海外で売れないものを「我が国独自の環境と運用」を理由に開発する防衛産業には明日がない。

海外で売れないものを「我が国独自の環境と運用」を理由に開発する防衛産業には明日がありません。

これは国内開発するときの財務省を騙すための言い訳です。そのだましが、担当者が異動すると書類だけ残るので、引き継いだ人間が鵜呑みにして頓珍漢なものをつくります。
軽装甲機動車にしてもはじめのコンセプトは装甲ウエポンキャリアーでした。

しかも防衛省の開発は技術実証と装備化の区別が曖昧です。
幕のほうから装備庁は不要な玩具ばかりつくりやがって、という不満は強いです。10式戦車にしても当時の技本が関わっていなかったら開発費は半分で済んだと証言する開発関係者おります。

典型例が壁面透過レーダーです。これは英国、チェコ、イスラエル、米国などの後追いです。我が国で開発すべき核心的な装備ではありませんが、外国製の製品は電波の規制で国内では使えないから、というのが唯一最大の開発理由です。ですが英国製の代理店は国内でも使用可能と言っておりました。

https://www.mod.go.jp/atla/research/gaibuhyouka/pdf/PenetrateRadar_22.pdf


そもそも開発が技術実証なのか、装備化なのかがしっかりしていなかったので、後に装備化に舵を切っても、どの程度の性能のものを幾つ、どのくらいの予算で調達するのかという目論見もありませんでした。例えば装備化を前提とするならば各普通科中隊、施設科、特殊部隊で合計何個ぐらい必要でその予算はどの程度で、単価はどの程度であれば実現可能か考えてそれをもとに開発がリーズナブルか否かを判断すべきがやっていない。

それで漫然と開発をしました。しかし、ぼくが防衛省高官に米軍が採用したモデルを案内したところ、試作調達数が減らされました。

例によって他国とどんぐりの背比べの製品を高い買うことになる。小銃用の光学照準器すら調達できない陸幕にこのような装備が調達できるわけがないでしょう事実調達されていないようです。

このような装備を自衛隊専用でリーズナブルな価格で調達することはできません。本来ならばメーカーも、軍事用は無理でも内外の警察や消防、民間のマーケットを考えて事業化するような知恵が必要ですが、官民ともにありません。ダウングレードすれば民間や消防用として輸出市場もあったはずです。思考硬直でそういう発想がありません。


ユーザーが自衛隊だけだと技術開発も進みません。旧式化したモデルを延々と少数生産するだけになります。

実際諸外国では3Dタイプやコンパクトな分隊レベルの製品、新製品が続々登場して装備のものよりも安くて高性能です。

日本の防衛装備が中国に後れを取る根本的背景
https://toyokeizai.net/articles/-/274368?page=2

>この技本が開発した壁透過レーダーを自衛隊はいまだに装備化していない。東日本大震災や多くの震災があったにもかかわらず、だ。対してIDEX2019では中国のヒューマン・ノバスカイ・エレクトロニック・テクノロジーは、軍用壁透過レーダーを発表していた。すでに人民解放軍に採用されているが、性能的には他社に匹敵するという。

>そもそも同社が壁透過レーダーの開発を始めたのは約10年前で、きっかけは震災であったという。このため民生用の製品も開発販売しているという。つまり、開発は技本とほぼ同時期だ。だが実用化では完全に追い抜かれている。

ほぼ同時期に開発を進めた中国のメーカーとは雲泥の差となっています。この会社に取材したのですが、その頃起きた大震災が開発のきっかけだと言っていました。

対して我が国では東日本大震災や熊本の大震災などがあっても消防や民間向けに製品を開発しようとはしませんでした。防衛省から振られた仕事さえしていればいいや、という親方日の丸根性だからです。これでは国産開発する意義はないでしょう。

軍用トラックなどでもそうでしょう。これは汎用品です。ウニモグなんて世界中の軍民両市場で売られています。海外輸出をしても問題がない。川崎やヤマハのバイクと同じです。
それが全く売る気がない。トルコのいすゞと現地企業の合弁会社ではキャブを装甲化した軍用トラックを生産していますが、ベースはタトラの製品です。
リスクを取って輸出をし、売上を挙げて量産によるコストダウンを行い、R&Dにより多くの資源を投入し、開発のテンポを早めて技術力を上げなければ防衛産業は生き残れないでしょう。防衛省との取引に安住して国営企業化した防衛産業は生き残れません。残念なことに多くの企業にそのような覚悟も生き抜こうという気位もない。税金を食い散らかして最後にバンザイして逃げるだけです。これまで営々と血税を使って維持した生産基盤は失われます。それは企業だけでなく、防衛省、経産省の当事者意識と能力の欠如です。



ところが官は誤りを犯さずと考える物書き多々います。彼らのやっているのはジャーナリズムではなく、広報、PRの類です。例えばdragonerこと、石動竜仁君です。

「ガラパゴス化しているのは彼なのか?」
https://dragoner.hatenadiary.org/entry/20090109/1231519214

>清谷氏は英国などでより小型のものが実用化されており、技本が開発する必要はないとしています。……装備と研究品を比べて、装備の優位性を挙げることの無意味さを彼は理解しているのでしょうか? 卵とブロイラーを比較して、「ブロイラーの肉の方が栄養価が高い」と言っているようなもので、まるで無意味です。そもそも「研究」とは何かということを理解しているのかも疑問です。「研究」とは「ニーズに対応した先進的な研究試作や提案」のことであり、発表会の会場で配られていた技本のパンフにもそれは明確に書かれています。

研究を全く理解していないのは石動竜仁君の方です。
その研究品は諸外国の製品とスペック的にはどっこいどっこいでした。それをまとめて製品化するのであればさらに数年は遅れることになる。

>研究データを取るためのデバイスも実装しているので装置が大きいと説明して頂いた上、装備化の際は腕に装着できるサイズにしたいと構想を明らかにしてくれました。このように装備と研究品は別物なのです。ジャーナリストであるはずの清谷氏は、何故この程度のことも理解せず、聞き出すこともできなかったのでしょうか? 私には、解説員から話をろくに聞き出せなかったことを、解説員のせいにしているだけに思えます。

こんなことは当然聞いていますよ(笑
既にその前に諸外国はほぼ同サイズ、またハンディタイプのものが開発されています。
装備化に関して技本の担当者は全く未定といっていたのですよ。装備化を前提としないならば、このような形の試作は必要ありません。要素技術さえあればいい。
石堂竜仁君は技術実証のための開発と製品化の開発の区別が付けられない。

そして実際装備庁はこれとほぼ同じものを装備化しようとしていました。そして陸自はいらねえよ、と。現在の諸外国のものは遥かに高性能でバラエティも多い。敢えてクソ高くて、性能も時代遅れの国産を大枚はたいて調達する理由はありません。
中国のメーカーとの差は明らかでしょう。石堂竜仁君には先見力がまったくなかったということです。

本来我々ジャーナリストの商売の基本は疑うことです。それが情報を扱う商売の原則です。ところが石動竜仁君のような輩は、当局のいうことは全部正しいという前提でものを見ます。

例えば防衛省の政策評価にしても駄目だったとは絶対書かないわけです。開発は成功しましたと自画自賛します。だがぼくがスクープしたように陸自のヘリ型UAV、FFRSは一度も飛ばなかった、それは信頼性が低いからです。防衛省の政策評価では開発は大成功となっていました。
組織は保身のために嘘をつくし、嘘まで行かなくても事実を隠蔽したり歪曲したりします。
そのようなことを知らずに、無邪気に防衛省はこういっているんだ!と盲信する人はジャーナリストに向いていません。願望を元にいくら取材しても真実にはたどり着けません。石動竜仁君はご尊父のコネであれこれ防衛省を取材できる立場かと思いますが、活かせていないように思います。
石動竜仁君は修士課程を終了しているらしいですが、指導教官は願望や信じることをもとに論文を書けと指導したのでしょうか。


>清谷氏は「ハイブリッド」を非常に先進的・革新的なものと捉えていることが文面から伺えますが、これは大きな間違いです。誤解されがちですが、この研究の「ハイブリッド」とは、トヨタのプリウスのようにエンジンを発電以外にも駆動力として使う様なものではなく、純粋にエンジンを発電のみに使用してモーターのみで駆動するシリーズ方式のことを指します。
>リーズ方式の「ハイブリッド」を知らなかったとするならば、それは清谷氏の怠慢です。


そのようなことは、彼がこのブログを書く前からすでに多くの見本市で取材しているし、何度も書いているのですが、ご存じないらしい

>マウス重戦車等で採用された技術と同種のものです。

であればマウスの技術があればハイブリッド車輌やEVは簡単に開発できることになります。多くの企業がハイブリッドEV開発に巨額の投資をしていることはおかしい、ということになります。原理が分かっているのと製品化できることとは異なります。噴飯ものの技術に対する見識です。石動竜仁君に軍事技術、それ以前に技術について語る資格はありません。

>清谷氏は解説員の話をちゃんと聞いていたのか? ということです。JSF氏が指摘された内張り装甲にしても、清谷氏は道路法の制限から作られたものだと見当違いなことを書いていますが、私は解説員から着弾時に車体内への破片を防ぐ目的として使われる旨を聞いております。

着弾時に車体内への破片を防ぐ目的として使われるという話は聞いていますよ。だがこれだけ厚いのはスポールライナーではなく、増加装甲ですよね?増加装甲であれば、外部に装着する方が簡単だし、交換も簡単でしょう?なんで内張りにしたんですか、と訪ねたわけです。内張り式にすれば設計も装着も複雑で手間がかかります。内部のコンポーネントや敗戦も剥がす必要があります。
また被弾をした際には、車体の装甲を補修するのも大変です。モジュラー化した外付け装甲で、装甲本体が無事であれば、被弾部分だけを交換すれば宜しい。常識的に考えれば外付け装甲を選ぶでしょう。
解説員の答えは道路法の制限で全幅を大きくできないから、内張り式にした、というものでした。

石動竜仁はそもそも増加装甲とスポールライナーの区別すらついていません。基礎的な知識が欠如している上に、取材力がなく、そのうえ官は全て正しいというドグマに基づいて話を聞くから問題点が理解できずに、明後日なことを書くことになります。


因みに先進個人装備の担当者は技本礼賛アレなライターが多すぎる、キヨタニさんみたいに海外も取材した上で鋭い質問をする人はほとんどいないと申しておりました。


>「ガラパゴス化」と言う言葉は、日本市場で求められる水準以下で国際標準が決まることにより日本が国際標準から取り残されることを指しており、こと防衛分野に限って言えば「ガラパゴス化」とは国際水準以上の防衛力を持っていることになり、日本にとってはいいことなのかもしれません。

これも中二病全開です。「日本市場で求められる水準以下で国際標準が決まることにより日本が国際標準から取り残される」そんな定義はありません。日本は神の国、みたいな話です。小火器のライセンス生産すら満足にできない企業が漫然と受注しているのに、随分と
お花畑な思い込みです。まあアレな問題を抱えてらっしゃるので仕方が無いのかもしれません。

基礎研究も殆ど行わない、防衛省だけが顧客なので開発のテンポが極めて遅い、実戦経験がないのは仕方がないが、市場で揉まれることもないので、製品や品質、性能が試されることがない。これで日本の防衛技術は世界最先端だ、などと思っている人間が商業媒体で
原稿を書くのは犯罪的ですらあると言えます。


まあなんですなあ。石動竜仁君にかぎらず、事情通を自称する軍オタさんたちは得てして「銀河英雄伝説」大好きだったりするわけですが、ご自分はフォーク准将と同じ思考をしているのに、自分はヤン・ウェンリーだと思い込んでいる。
現実が見えないのはある意味幸せですが、第三者に迷惑をかけないで欲しいものです。


European Security & Defence に以下の記事を寄稿しました。
https://euro-sd.com/2020/04/articles/exclusive/17070/bulldozer-contract-win-for-hitachi/

Japan In Depthに以下の記事を寄稿しました。

軽装甲車の防御力強化策のトレンド
https://japan-indepth.jp/?p=51500

現代の主力戦車の進化は限界 前編
https://japan-indepth.jp/?p=51241

現代の主力戦車の進化は限界 後編
https://japan-indepth.jp/?p=51261



東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。

培養肉がこの先「有望」な食材になりうる事情
環境負荷や食料自給の観点からも期待集まる
https://toyokeizai.net/articles/-/342551
防衛記者クラブの「台所事情」何とも厳しい実態
不要不急の支出、財政破綻の危機を迎えていた
https://toyokeizai.net/articles/-/343696




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