シェアハウスで破産する人たち

シェアハウス借金2億円 年収1千万円会社員「破産だ」
https://www.asahi.com/articles/ASL327VMGL32ULFA030.html


>「もうおしまい。死ぬしかないかもしれない」。東京郊外の老夫婦のもとに昨秋、取り乱した娘から突然電話がかかってきた。
>娘の夫が知らないうちにシェアハウス2棟を建てる契約を結び、2億円もの借金を抱えたのだという。不動産業者スマートデイズ(東京)が、賃料で年8%の高利回りを約束した。ところが、賃料が払われなくなることが着工前にわかり、更地と30年続く毎月100万円の借金返済が残った。

>東京北西部にある二つの土地を鑑定してもらうと、買った値段は相場より3~4割割高だった。転売しても千万円単位の赤字になりかねない。ローンを組む銀行に窮状を訴えると「(借金返済のために)また別のローンを紹介しますよ」と突き放された。

>娘の夫は40代後半の会社員で年収は約1千万円。高所得なのになぜ投資? 本人は言う。「下の子どもが3歳で、自分の定年後も大学に通わせられるよう、老後の収入があればと思って。考えが甘かった。買ったときと同じくらいの値段で土地を売れなければ、破産せざるを得ない」

>物件が売れる間は自転車操業を続けられたが、スマートデイズ側によると、物件の大半にお金を貸した地方銀行のスルガ銀行(静岡県沼津市)が昨秋、態度を変えて融資をほぼストップ。新たな物件販売で利益を得られなくなり、約束した賃料も捻出できなくなったという。

>年収800万円の40代男性は、東京都足立区に1億円弱の物件を購入した。初期費用も含め全額をスルガ銀の融資でまかなった。管理費を差し引いた60万円を賃料として受け取り、ローン返済は月45万円となる計画で、スマートデイズとは「30年賃料定額」という覚書まで交わした。

>シェアハウスに投資したオーナーは、一流企業で働き、高収入で社会経験豊富なサラリーマンがめだつ。それがずさんにもみえる投資話になぜ手を出したのか。背景には、ある巧妙な「仕掛け」があった。



 はっきり言えば自業自得なお話です。
 世の中にこんなうまい話があるわけがないでしょう。歌舞伎町あたりで、「旦那、5千円ポッキリで、素人の二十歳のおねいちゃんの三助さんがいるお風呂にご案内しますぜ」と、いうポン引きの甘言に引っかかるのと同じです。

 大手企業の人が意外にこういう話に引っかかるのはご自分たちが安全なことろにいるから、危険に関する意識が麻痺していること、会社の力や信用を自分の力だと誤解しているからです。
 例えば、トヨタや三菱重工を騙してやろうという会社や業者はそうそうはいないでしょう。
 だから世の中に悪意をもっててだましに来る奴がいるという実感を持ちにくい。
 だからトラブル対処のノウハウも無い。
 しかもなまじ小金をもっているから狙われやすい。

 つまり自分たちは温室の中にいるのですが、その実感が無い。だから大手企業にいた人たちほど、起業したときに騙されやすいという傾向もあります。また事業計画も甘かったりする。


 以前イスタンブール在住の現地人の友人から聞いた話ですが、日本の大手企業の駐在員が、自分で商売始めると大抵失敗している。それは彼らが会社の信用を自分の信用と勘違いしているからだと言っておりましたが、同じことです。

 そして我が国では詐欺は極めてやりやすい。経済犯罪は額が少ないと警察も動かないし、罰則も軽いので詐欺天国です。

 ぼくらみたいに小さい会社を経営したり、フリーランスでやっている人間は自分の信用だけが頼りです。●○商事のキヨタニさんでも、●○新聞社のキヨタニさんでもなく、清谷信一として責任と看板背負って商売をしております。
 ですから常に強い危機意識を持って商売しているし、トラブルに遭うことも多々あったし、それに対処してきたので、経験値もあります。
 例えば出版社のギャラや経費の不払いや裁判なども経験しましたが、小さな取り込み詐欺とは頻繁に起きているし、また相手に悪意がなくとも経営が傾いて、お金を払えないこともあります。

 ですが、大きな会社にいると、そういう経験も無いし、感覚も鈍磨します。
 

 シェアハウス経営にしてもアパート経営にしても、「事業」です。ところが小カネもっているサラリーマンは小遣い稼ぎぐらいにしか考えずに、手を出します。

 事業ですから収益還元性や、利回りが妥当か、長期に渡るリスクはどうか、30年で維持費はどうなるのか、また業者自体が信用できるか、色々と考えなくてはいけません。
 ところが上記のケースは怪しすぎ。こんなうまい話があるわけがないでしょう、というレベルです。恐らく皆さん、業者の信用調査もしてなかったでしょう。

 更に申せば、うまい話であれば、新規参入も増えて将来市場が飽和する可能性もあるでしょう。供給が上回ったとき利益を維持できるのか。また既に空き家の数は増えており、少子化で更に将来は空き家が増加するのは火を見るより明らかです。30年先まで市場の予想ができるのか。

 不動産なんて素人さんが手を出す商売じゃありません。そもそもモラルが低く、いい加減な業界ですから嘘つき、インチキだらけです。そこに素人さんがノコノコ出かけていってもカモになるだけです。

 先が読めないし、そういう業界だし、経験もないのでぼくは不動産投資は全くやる気はありません。

長期に渡る事業展望もなく、アルバイト感覚で年収の何倍ものカネをつぎ込むのは自殺行為です。某ロボットアニメのキャラクターの台詞ではありませんが「坊やだからさ」というしかありません。



 そしてこのケースではスルガ銀行も共犯であることが疑われます。バブル時代もあったのですが、担保や返済能力以上に不動産屋とグルになって銀行が貸し込んでいました。

 当然ながらスルガ銀行もこの会社に収益性や、ビジネスモデルをキチンと精査していたわけです。その結果話ののったのであれば、ヤバいことを分かってグルになったということです。違うならば金貸しとしては全くの無能だったということです。
 
 被害者の皆さんがカネを取り戻せる可能性は、スルガ銀行が共犯関係にあるとして同行からカネをとることだけでしょう。もっともその証明は極めて困難ですが、弁護士と相談して行うべきです。

 本来シェアハウス経営の経営は手間暇がかかります。住民間のトラブルの解決や、細かな修理、賃貸料の回収など大変です。それを全くやらずにカネだけ出して、相場よりも遙かに高い儲けを届けてくる社会奉仕のような商売をする業者なんぞおりません。本来シェアハウス経営は人と関わるのが好きだとか、そういう部分が無いとできない商売です。
 濡れ手に粟で儲けようというのがそもそもの間違いです。

●朝日新聞のWEBRONZAに以下の記事を寄稿しました。
キノコホテル」マリアンヌ東雲インタビュー
http://webronza.asahi.com/politics/articles/2018022600004.html


■本日の市ヶ谷の噂■
陸自のUH-Xではスバルが開発費の半分を民間販売型に乗せて販売・回収することになっている。が、ベル社は原形となったB412EPIの販売を止めるつもりはなく、競合して売り上げが苦戦が予想され、売れなければUH-X事業は赤字になるとの噂。

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