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zoom RSS 防衛調達のインチキは現状やったもの勝ち、やり得。

<<   作成日時 : 2013/12/29 13:45   >>

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住友重機、データ改ざんで社長が報酬返上へ
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD250P7_V21C13A2TJ2000/

 5月に実施した機関銃の耐久射撃試験が不合格だったことから、過去の試験データを改ざんしていたことが発覚。防衛省は18日に同社を5カ月間の指名停止処分とし、同社は損害賠償金約6200万円を支払った。

いやー、防衛産業って気楽な稼業ですねえ。

組織的に40年も国を騙し、いざ戦争ともなれば機銃の不良で多数の隊員、国民が死傷することが分かっていてデータ捏造、低品質の装備を納入してきて、この程度のペナルティですむ。

さすが、天下りを受けいている大企業は違いますねえ。

社内の処置も、
「別川俊介社長が報酬の一部を返上し(中略)装備システム事業部長と同事業部の品質保証部長を11月に更迭しており、他の社員数人も減給や出勤停止にする」

これでも優しい株主は文句も言わないのでしょう。10年ぐらい天下りを受け入れませんとか、言えば評価するのですが、それを言うと防衛省の処分が重くなるのでしょう。

今回の件は昨年のUH-X同様にどうも内部告発らしいのですが、このような告発を奨励するような制度を作るべきです。まあ、防衛省はやらないでしょうけどね。

前もちらと書きましたが、防衛省側にも問題がある。現実を無視したような過剰な基準を押し付けてきたわけです。
で、それを住友重機側も分かりましたと、わかったふりをしてきたわけです。このようなことは多くの防衛企業で行われているでしょうが、防衛省は調査しないでしょうね。

これは防衛省の調達の根幹に欠陥があるということです。ですから防衛省はあまり厳しくやると藪をつついて蛇を出す、てなことになるので穏便に済ませたかったのでしょう。

まあ、現場で住友重機の機銃の評判が悪い事実は変わらないのですが。

防衛省、自衛隊の能力はこういうところは低いようです。
62式機銃にしても過剰な命中精度を求めた。これがダメ機銃になった一因とも思えます。ドイツのMG42(MG3)あたりは、左右に集弾が散るのを是としてた。機関銃とはそういうものです。相手の頭を下げさせればいいわけですから。対して62式は狙撃銃のような精度を求められていたそうです。

現実を見ていない要求があまりにも多すぎる。本来必要な要求はお座なりで、必要ないものを要求したりする。
機関拳銃やライフルグレネードなんて、精神の異常を疑われてもしかたないでしょう。


現実を知らない制服組のわけのわからん要求で、メーカーが困ることは多々あると聞いております。とこがそれを指摘されると逆ギレされることが多いらしい。だからダマテンで聞くフリだけをする、というのは気持ちはわからんでもないですけどね。

ですが、現実に目を背けて、小手先の対応ばかりしていると、問題の根本的な解決は望めません。当然使えない兵器が漫然と高値で調達される現状が続くことになります。

本来、何故このようなことが起こったのか、広範囲において、その原因を追求すべきです。また併せて悪さは割にあわない程度のペナルティを課すべきです。この程度の甘い処罰だからいつまでたっても防衛産業の体質が変わらないのです。


さて、ペナルティですが、防衛省もせめて一年ぐらいMINIMIやM2をFNあたりから調達すればよかったのに。いい機会じゃないですか。実際にそうやって不都合がないか確かめられるわけですから。まあ、それで不都合がなければ天下り先がひとつ減ってしまいますが。

このようなことは政治家が主導すればできることです。逆に言えば役人には出来ないことです。ところが現在の小野寺大臣含めて、そのような気はないようです。
こんなことで大綱や中期防で書かれているような調達改革、防衛省改革ができるのでしょうか。仏作って魂入れず、にならなければいいのですけども。


以下は12月24日の防衛大臣記者会見のぼくの質問です。
http://www.mod.go.jp/j/press/kisha/2013/12/24.html

Q:韓国からの弾薬の要求ということは、5.56mm以外の要求というのはあったのでしょうか。それとも、5.56mm弾だけだったのでしょうか。
A:今回、私どもが現地から報告を受けているのは5.56mm弾のみの要請というふうに承知をしております。

Q:中期防で水陸両用車とオスプレイと思われるティルトローター機の調達が明記されているのですが、両方ともまだ十分な評価をしていない段階だと思います。AAV−7に関しては先日報道官の方から平成26年度中に評価を行うという回答があったのですけれども、平成26年度中ですとAAV−7指揮通信型、回収型が到着していないということで、APC型のみで判断をすると。そうすると、そもそもなぜ指揮通信型と回収型は評価目的で購入しているのかということになりますし、オスプレイに至ってはそういう評価を全くしていない段階で既にもう中期防で調達を決めるということで、すごく拙速な感じを受ける。何か政治的な導入をしなければ行けないという理由が両方ともあるのでしょうか。
A:私どもは、部隊から様々なヒアリングをする中でこのような装備についての検討を行っております。今日具体的な予算についてのレクチャーがあるというように聞いておりますので、そこでしっかり聞いていただければありがたいと思います。

Q:住友重工の指名停止の件なのですけれども、機関銃関係で非常にデータなんかに一貫して不備があったということで、これに関して5ヶ月というのは非常に軽いのではないかと思うのです。74式機銃を調達された時期ではじめから全てデータが偽装されていると。これに関して例えばもう少し重たい処置はないのか、あとは例えばM2であるとかMINIMIに関しては外国からの輸入に切り替えるということは考えていないのか、あとは過去の損害賠償などは考えていらっしゃるのでしょうか。

A:この問題については、担当部局から私の方に報告があった時点から、ある程度時間をかけての対応について協議させていただき、内部でかなり検討して、最終的には報告も受けております。いずれにしても、今日終わった後細かく説明させますので、そこでお話をしていただければと思います。



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低性能でも価格は数倍から10倍の国産小火器〜住友重機が防衛省に納入していた機関銃データの改竄も露呈
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防衛省・技術研究本部に実戦的な装備は開発できるのか@〜リモート・ウェポン・ステーションとは何か?
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防衛省・技術研究本部に実戦的な装備は開発できるのかA〜必要な調達をする気のない自衛隊と必要ない装備を技術実証する技術研究本部の悪すぎる連携
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陸自の水陸両用装甲車、AAV7導入は裏口入学だ
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013122500002.html
日経が伝えないトルコとの戦車エンジン共同開発の真実(上)――トルコの狙いは何か?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013112500006.html
日経が伝えないトルコとの戦車エンジン共同開発の真実(下)――日本がパートナーを組むべき国はどこか?


アベノミクスで食材偽装が増える?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013111100009.html


機動戦闘車は必要か(上)――島嶼防衛にもゲリラ・コマンドウ対処にも不向き
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013103100010.html?iref=webronza
機動戦闘車は必要か(中)――脆弱な防御力
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013110100004.html?iref=webronza



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コメント(11件)

内 容 ニックネーム/日時
清谷様に教えて欲しいのですが、ライフルグレネード(小銃てき弾)はどうしてダメなのでしょうか?手榴弾が届かない遠距離にりゅう弾をぶち込めるのですから、なかなか有用な武器だと思うのですが。
ひゃっはー
2013/12/29 14:22
>ライフルグレネード

グレネードランチャーと較べてがダメな理由は多数あります。
まず命中精度が低い。照準がしにくい。
かさばる。
ライフルの銃身に負担がかかる。
複数の弾種(例えば照明弾、発煙弾、対装甲車弾など)が使えない。

そうじゃなかったらどこの軍隊もグレネードランチャーを使かわずに、ライフル・グレネードを使っています。
キヨタニ
2013/12/29 14:46
自衛隊はドクトリン研究がおざなりですから、兵器への要求仕様なんて書ける訳がないんですよ。
マリンロイヤル
2013/12/29 18:26
私はいつも実戦経験を強調するが、今回はそれで解決しない。問題の根幹に日本人の国民性が関係するからだ。旧軍では、軍とメーカーが主従関係だった。メーカーの技術者は兵器の開発・改良のために、部隊の現場からのフィードバックを得るのが困難だった。軍内で技術者の地位が低いことが当然だった。軍の願望に応えるのがメーカーの役割だった。東日本大震災で痛感したが、現在でも概ね変わってないと思う。一般に主従関係ではメーカーの専門的助言が容易に無視されやすく、客観的事実の積み上げによる合理的判断が困難だ。教訓を活かすためのプロセスも構築されにくい。そもそも日本では知識層でさえ議論のスキルが不足している。よく誤解されるが、欧米人も生まれつき議論が上手いわけではない。義務教育で経験を積んでいるのだ。

2013/12/30 02:21
内容の主旨には概ね賛同しますが、防衛省が厳しい基準を要求することにも問題があると原因訴求されていますが、それは本末転倒というものです。

あと他にもよく書かれていますが、ブログ主様は、装備関係、防衛省内の行政関係に対し、制服組に問題を見出していますが、防衛省の組織実態からかけ離れた問題訴求になっています。

防衛省において、装備調達も部隊編成、人事、予算等に対し制服組の決定関与は驚くほど出来ないようになっています。

制服に問題がないとはいいません。ただ、問題訴求している相手が大概間違えています。


ルーフィー
2013/12/30 17:25
陸自の装備品の試験評価が出来レースになっているのは、天下りOBと現役制服組が癒着しているからです。
いえ、制服組のせいですよ
2013/12/30 20:40
住重が防衛から撤退出来なくなったのは防衛産業にとって多大なる不幸、グループ企業は潔く手を引き始めているのに。生き殺し日本防衛産業に拍手!
ちきてり
2013/12/31 01:42
開発の現場、予算要求では、運用者(制服)の意見が最も尊重される。ところが、ここに筋違いが多い。なぜなら、訓練のための白物家電が欲しいから。一見すると便利そうな機能が沢山ついているものの、真に必要な機能性能は中途半端。それでいて、高価。

制服に大きな問題があります。内局なんて、幕が決めたことの追認が主ですから。

2013/12/31 01:48
内局優位はあったにしても、制服がドクトリンも示せず、高いオモチャを要求するだけじゃ、相手にされないのは当たり前です。
マリンロイヤル
2013/12/31 13:47
 去年、そういえば某艦で12.7ミリ機関銃の
とう発事故があったそうですが、現場も発射回数
を守っていたとおもいますが、今回の記事で納得! 
62言うこと聞かん銃
2013/12/31 23:07
いえ、制服組のせいですよさん

私は調達のこと、あとは、厳しいスペックを要求するから問題が生じるように書いてあったので、それは本末転倒と言いましたが、装備品の評価試験が出来レースであるか、それが誰のせいであるかに言及はしていませんが、一体何に対して反論をいただいているのでしょうか?

ちなみに評価試験が出来レースであるとする論拠や事例を提示頂けたら幸いです。

絶さん

内局が幕の追認が主である論拠提示や事例を提示いただけませんか?
追認することはありますが、それが主であることはありえません。
防衛省の組織実態からかけ離れています。


マリンロイヤルさん
内局有意があったにせよとありますが、今も内局優位、内局の統制補佐権は、法的にも健在です。

あと、省内における制服の一つのマナーであるのが、独自のドクトリンを提示しないというのがあります。
なぜならば、国家戦略も安全保障戦略も政治が策定してないからです。これらがなくては、ドクトリンはおろか本当の意味で戦術も成立しませんし、この状態でドクトリンなどを制服が提示しようならそれこそ制服の暴走と叩かれますので、控えるながマナーであるのは今も変わらぬことです。
ルーフィー
2014/01/01 01:06

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