日本の兵器はなぜ売れない?

日本の兵器はなぜ売れない?



「日本の軍艦輸出しよう」…なぜ全然売れない? 性能だけでは× 鶏肉買って輸出した国も
https://trafficnews.jp/post/108010/2

>「オフセット取引」とは、輸出した防衛装備品の部品の生産などを輸出国の企業に委託したり、あるいは輸出した国から工業製品や農作物などを購入することで、輸出で得た利益を輸出国に還元する取引をいいます。日本ではあまり馴染みがありませんが、世界的の防衛装備品市場では、この取引が主流となっています。

>サーブは南アフリカ空軍でグリペンが採用された見返りとして、同国に採用されたグリペンC/Dの 主脚収納部を含む中央胴体などの製造を、南アフリカの航空機メーカーのデネルに、通信装置の製造を同国の通信機器メーカーのグリンテックに委託することで、利益を還元しています。

> 南アフリカやブラジルほど大きな航空産業の基盤を持たないタイに対しては、スウェーデン政府がタイ産の鶏肉を購入することで、利益の一部を還元したようです。ただ購入した時期に鳥インフルエンザが大流行したため、スウェーデン政府は鶏肉の売りさばきに苦労したという話もあります。

>輸出によって国内の防衛産業や航空宇宙産業の維持発展を図るのであれば、民間企業の力だけでは実現不可能な輸出国へのサポート体制の構築やオフセット契約を、官民一体となって提案できる体制づくりが必要であると筆者は思います。



そもそも論でいえば、コスト意識がまったくなくて、他国の5倍10倍は当たり前、性能、信頼性も低く、維持費は馬鹿たかい国産が売れると思っている方がどうかしています。



オフセットの話ももちろんありますが、根源的には日本のメーカーにマトモに輸出して事業を維持しようという発想がそもそもないことが問題です。ひたすら防衛省から落ちてくる餌を、口を開けてまっているだけで、ビジネスをしているという意識が欠如しています。

リスクを少しでも負うのは嫌だとうことろでしょう。

だからNECにしても川重にしても海外の見本市にいっても、文化祭の文化部のやる気のない壁展示みたいなもので、商売する気がまったくありません。やっているふりをしないと防衛省が煩いからでしょう。

無論防衛省にもやる気はありません。装備庁が見本市に出展してもメーカーと同じでやる気はまったくない。ぼーっと展示の番をしているだけです。そもそも防衛省に商売のできる人材はいないし、いても飛ばされたりして排除されます。

官民で「輸出ごっこ」をやっているだけです。

政府にも本気でやる気がありません。本気ならば内閣府、経産省、文科省、国交省など省庁横断するような組織をつくっています。輸出のポリシーも「売ってやる」という意識がミエミエでこんな武士の商法が通用するわけがありません。
普通に輸出ができる、もっとマトモなポリシーに変更すべきです。

オフセットは狭義の意味では整備設備やライセンス生産、コンポーネントの生産への参加などあります。広義の意味ではワインや鶏肉を輸入しろ、みたいな話になります。

いずれにしても高い政治力と外交力、挙国一致体制が必要です。
そんな気はサラサラないわけです。


以前から申し上げているように潜水艦や軍艦、航空機を売るのはハゼも釣ったことのない人間がいきなりインド洋でカジキマグロを釣り上げよう、みたいな話です。

素材や、コンポーネントを売るほうがよほど堅い商売です。実際YKKのジッパー、帝人の防弾繊維、東レの炭素繊維、SONYのEOセンサーなどは世界中の軍隊に採用されています。

完成品を売るのであれば、ATVや軍用トラックです。いすゞが主張するように優れた軍用トラックであれば世界中にサービス網があるから、売れるはずです。実際にトヨタのランクルやハイラックはそのまま、あるいは防弾車、装甲車のベースとして世界中で売れています。

また護衛艦やFH70、P-3Cのような旧式兵器をリファブリッシュしたり、近代化すれば売ることは可能です。

64式小銃や89式小銃にしても連射機能を取り去って民間市場に売ることもできるでしょう。日本の戦後の軍用小銃なんて入手不可能ですから、マニアが買ってくれるでしょう。
そうなれば使い勝手やら耐久性に対する容赦のない評価もSNSで公開されるでしょう。金を掛けて処分するよりはよほど儲かります。

頭を使えば売れるものはあります。
換言すると、官民ともに頭を使う気がない、ということです。

多くの中進国、途上国、例えばトルコ、韓国、台湾、シンガポール、セルビア、南ア、中国などはこの四半世紀軍事産業の近代化に成功してきました。それは輸出市場で鍛えられたからです。多くの分野においては日本はすでに追い抜かれています。端的なのは装甲車両、UAV、無線機やネットワーク関連です。すでに日本の軍事技術は相対的に途上国レベルに低下しています。
その実態もみることをせずに、日本スゲー、ウリナラマンセーをやっている人たちが政治家含めて多いわけです。大変暗澹たる気持ちになります。

European Security & Defence誌に以下の記事を寄稿しました。
https://euro-sd.com/wp-content/uploads/2021/05/ESD_6_2021_P.pdf
ESD_6_2021_p34 Kiyotani, Japan's Complicated Machine Gun Procurement_page-0001 (2).jpg

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