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zoom RSS 地方でのマイカー制限の提言

<<   作成日時 : 2008/01/04 00:04   >>

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 ぼくが考えるに地方衰退の一因はモータリゼーションではないかと。以下は仮説に基づいた考察です。

 かつて地方の町々に大型店が進出しようとしたとき、商店街などの大型店舗の進出が規制されました。そこで郊外に大型店が出店したけです。で、郊外にそんな大型店が出来、駅前商店街が衰退したわけわけです。地方の商店街は目先の競争を避けたわけです。大型店との競争は避けられましたが、流れない水は腐るがごとく不活性化していったわけです。新しい出店も商店の交代もない。そら、衰退します。
 地方の商店街がシャッター街になった遠因はここにあるわけです。

 郊外店の興隆と共にその他の商売、ファミレスやラブホテル、パチンコ、中古車販売業などの商売や病院や公共施設なども地代の安い郊外にできるようになりました。このような流れがモータリゼーションと相互作用し、人口が鉄道駅を中心とした町から拡散したと思います。
しかも郊外型店舗はチェーン店が多く没個性ですから、日本中どこにいっても同じ光景が見られるようになります。

 クルマによる移動はバスや鉄道など公共機関による移動より遙かに楽ですし、時間的な制約もありません。夜遅くの移動も可能となります。いったん楽を覚えた人間はそれ以前の生活には容易に戻れません。
 当然その分公共交通機関の収益は悪化します。企業あるいは地方自治体が運営する公共交通機関の収益は悪化します。となるとダイアが間引かれたり、廃線が増えて不便になる、そうなるとモータリゼーションが更に進むわけです。悪循環です。クルマがあれば便利ですが、クルマがないととんでも無く不便です。まるでアメリカのような社会であるといえるでしょう。

 それでも家族で複数の人間が運転できればいいですが、人口が減る、あるいは高齢化によって運転手が確保出来ない家庭が増えるてきています。
 ところが以前に比べて公共交通機関が衰退しています。今後更なる高齢化、過疎化がふえればこの傾向は更に加速するでしょう。

 そんな現状で地方に道路をつくる、つまりモータリゼーションを推進するような道路の拡張に意味上がるのでしょうか。例えば高々現状100人程度、近い将来30人程度になるであろう地域の利便を図るために何十億円も投資するのは合理的でしょうか。使われなくなった道路でも維持費だけはかかります。
 しかもクルマを持たない世帯にとって道路整備は猫に小判でしょう。

 非常に意地の悪い言い方をすれば、地方の道路建設は10年間ぐらい凍結すべきです。その間に高齢化の進んだ農家は更に高齢化が進み、死滅する村落ができるでしょう。限界集落は維持が困難になるでしょう。そうなると道路は必要なくなります。道路に必要なカネは浮きますから、それを国の借金返済に充てれば宜しい。


 むしろ、人口と公共施設、病院、学校など駅の近くに集中させ、公共交通の利用率をアップさせるべきでしょう。郊外に進出している大型店舗を駅前に誘致するインセンティブも必要でしょう。

 例えば農家も町に住む。農地まではバスを走らせるなどいうことも考えるべきでしょう。バスにしても第三世界に多いミニバスみたいなものを走らせればいいでしょう。場合によっては持ち回りでミニバスを走らせるなどの方法もあるでしょう。
 また農地を纏めて農業法人に売り、農業法人がリクルートしてきた社員に耕作させる、で社員の住居は駅前にするわけです。 
 それでも維持が不可能となった集落は放棄し、そこは公園にでも指定して、レンジャー施設などを自治体が募って管理させれば宜しい。
 自衛隊に予備役部隊をつくって、普段はこういう場所のレンジャーとして活動、年に3ヶ月ぐらい自衛隊の訓練や演習に参加させるというのはどうでしょうか。
 
 地域全体で、クルマを減らす方が環境保全の面からいってもいいでしょう。クルマの維持にはカネがかかります。一世帯当たり1〜2台クルマを保有すれば税金、車検代、保険、ローンの金利等々年間かなりの金額がかかるはずです。その分を公共交通機関やタクシー各家庭へのタクシーの補助に使えばかなりのことが出来ます。また駅前周辺への引っ越し代を自治体が負担してもいいでしょう。
 また不要な道路を造る金をこのような政策に回したり、ドクターヘリの導入の費用にあてるなどする方が健全ではないでしょうか。
 クルマに新たな税をかけて、よりクルマの維持費を上げ、その金をこれらの政策に限定して使うという案もあるでしょう。

 こういう論を展開すると地方切り捨てだとお叱りを受けるわけですが、過疎の地方から具体的な過疎対策があまり出てこない。で、道路つくれとか税金を当てにした思考停止の声ばかり聞こえるわけです。
 実際問題として高齢化が進むと健康上の理由や体力の問題からクルマを運転できる人間が世帯からいなくなるケースは増えます。また経済的理由でクルマが持てない世帯をどうケアするのかという問題もあります。こいう世帯の生活をどうするかというアイディアがでないならば、
地方でクルマの運転の出来ない人は死ねということになります。
 
 いつも申し上げているように、道路を造ろうが、他のハコモノつくろうが、一時的に地元の土建屋がもうかるだけのカンフル剤に過ぎません。
 その維持費は延々地元も負担しなけりゃいけない。覚醒剤と同じで打っている時は気持ちいいが、すぐに効果は消えます。消えたあとは更に体力を消耗して状況は悪化している。
 若者はそんな馬鹿な田舎には愛想を尽かして都会に出て行く。その悪循環が繰り返されるだけです。
 自助努力の欠片もなく補助金や中央の税金といった「覚醒剤」中毒となって、他人様に金をせびるだけの「シャブ中毒乞食」自治体は遅かれ早かれ潰れます。延命措置をするだけ無駄です。

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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
 バブルの頃もモータリゼージョンでした。しかし地方は疲弊しなかった。

 ただしバブル崩壊のすさまじいインパクトが大きく、あそこで潮目が変わってしまった。バブル崩壊後なんとか国策で公共事業でお金をばらまきましたが、一時的な儲かりで、その後すたれていった。

その後状況はいっぺん旧共産圏東側の市場経済の参入、情報通信革命、これが日本庶民の生活コストの上昇の原因になった。

こういうことをまったく把握できず、自分たちの利権は確保しときながら、庶民に大増税を行い、形だけの小さな政府を行った、小泉・竹中の政策の弊害が一気に加速。こういう一連の流れの結果です。
ななし
2008/01/04 00:42
 自治体もこの流れから、必死に地域活性化を図るために、たとえばITを使い、コスト意識を高め、観光事業を強化したりとか、お金を落とす工夫をしているとこもあります。

これからは、中央にぶらさがるしか発想が出てこない自治体、自分たちで工夫してたとえば自動車やエレクトロニクス、コールセンターなどの工場誘致合戦を行い地域を活性化させる自治体との格差
がどんどん拡大してくると感じてます。

たとえば、会計村とか金融村とか、ゴミ処理場とか、それぞれの独立行政特区というか強みを生かして、首都圏に向けさせるんではなく、東アジアとか南アジアとか世界に向けさせるというのも一つの方法だと思います。
ななし
2008/01/04 00:52
環境省はコンパクトシティーという施策を謳っています。これに乗れば良いのでしょうが、名乗り出る自治体の方は、バイパスもコンパクトシティもですから。
宮崎交通に琴電、今度は松本電鉄が倒れました。
クルマを買ってガソリンで走れば、その分都市に金が流れる。鉄道やバスなら地元に雇用が生まれ、日陰を提供する大樹が育つ。
pongchang
2008/01/04 05:55
地方の若者には、切実な問題であり、あらゆるチャレンジをするんです。 問題はよってたかって、中央省庁や地方自治体の役人が潰してしまうのが現実です。官の指揮監督、管理下で、民を従えさせる以外の市民自主的イノベーションに、役人は猛烈なアレルギーを示す。これを回避するには、税金に一切を頼らない公園市民自主的草刈ボランテイアとなってしまう。地方の予算が無く、入札を止めた公園管理を官より上手くやって、美化、維持管理されている田舎の公園を知っている。そうすると、市民は何の為に
税金を納めているのか、訳がわからなくなる。確かにもう地方には道路は不要だと思う。長物、箱物を後年度メンテナンス費用が年々に巨額となり、地方の財政を破綻させる構図となっている。

guest
2008/01/04 07:10
地方のみを規制すると反発が来るので、
全国的に、市販ガソリンをリッター300円に値上げすれば良いかと。だれも車に乗らなくなります。

都市部はもともと公共交通機関が発達してるし、大きな問題なし。実質地方のマイカー制限につながります。

(公共交通機関と物流関連の指定業者に関しては別途格安に提供)
ぽてとぱい
2008/01/04 23:40
 年末のTVタックルだったかで、自民の議員は全く逆に、「限界集落が多く発生するから、住民の生活維持に道路工事が必要だ」と言っていましたね。短期的には利便性が向上するかも知れませんが、10年も経てば不良資産化します。(私の父方の郷里は、まさにそうなりつつある)でも、限界集落に住む高齢者に、「もう国に金がないから、町中に近いところへ移り住んでくれ」と言おうものなら、「暮らし最優先!(そのためなら、国がどうなろうと知ったことか)」と叫ぶミンスに票を取られかねない。やはり、都会が声を挙げないと、どうにもならんでしょう。
土門見人
2008/01/06 18:21
また農地を纏めて農業法人に売り、農業法人がリクルートしてきた社員に耕作させる、で社員の住居は駅前にするわけです

農業でまともな所得を稼げるならそれも良いと思いますが、現実問題不可能なんですよ

これは日本に限ったことじゃありません
先進国は多かれ少なかれ政府の補助金頼み、あるいは不法移民の安い賃金に依存しています
an
2008/01/06 18:24

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