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zoom RSS 日本マンガ・ブームで窮地に立たされるフランス語圏産マンガ - フランス

<<   作成日時 : 2007/01/29 23:13   >>

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http://www.afpbb.com/article/1268571
 
 フランス語圏のマンガ、バンド・デシネ(bandes dessinees、略称:B.D、ベーデー.)が日本のマンガ(含む中華圏、韓国マンガ)に押されて形勢が不利、という現状のレポートです。

 ちょうど先週末、フランス南西部のアングレームで、アングレーム国際マンガフェスティバル(Festival de la BD d’Angouleme)が開催されておりますが、今年もマンガの出展は多いのでしょう。
5年ほどまえ、このイベントは日本年として日本から桂正和氏など4名の漫画家を招聘したことがあります。夏目房之助氏の展示を行いました。ぼくの友人のドミニクがその仕掛け人でした。
 
 開会式では在仏日本大使が演説をしました。このときは日本外務省もやっとサブカルの威力に目覚めたか、と感慨深いものがありました。何しろ、ドミニクがパリの日本文化会館の開館式に呼ばれず、「俺が一生懸命日本の文化であるマンガをフランスに紹介しても日本人は評価してくれない」と、くさって、愚痴っていたので、彼を援護射撃することも拙著、「ル・オタク」を執筆のきっかけのひとつでした。
 現代日本文化を紹介するというふれこみの日本文化会館のオープニングが、「阿波踊り」でした。マンガも、アニメもお呼びでない、てな感じでした。

 ところが日本の大使閣下がマンガやらアニメやらに関して演説をしておったわけです。
 もっとも現場にいた日本人ジャーナリストはぼくひとりでしたが。
 こういうところ、日本のメディアの嗅覚の悪さを感じます。

 BDが劣勢なのは、量産が効かない、書き下ろしが多い、10代の読者を無視してきた、ハードカバーのアルバム形式が多く、値段が高いなど色々理由があります。
 
 日本のマンガが本格的にフランスで売られ始めたのが90年代半ばですから、最近の若者は子供の頃からマンガに親しんできたことになります。ですから一時のブームではなく、既に文化として定着しているといっていいでしょう。

 個人的にはBDが好きです(それが高じて日本唯一のBDショップなんぞも始めたわけですが)。特にユーゴ・プラット、マナラ(二人ともイタリア人ですが)などがお気に入りです。なんとかBDの独自の強みを活かして更なる発展を望みたいところです。
 期待しているのは、ダビッド・ベーとか作家にしても出版社にしてもマイナーな新興出版社です。既存の枠にとらわれない作品を出しています。
 
 まあ日本の漫画家もメビウスやらエンキ・ビラルなどBD作家から多大な影響を受けておりますし、60年代のBDもアメコミから多大な影響を受けておりました。
 
 文化はピンポンのように影響を与えながら発展していくもので、今後もBDは形を変えながらも生き抜いていくでしょう。

 最近はBDの作者にもマンガ世代が増えてきています。まるで日本のマンガやアニメのようなBDが増えています。

 引用したこの記事で誤りが幾つかあります。
「34年の歴史の中で初めて、アングレーム国際マンガフェスティバルは日本マンガ展示会を設置」
 先述のとおりです。

「日本マンガから学ぼうという人々が出てきた。そして遂に昨年から、日本マンガの影響を受けたフランス人作家が現れるようになった」 
 既に90年代からマンガ、アニメに影響を受けた作家が出てきています。


 それから今回のアングレームでは、水木しげる氏がで最優秀コミック賞を獲得しました。
 恐らくアメリカのコミックコンベンションではあり得ないことでしょう。

 http://www.afpbb.com/article/1277970


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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
フェスで、「光る風」が後世に残すべきマンガに選ばれていたので、やな感じです。
「光る風」は、学生運動がピークから退潮に向かい始めた転機の年となった1970年に少年マガジンに連載された。
 内容は、軍事政権下で思想統制が行われた近未来を舞台に、「隠された謎の奇病」と「三光」の謎を追ってノンポリだった主人公が政治運動を始めていく、グロテスクな左翼思想プロパガンダまんが。
 「三光」という捏造された歴史観を土台にしているだけあって、新左翼、特亜人、左翼フランス人には名作でしようが・・・・・
マタンゴ
2007/01/30 01:11
The All:日本では、マンガ(文化)だけが単独で独立した文化を形成しているのではなく、アニメ、ネットゲーム、ロボット(趣味も)、最近はコスプレ等、政府の干渉が無い自由競争(多産多死)の下で、発展した過去を持つ強さがあり、日本の知識階層(政/官/財/学等)やフランス文化人がアキバ文化(アニメは中央沿線)を過小評価している傾向は残念に思える。 今は、国防総省陸軍さえ、日本の「ストリートファイター」ゲームを真似(品が悪い言葉でパクリまくり)て、対テロ戦ソフトを作成し、全世界へ無料配布するビジネスアンフエアーを始めたから、言うなれば、中/韓/日
の電脳児(新世代)と国防総省が非対称なる戦いを始めた構図でもある。軍が
こんなアンフエアーを始めたら民間企業は立ち行かない。
guest
2007/01/30 06:16
>「三光」という捏造された歴史観

べつに、向こうにはフィクションのアレゴリーとしてしか理解されとらんでしょう。まあ、『抜刀隊』のよーに敵に対しても一抹の敬意を払う日本とは違い、敵は糞ミソに言う支那の喧伝に見事に引っかかっていた、をろかな時代の微笑ましい病理として見守っときましょう(でも作品のネタ元がポンカシって丸分かりなのが時代ですなあ。『マガジン』の“MMR商法”ってそのころからあったのね)
truly_false
2007/01/30 08:00
「光る風」は、私も小学生時分に読みましたが、プロパガンダはスルーでしたよ。子供心にも、ここはまあ作者さんの感情部分、みたいなのがわかりましたしね。truly_falseさんのおっしゃられるように、あの時代はああだった、という歴史的記録の一部と考えればいいかな、と思ってます。
個人的には、山上たつひこ先生ならば、「主婦の生活」あたりをとりあげてくれれば凄いな、と思いますけどね。漫画という表現手段が海外に広まっても、あそこまでの名人芸を魅せてくれる創作者は、今後そうは生まれないと思います。
sleep
2007/01/30 16:13
 フランスでマンガつーたら、フランスやロシアでも、セラムンが人気番組というのは、本当でせうか?(『萌えよ!戦車学校』ネタ)
土門見人
2007/01/30 22:42
山上作品では「半田溶助女狩り」でしょう。
フランスでドラゴンボールが大ヒットした後にセーラームーンもヒットしました。この二作品でオタへの道を歩んだ和解不乱人の多いこと。
もっともテレビはこの二作品ぐらいから暴力的だと地上波から消え去り、セルビデオやケーブルにシフトしていきました。

キヨタニ
2007/02/01 13:55
イタリアでは、セーラームーンを観るとレズになるとか言う声が出て、物議をかもしたとか。
シロ
2007/02/01 19:18
レズ、暴力的になる、等々色々いわれてきました。
キヨタニ
2007/02/10 00:11

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