100トンの貨物や車輛を搭載できます。
 推進方式はウォータ−ジェットで、空荷状態では26ノット、積載時は18ノット。12ノットの場合、最大航続距離は400海里となっています。
  車輌や貨物の搭載時はデッキを下げて、昇降を行い、航行時はデッキを上げて行うようになっています

 ホバークラフトは上陸が可能ですが、方向転換のために陸上で旋回が必要であるために、かなりのスペースが必要で、運用できる海岸が実は限られています。

 対してL-CATは通常の上陸用舟艇などと同様に後進が可能です。
また調達・運用コストはLCACに較べて遥かに安価です。

 メーカーは各種エンジニアリングを扱っていますが軍用としては車載型橋梁などが専門で、自社に造船の設備はなく、これを製造していません。同社の担当者に話によれば、採用となった場合は日本国内の造船所で建造することになります。
 日本で採用し、これを輸出することも可能でしょう。これは軍事だけではなく、災害派遣にも有用でしょうから意外に輸出の可能性はあるのかもしれません。

 海自が開発するであろう次世代の揚陸艦もおおすみ級とは異なって、浸水式のウェルデッキを採用すればL-CATが運用できて便利です。AAV7を大量に買うよりもこの手の揚陸艇を調達すべきではないでしょうか。

 とりあえず、一隻借りて運用してみるべきでしょう。
 いつものように、メーカーの資料だけみて、カタログデータを盲信して買うのは避けるべきです。



 いずれにしても陸幕は水陸両用部隊に関してまともなリサーチもせずに米海兵隊を見よう未真似で編成作業を始めてしまいました。民間企業ならばマーケットリサーチもせずに新規事業を始めるようなものです。
 こういうところにカネを惜しみ、くだらないところで浪費しています。

 しかも「アメリカから言われたから」と、AAV7の評価試験も殆どせずに、始めから採用するという体たらくです。

 後で大変なことになるのでしょうが、尻を拭くのは我々納税者と現場の隊員です。
 
 国産兵器を輸出するといいますが、こんないい加減な組織が企画して作った装備が本当に海外でうれるものか、よく考えるべきではないでしょうか。

 安倍首相も側近も官僚の「ご説明」だけを聞いて物事を判断していると、捕鯨の裁判のように後で「こんなはずでは無かった」と後悔することになると思いますが。





NEXT MEDIA "Japan In-Depth"[ジャパン・インデプス]に以下の記事を寄稿しております。

<200億円の海自P-1哨戒機>性能も怪しい高コスト機の開発ではなく現有機の近代化を
http://japan-indepth.jp/?p=4818

朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しました

知られざる日本発のクールジャパン的ヒット商品「エア・ソフト・ガン」はなぜ市場を失いつつあるのか?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014032400011.html

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コメント(17件)

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L-CATはLCACに比べて安いそうですが、どの程度の差が有るんでしょうか?
兵隊さん
2014/04/08 15:26
L-CATは面白そうな装備ですが、喫水の深さはどれぐらいなんでしょうか?
日本の南方島嶼部で使う場合、AAV-7の記事でも書いていられたように、リーフが最大の障害になります。喫水がかなり浅くないと、AAV-7と同じように接岸揚陸できる場所が限られるということになりかねません。
それを考えるとホバークラフト型のLCACのほうが、リーフの多い島嶼部には向いているような気もしますが、いかがでしょうか?
いずれにしても、L-CATを試験導入してテストする価値は大いにあると思います。

LCACの方向転換については、接岸前に100mほど沖合いでアンカーを打ちラインを伸ばして上陸。帰りはまず浮上しつつアンカーを巻き取ってその力で後退し、アンカーを回収(場合によっては切断し廃棄)してから海上で方向転換するような装置を付加すれば、解決するのでは?
それほど大掛かりな装置にはならず、後付でも装備可能だと思います。

こんなアイデア、どうでしょうか?
PAN
2014/04/08 17:20
本文に概ね同意です。私の心配はやはり水陸両用部隊を陸自の隷下にしたことです。上陸手段はそれを輸送する揚陸艦との連携が前提です。くだらない縄張り争いで次期揚陸艦がおおすみ型のように何がしたいのかわからないものになりかねません。

2014/04/09 00:14
LCAT、前から気になっていました。LCACとほぼ同サイズ、同搭載量。80t満載で 18kt、軽荷で帰る時には 30kt と、普通のLCMの 2-3倍の速度が出て、低吃水モードでは満載でも吃水 60 cm だそうです。色々と出ている、次世代LCMとしては最も有望ではないでしょうか?

ただ、まだフランス軍に4隻あるだけで、耐久性とか横風対応とか波浪中での運航とか、やってみないと分からないことも多いと思います。どうせ輸送艦の増備はすぐには出来ないので、是非1隻借りて、2年ほど色々と試験をしてよいかと思います。

なお、LCATはLCM級の装備ですが、海自ではなく、陸自が直接保有することは、2つの意味で意義があると思います。一つには、陸自が自分のペースで訓練を出来ること。もう一つは、実質的に陸自から海自へ人員を移動したことに相当することです(陸自部隊の海上輸送力/機動力強化の実現のためのリソースを、海自ではなく、陸自から出すことになるため)。

PAN様のコメントのように、海中の障害物が気にならないという点から、特に島嶼への上陸を考えると、LCACはLCACで持っていてよいと思います。

LCATが有望であれば、LCAC 6隻に「加えて」、LCATを13隻ほど(例えばLSDを2隻増備して各3隻配備+地方隊LSU代替として5隻+予備)保有できるとよいなぁと妄想します(むろん、実際の試験次第です)。
ドナルド
2014/04/09 01:17
仮に採用された場合、生産は「御用造船所」じゃなくて民間船主力に作っているところを入札に参加させればコストは大幅に下がるでしょう。

災害対策用としてインドネシアやフィリピンあたりに供与するならば調達単価も下がるでしょう。
キヨタニ
2014/04/09 11:24
>>カタマラン型
日本周辺の波浪が荒い海では、使いづらいと思いますね。LCACも波浪に弱いのは同様ですが、スピードが全く違います。
マリンロイヤル
2014/04/09 14:37
マリンロイヤルさま

カタマラン型が波浪に弱いとのことですが、この場合の比較対象は普通の船ではなく、平底のLSU、LCMなどです。これらと比べても、ひどいのでしょうか?

清谷様

船体は全アルミ製で、しかも上部の梁にかなりの疲労がでそうです。民間船主力に作っているところで建造するのは大賛成ですが、アルミ製のカタマランの実績のある造船所はどれくらいあるのでしょう?(普通のLCMなら、どこで作っても同じでしょうが。。。)

この船がどれくらい特殊な構造なのか、よく分かっていませんので、コメントが難しいのですが。。
ドナルド
2014/04/09 21:46
賛成です。
lcacもいいですが、騒音とか、経費、整備性、運用面で大変です。
新型LCACの追加検討や、
普通のlcu.LST等と含めて、海自とともに、配備検討して欲しいです。
海自は、米強襲揚陸鑑並の4隻や、高速輸送艦3隻以上、LSTや、輸送艦等12隻以上ですかね。
軍事オタク
2014/04/10 10:28
LCATは例えばウエルデッキを持った揚陸艦につけて、揚陸艦に搭載された車輌などを積み替えることもできるので、戦術的な柔軟性はかなりあると思います。
キヨタニ
2014/04/10 12:29
ロシアから買える装備ってなにかあるのでしょうか。
石水
2014/04/10 21:30
皆様

ウラは取れていないのですが、「おおすみ」のドックに入れられるはずのLCM型交通艇2150型が、吃水 0.7 mだそうなので、L-CAT もおおすみに乗るかもしれません。

ただ、このLCM 2150型、「おおすみ」のポンプ能力不足でドックの注水に時間がかかりすぎるので、使っていない。ただし、ポンプは今度の改造で増強されるという、情報があります。(これもソースがしっかりしていませんが。。。)

要は、改造後の「おおすみ」型であれば、L-CATは運用できるかもしれない、という話です。どなたか確認できる情報があれば、、、、
ドナルド
2014/04/10 22:55
L-CATの喫水が0.6m程度なら、南西諸島のリーフでも、満潮時なら接岸できるかもしれませんね。ただし潮が引くまでグズグズしていたら亀の子ですが。

ドナルド様がご提示いただいたようにおおすみ型に積めて運用可能なのなら、より現実的で有望な装備になるかもしれません。さすがに次期揚陸艦は、だいぶ先になるでしょうし。

ただLCACの代替装備ではなく、併用したほうが効果は高いと思います。それぞれの長所を生かした運用すればいいのではないでしょうか?
例えば第1陣はLCACで強襲揚陸し橋頭堡確保。第2陣以降は潮周り見て、満潮時にL-CATでピストン揚陸とか。

またL-CATはそこそこの航続距離を持っているようですから、島嶼部では隣の島からの直接揚陸とか、島から島への移動手段として、おおすみ型に依存しなくても可能になります。
揚陸作戦以外にも、島嶼部で利便性が高い装備になりそうです。
PAN
2014/04/11 11:33
ドナルドさん
呉かどこかで、輸送艇2号に貨物として乗った事がありますが、外洋じゃキツイなという感じでした。日本周辺は波浪がキツく、冬なんか東京湾を出たとたんすごい波浪ですよ、日本海側なんかもっと強烈です。LCATも瀬戸内海や東京湾陸奥湾あたりが限界では?仏海軍も地中海専用じゃないですか。同じカタマラン型フェリーの「ナッチャン」が青函航路に就航しましたが、すぐ撤退しています。燃費の問題もあるでしょうが、津軽海峡も陸奥湾出ると波浪がキツいです。なので、LCACのスピードの方を取るべきと考えます。
マリンロイヤル
2014/04/11 13:26
LCACは、おおすみ型輸送艦とセットして導入されましたが、延命しても、おおすみ型本体より就役期間は短いと言われておりますので何らかの代替が必要になる時に良いかもしれません。

海燕
2014/04/11 14:34
マリンロイヤルさま

お返事ありがとうございます。LCACの速度の優位性を否定するつもりはないので、そこは同意見です。

一方でカタマランが平底船に安定性で劣ると言う話ではなさそうですね。

実はご存知のように、「波浪がキツい日本周辺」であっても、こうしたLCMやLCVPで、過去、米軍が盛大に上陸作戦を実施しています。第2次大戦で。このことから、LCMも、LSUも、そして、当然 L-CAT でも日本近海での使用に全く問題ないということだと理解します。


PANさま

>次期揚陸艦は、だいぶ先

どうでしょう。両用団の創設をするなら、揚陸艦の増備は必須と思います。「おおすみ」型3隻はそのままに、満載2万t級の「おおすみ改」型LSDを、2隻ほど増備する、という可能性はあるのではないでしょうか?

予算が足りませんが、まあ1隻300億円、30年の運航経費600億円として、2隻で30年で割って、1年あたり、60億円。陸自を800人削減して人件費を浮かせれば可能です(笑)。
ドナルド
2014/04/12 01:36
ドナルド様

近々は予算的には、どんなにやりくりしても難しいでしょうね。ことの是非はともかく、F-35やオスプレイなど、高額なお買い物が一段落するまでは、ちょっと難しいでしょう。
早くて次期中防でしょうが、そうなると少なくとも戦力化するまでに10年はかかります。

また、これも日本の悪い癖で、どうせ作るならあれもこれもと欲張ったあげく、1隻300億円では到底収まらないような気がしますよ。少なくともヘリの運用能力は本格的に付与されるでしょうし。今度はLSDではなく強襲揚陸艦になるでしょうから。
おおすみ型が満載14000tで270億円ですから。2万tで時期も20年経ってること考えると、500億で収まるかどうかじゃないでしょうか?

まあいずれは造るでしょうし、それまではおおすみ型改に頑張ってもらうしかないでしょう。その分の輸送任務の穴埋めは、いずも型に実質的な輸送艦兼任で馬車馬のごとく働いていただくってことになるんじゃないでしょうかね。
PAN
2014/04/13 08:18
お邪魔します。
 前にも述べましたが「中国軍の離島上陸」よりも「南海トラフ地震によって、東日本大震災を凌ぐ巨大津波が日本の太平洋岸を襲う」可能性の方が高いのではないかと思われます。そのためには「水浸しの瓦礫の中を活動できる乗物」が必要と思われます。それが非武装・非装甲であれば、警察・消防及び自治体等でも導入は可能と思われます。そうやって数を揃えておいて、有事にはそれにも使える体制を整えておけば、「中国軍の離島上陸・占拠」への抑止力になるのではないかと思われます。少数かつバックアップ体制の乏しい(であろう)武装・装甲の乗物を導入するよりも。
 それから中国が旧ソ連製の巨大ホバークラフトを導入するらしいです。でか過ぎて旧ソ連でも持て余した代物らしいですが。
ブロガー(志望)
2014/04/14 23:37

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