防衛産業にも通じる、日本の大企業が駄目な病巣。島耕作型経営者では勝てない。

元パナソニック開発者がアイリスオーヤマに入社して驚いた「超効率経営」
https://diamond.jp/articles/-/226434

>大手家電メーカーが品目数を減らし始めた2009年に家電事業へ本格参入。白物家電でラインアップを広げた後、19年には黒物家電(テレビ)へも本格進出を果たし、総合家電メーカーへまい進するのがアイリスオーヤマだ。

>不採算などの理由で三菱電機(洗濯機)、日立製作所(テレビ)、東芝(白物家電、テレビ)など、大手家電メーカーが次々と品目を減らす中、逆に「家電ラインナップ拡大中」と我が道を進むのが、アイリスオーヤマだ。

>よく知られているように、アイリスオーヤマの家電開発部員の多くは大手家電メーカーなど同業他社からの中途採用者であり、約100人のうち7割を占める。大手で早期退職募集があったため移ってきた人や、やりがいを求めて移ってきた人など、背景はさまざまだ。パナソニックやパナソニックの下請け会社からの中途採用者は現在約10人ほどだという。

>――パナソニックからアイリスオーヤマに移って驚いたことは何でしょうか?

>人件費の違いによるコストダウン効果です。だいたい1人当たりの給料がパナソニックの3分の2。さらに開発部門の人員がパナソニックのざっと5分の1。あるプロジェクト開発でパナソニックでは50人かかるところをアイリスオーヤマでは10人で、という感じでしたね。大手は仕事をしない人がいらっしゃる(笑)。一方、アイリスオーヤマにはいません。各人が仕事をしないと回らないからです。

>アイリスオーヤマは中途採用が多いので一人一人のノウハウがすごい。一人一人の責任が重く、領域が広く、その結果、知識は益々広く深くなります。

>会社としての意思決定が速く、「あかんなー」と思ったら止める柔軟性もあります。一番ひっくり返すのは……、大山健太郎会長、大山晃弘社長(笑)。反対に大手は内部で時間をかけて「決定」を積み上げていくので、なかなか後戻りができません。

>大手家電メーカーは機能の横並びでも負けないようにしつつ、特長を出す工夫を行っているのに目立たない。それはこのスペック表が原因。だってスペック表は○か×かしか評価はないですから。実際は同じ○でもレベルが違う。特にパナソニックはすごい。アイリスオーヤマはスペック表なら×ばかりでしょうね。でもとがった機能を訴求してお客さんに、「これがほしい」と指名買いしてもらえる家電を世に出しています。加えてアイリスオーヤマの家電には“値ごろ感”があります。
>パナソニックは巨大化し、当初の生活家電事業で利益を出せる体制ではなくなっています。特に人件費は膨大で、必要のない業務を切り落としつつも、構造的に今後の伸長は困難。総花的な事業は切り離さざるを得ないでしょう。低価格の家電事業はいずれアイリスオーヤマのような超効率的な運営ができる新興企業、あるいは中国企業に置き換わっていくと思います。

>創業者である松下幸之助さんの理念を現代風に読み換えて、生活感ある血の通った商品の開発に取り組むのは、「お客様視点」のパナソニックの使命ではないでしょうか。少なくとも重電系の日立製作所や三菱電機の発想ではできないと思います。

>――大手家電メーカーとの開発の違いは?

>決裁スピードが断然速いです。大手では5~10個のハンコが必要な書類でも、うちだと1、2個。下手したらオーナーのハンコだけなんてことも。

>任せられる仕事が多いのでやりがいがあります。それは新卒入社でも同じで、だからパナソニックなど大手家電メーカーと併願していても、それらを蹴ってうちを選んでくれる学生がいます。大手家電メーカーだと、開発の一部分しかやらせてもらえない。一方うちは新人でも新製品を「どーん」と任せます。もちろん簡単な製品からですが。

>家電量販店が大きくなりすぎて、家電メーカーが言いなりになってしまいました。量販店は毎年新しいものを欲し、売り上げが下がらないようにしようとします。お客さんがいくら安いものを求めていても、できれば毎年上げようとする。家電メーカーがそこに乗っかると、製品はつまらないものになってしまいます。家電メーカーはそこと一線を画さないと。対決するぐらいでないと、いいものづくりはできないと思います。


まあ、ざっくり言えば、島耕作型の日本の経営者では勝てない、ということです。

日本の大企業は未だに高度成長期時代の負の遺産を負っているのに、それを自覚していないわけです。新卒一括採用で社風に「洗脳」した社員ばかりです。個性がある人間は疎まれるか、社外に弾き飛ばされる。
当然、世界といえば社内だけ。精々同じ業界だけ。常識といえば「社内の常識」が「常識」と勘違いしている。

こうしてできた金太郎飴的な組織で、無難にやってきた人間がトップになる。そら、70年代ぐらいまでの欧米に追いつけ、追い越せの時代には効率的な軍隊蟻的な組織だったでしょう。
ですが、現在の環境においては全く機能しません。経営陣にも社員にも強い個性がないし、個性や、異論を尊び、受け入れる度量がない。

パナソニックなどの既存の家電メーカーが、同じ日本企業であるアイリスオーヤマに勝てない、しかもこれらの会社を辞めた人間を雇用しているアイリスオーヤマに勝てないとのは経営者と組織の文化に問題があるからです。
更に申せば、ぼくらの、かつては新人類とよばれたバブル世代に問題があります。未だにバブル時代に思考から抜け出ることができずに、ガンバリズムを強要する。
高い給料をとって仕事しないだけならばともかく、後進や部下の邪魔をする。こういう重りを吊り下げて、まともに利益を上げることは不可能でしょう。

経営者に強い個性も決断力も指導力もない。社員は金太郎飴で、大事なのは「社内の世間体」だけです。時代に追いつくことすらできない。
これで苛烈な国際ビジネス社会で勝てるわけがない。中国や韓国企業の後塵を拝するのは道理です。


これはNEC、東芝、富士通あたりにも共通した話です。これらの企業は防衛部門も有していますが、本丸が危なくなっても、将来に渡って国際競争力もなく、国にぶら下がっているだけの防衛部門を温存することしか考えていない。
将来性もない、技術波及も期待できない駄目な部門を温存して、利権にしがみつくために貴重なリソースを無駄に食っている。

本気で防衛部門を存続させるならば独立採算性にして、他社の事業を買収して規模を拡大して、輸出も視野に入れてR&Dとコスト削減に力をいれないと無理ですが、そんな気はサラサラない。世界の市場で生き残っていく技術と能力がなければ将来性はありません。
ところが現状維持だけに汲々としているわけです。将来まっているのは茹でガエルの緩慢な死です。

防衛省も早く大手に見切りをつけて、まともな中小企業の振興に力を入れるべきです。
まあ、本当に防衛産業基盤を維持したいのなら、ですけども。


■追記■
以前ぼくに因縁をふっかけてきた自称某「経済の専門家」の死亡を本日、勤め先に連絡して確認しました。
悪は滅びる。


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