河野防衛大臣会見(令和元年12月23日)における質問に対する回答。



河野防衛大臣会見(令和元年12月23日)における質問に対する回答です。
Q1:自衛隊全体の医官の充足率ではなく、部隊における医官の充足率を教えてくださ
い。
A1:自衛隊医官全体の充足率は平成31年4月1日現在で、85.2パーセントと、
5年前の76.3パーセントから向上しています。一方で、部隊の充足率は22.5パーセントとなっています。多くの医官は、臨床医としての基礎的能力の獲得や、専門医としての臨床経験の維持及び医療技術の向上のため、研修のほか、自衛隊病院に配置しており、部隊の医官の配置が相対的に減っている状況です。
なお、事態対処時や大規模災害時等の各種事態発生の際は、一時的に研修を中断し、前線において活動する部隊に配置され活動することとなります。



防衛省が発表する医官数は「医官・歯科医官」で医師と歯科医官を合計した900人程度です。それで85.2%としています。自衛隊では歯科医官は養成しないので、歯科医官は全員防衛医科大学校以外の出身者です。歯科医官数は約150名ですので、900人から150名を引いた数 750人が医師の数です。
全体的に戦傷医療の専門家が少ないのは問題です。護衛艦には本来1名は医官が乗艦していることになっていますが、海外派遣以外はほぼ載っていません。本来DDHなどは最低でも数名の医官が必要でしょう。因みに米強襲揚陸艦では26名の医官が乗っているそうです。

自衛隊は民間の病院のように医師、看護師を募集して雇用することができません。防衛医科大学校で養成することが前提です。防衛医科大学校卒業者から定年退官者を差し引くと約2100人となります。750人では定員の3分の1しか居ません。

部隊配置どころか、駐屯地医務室、病院勤務に必要な医師数すら足りず、健康管理すらできない医療崩壊の状態にあります。また自衛隊病院ですら医官は不足しているのが現状であり、能力、素行に問題ある医官も首を切れない状態です。

防衛医科大学校での医官養成数は有事を想定した余裕を持たせた人数なのか?
実際は自衛隊員の健康管理のための入学者数しか許可されず、2100人の医師数では隊員の健康管理しかできないのではないでしょうか。

防衛医科大学校卒業者数がら本来は2100人の医師が現役であるはずですが、750人は現在の部隊編成と比べても明らかに不足しているのではないか?医官減少の原因は何か対策は講じてきたのか?85.2%の充足率の根拠は何か?
自衛隊病院でも医官不足が問題となっているのではないか? 実際は師団・旅団衛生隊を縮小、方面衛生隊編制などで数字上の医官数を減らした治療能力としては機能不足しています。
また約750人の医官のうち女性医官の割合はどうでしょう?産休・育休取得中の女性医官を差し引けば、病院で勤務している医官数は更に少ないのではないでしょうか。育休については女性に限らないが産休・育休取得者に配慮した有事に即応できる医官数を養成しているよう

衛生学校などの教官、研究職にある医官の充足率は?学校長などの兼務を除く(実際は教官職は兼務で1桁台、運用研究や教科書編纂の研究職は0%)

自衛官の糖尿病患者の問題もあります。実際は約1万3000千人もいて、平時の健康管理すらできない医療崩壊の状態らしいです。


Q2:陸上自衛隊のメディックは一人あたり大体150人ですが、諸外国では一人あた
り大体15人です。これはメディック軽視、衛生軽視というふうに見えますが、ご見解をお聞かせ下さい。
A2:陸上自衛隊の普通科連隊に対する衛生支援を一例とした場合、概ね30人に一人の割合で第一線救護衛生員又は准看護師の資格などを有する衛生隊員を配置しています。この際、部隊の作戦の特性に応じて所要の衛生隊員を増強し運用する場合もあります。したがって、「陸上自衛隊のメディックは、大体一人当たり150人」とはなっておりません。

また、自衛隊衛生においては、隊員の生命を最大限守ることを目的として、第一線において負傷した隊員に対し第一線救護衛生員が救急救命処置を行うとともに、野外手術システムなどを備えた医療拠点においてダメージコントロール手術を行ったのち、最終後送先である自衛隊病院などに後送し、根治治療が行われるというシームレスな医療・後送態勢をとっており、今後も「衛生機能の強化に関する検討委員会」などにおいて衛生機能の充実・強化を図っていくこととしております。


現在、普通科、特科、高射特科、機構科、施設科部隊に配置している准看護師の資格を持つ衛生科隊員の人数は、防衛省自衛隊第一線の救命に関する検討会時では2000名でした。

第一線救護衛生員の養成人数は実際は600名であり、現在配置してる2000名の准看護師を戦闘部隊から引き揚げ、看護師不足で夜勤のシフトすら困る自衛隊病院勤務に充てるようです。代わりに戦闘部隊4万人に対し600名の第一線救護衛生員を配置、結果、部隊の救護員の充足率は3分の1以下に低下しています。教育、損耗を考慮していない600人では部隊の作戦の特性に応じた増強など不可能です。

第一線救護衛生員が行えるのは有事緊急救命処置ではないのか?有事緊急救命処置には縫合が含まれていいないようです。気管切開時に縫合できなければ気道は確保できても肺炎になる、縫合できない看護師は医師の治療の介助者の役に立たちません。
更に申せば野外手術システムは各師・旅団に1台ずつ、手術台の数として各師・旅団に1台しかないが不充分ではないでしょうか。野外手術システム以外に各師・旅団が備える手術台の数はどのくらいでしょう。野外手術システムなどを備えた医療拠点は前線から何60kmの位置に開設します。そして前線から医療拠点に運ばれるまでの時間は半夜行程で片道7時間、ダメージコントロール手術には1人の患者あたり40分ぐらいの時間をひつようとします。準備と片付けを合わせて1時間 1日の手術能力が師団で24人でしかありません。

平成29年度 日本災害医学会での教育講演で自衛隊中央病院の医官(一等陸佐 竹島茂人)が陸自には数百台の野外手術室があり、前線から数百メートルの位置に手術室が開設されると発表したがかなり疑わしいいえます。

どうも陸自救命ドクトリン 10分1時間は実際に機能しないのではないか?

海外では前線に歯科医を進出させ、気管切開などの外科的気道確保を行わせているようです。歯科医であれば採用人数を増やすのみで増員でき、前線で麻酔もかけられる、第一線救護衛生員よりもよほど確実ではないか、という意見もあります。


Japan In Depth に以下の記事を寄稿しました。

英海兵隊、日本人初取材敢行
https://japan-indepth.jp/?p=51114

RWS搭載海自護衛艦に疑問
https://japan-indepth.jp/?p=45105

「軽装甲機動車」後継選定の面妖
https://japan-indepth.jp/?p=51048&lang=en&lang=en

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