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zoom RSS 陸自の次期多用途ヘリ、民間機を転用に関して 日経記事では分からないあれこれ 

<<   作成日時 : 2014/04/30 16:06   >>

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http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2802K_Y4A420C1PP8000/
日経:陸自の次期多用途ヘリ、民間機を転用 防衛省方針

 この記事ではわからないのですが、外国メーカーは既存の機体をベースに新型の民間向けの新しい機体を開発し、それをベースに国内企業が自衛隊モデルを開発するという案と、既存の民間機に自衛隊向け装備を付けるだけという話があります。これらは国内生産が前提の話です。

 もう一つ案があります。いっそ民間機を輸入してしまおう、という話もあります。内局一部ではこの案に人気があるようです。

 実際の話、日本のヘリメーカーは国内外の民間市場にすら打って出ようという気持ちは無く。これまで通り、防衛省の需要に寄生虫のようにしがみついて、リスク無く税金を吸い続けようという魂胆です。
 例外は川重のBK117だけですが、これも70年代のプログラムであり、その遺産で喰っているだけです。現在の川重にBK当時のような野心はありません。


 つまり国内の警察や消防、海保などの公的なマーケットにも参入する気がない。ですが、防衛予算でも調達費は年々厳しくなります。防衛省の装備調達予算は維持・修理費と反比例する形で減り続けています。

 しかもいい悪いは別にして、来年度以降平均して毎年約510億円を掛けてオスプレイを調達することになります。しかもオスプレイの維持費はヘリに較べてバカ高いですから、余計厳しくなるでしょう。

 後20年もすれば国際的な競争力もなく、防衛省に寄生している国内ヘリメーカーは絶滅しているでしょう。

 つまり我々納税者は将来消滅する産業の生命維持のために、それまで国際的な価格の何倍も高い価格を払い続けることになります。
 これは税金の全くの無駄遣です。


 さて候補の機体ですが、アグスタ・ウエストランドは4.5トンクラスのAW169を、エアバスヘリコプターはBK117/EC145 ベースの4.5トンクラスの新型機を、富士重工はベル412を提案する予定だそうです。
 これらにセンサーポッドや敵味方識別装置などを装備して、自衛隊型は4.8トン程度が想定されております。

 なおベルは三井物産とたもとを分かち、ベルジャパンを設立し、富士重工と組みベル412を提案するようです。412は現用のUH-1Jの延長線上にある機体ですが、基本設計が古すぎると思います。またキャビンにギアボックスが凸となっており、キャビンの使い勝手も悪いという欠点があります。

 エアバスヘリコプターはBKを共同生産している川重とチームを組むようです。


 また三菱重工も参戦する予定です。同社はまだ機種を明らかにしていませんが、どうもシコルスキーのS76をぶつけてくるらしいです。が、これは5.3トンと、防衛省の想定よりもいささか大きすぎると思います。

 性能や機体規模などからみればアグスタ・ウエストランドとエアバスヘリの一騎打ちになるのではなないでしょうか。 


 国内ヘリ産業の振興という面ではエアバスヘリの案が魅力があります。世界中で売れる可能性があるからです。当然ながら、警察や消防、海保も使用する可能性もでてくるでしょう。

 またUH-Xをベースに軽攻撃型の開発が予定されており、これはOH-1、OH-6、及びAH-1の後継として予定されており、数十機は需要が見込まれます。民間市場向けも合わせて製造しますから、自衛隊向けの機体の調達期間を圧縮することが可能で、であれば調達単価も大幅に引き下げられる可能性があります。

 個人的にはこれを押したい気持ちがあるのですが、問題は川重のやる気の無さです。リスクを取ってまで事業拡大する気ない川重には事業を拡大しようという気が薄いことです。


 民間市場、世界市場に打って出る気がない、今後も健全な形で自社のヘリビジネスを継続していく気がないのであれば、新型機体の開発は税金の無駄であり、その必要はないでしょう。別に新型ヘリ開発は嵐い兵器が好きな軍オタを喜ばせるためにやるものではありません。

 またライセンス生産も必要ありません。

 現在自衛隊では多数のライセンス機を使用していますが、日本のメーカーが将来アグスタ・ウエストランドのように世界に打って出るというのであれば、「先行投資」といえるでしょう。

 ですが、親方日の丸で、すねを齧ろうというのであれば、将来は消滅する運命です。であればライセンス生産も全部止めるべきです。そうすれば調達費は半分とか3分の1に削減できます。乞食のようなメーカーを税金を使って救済して喰わせてやる義理はありません。
 
 国内生産すれば高い稼働率が確保できるというのはイリュージョンです。
 前にも書きましたが川重が「ライセンス生産」(実態はアッセンブリー)しているMCH-101は当初稼働率が3割強、現在は6割り程度に向上しましたが、それでも他国のオペレーターよりも高い数字ではありません。

 海自の練習ヘリTH135に至っては稼働率は3割程度です。対して同じTH135/EC135の国内の民間や自治体で使用されている機体の稼働率は9割を超えています。
 つまり海自の整備能力が低い、整備体制に不備があると言えます(こういう例を見ればP−1の稼働率も心配されますね)。
 まともな整備体制は輸入機でも可能です。

 今回のUH-Xは日本のヘリ産業が生き残れるか否かの分岐点になる可能性が極めて高いと言えます。ですが当事者達にはその意識が極めて薄いようです。
 

 政治や防衛省、経産省に日本のヘリ産業をどうするかというグランドデザインが欠如しており、現状UH−X、は単にUH−1Jの後継選びに矮小化されています。
 FX選定の時と同じです。FXでは戦闘機の生産基盤の維持の問題や将来の振興に対するグランドデザインがありませんでした。

 今回も同じ轍を踏むのであれば、いっそのこと輸入でまかない、日本のヘリ産業の息の根を止めてしまうことが税金ダダ漏れを防ぐ最良の手段かも知れません。

NEXT MEDIA "Japan In-Depth"[ジャパン・インデプス]に以下の記事を寄稿しております。

<防衛産業も営利企業>政府は防衛産業の持続可能な利益確保の必要性を国民に説明すべき
http://japan-indepth.jp/?p=5052

<武器禁輸緩和>安倍政権は「防衛装備生産基盤の危機回避」という本意を国民に説明せよ
http://japan-indepth.jp/?p=5014

<200億円の海自P-1哨戒機>性能も怪しい高コスト機の開発ではなく現有機の近代化を
http://japan-indepth.jp/?p=4818

朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しました
ロシアとウクライナが簡単に刀を抜けない理由
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014041500002.html

知られざる日本発のクールジャパン的ヒット商品「エア・ソフト・ガン」はなぜ市場を失いつつあるのか?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014032400011.html




月刊ZAITENに「防衛産業はやりたい放題」を寄稿しました。

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コメント(9件)

内 容 ニックネーム/日時
今回の記事は私の読解力が低すぎて理解できませんでした。すみません。

2014/04/30 23:38
余所の官公庁も完成機を輸入して何ら問題ないわけですから、防衛省も完成機の輸入に切り替えるべきです。誰もメーカーの再編の旗降りをするわけでもなし、ただ徒に時間と予算を無駄にするだけなのなら、何もライセンス生産を含め、国内生産に拘る必要性はないでしょう。
候補機としてAW139等が上がっているのは、国内での運用実績を考えると、至極当然かと思えます(間違ってもEC175が候補に上がることは・・・無いですよね?)。荷物の積み降ろしのしやすさならEC145/BK117、それ以外の性能を重視するならばAW139やBell412でしょうか。
KU
2014/05/01 07:05
清谷様

かねてからUH−Xに対して疑問を投げかけていた清谷様らしいエントリーですね。

UH−1Jの老朽化が進んでいるだけに、汎用ヘリコプターの更新は急務だと思います。そう考えると、コストを優先して、数を揃えることが大切ではないでしょうか。

ところで陸自はヨーロッパ製のヘリについては、どのような認識なのでしょうね。私、個人としては原設計が古くても、逆に枯れた技術で安定感のあるベル412当たりが良さそうな気がするのですが‥
ブリンデン
2014/05/01 15:32
そもそもUH-Xの5トンも運用上の要求ではなく、
OH-1改良型を導入するためのものでした。
小型汎用ヘリに何が必要で、何を諦めるのかを
見極めるべきです。
それができないならばコスト最優先で、BK177の
最新型がEC645でも導入すれば宜しいと思います。
で、機材に合わせて運用を考えれば宜しい。

陸幕装備部には当事者意識が欠けています。
キヨタニ
2014/05/01 18:14
昔ヘリパイの人が「UHー1はベトナム戦争から使用されてきた名機だから現在も稼働率が高いが、AHー1はそうではないからガタがきていて危ない」みたいなことを教えてくれたのですが、AHだってベトナム戦争から使用されてきた機体なんだから、理由になっていないことに気がつきました。
つまり、陸自は使用頻度が高いUHの整備を優先的に行って、AHの方は手を抜いている、ということなのでしょう。ということは、AHー64Dの稼働率もいずれUH以下になることが想像できます。

スレ違いですみません。
ひゃっはー
2014/05/01 21:36
陸自の汎用ヘリは輸送力重視で行くべきではないですか。
マリンロイヤル
2014/05/02 15:05
軍需に寄生という意味が分かりません。
世界のヘリコプター産業の需要の半分以上が軍需です。
ヘリコプターは軍需こそ主力の市場なんですよ。
核融合
2014/05/03 01:45
ライセンスが高額っていうのは、必ずしも当てはまらんでしょう。
アパッチの価格は、アメリカもイギリスも日本(予定数)もそう変わりませんでしたし。

MCH-101の当初稼働率
他国より低いとの事ですが、他国の例を示せるならお願いします。
まあ、3発機で稼働率は元から低い上に、用途を絞ってないから整備計画も煩雑と。

> 海自の練習ヘリTH135に至っては稼働率は3割程度です。
それが事実なら、ユーロコプターの全面支援とか、所詮はセールストークだけだったと言う事でしょうね。
SH-60Kは稼働率高いですし。
核融合
2014/05/03 07:38
お邪魔します。
 スターリンはナチスドイツが襲いかかるのが分かった上で赤軍の大々的な粛清を行いました。ゾルゲが日本は北進しないという情報を掴まなければ旧ソ連はナチスドイツに滅ぼされていたかも知れません。それなのになぜスターリンが粛清に踏み切ったかといえば、そうしなければ赤軍を思い通りに動かせなかったからです。
 防衛省も「一方的に調達数を減らす、打ち切る、さらには踏み倒す」ところまで思い通りにするために、相手(メーカー等)の意欲等を徹底的に削いだりする事によって「もう(防衛省等の)好きにしてくれ」状態を維持しているのかも知れません。

 それから兵器はあくまで付加・効用価値を生まない「消耗品」です。しかし近年コストが著しく増大した結果「消耗できない消耗品」と化しつつあります(往年の戦艦の辿った道?)。それもあってか世界的に軍事産業は思わしくなく、整理・統合等が進んでします。となれば日本は「選択と集中」を行うべきではないかと思います。例えば「既に相当経験等を積んでいて、かつ新規参入が少ないと思われる飛行艇や潜水艦」や「民生でも使われ、かつ国際的な競争力があると思われるもの」に絞って技術を磨き、他はそれをテコにするとかして入手するようにするとか。
ブロガー(志望)
2014/05/03 18:44

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