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zoom RSS ホーカー・ビーチクラフト社を中国企業が買収を目論む

<<   作成日時 : 2012/08/08 15:40   >>

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  我が国ではあまり話題になっておりませんが米ビーチクラフト社が破産申請、これを共産党系の中国企業が買収しようしてます。で、米業界団体などが米破産裁判所に買収の差し止めを申請しましたが、結局買収されました。
 このことは先月のファンボロー航空ショーでも結構話題になっておりました。

米航空機メーカーのホーカー・ビーチクラフト、破産申請を検討
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE82S01J20120329
中国企業による米航空機メーカー買収、業界が差し止め申請
http://www.epochtimes.jp/jp/2012/07/html/d18942.html
ゴールドマン傘下のホーカー、中国企業への身売りに合意
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M6WYZZ6K50ZM01.html

米ゴールドマン・サックス・グループとカナダの投資会社オネックス傘下のビジネスジェット機メーカー、米ホーカー・ビーチクラフトは、中国の北京卓越航空に17億9000万ドル(約1420億円)で身売りすることに合意した。

 同社の民間機部門もキングエアなどのビジネス機は軍用のISR機や連絡機などとして、多数使用されています。我が国でも海自や陸自が同社の機体を使用しています。
 今後結構整備など、剣呑な状態になるでしょう。

 
 武器禁輸も緩和される方向にありますし、我が国のメーカーが買収に乗り出せばよかったのに、と思ってしまいます。
 中国側が提示した費用は邦貨にして約1400億円程度です。値下げや、税金などの優遇措置を引き出せるでしょう。恐らく1000〜1200億円程度までは値下げさせることができるたでしょう。
 ホーカー・ビーチクラフトは財務状況がそれほど悪いわけでもない、うまくやれば利益が出る会社だと思います。
 

 なにより、同社が持っている世界的なセールス&アフターサービス網が手に入ります。また同社の機体の整備や一部組立を日本に持ってくることがでしょう。となれば、国内の部品メーカーなどにも恩恵があるでしょう。

 三菱重工はMRJでアップアップだし、富士重工は航空部門にそれだけ資金を投じられないでしょう。新明和にはそんな体力がない。可能性があるのは川崎重工ぐらいでしょうか。

 ビジネスジェットに乗り出したホンダが買収することは資金面でいえば可能かもしれせん。ただ同社の航空機ビジネスは途についたばかりなので、事業本体よりも大きな会社を飲み込むことは大きなリスクを抱えることになるでしょう。

 まあ、川重にはそんな度胸も、矜持も、将来の事業の展望もないでしょうけど。
 
 とりあえずR&Dにしても、生産にしても全額回収可能でリスクのない防衛省の仕事と外国メーカーの下請だけをやっていればいい、というスタンですから。
 ところ実際には防衛省依存はリスクが高い。10年先を見れば防衛需要なんて、真っ暗です。調達予算の規模は縮小が確実ですからライセンス生産しているチヌークやMCH-101などのような大型ヘリのライセンス生産は輸入に切り替わるでしょう。
 UH-Xにしても防衛省以外に買い手はないでしょうから、商売として発展性はありません。

 P-1やXC-2にしても調達機数は随分と減らされるでしょう。
 ヘリの稼ぎ頭のBK-117にしてもユーロコプターが将来契約を継続するかどうかは微妙でしょう。同社は神戸の新拠点で国内製造をすることも可能でしょう。因みにBK117は川崎重工よりもユーロコプターの値段の方がかなり安いようです。
 
 つまり10年以上先を見越せば、防衛省に寄りかかって食っていけるような状況ではないことは明白です。いずれは事業が維持できないレベルまで防衛省の売上は減り、結果として事業から撤退することになるでしょう。
 
 当然なららいままで「市場経済」リスクから逃げていた甘ちゃん企業がそのときなって、いきなり市場経済に参入しようとしても成功は難しいでしょう。 

 ですから三菱はMRJを始めたのでしょう。

 川重の経営陣は自分たちの任期の間の商売さえ回っていれば、将来は野となれ山となれなのでしょう。
 
 多分このままいけば、同社の航空事業は先細りになるでしょう。リスクを取らないことは実は大きなリスクを背負うことになる。
 そういうことがわからない、あるいはわかっていても行動が取れないのが危機意識に欠けた大企業の特徴ではあります。

 既に中国は欧米航空企業を買収しており、技術や営業拠点を確実に増やしていおります。リスクをを冒さずに、国家に寄生して税金で喰っていこうという卑しい企業ばかりならば、中国の後塵を拝するのは勿論、国内の防衛航空宇宙産業は尻すぼみになるでしょう。
 

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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
と言うか、ライセンスの形での技術の取得はともかく、日本の航空機にかかわらず、製造業は自前主義で、かつ買収するにしても日本企業同士、精々政治的なジョイントベンチャーという面が多いですね


東芝のWH買収とか例外的なこともありますが、自動車も今や日本車メーカー傘下の外国メーカーは無い(トヨタが出資したテスラ程度かな?)

>今後結構整備など、剣呑な状態になるでしょう。
気にせずに機密流出なんてありそうで怖い
an
2012/08/08 21:27
日本でトップに据えられるのは最も失敗しない人。これが続く限り、治療より延命策を選ぶでしょう。
多摩っこ
2012/08/08 23:52
>BK117は川崎重工よりもユーロコプターの値段の方がかなり安いようです。
ドクター・ヘリで一機約6億7千万、最近のJAXA向けは7億2千万です。
>ライセンス生産しているチヌークやMCH-101などのような大型ヘリのライセンス生産は輸入に切り替わるでしょう。
23国MCH-101は、1機 151億円します。製造費は49億8千万円ですが、川重は初度費の割掛け101億3千万をばっちり回収しています。ここまで投資すると、輸入には切り替えられない・・・気がします。
トライ
2012/08/09 22:56
>全額回収可能でリスクのない防衛省の仕事・・・だけをやっていればいい、というスタンですから。
その通りなんです。技本契約公開資料によるとXC-2の中胴設計ミスの場合、改修補強材の一体化検討に約10億円、#01の改修費用だけで33億円の血税が投資されているのです。これらの教訓を生かせず、UH-XはOH-1の改善開発でコスト効果があるという。UH-X開発その1は約35億円、これでは満足な機体はできない・・・でも改修費を付け回しできるから何とかなると考えているらしい。やれやれ
トライ
2012/08/09 23:17
ふと思ったのですが、清谷さんに対してネット対策をしているところがあるかもしれません。

いつもgoogleで「清谷」と入れるとこのブログがトップにきてましたが、いつのまにかこのブログの順位が下がっています。

ひょっとしたらgoogleのロッジックが変わったり、偶発的なことが理由かもしれませんが。

2012/08/14 15:27
↑で「ネット対策」のことを書き込みましたが
今googleで清谷さんの名前を入れると正常化していることが確認できました。

お騒がせして申し訳ありませんm(__)m

2012/08/16 15:43
この手の中国企業は、バックが国なんでしょうね
unimaro
2013/02/15 22:11

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