栗原小巻×大林宣彦 幻の対談

今日のNHKの「アサイチ」で栗原小巻さんが出演していたので、思い出したことがあります。

その昔、20代の頃、某新聞社の下請けプロダクションで企画広告を作っていたときの話です。
企画広告というのは例えば全15段(1ページ)、で上の10段文を新聞社が作り、下に5段分の広告を載せるというスタイルの広告です。上の記事は記事広告といって広告扱いで、下の広告と関連つけた内容となります。広告主のメリットとしては通常の15段の広告よりも安くなることです。それと記事広告部分が読み物なので、通常の広告よりも読者の目をひくということです。

で、ぼくのいた会社ではその記事広告などを作っていたわけです。
そのとき電通YR.(当時)が担当していた中外製薬のミルフルという乳清飲料の記事広告を担当しました。
乳清に関する対談をやろうということで、大林宣彦監督と栗原小巻さんに決まりました。
それで、クライアントの担当課長もOKを出して、ご両人にはスケジュールを抑えて頂きました。

ところが、その後中外製薬の広告部長からNGがでました。
理由は「オレは大林なんて知らん」だから許可できないというものでした。

既に会社としてOKを出してスケジュールも抑えて頂いていて、ちゃぶ台返しはないでしょう。
それはご両人に対して失礼です。

何より恥ずかしいのはこの部長が大林宣彦監督を知らなかったことです。
大林監督はすでに、当時映画監督としても有名でしたが、それ以前から彼はCMの世界では極めて著名な監督でした。つまりCMから映画に転身したわけで、広告業界で大林宣彦監督を知らないと公言できるのは、自分はモノを知らないうつけだと宣伝するようなものです。


とはいえ、馬鹿に馬鹿というと怒ります。
クライアントの担当課長も代理店の担当者も説得したのですが、翻意できませんでした。


はっきりいって、こいつ馬鹿でした。

結局ぼくが菓子折を下げて、大林宣彦監督の事務所と栗原小巻さんの俳優座の担当者のところに頭を下げにいきました。ホント胃が痛くなりました。特に大林監督には事前にお目にかかって、企画意図を説明して快諾頂きました。しかもその時、偶然ぼくが学生時代から知っているプロデューサーが監督の事務所にいて、このキヨタニ君は大変しっかりした青年ですと太鼓判を押してくれたこともあり、頭を下げに行くのは本当に辛かったです。

日本企業はこういうしょうも無いことで、時間を浪費していることが多いのではないでしょうか。


大企業ではこういう専門知識も、社会常識もないクズが大企業の宣伝部長になれるわけです。
ジェネラリストといえば聞こえはいいのですが、どの分野についても素人で社会常識もない、社内政治だけがうまい世間知らずのぼくちゃんたちが部長とか、取締役とか社長になれるのがこの国の大会社です。

こういう問題を抱えているのはこの会社だけじゃないよね、とこの一件、そして他のクライアントを見ても実感しました。昨今のシャープや東芝が左前になったのは同じような体質があったからじゃないのかな、とか思ったりします。

■本日の市ヶ谷の噂■
89式の後継小銃にはレールマウントと40ミリグレネードランチャーが装着できる仕様になる模様。
つまり、前世紀の遺物のライフルグレネード06式を採用したことは間違いだったと実質的に認めるものだとの噂。







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