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zoom RSS ル・オタク フランスおたく物語 今月15日発売!

<<   作成日時 : 2009/01/11 21:53   >>

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今月15日、拙著「ル・オタク フランスおたく物語」が発売になります。
 これは今から10年ほど前にKKベストセラーズから出した本の文庫版です。

 いまでこそ、世界中で日本のマンガやアニメが人気となり、オタクイベントが至るところで開催されるようになりましたが、この本を書いた当時、そういう時代を予想する人は少数派でした。
 
 まして、いまでこそソフトパワーという言葉もありますが、当時国益の観点からオタク文化を振興しろなんて言っていたわけですから、当時は右翼かキチガイ扱いされることもありました。「国益」という言葉を使うだけで「右翼」ですからね。
 実際の所、「南京大虐殺の国」と言われるよりも、「ドラえもん」や「NARUTO」の国、といわれる方がいいに決まっています。またマンガやアニメを通じて我々日本人に現在の生活やメンタリティが理解されますから、誤解に基づく日本批判も減ります。そういうことがやっと近年認識されてきました。

 随分と日本の世論も変わったものだ思います。

 当時はまだ日本というと「フジヤマゲイシャ」とクルマと家電という極端なイメージが多くあったわけです。中国と日本の区別も殆どつかないし。インテリ層ですらそうでした。

 そんな時代に政府は歌舞伎や、着物、茶道、相撲とか伝統文化や「高級そうな文化」、つまり威張りがききそうなものばかり海外で紹介してきたわけです。そら、カルチャーギャップは埋まりませんわ。大体日本人が平均何日一年に着物を着ていますか?

 今の日本人、日本の等身大の文化が殆ど紹介されていませんでした。つまり、わざわざ我々日本人は金を使ってネガティブキャンペーンをやっていたようなものでした。

 この本はフランスのおたくをテーマにしていますが、商業文化としてのオタクがどのように伝播していったかということとを軸に書きました。ある意味ビジネス書であるという意識でも書いていました。
 
 ネットでの書評では「経済の話が多い」と批判的なものありましたが、経済を抜きにして文化の伝達は語れません。例えばコミケにしても毎回何億円も赤字を出していたら継続はできません。ぼくら物書きも霞を喰って生きているわけではありません。と言うわけで、ご購入の程、よろしくお願いします。

 また基本的にぼくは欧州文化を理解するにはキリスト教と軍隊に関する素養が不可欠であるという信念をもっておりますので、そういう観点から日仏の違いにも触れたりしております。
 フランスも日本と同じ、無意識に思っていると本来見えてくるべきことも見えてきません。
 
 日本のインテリの悪いところは軍事というファクターを意図的に排除することです。そうすると自ずと見えてくる来る像が違ってきます。例えば男性用の洋服の歴史はほぼ軍服の歴史なのでうが、日本のテキスタイル関係の本ではそれを不自然にはしょったりしている本も多々あります。

 文庫化にあたって元本を読み直していたのですが、中国への企業進出は気をつけた方がいいとかということも書いています。
 今では誰もが納得する話ですが、10年前だと中々理解して貰えませんでした。当時でも中国に関してはネガティブな情報はある程度出回っていましたが、何故が新聞(特に朝日と日経)では中国経済のネガティブな情報は報道されてきませんでした。

 最後の章ではいきなり10年前から飛んで、現在の状況について書いております。あのセバスチャンに関してもかなりのスペースを費やしています。

 タイトルの「ル・オタク」ですが、本来フランス語だとリエゾンで、ロタク(L'OTAKU)、という発音になります。
 文庫化に当たって「フランスおたく事情」とか改題も考えたのですが、まあ、日本の本だし、ということで今回も敢えてこのタイトルを使うことにしました。


ル・オタク フランスおたく物語
講談社
清谷 信一

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関連情報

日本発マンガ・アニメーションのダイナミズム ?第6回日本製マンガ・アニメが更に発展するには何が必要か?
財団法人 東京財団

ぼくの発言も結構掲載されています。

http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2000/01167/mokuji.htm

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コメント(11件)

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皮肉をいえば現実のダンナを捨てて、韓国まで韓流スターの追っかけをしているオバハンの方が社会的常識がないのに、オタクを社会的常識がないと馬鹿にするワイドショーと社民党の福島みずほと日本のアニメはポルノだと意見が一致したフランスの元大統領候補のロワイアル氏といい、こいつら口では表現の自由を尊重するといっておきながら、本音では表現の自由よりも治安維持を重要だと考えている警察国家を支持しているようにしか思えないんですけどね。
斜めの視点
2009/01/12 11:56
社民党の福島みずほ氏は昔、家族が皆、18歳になったら家族の解散式をやると言ってたそうですが、本当でしょうか?
おはぎ
2009/01/12 16:22
でも昨今の円高で日本に来れる外国人は中流以上の金持ち階級だけになりそうな予感もします。まあ金持ち外国人オタク目当ての商売もありですよね。あ、ネット販売もありかも。
ウーロン茶
2009/01/12 18:20
福島みずほは独立した女性は子供は要らないといった事をいって宝島30に糾弾された事がありましたけど、家族解散なんて全然しりません…。サヨクやプロ市民はバカだからマンガやアニメなんて観てないし、個人的にはガンダム00が鬱展開で話が複雑すぎて観るのがキツイですから、宇宙をかける少女に乗り換えています。週刊金曜日の石坂啓のマンガを面白いと思うほど落ちぶれてはいませんし、私は清谷信一さんのオススメの天体戦士サンドレットの方が面白いです。宇宙をかける少女は宇宙コロニーが出てくるし、だいたい石坂啓のマンガなんてプロ市民やサヨク独特の豊かな物や世間に対する妬みや恨みばっかりで読む者を鬱にさせるので心を貧しくさせます。
斜めの視点
2009/01/12 20:25
ル・オタク文庫化おめでとうございます。以前の本は絶版になっていて確かAmazomで2000円以上出して購入したはずでした。今から見てもあの本は名著だと思います。当時、自分は林信吾氏や高尾慶子氏、そして清谷氏らの本で「本当のイギリスの姿」を知ることができ、色々考えさせられることが多かったのですが、当ブログに「フランスの社会はイギリスと比べても保守的です」と書かれていて、これ以上保守的な社会なんて具体的に想像することすらできませんでした。そうしたフランスの実際の社会についても触れてもらってとても面白かったことを思い出します。トンカムやセバスチャンは今どうなっているのか。発売が楽しみです。
SNK22
2009/01/12 22:38
フランスは良くも悪くも「警察国家」だと思います。これはサヨクが用いるような批判的なニュアンスだけではなく、いざとなったら陸軍クーデターに対抗しうる能力が、警察に期待されているという意味での「警察国家」です。まあかつてのアルジェなんかではかなりあくどい事も実際にしていたようですが。

オタクのフランス人の人って、10年ぐらい前に「ゲーム批評」という雑誌に出ていませんでしたか?

2009/01/13 03:46
先ほど 本屋を巡って購入しました
Gコン
2009/01/16 14:20
ご購入、ありがとうございます。

>「警察国家」だと思います。
このあたりの話も、本書に書いております。
おたくを通じてフランスの社会の仕組みがなんとなくわかるよな仕掛けになっております。

「ゲーム批評」の件は存じませんが、日本の業界で仕事をしているフラン人おたくは結構多いので別の人の可能性もあります。
キヨタニ
2009/01/17 12:46
私のブログへのコメント、ありがとうございます。ル・オタクは素敵な本だと思います。文化というものの受容の仕方とその国のマスメディアの特徴を関連づけている本というのはなかなかないように思います。是非続編が読みたいものです。
猫野
2009/01/28 23:33
初めまして。文庫版、読ませて頂きました。
実は、昨年、フランス人の青年の企画によりCDを制作しました。聖闘士星矢フリークだった彼は、オリジナルBGMの作曲家、横山菁児氏と、アニメータの姫野美智氏を口説き落とし、全くオリジナルの作品を作って、昨年のジャパンエキスポに出展しています。
ビジネスとして成功するかどうかは分かりませんが、彼の国の人の心意気は凄いものがありました。
RAGEN BLUEで検索して頂くと、試聴や、下敷きのサンプルが見つかります。
おそらく、日仏コラボレーション企画としては、初めてのものではないでしょうか。
BOKU
2009/02/09 23:47
>RAGEN BLUE

興味深いですね。
今後もこういうのが増えていくでしょう。
熱意をもって新しいことに挑むっていいですよね。
キヨタニ
2009/02/10 10:39

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