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zoom RSS 需要拡大は「シャブ中総理」にはできない

<<   作成日時 : 2012/12/27 00:22   >>

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 これまで、何度かデフレの緩和には需要の拡大、マーケットの拡大しかないと述べてきました。
 また公共事業のばらまきではそれは達成できないと述べてきました。
 
 公共事業は我が国のような成熟国家では波及効果は極めて限定されています。
 なのに政府は借金を増やして公共事業を行います。まるでシャブ中患者のようです。そのときだけは瞬間的にGDPは膨らむでしょうが借金だけが残り、身体はぼろぼろ。
 
 今の我が国はまさにその状態なのですが、安倍総裁はシャブ中体質らしく、まだ公共事業という名のシャブを打ち続けるようです。
 それで票が買えるんでしょうけど、ゾンビのような旧体質の自民党を温存するだけで、国は傾きます。
 
 実需を増やすのは容易ではありません。
 何しろシャブ中患者が国の借金を増やしますから、国民は支出を抑えて将来のために貯金します。ですから公共事業をすればするほどマーケットは小さくなり、税収は減ります。

 しかも我が国は人口減ですから頭数が減ります。
 では、移民を増やせばいいといのは短絡的です。
 言葉も習慣も違う移民が家族ごと呼び寄せれば、社会保障は膨らみます。フランスの人口が増えているのはアフリカ系やアラブ系移民が子だくさんだからです。失業者が子だくさんになれば国が面倒を見ます。貧しい家庭の子供がギャングにでもなれば治安のコストも増えます。事実そうなっています。
 欧州各国はそれで痛い目を見ております。
 
 ですから安直に移民を増やすことは、逆に財政悪化を招きます。

 政府に簡単に市場拡大の妙案があるはずがありません。そんなものがあればバカの一つ覚えみたいに借金して公共事業のばらまきばかりやっていないでしょう。

 ですが世の中にはデフレでも市場が拡大するようなヒントがあれこれ落ちています。
 例えば、眼鏡です。最近は眼鏡を格安で売るチェーン店が業績を上げています。
 
 単純ににかつて5万円していた眼鏡が1万円になれば単純に眼鏡屋は8割売り上げが下がります。
 ところが現実はそうではありません。値段が劇的にさがったため、消費者は気軽に眼鏡を買うようになりました。眼鏡を購入するための心理的なハードルが下がったのです。
 
 ですから、ファッションや気分に合わせて眼鏡を換えたりする人が増えました。またPC用眼鏡、ゴルフ用、スポーツ用眼鏡を別途買う人が増えています。また今まで我慢して古くなった眼鏡を使っていた人が、新しい眼鏡を買うようにもなっているでしょう。例えば今まで5年に一回眼鏡を買っていた人が、2年ごとに眼鏡を買い換えたりするわけです。実際ぼくもこの1年ほどで6個ほど眼鏡を買いました。

 眼鏡をT使用目的や、ファッションにあわせて換えるというのは「文化」の創造です。この文化がなければ眼鏡の低価格化は単にデフレを加速させ、マーケットを小さくするるだけです。
 眼鏡を用途にあわせて使い分ける、あるいは常に新しいデザインの眼鏡を買うという「文化」が普及すれば眼鏡の売り上げは大きくなり、市場は膨らみます。
 
 食べ物でも同じで、400円の牛丼が270円になって、浮いたお金でふぐやフランス料理を食べに行こうというのも文化です。多彩な食を楽しみたい、食べたことのない味にチャレンジするというのも文化です。
 食い物なんてタダの餌、安ければいいというライフスタイルの人間ばかりでは食文化は育ちません。

 オウム真理教の麻原は「ゴージャスな食事」をするときはファミレスであれこれ注文しました。
 彼は決して料亭や高級なイタリアンやフレンチに行ったりしませんでした。彼には文化が無かったからです。
 (別に高いものだけが文化というつもりはありませんが、彼の食文化が貧しかったことは事実でしょう。)
 
 成熟社会で消費者をわくわくさせるような、新しい文化の開発こそが需要を作ります。

 携帯のストラップやウォッシュレットも文化があったればこそ出来た市場です。
 海外の携帯にはストラップを通す穴がないものが少なくありません。対して我が国には当然のようにあります。つまりこの穴が他国にはない、あるいは少ないマーケットを創造したわけです。

 また同人誌の交流で我が国の零細印刷所は大きなマーケットを得ました。これも諸外国にはないマーケットを作った例です。いくら金融緩和しても仕事がない印刷会社に金を貸して、設備投資をしても需要は膨らみませんし、印刷会社の業績が良くなりません。貸し倒れになるだけです。

  

 役人や学者、政治家にとってはこういう新しい、何か人を感動させる、ワクワクさせる文化の創造というものが一番苦手でしょう。

 ですが、頭が無いからといって、安直に金融政策を弄んだり、借金して公共事業でばらまきを行うことが許されるわけではありません。
 政府にできることは借金を減らし、民間の創意工夫を邪魔するような規制を行わないことです。防衛費をとってみても無駄はそれこそバケツに漬けたずぶ濡れのぞうきんのようにあります。政治家の仕事はそのぞうきんを絞ることです。


 繰り返しますが、需要と市場の拡大こそがデフレを緩和します。またそのような需要をつくるのには文化が必要です。




新しい市場のつくりかた
東洋経済新報社
三宅 秀道

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新しい文化とビジネスの開発に非常に示唆に富んだ本です。




自民党 安倍総裁の経済観を疑う 自民党には投票せず
http://kiyotani.at.webry.info/201211/article_9.html

新幹線よりも既存インフラの維持を 
http://kiyotani.at.webry.info/201212/article_3.html

円安、インフレで景気は良くならない。
http://kiyotani.at.webry.info/201212/article_5.html

安倍不況が始まる
http://kiyotani.at.webry.info/201212/article_9.html

公共事業とインフレは景気を悪化させる。
http://kiyotani.at.webry.info/201212/article_15.html

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内 容 ニックネーム/日時
その発想には穴があります
「新しい「文化」に金をつぎ込むようになった人間は、その金を都合するために、従来の「文化」に金をかけるのをやめてしまう」からです

いい例がストラップではない携帯そのものでしょう
携帯コンテンツがビジネスになったとき、若者が惜しみなく金をつぎ込むのを見て、「景気浮揚の起爆剤になる」と期待されました
ですが、若者はその金を工面するために、車も海外旅行も、恋愛さえもやめてしまったのです
…携帯は起爆剤どころか、冷却剤になってしまいました

結局、雇用と所得というパイそのものを恒久的に増やさない限り、「文化」による需要創出は、需要がシフトするだけ、ただパイの切り分け方を変えて「こんなに大きく切れたぞ」というだけの効果しかないでしょう
明日はどっちだ、そもそも明日はあるのか
2012/12/27 06:52
終戦以来の土建屋つながりの党ですからね。
その癒着状態からは、離れにくいということでしょうけどね。
また、元の木阿弥にならなければいいんですけどね。
迷惑するのは国民ばかりであります。
(=^・・^=)
2012/12/27 08:05
なんか、逆みたいですけど。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/kouza/kabuka2/03/20120618-OYT8T00470.htm
>過去10 年間、眼鏡一組の価格は低下の一途をたどり、これにつれて市場規模も縮小した。
ST核融合
2012/12/28 02:55

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