何を今更日本経済新聞 揺らぐ「円安歓迎論」 輸出の連動弱く

揺らぐ「円安歓迎論」 輸出の連動弱く
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO5215202014112019SHA000?disablepcview=&s=5
2019年11月16日 の日経一面の記事です。

全く何を今更です。
散々円安礼賛して世論をご誘導するような世論操作をしてきたのは日経です。

>円安が日本経済に追い風との定説に疑いが出てきている。円安は輸出先での価格競争力が上がるため、輸出が増えて日本経済にプラスになるとされた。しかし製造業の海外移転などが進み、日本からの輸出は価格に左右されにくい高級品へのシフトが進む。家電やエネルギーは輸入が増え、円安が逆風だ。株式市場は円安を好感するが、一方で円の購買力が下がり、所得が海外へ流出する。円安神話を冷静に見つめ直す時にきた。

>対ドルで10%の円安になったと仮定。外貨建てで輸出する商品の円換算額が増え売上高が膨らむプラスの効果と、輸入品が値上がりし国内の物価も上がるマイナス効果を差し引きすると、2015年は全産業の付加価値が0.9%押し下げられた。

>マイナス効果は00年に比べて3倍になった。エネルギーなどの輸入が増え、円安のコストが重くなったといえる。

>11~14年は2割強の円安でも、輸出の伸びは10%ほど。1割強の円高だった15~16年も輸出は1.7%の増加を保った。

>背景には、企業が輸出する商品で価格競争から距離を置いてきたことがある。

>内閣府によると製造業の海外生産比率は17年度に22.9%と10年前から5.6ポイント上がり、バブル期の30年前と比べると約10倍になった。

>対照的に、輸入の存在感は高まっている。スマートフォンなどの電話機は年2兆円規模の輸入がある。東日本大震災後は原子力発電所の運転停止に伴い液化天然ガス(LNG)の輸入が増え、11年には貿易収支が31年ぶりに赤字に転じた。

>日本は消費者物価が低迷してきた。円安で輸入物価が上がっても企業が吸収し、消費者には円安がマイナスとの認識は薄い。だが企業の利益が圧迫されれば、賃金に響く。

>為替相場の急な動きは市場や企業への悪影響が大きく、望ましくない。だが一方的な円安歓迎論も、日本経済の実態にそぐわない。


こんなことはこのブログでぼくが第二次安倍内閣発足前から警告してきたことです。多少なりとも実業をやっている人間であれば簡単にわかる話です。
円安になると株価が上がりますが、これは日経平均が輸出企業に偏重しているし、そもそも上場企業のごく一部でしかありません。つまり意図的に円安になると株価が上がるという仕組みになっています。そら1ドル80円でうっていたものが、130円で売れるようになれば輸出企業は儲かります。ですが、それは輸出が増えたわけではないので、不労所得と同じです。だから企業は為替差益で儲けてもそれは実力ではないと知っているから内部留保で溜め込みます。
日本株を売り買いして利益を上げている投資家の7割は外国人ですから、株式市場で得られた利益は少なからず外国に流れます。これでトリクルダウンが起こるはずもない。
しかも株価が上がった理由は円安だけではなく、政府が公金を株式市場に突っ込んだことも大きいわけです。円安だけではさほど株価は上がらなかったでしょう。

そして円安によって、GDPの6割を占める個人消費は冷えます。多くの食品、日用品、雑貨、衣服、エネルギーは輸入ですから当然、消費者の購買力は下がります。円安になっても給料はさほど上がりません。
リフレ派の人たちは物価が上がれば消費者は先を争って消費をする、と主張してきましたがそれは空理空論です。1万円のセーターが1万5千円になったら2着買いますという奇特な人はいないでしょう。そんなことは常識があればわかるはずです。


ところがリフレ派の人たちはそれを認めないわけです。
弁護士の明石順平氏も以下のように述べております。


「お仲間」は公金で花見饗応の一方、国民は円安と消費税で貧しくなっただけ<明石順平氏>
https://hbol.jp/206978

>安倍総理は「政治は結果」というが、その結果は、粉飾だらけのアベノミクス、失敗だらけでカネをばらまく外交とろくな成果も見られない。
『月刊日本 12月号』では、総特集として、長期政権の驕りと緩みが噴出しまくっている安倍政権を批判する「国家を私物化する安倍晋三 国民を裏切り続けた七年間」を掲載している。

>明石順平氏(以下、明石): 端的に言えば円の価値を落としただけです。それに尽きます。国債を爆買いして円の供給を増やした結果、市場は円売りに動き、円安が進行しました。製造業は円安によって得したかもしれませんが、物価が上昇し、それに賃金の上昇が追いついていないため、消費は冷え込みました。そこに消費増税が重なったため、国民の生活は非常に苦しくなってしまったのです。

>アベノミクスから5年で名目賃金は1・5%しか伸びていません。その一方で物価は6%も上がっています。日銀の試算によると、消費増税による物価上昇は2%なので、残る4%はアベノミクスがもたらした円安の影響です。安倍政権は増税+アベノミクスによって物価を無理やり上げましたが、賃金が1・5%しか伸びなかったため、実質賃金は4・2%も下がってしまったのです。
>これはアベノミクス前の水準に遠く及びません。もし民主党政権が続いていれば、少なくとも国民が物価高で苦しむことはなかったでしょう。

>明石:確かに総雇用者所得は増えていますが、それは雇用者が増えたのだから当然です。問題は雇用者の内訳です(図2)。アベノミクス擁護者たちは絶対に触れませんが、職種別の雇用者数を見ると、医療・福祉が6年間で125万人も増えています。その理由は高齢者が増加していることであり、アベノミクスとは無関係です。

>明石:有効求人倍率の上昇も失業率の低下も、ともにアベノミクス前から始まっており、アベノミクスとは関係ありません(図4)。アベノミクス以降もずっと改善傾向が続いているのは、金融危機が発生していないからです。

>明石:安倍総理の言う賃上げは春闘における賃上げ率のことです。そのため、当然のことながら春闘に参加した組合員しか対象になっていません。安倍総理が根拠としている連合のデータを見ると、調査対象となった労働者の割合は雇用者全体の約5%程度にすぎません。
>しかも、この賃上げ上昇率は名目値です。実質賃金上昇率を見ると、アベノミクス以降は民主党時代よりも圧倒的に低いのです

>明石:確かに株価は上昇しましたが、これは異次元の金融緩和と日銀のETF(上場投資信託)購入、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の株式投資によるものです。要するに日銀と年金によって株価をかさ上げしているだけです。

>もし日銀とGPIFが株価を買い支えることをやめれば、株価は暴落してしまうので、もはや後には引けません。 GDPもかさ上げされています。野党はGDPかさ上げ疑惑を国会で追及し、私も『国家の統計破壊』(インターナショナル新書)などで批判しましたが、2016年12月に内閣府がGDPの算出方法を変更し、それにともない1994年以降のGDPをすべて改定したことで、GDPが大幅にかさ上げされたのです。

>そういう意味では、アベノミクスの本質は「かさ上げ」です。アベノミクスはシークレットブーツを履きながら「私は身長が伸びた」と言っているのと変わらないのです。私たちはそのことをしっかりと認識する必要があります。


消費者の消費マインドは冷え切っています。国の借金は1100兆円を超えております。国家予算も借金で回し、予算の四分の一が利払いで消えています。ですから、消費税が上がり、個人が負担する社会保障費も増えています。将来の年金もどうなるか分からない。
実質所得が減り、将来の不安があればだれが気前よくお金を使うでしょうか。最近はMMTという怪しげな理屈が幅を効かせて、リフレ派の人たちは国の借金はいくらしても大丈夫、返す必要はないということをいいますが、国民の多数派はそんなことを信じてはいないでしょう。

膨れ上がった国の借金を地道に返して、国が身ぎれいにならない限り、消費は増えては行かないでしょう。





東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
2020年度は「5.3兆円超」でなく6兆円前後に?

https://toyokeizai.net/articles/-/313774

DSEI Japan の記事は東京防衛航空宇宙時評で。
http://www.tokyo-dar.com/


■本日の市ヶ谷の噂■
海自の哨戒ヘリ、SH-60J及び60Kの光学電子センサーはレイセオン製で故障知らずだが、P-1に搭載された富士通製は故障ばかりでP-1の稼働率を大幅に下げているが、欠陥の是正を「機能向上」と偽って来年度予算で要求しているとの噂。

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