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zoom RSS 武器禁輸緩和、日本企業に覚悟はあるか?無いなら市場から撤退しろ

<<   作成日時 : 2014/04/04 14:56   >>

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 昨日BSフジの「プライムニュース」に出演しました。
 お題は、『武器輸出ついに解禁へ “新三原則”徹底議論』でした。

 http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html?d140403_0

 ぼくが武器禁輸緩和で一番注目しているのは、日本の武器産業が企業も防衛省も今までのガラパゴスのような環境からいきなり、外界の厳しい環境を意識せざるを得ないということです。
結果、中途半端な企業にとっては退場せざるを得なくなります。

 この点をメディアはあまり報じていません。

 それから防衛産業の企業自身が、防衛産業は後ろ暗い商売だという意識があることが問題です。
 世間にこれをやっていることを知られたくない。防衛省向けの商売は国にためと言う名目がたつが、リスクをとって輸出までやりたくないという感じのところが多いわけです。
また世間に騒がれなければやりたい、というが本音です。

 ところが防衛省需要だけでは先細りです。ですが、輸出はしない、他社と事業統合もしない、現状維持を決め込んでいますが、近い将来には緩慢な死を迎えるでしょう。

 で、利益は出なくても頑張りますと、浪花節です。利益がでなければ、研究開発も、設備投資も、従業員の教育もできない。であれば新技術の開発など無理で、時代に取り残されるだけです。当然雇用も維持できなくなるし、納税もできない。

 であれば、事業を撤退すればいいようなものですが、それも決断できない。
 

 その典型例が昨年機銃のデータ捏造で世間を騒がした住友重機です。同社のHPには
防衛装備品を作っていることは掲載されていません。

 つまり、投資家、株主は同社が防衛産業をやっていることを知ることが出来ません。これはIRの面でも問題です。機関銃の製造は株主、世間様には知られたくない後ろ暗い商売と言っているのと同じです。

 ぼくは同社に先の機銃の不祥事について取材を申し込みましたが、広報から拒否されました。同社はこの件に関して十分な情報をディスクローズせず、だんまりを決め込んでいます。
 これは極めて半社会的な態度です。  

 3・11で東電が福島第一のことはウチは何も言わない、全部経産省に聞いてくれといったら世間様は納得するでしょうか。ふざけるな、という話になるでしょう。

 我が国の防衛を支えているのだ、という自覚と責任が全くありません。


 同社の収めた機銃に問題があり、それが原因で隊員が死傷する、あるいは実戦においいては勝てる戦で負ける可能性があるわけです。
 ベトナム戦争で米軍はM-16の弾薬に起因する不具合で多くの死傷者を出しましたが、同じことが起こる可能性があるわけです。

 そのような不祥事を起こしながら、経営陣が釈明するわけでも、対策を公表するわけでもない。また責任をとって事業から撤退するわけでもない。


 つまり不良品を売りつけて自衛官が死傷しようが、自衛隊が戦争で負けようが、自分の会社が、リスクのない金儲けができればいいとう態度です
 これって世間で言う「死の商人」でしょう。
 違いますか、別川俊介社長。

 恐らく別川俊介社長はこういうことすら、想像もしていないでしょう。
 売上からいったら防衛部門なんて鼻くそみたいなものですから。
 ですが、それが上場企業の経営者としてあるべき態度でしょうか。
 これはまた同社の防衛部門で働いている従業員に対しても失礼な話です。


 まじめに防衛産業をやる気も、責任を取る気もない、でも防衛省に寄生して税金だけは掠め取りたいという、姑息で反社会的な企業は防衛事業から撤退すべきです。
 それが株主、納税者、自社の防衛部門に携わる従業員、防衛省のため、お国のためでもあります。


 以下の書籍がお勧めです。森本敏氏が執筆しているものではなく、氏が主催する勉強会の参加者による匿名座談会の形式を取っております。参加者は恐らく防衛省内局、自衛隊、それらOB、メーカーの関係者らです。

 意外な情報が拾えます。中には事実誤認なアレな発言も混じっておりますが、武器禁輸緩和に興味がある方は是非一読をおすすめします。
 多分匿名のAさんは森本氏です。


 
武器輸出三原則はどうして見直されたのか?
海竜社
森本敏

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朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しました

知られざる日本発のクールジャパン的ヒット商品「エア・ソフト・ガン」はなぜ市場を失いつつあるのか?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014032400011.html

月刊ZAITENに「防衛産業はやりたい放題」を寄稿しました。

ZAITEN (財界展望) 2014年 05月号 [雑誌]
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月刊WEGDE4月号に以下の記事を寄稿しています

先細る防衛産業 中小こそ輸出のチャンス 国はバックアップを

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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
お疲れ様です。
>機銃の不祥事について取材を申し込みましたが、広報から拒否されました。同社はこの件に関して十分な情報をディスクローズせず、だんまりを決め込んでいます
↑、
もしかしたら、防衛省官僚などからも口止めされているのかも?「事を大きくしたくない」と。誰も何も言わなければ進展しないし、ニュースになるねたは無し。
unimaro
2014/04/04 21:04
機銃のデータ改ざんの件は、本来は国会議員が質すべきなんでしょうが、誰も興味が無いのか寡聞にして耳にしないですね。
マリンロイヤル
2014/04/05 14:57
先日、読売朝刊に新原則の全文が掲載されていましたので、一通り見ましたが、やはり所謂「汎用品」などは言及されていませんでしたね。それに、あの新原則通りだと火器などは武器となり、それ以外の、例えば電子戦関連の装備などは武器とならないことになりますが。何だか時代錯誤、且つ現実無視の玉虫色な(公明党への配慮を前面に出した)モノにしか見えませんでしたが。おまけに、つい先日も日本製のカメラを搭載した北のUAVが領空侵犯して韓国内の施設を撮影していた事実が分かったばかりですが、読売の該当記事を読んでも、まるで他人事でして、なぜ日本製のカメラを搭載していたか、という事を検証しようという感じではありませんでしたね。
大手マスコミな皆さんは海外で日本メーカーが販売している製品が、どれだけ各国の軍隊で使用されているのか、気にもならないのでしょう。
KU
2014/04/05 16:07
時事の記事です。
http://www.google.co.jp/gwt/x?gl=JP&wsc=tb&u=http://www.jiji.com/jc/c%3Fg%3Dsoc_30%26k%3D2014040500181&hl=ja-JP&ei=Stk_U4KqM4HJkwXwxYHIAw&ct=pg1&whp=30

防衛省も、普段からこのくらいハッキリと言わなければ、ほとんどの国民は何で輸出する必要があるのか、理解できませんよね。にしてもコマツ側のこの発言は、どこまで信用して良いのやら・・・・
KU
2014/04/05 19:25
お邪魔します。
 歴史作家の井沢元彦氏が

 革製品を利用するには誰かが動物を殺してその皮を剥がねばならない。かつての日本ではそれを特定の人間に押し付けたばかりか、自らは革製品を利用しながら屠殺等に従事した人間を「(血と死に)穢れた奴らだ」と差別した。これが部落差別の期限である。

といった事を書いていました。血・死・恨との関わりが避けられない軍事関連は「所詮は穢れ仕事」という認識であるから、「真っ当にやろう」という意識にはなり難いのではないかと思われます。(これも井沢元彦ですが)近年のたいして意味があるようには思えない抗菌グッスの蔓延は、日本人が「穢れ」の概念から脱却する事の難しさを示しています。ですから兵器関連は「穢れ」の概念を持たない外国(人)に任せるのが良いのではないかとも思ったりします。
ブロガー(志望)
2014/04/06 07:39
ブロガー(志望)様へ
その井沢元彦氏が講演のときに、日本には一つ弱い分野がある。それはハンドバックのような革製品の分野だ。だから、日本にはシャネルやグッチのようなブランドが無いんだ、と言っていました。
ひゃっはー
2014/04/06 13:00
小松は海外を知っている様子です。
当然市場リサーチ能力ありそうなので、「売れるとは思えないから考えていない」のではないでしょうか?
unimaro
2014/04/06 15:46

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