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zoom RSS 退役海自艦を巡視船に転用検討、その効用と問題点 

<<   作成日時 : 2013/03/06 12:50   >>

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海上保安庁が、海上自衛隊から退役する護衛艦を譲り受けて巡視船に転用する案を検討していることがわかった。沖縄県・尖閣諸島周辺で領海侵入を繰り返す中国公船に対応し、態勢を増強するためで、海保は退役予定の護衛艦を1月に視察した。ただ、操船技術の違いや乗組員の確保など、解決すべき問題もある。
尖閣監視へ退役海自艦の転用検討 海保、巡視船に
http://www.asahi.com/national/update/0305/TKY201303040424.html

日本政府の尖閣諸島防衛の意思を示すという意味では非常に大きな意味があります。

ただ実際問題として油代や人件費を含めた運用コストだとか、改造費などが巡視船を新造した場合と比べてどうかということは十分に検討する必要があります。
 特に主機はガスタービンエンジンですから、これをそのまま使うと、結構燃料費を喰います。かといって主機を交換するとこれまた結構なコストがかかります。このあたりのソロバン勘定は必要です。

後何年このフネを使うか、他の同型艦も同様に転用するのかということをよく考えておくべきです。

また兵装をどうするのか。主砲はともかく、対潜関連や対艦ミサイルの類は必要ないでしょう。
戦時には海自に編入するとか、海自の指揮下に入れるというのであればそのままでもいいでしょうけど。
いらぬ摩擦を生んだり、またエスカレーションを招く危険性もあるので撤去する方が宜しいのではないでしょうか。
その方が重量が減って燃費もよくなりますし。

それから必要な改造があります。中口径機関砲、12.7ミリ機銃を搭載したRWSの類は必要でしょう。主砲と人間が操作する12.7ミリ機銃だけでは任務には適しません。また、艦橋などに防弾装甲を施すことも必要です。


戦時における海自との関係をよく考えておく必要があります。何しろ自衛隊法では戦時に海保は自衛隊の指揮下にはいることになっているし、海保の方の法律では軍事行動を禁じています。法解釈ではこの二つは矛盾しないといいますが、ぼくは怪しいと思います。少なくとも海保と海自の間では見解が異なるようです。


大石英司氏も仰っていますが、むしろ海自のP-3Cを海保に払い下げるべきです。
http://eiji.txt-nifty.com/diary/2013/03/post-f34a.html

主翼を新造すれば新造機に近い寿命が確保できます。川重傘下の日本飛行機に頼むと高いでしょうから、カナダのメーカーに纏めてオーダーすればかなりリーズナブルな価格になるでしょう。
ついでにデジタルコックピットを採用し、エンジンも新型に換装すれば整備費、燃費もかなり低減できるでしょう。
整備や訓練は海自にやらせればいい。

本来ならば海自のP-3Cも同様な近代化を施すべきですが、P−1というい新しい玩具の調達が目的化しているし、メンツもあるからやらないでしょう。

こういうことは政治家が決断しないと動きません。

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
今月の「世界の艦船」でもこの問題に関する記事が出ていましたね。操艦を考えると、海自の退役者を雇用するのはどうかという見方が紹介されていました。
一方、海保も、こんなことになるとは思っていなかったのか、改しきしま級を建造中です。この予算を使って南西諸島警備用の1000tクラスを建造すれば数も稼げたのに残念です。

それからキヨタニ様のような専門家がP-3Cの委譲を提案されるとは意外でした。ご存じのように海保の固定翼機は今まですべて民間機転用なので、とても整備ができないと思います。これも人員も含めてというお考えでしょうか。
ブリンデン
2013/03/06 17:46
整備は海自にやらせればいい。これが一番合理的ですが法的なことや権限などがあれこれ面倒でしょう。これは政治が解決すべきことです。
それが難しいならば海自の整備員の一部を海保に移管すれば宜しい。海保の定年の方が長いですから、再就職斡旋の負担が減ります。自衛隊の整備員は民間で同じような仕事のに付けないので当人にとっても宜しいのではないでしょうか。
余談ですが武器輸出はP−3Cとか中古兵器の売却が一番無理がないかもしれません。
キヨタニ
2013/03/06 18:36
三陸の津波被災の造船所に巡視船を発注してはどうでしょうか。
どらえもん
2013/03/06 22:00
お邪魔します。
 不正規戦とかを視野に入れると軍隊と国境警備隊・沿岸警備隊といった準軍事的組織がかぶる部分が出てくるとは思うのですが、あまり一体化すると今度は準軍事的組織の「緩衝装置」としての機能に支障が出ると思われます。世界では軍隊と準軍事的組織との関係をどうしているのかに興味があります。尤も中国や専制的な国家のそれは参考にならないでしょうが(例:中国の武装警察は準軍事的組織?)。
ブロガー(志望)
2013/03/09 23:15
既存機P-3と新型機P-1両方をK重が担う以上P-3の将来性はないのではないでしょうか?年2機寿命延長しても哨戒機は益々足りなくなるはずです。仰るとおり海外でどーんとまとめてP-3改修するのが名案だと思います(とはいっても新造翼は来年ぐらいで生産終了なのでK重には都合がよろしいようで
ちきてり
2013/03/12 23:18
整備の問題で転用不可。ディーゼルエンジンの他国製艦船を購入すれば?
th
2013/03/19 18:51

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