財政制度分科会(令和3年11月15日開催)防衛関連資料を読むその6


財政制度分科会(令和3年11月15日開催)の防衛に関する資料、参考資料を解説評論していきます。今回は6回目です。

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20211105zaiseia.html

「資料」と「参考資料」2つがあります。まずは資料の方から見てみましょう。
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20211115/01.pdf

1996年以降の日本・中国の防衛・経済の動向(P10)
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>○ 我が国の防衛関係費とGDPは、近年、ほぼ連動して推移(日本の防衛関係費の対GDP比は0.9%程度。NATO定義では1.2%程度と推計。)。
>○ 中国の国防費は急速に増加しているが、我が国と同様、GDPとほぼ連動して推移(中国の国防費の対GDP比は1.2%程度)。


中国も我が国もGDPに比例して軍事費が増えています。

グラフ、「日本の防衛関係費及びGDPの推移」をみると、それから特に我が国では2012年の第二次安倍政権以来、防衛費の伸びが途端に大きくなっています。そして何度も指摘しておりますが、第二次安倍政権以来次年度予算と当年の補正予算が一体化しており、概算要求では金額を入れない自公要求が盛り込まれて、防衛費が過小に世論誘導されています。その共犯は言うまでもなく記者クラブメディアです。


1996年以降の日本・中国の陸上自衛隊/陸軍の体制(P11)
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>○ 中国は、国防費を一貫して増加させている中、特に、1995-1996年の台湾海峡危機以降、陸軍中心の軍構造を転換し、空海軍を増強。
>○ 日本は、陸上自衛隊中心の人員・体制を維持。


グラフ、「陸上自衛隊の自衛官数の推移」をみると中国は陸軍編重から、陸軍兵力を大幅に減らして、その浮いたカネを海空軍に振り向け、なおかつ陸軍の近代化を行っていることが伺えます。
対して自衛隊では陸自の定員数の8%を減らしたに過ぎず、しかもこれは任期制自衛官、つまり兵隊の数を減らしただけで、部隊数を減らしたり、将校将官を減らしたりしたわけではありません。しかも曹から将官までの「職業軍人」の人数は増えています。結果部隊での充足率は大幅に下がった上に、削減人数の割には、人件費は減っていません。

グラフ、「陸上自衛隊の駐屯地等の推移」をみれば駐屯地数は横ばいで近年は増えています。これは西南方面の新部隊編成のためです。定数は変わらずに、部隊数と駐屯地が増えているということは、部隊は更にスカスカになっており、駐屯地維持費も減っておりません。
これも固定費の負担につながっていない、ということです。

客観的にみて中国の政府と軍は軍事費を増やすことだけではなく、極めて効果的に軍を再編し、また経費の削減を行って、そのリソースを海軍や空軍に振り向けています。しかも陸軍も自衛隊よりも先進的な軍隊となっています。

国の経済が上向かず、借金はGDPの2倍もあるなか、防衛費さえ増やせば国防が強化できると信じて、それを公約にした自民党の国防族のセンセイ方は大変無能、ということになります。
我が国では政府、防衛省、自衛隊も当事者意識と能力が欠如した無能と言えます。

海空重視は96年以前か叫ばれていましたが、予算も人員もほぼ固定です。
陸自は他国では当たり前に行われている部隊を縮小し、駐屯地を減らして経費を削減し、海空自に予算を振り向け、また浮いたカネで装備の近代化を図り、更にネットワークやサイバー、無人機や無人車輌を導入するといった方策が取れていません。結果としてプレートキャリアすら導入できていない第三世界の遅れた軍隊に成り下がっています。
恐ろしいことにこのことについて自覚が全くありません。

防衛省も自衛隊にも当事者意識と能力が欠如しており、自ら組織を変革できない組織だということです。
米軍は人員にしても、不要部署にしても基地の閉鎖にしてもドラスティックに行っています。揉み手で米帝様のご機嫌をとることよりも、米国のこのようなダイナミズムを真似してほしいものです。

経済はもちろん、軍事に関しても中国共産党と人民解放軍は我が国の政権与党、防衛省、自衛隊よりも遥かに能力が高くて優秀、ということです。

中国に対して、政府、防衛省、自衛隊は明らかに無能であり、自己変革の能力がないということです。これで中国に対抗するなど不可能でしょう。防衛費を2パーセント増やすとか寝言言っている前に、政権交代と防衛省、自衛隊の幹部の大粛清をすべきです。それなくして改革は不可能でしょう。

参考までに英陸軍の近代化計画です
イギリスが陸軍の近代化計画「未来の兵士」を発表
https://milirepo.sabatech.jp/britain-announces-army-modernization-plan-future-soldier/

英軍は海兵隊も野心的な近代化計画を進めています。


率直に申し上げて、関係各位の皆さん、シベリアにいって木の数でも数えている方が宜しいのではないでしょうか?

Japan In Depth に以下の記事を寄稿しました。
新聞が誤報する史上最大の防衛補正予算

https://japan-indepth.jp/?p=63181

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