財政制度分科会(令和3年11月15日開催)防衛関連資料を読むその7

財政制度分科会(令和3年11月15日開催)の防衛に関する資料、参考資料を解説評論していきます。今回は7回目です。

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20211105zaiseia.html

「資料」と「参考資料」2つがあります。まずは資料の方から見てみましょう。
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20211115/01.pdf


主要国に関する昨今の防衛戦略(P12)
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>○ 中国では、優勢にある敵の戦力発揮を効果的に阻害する「非対称的な能力」を獲得するため、新領域での能力の強化、空母等の洋上艦艇を破壊する弾道ミサイルの配備等を行い、「A2/AD能力」を強化。
>○ 米国では、最先端の技術や能力の獲得のため、伝統的な武器システム等から脱却していく旨の方針を政権が発表。
>○ 防衛関係費の在り方に関しては、どのような戦略をとるべきかを定めた上で、議論すべきではないか。

現在は軍事の世界では大きな転換点に来ています。以前言われていた「軍事における革命」よりも大きな変革でしょう。「軍事における革命」は大変大げさであり、単に軍隊のセブンイレブン化です。実際に防衛省が「軍事のおける革命」に関して米国に視察にいったら、先方から「君たち何で来たの?俺たちは、セブンイレブンから学んだだけだぜ」と言われたらそうです。

サイバー、ネットワーク化など「攻殻機動隊」の世界が現実化しているといっていいでしょう。そして経済安全保障という考え方も浸透して、軍事の世界はより曖昧で、大きな変化を強いられています。

各国ともそれに合わせて軍事を含めた安全保障のあり方を変えて、対応しようとしていま
す。そのためには軍隊も大きな変革を受け入れなくてはならず、痛みを伴う組織の変革も必要不可避です。
ところが我が国は伝統的にこういうことが大の苦手です。一例は大企業の劣化です。バブル終焉までの戦後の高度成長期に過剰適応した組織が自己変革できずに、無能な経営陣が働きアリのサラリーマンにガンバリズムを強要しているだけです。結果、南方戦線やインパール作戦みたいな経営が続いて、企業は疲弊し、韓国、シンガポール、中国などにおいあげられて泰然自若として腰を抜かしている状態です。
多くの分析で、「失われた30年」の原因は明らかですが、大企業も政府も変われない。
そして国家がゆでガエル状態になっているわけです。国と国民の貧困化は進むばかりです。

つまりは政府にしても大企業にしても、防衛省、自衛隊にしてもトップに確固たる危機意識もなく、変革よりも自分の属している村社会のご機嫌取りに終始し、問題を先送りにして状況を悪化させているだけです。

ですから3自衛隊の予算や人員の配分の変更もできず、陸自の縮小、部隊や駐屯地の再編や削減もできません。
以前から連隊単位の機甲部隊が上陸してくる可能性は、ゴジラや火星人の襲来と同じ程度の可能性しかないと申し上げてきました。
実際問題として、連隊単位の機甲部隊が上陸してくる可能性よりも、ドローンによる飽和攻撃、サイバー戦による、金融機関や発電所などのインフラに対する攻撃などの方が遥かに高いにも関わらず、自衛隊はサイバー戦では自分のアセットしか守りませんとか寝言をいっており、使いもしない戦車や火砲、それも旧式化するにまかせて、隊員の充足率も低い部隊を放置し、銃剣道などというチャンバラごっこを専門にやらせる隊員を抱えたままです。
肩章の星を外してシベリヤで木を数えた方が宜しい方が大変多いのではないでしょうか。


防衛関係費の水準をめぐっての視点(まとめ)(P13)
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◇視点1.防衛関係費とそれに見合う負担の水準
🉑 実効的な防衛力の整備には、その裏付けとなる健全かつ持続可能な財政運営が必要。
🉑 我が国の国民負担率が諸外国と比べて低い現状にあるなか、防衛関係費とそれに見合う
負担の水準をどのように考えるのか。

◇視点2.他の経費とのバランス(配分)
🉑 総合的な国力を確保するため、厳しい財政事情の下、防衛関係費だけでなく、他の経費と
のバランスをどのように図るか。
◇視点3.我が国がとるべき戦略
🉑 これまでにない速度で変化する安全保障環境において、諸外国はその環境の変化にあわせながら、防衛戦略を適応させている。
🉑 今後も一層の変化が予想される中で、防衛関係費の水準の議論以前に、我が国はどのよ
うな戦略(ビッグピクチャー)をとるのか。それに伴い、どのような自己改革が求められるのか。

つまりは過大な債務を抱えた我が国が、どのようにして国防を全うするのか。
そのためには自民党の国防族の寝言のように借金つかって防衛費を2倍にすりゃいいだろう、という胡乱な話ではない、ということです。

使える資源は限られており、防衛自体概念が大きく変革している中、そのあり方を再検討する必要があるよ、といっているのでしょう。

単に前例踏襲ではなく、前例と断絶した、本格的な戦略を立てて、賢く防衛費を使え、そのためには、政治も、防衛省も自衛隊も厳しい自己変革が必要だ、と述べているわけです。



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