財政制度分科会(令和3年11月15日開催)防衛関連資料を読むその4

財政制度分科会(令和3年11月15日開催)の防衛に関する資料、参考資料を解説評論していきます。

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20211105zaiseia.html

「資料」と「参考資料」2つがあります。まずは資料の方から見てみましょう。
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20211115/01.pdf


国防費(対税収比)と国民負担率(2019年)
>○ 我が国の防衛関係費は、税収の規模で比較した場合、諸外国と遜色ない水準。
>○ 我が国の国民負担率は諸外国と比べて低いが、防衛関係費の水準を考えるに当たっては、この点も考慮した上で議論するべきではないか。

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これは税収をベースに考えれば日本の防衛費ってそんなに少なくないよね?ということです。毎度書きますが、日本の防衛費は前年の補正予算と一体化している不明瞭会計です。これを加味すればフランス並であり、ドイツ、イタリア、オランダ、スペイン、そして米国を除くNATO諸国の平均よりも高いわけです。

我が国は税収よりはるかに高い予算を組んでいます。今年も税収60兆円で、30兆円の借金で予算を組んでいます。しかも予算の四分の一は国債費で政策に使えるカネではありません。どう見ても健全な財政とは言えません。

それで国防費を増やすのだ、と自民党の国防族のセンセイ方は鼻息が荒いんですが、前世紀末にソ連という国が、経済が破綻状態にも関わらず、軍拡にこだわって崩壊したのですが、ご存知ないようです。

財務省の言いたいことは、身の丈にあった予算と防衛を考えろよ、ということでしょう。

いまだに借金はいくらでも増やせるんだと、政府の負債は資産だといっている人がいます。浜田宏一前内閣官房参与(米イエール大学名誉教授)もその一人です。浜田氏はアベノミクスの理論的な指導者の一人でした。
彼は今の月刊文藝春秋で先に同誌で矢野康治財務事務次官が書いた論文に反論していますが、経済の専門家とは言えないようなお粗末なことを書いています。

彼及びMMT信者に対する反論を小幡績氏が書いております。

このまま行けば日本の財政破綻は避けられない
「MMT理論」「自国通貨持つ国は安心」は大間違い

https://toyokeizai.net/articles/-/471734

>「日本全体では対外債権があり、国全体では貯蓄があるから、日本が破綻することは絶対にない」というのは、単純な誤りだ。なぜなら、国全体でお金があっても、政府が倒産するからである。

>政府が借金をしたいと、新しく国債を発行しても、それを買う人がいなくなるのである。銀行も投資家も金はあるが、買わないのである。

>また「自国通貨建ての国は、理論的に絶対財政破綻しない」という議論は、元日銀の著名エコノミストですら書いているが、それは、机上の理屈であり、現実には実現不可能なシナリオである。それは、日本銀行が国債を引き受け続けるとインフレになるからではない。その場合は、インフレまで時間稼ぎができるが、インフレになる前に、即時に財政破綻してしまうからである。

>日本銀行は、すでに発行されている国債を、市場で買うことはできる。だから、理論的には、日本国内に存在するすべての国債を買い尽くすことはできる。しかし、財政破綻回避のために買う必要があるのは、既存の国債ではない。新発債、つまり、日本政府が借金をするために新たに発行する国債である。そして、これを日本銀行が直接買うこと、直接引き受けは、法律で禁止されている。だからできない。

>政府が国債を発行し続けたらどうなるか。民間金融機関は、これを引き受けるのを躊躇し、少なくとも一時的には中止するだろう。

>「中央銀行に国債を直接引き受けさせる」という法律を成立させれば、いや国会に提出されたら、いや、それを政府が自ら検討している、と報じられた時点で、政府財政よりも先に、日本が破綻するからである。

>日銀、国債直接引き受けへ、という報道が出た瞬間、世界中のトレーダーが日本売りを仕掛け、世界中の投資家もそれに追随して投げ売りをする。

>まず、円が大暴落し、その結果、円建ての国債も投げ売りされ、円建ての日本株も投げ売られる。混乱が収まった後には、株だけは少し買い戻されるだろうが、当初は大暴落する。

>為替の暴落を許容しても、結局国債が暴落してしまい、借金はできなくなり、すべてを日銀に依存することになる、同時に、株式も短期的には大暴落となるから、政治的に持ちようがなく、政権は株式市場により転覆されるだろう。その結果、その政権あるいは次の政権は、財政再建をせざるを得ず、日銀引き受けは結局実現することはない。

>借金という負債と対になる資産も考えろというバランスシート議論も無意味だ。日本は負債も多いが資産も多いので大丈夫というのは、現実的には、まったく間違いである。

>政府が不足しているのは現金である。キャッシュがなければ、国民にも配れないし、公共事業もできないし、国民の医療費の肩代わりもできない。資産があっても現金がなければ、政府の資金調達には使えないので、現金資産あるいはすぐに現金化できる資産しか意味がない。

>したがって、特別会計の剰余金は使えるが、それ以外はほとんど使えないのである。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の厚生年金の積立金の運用資産の株式、債券などを売却すれば、確かに100兆円以上現金は入ってくる。

>だが、たとえその資産が200兆円で売れたとしても、1000兆円を超える負債を相殺するには遠く及ばないし、もちろん、将来の年金支払い原資が不足するから、将来200兆円不足額が増えるだけのことである

>さらに、道路や森林などは問題外である。買い手がいない。道路に価値があっても、買う人がいなければ売却はできない。価値があっても価格がつかないというのは、金融市場でなくとも普通のことである。

まあ国有資産であるイージス艦やF-35を売れるんでしょうかね?
それに円が暴落すれば兵器の輸入などできないし、兵器を動かす燃料も輸入できなくなります。

>借金の大きさには、2つの大きな影響がある。まず第1に、借金残高が大きいと「こいつ返せるのか、返す気あるのか」という疑念を持たれ、新たに貸してもらえなくなる。その意味では、GDP比で250%でも財政破綻しないのだから、300%でも400%でも大丈夫、60%程度で破綻したギリシャなどとは日本は根本的に違う、という議論は間違いだ。

>日本がこれまで破綻しなかったのは、政府に金を貸してくれる人がいたからで、いまやそれが日銀しかいなくなりつつある、というのが問題であり、250%で破綻しないことは、今後破綻しないことを意味しない。何より、日銀に半分を買わせないといけないという現実は、まもなく破綻することを示している。

>第2に、破綻した後の再生の困難さに大きく影響する。日本にとってはこれが最大の問題だ。

>ギリシャと違って「自国通貨建てで、国内で借金をしているから大丈夫だ」というのは、厳しい国際金融市場ではない、馴れ合いのそして政府の影響力のある金融機関それと中央銀行が保有しているから、破綻がすぐには起こりにくい、という意味では正しい。

>だが、それは逆に言えば、市場が鈍感であり、鈍感な投資家が保有している(鈍感に振舞うことを強制されているとも言えるが)ことを示しているのであり、破綻危機が近づいても、金利が上昇しない(国債価格が下落しない)という市場の警告機能がマヒしていることを意味する。だから、日本政府の破綻は突然起こるのである。



税収は増えないのに、富裕層に対する増税もできず、法人税も大企業はあまり払っていない。アベノミクス大成功と言う割には税収も増えず、相変わらず借金頼みです。
しかも少子高齢化で税を払ってくれる勤労者の数も減っている上に、貧困化も進んでいるので、素材負担能力のない勤労者が増えています。

それで高齢化で医療費を含む社会保障費は膨らみ続けている。そのくせ、毎年3千億円も税金ダダ漏れの官製脱税である「ふるさと納税」をやめる気配もなく、あまつさえ冬のオリンピックにまで立候補しようとしている。

それでいて軍事費増強して国防が全うできると思っているのであれば頭がおかしいとしか思えません。

■本日の市ヶ谷の噂■
陸自軽装甲機動車後継候補の「試験用車両M型」は タレスのハウケイ。主契約者は三菱重工でライセンス生産が前提。Mは三菱の頭文字から。
対してモワーグ社のイーグルは輸入が前提。陸幕ではM型はオースラリア生のハウケイと呼ぶが米語なまりのホウケイと呼ぶか苦慮しているとの噂。

Japan In Depth に以下の記事を寄稿しました。

新聞が誤報する史上最大の防衛補正予算
https://japan-indepth.jp/?p=63181

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