【日経お前が言うか】ROE編重経営脆さ露呈

日経が本日の一面でROE編重経営を批判していますが、お前さんたちがそれを批判する資格があるかね?
アメリカの報道を何の批判もなく、追従して来たのが日経です。株価さえ上がって投資家とストックオプションで儲かる経営者が甘い汁を吸えれば、それが「好景気」「経済は好調」と報じてきました。

まあ、そろそろヤバいから、アリバイ工作でこういう記事を掲載しはじめたのではないでしょうか。

コロナと資本主義(1) 想定外 備えはあるか ROE偏重経営 もろさ露呈
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO57424580Q0A330C2MM8000/
2020/4/29

>新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、企業や市場のもろさが次々とあらわになっている。短期的な成果ばかりを重視してきた企業は経営悪化に苦しみ、マスクや生活必需品の不足は「市場の限界」にも見える。想定外のパンデミック(世界的大流行)を乗り越え、資本主義は本来の強さを取り戻せるだろうか。

>米国勢が真っ先に白旗をあげることになったのは、1970年代以降に広がった、株主を絶対視するひずんだ資本主義にとらわれていたからだ。その象徴である自己資本利益率を追い、異常な低金利のなかで負債に依存するレバレッジ経営にのめり込んでいた。

>アメリカン航空とユナイテッド航空もそれぞれ58億ドルと50億ドルの支援を求め、米政府が航空業界のために用意した250億ドルは瞬く間に使い切られようとしている。


>デルタ航空とユナイテッド航空も有利子負債が過去5年で7割前後増加した。航空機メーカーの米ボーイングも過度の自社株買いが響いて、資金繰り難に陥っている。過去5年間の研究開発費は自社株買いの半分にとどまり、小型機「737MAX」の事故が2度起こっている。

>レバレッジ経営に傾斜した企業は多い。世界の上場企業約7500社(金融除く)の総資産に占める有利子負債の比率は12年以降上昇が続き、19年には32%と18年ぶりの高い水準となった。米主要500社の債務超過額は合計約700億ドルと08年以来の規模にある。


>想定外の感染症の拡大がいみじくも示したように、この世界は不確実性に満ちている。損失の緩衝材となる自己資本が過小だと財務の耐久力は衰え、長期の成長力にも響いてしまう。

>利益の伸びが3.4倍と最も見劣りするのが、自己資本比率が20%未満の企業だ。少しのショックでも経営がぐらつき、競争力を高める機会を逃しやすい。一方、自己資本比率が60%以上~80%未満と比較的厚い企業は利益の伸びが6.5倍と最も大きい。不況の際にも経営は揺るがず、むしろ大規模な投資でシェアを拡大するといった攻めの一手を打てるためだ。

>企業は利益を稼ぎ、成長をけん引する使命を負う。そのためには回り道にみえても、人を育て、研究開発や設備投資を積み重ねて次のイノベーションの種をまき、そして想定外の事態まで見据えて財務的な厚みも保っておく必要がある。「持続可能な経営」という原点に企業が立ち返れば、資本主義がこの試練を乗り越える大きな力となる。

こういう記事も掲載しています。

脱・株主至上主義の行方(上) 企業も環境・格差に配慮必須
ジョージ・セラフェイム ハーバード大学教授
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO53318750T11C19A2KE8000/

>過去数十年で経済は驚異的な成長を遂げたが、成長の恩恵が全員に行き渡ったわけではない。米国でも欧州でも大半は期待していた恩恵にあずかれなかった。しかも成長は自然環境に前例のない犠牲を強いたうえで成り立っている。気候変動とその物理的な影響は地球上のあちこちに表れており、森林と生物多様性は急速に失われつつある。

>8月に米主要企業の経営者団体ビジネス・ラウンドテーブルが、株主至上主義を見直すと発表したことは、いわゆる「ステークホルダー(利害関係者)資本主義」(公益資本主義)への動きを象徴するものといえる。

脱・株主至上主義の行方(中) 資本主義・企業の多様性重視
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO53414910W9A211C1KE8000/

>2019年8月、米主要企業の経営者団体、ビジネス・ラウンドテーブルは、従来の「株主第一主義」を見直し、会社が幅広いステークホルダー(利害関係者)に配慮した経営をすることを推奨する声明を出した。
>声明では会社の目的を顧客、従業員、取引先、地域社会、長期の株主といったステークホルダー全般に価値を生み出すこととし、「会社は株主のために存在する」という考え方はもはや今のビジネスの実態に合わなくなったと述べている。この声明は世界のビジネス界で様々な反響を呼んだ。



株主至上主義、行き過ぎを懸念 ラゾニック氏
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO5828993020042020SHA000?disablepcview
>「企業が高品質な製品を生産するには、従業員に十分な報酬を支払い、雇用を守り、事業が成功すれば報酬や福利厚生を付与するなどして労働意欲を高めなければならない。この好循環を回していくことが資本主義だ。資本主義が機能したことで、世界の中間層の生活水準は押し上げられた」

>「米経済学者、ミルトン・フリードマンが訴えた『株主至上主義』の考え方が1980年代には浸透した。その結果、『物言う株主』であるアクティビストが力をつけ、企業に自社株買い(によるファンド保有株の高値での買い取り)をするよう圧力をかけている。物言う株主が企業から金を吸い上げ、膨大な利益を手にする一方で、従業員は置き去りにされて不平等が生じた。株主至上主義は資本主義を腐らせた。現在の米国の状況は惨憺(さんたん)たるものだ」

>「企業が事業を継続するには、利益を投資に回し、新しい製品を生み出さなければならない。だが、物言う株主は企業価値の源泉である製品に責任を持たず、その一方で企業が投資をしにくくしたり、従業員を解雇させたりといった形で成長の機会を奪っている」


一方でこういう意見を掲載して自己防衛を図るのも日経らしいです。
脱・株主至上主義の行方(下) 日本企業、安易な追随避けよ
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO53455840X11C19A2KE8000/

>米国で「脱・株主至上主義」を提唱する論者は、株主還元の増加などの短期的な株主利益の追求が長期的な企業成長や経済発展を損なっていると主張する。しかしその主張に十分な証拠があるかについては疑問視する見解も有力だ。
新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、企業や市場のもろさが次々とあらわになっている。短期的な成果ばかりを重視してきた企業は経営悪化に苦しみ、マスクや生活必需品の不足は「市場の限界」にも見える。想定外のパンデミック(世界的大流行)を乗り越え、資本主義は本来の強さを取り戻せるだろうか。


所詮メ
ディアに出てくる主流「経済の専門家」というのは株屋や機関投資家の子飼いの予想屋と実体経済を知らないカルトな経済学者です。現在の主流の経済学なんて完全にカルトです。自然科学を気取って数式を多様していますが、それはカソリックが庶民をいふさせようと巨大な聖堂を作ったり、ラテン語の教義を門外不出にしたようなものです。MMTにしても、実際に実験されて検証した理論ではありません。
つまり権威が会って声が大きいやつが言ったことが正しいという世界です。それはカルト宗教と何ら変わりはありません。

リーマンショックもこういう「経済の専門家」がリスクは回避できるといって、クズのような金融商品を売りまくって、それをメディアも是としてきて批判しなかったから起こったわけでしょう。経験からも学べないのは馬鹿者です。

今回の頃な騒ぎで望外の得をしたのは内部留保を溜め込んだ日本の大手企業でしょう。株主配当が少ないとか、投資をしろとか批判されましたが、こういう事態が起ったら生き残るのはこういう会社です。上記の記事のボーイングとは対象的です。

アメリカの資本主義は歪んでいます。ともかく四半期ごとの利益と、配当の極大化こそが正しい経営となっています。これはストックオプションで儲けることができる経営者にとっても美味しい話です。
だから企業はバランスシートをきれいにするために中長期のR&Dをしない。従業員の教育をしない。経営陣だけが巨額の報酬をえるが、従業員は最低賃金に抑える。そして儲かっていても更に配当を増やすために、従業員を解雇します。技術は新興企業を買えばいい。さらには借金してまで自社株買って株価を釣り上げる。まったくの虚業です。

だから米国経済、特に製造業の空洞化が進んだ。金融だけが異常に強くなった。これは英国も同じです。一部の「経済の専門家」はこれを是として、日本は遅れている、真似しろと居丈高に叫んでいました。

確かに株価は上がり、投資家と経営陣は大儲けでしょう。ですがわすか数%の富裕層に富が集中し、産業と雇用は空洞化。中産階級は没落して、貧困層は更に貧しくなった。
それでも米メディアは「経済は好調」「好景気が続いている」と大本営発表を繰り返してきた。完全に米国は途上国と同じ金持ちと貧乏人にしかいない国になってしまいました。

極論をいえば大金持ちさえ儲かれば、国民の過半数は飢えて死んでも、それは好景気だというのがアメリカの資本主義、経済学者やメディアの経済感です。

新型コロナウイルスは貧富の格差を増長 米億万長者の資産10%増加
https://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2020/04/10-88.php

>米アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)やテスラのイーロン・マスクCEOなど米国の億万長者(ビリオネア)の資産合計が、新型コロナウイルス危機下でおよそ10%増加した

>一方で、米新規失業保険申請件数は過去5週間で約2650万件に上っており、調査の共著者であるチャック・コリンズ氏は「非常に不平等な犠牲を伴っている
>調査によると、今年1月1日から4月10日にかけて、米億万長者34人の純資産は数千万ドル増加。ベゾス氏やマスク氏、ズームのエリック・ユアンCEOを含む億万長者8人の純資産合計は10億ドル増加したという。
>調査によると、米億万長者の過去10年間の資産増加率はインフレ調整後で80.6%に達した


そして日本の「経済の専門家」と彼らを重用するメディアも米国を見習えと吹きまくり、安倍政権も「国際標準」をめざして配当増やせ、社外取締役を増やせと企業に圧力をかけてきました。
そしてメディアは「アベノミクスで史上最長の好景気」と大本営発表を垂れ流してきました。株式相場と不動産に国が借金と我々の年金をぶち込み、円安を誘導して、官製相場で値段を吊り上げたから株価や地価があがっただけです。
実質賃金は右肩下がりです。しかも政府はGDPなど主要統計を改ざんしてきた。それをメディアは検証もせずにアベノミクスバンザイの大本営発表を続けてきました。
その理由の一つが記者クラブが当局と癒着してきたことがあります。更に記者クラブメディアは専門知識を持った記者やデスクが少ないことも原因です。自分たちが無知だから外部のトンデモな「経済の専門家」にコメントを求める。そら株の予想屋に聞けば株価が上がれば万々歳というに決まっています。

アメリカ型の「正しい経営」は極めて危ういです。中長期的に安定した経営が見込めない。R&Dにも投資しないので、技術が停滞する。
そして国民が疲弊するので国内消費市場は縮小します。ロールス・ロイスと中古の自転車しか売れないような社会構造になっている。そうなれば耐久消費財なども売れなくなります。

更に申せば治安も悪くなり、その対策の警察や刑務所に金がかかるが、その余裕もない。
GAFAのような大企業は租税回避をしますから、税収も延びない。中長期的にみれば国は衰退していきます。これで中国に勝てるはずもない。

本来企業は中長期的な成長を目指すべきで、投資家もそれを目指すべきです。

それを周回遅れで真似しようとして失敗し、それでも成功だと言い張っているのが安倍政権です。今回のコロナ騒ぎを奇貨として、経済、企業、社会のあり方、持続可能な社会とはどういうものかを考えるべきでしょう。

経済学という人類を不幸にした学問: 人類を不幸にする巨大なインチキ - 隆彦, 副島
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ツーカとゼーキン 知りたくなかった日本の未来 (インターナショナル新書) - 明石 順平
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国家の統計破壊 (インターナショナル新書) - 明石 順平
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European Security & Defence に以下の記事を寄稿しました。
https://euro-sd.com/2020/04/articles/exclusive/17070/bulldozer-contract-win-for-hitachi/

Japan In Depthに以下の記事を寄稿しました。

軽装甲車の防御力強化策のトレンド
https://japan-indepth.jp/?p=51500

現代の主力戦車の進化は限界 前編
https://japan-indepth.jp/?p=51241

現代の主力戦車の進化は限界 後編
https://japan-indepth.jp/?p=51261



東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。

培養肉がこの先「有望」な食材になりうる事情
環境負荷や食料自給の観点からも期待集まる
https://toyokeizai.net/articles/-/342551
防衛記者クラブの「台所事情」何とも厳しい実態
不要不急の支出、財政破綻の危機を迎えていた
https://toyokeizai.net/articles/-/343696

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