坂の上の雲とボーア戦争

さて、変更、捏造との評判もあったNHKドラマ「坂の上の雲」第一部放送が終了しました。
 第二部以降はそのような批判も真摯に受け止めてドラマをつくって欲しいものです(多分、無視するんでしょうが)。

 日露戦争の勝因のひとつとして日英同盟の存在があります。
 これなくしては日露戦争の勝利は無かったでしょう。

 何故英国のような大国が怪しげな有色人種の新興国家、日本と手を組んだかというと、第二次ボーア戦争で大きなダメージを蒙っていたからです。

 1899年、英国は金やダイヤモンドなどの地下資源を狙ってボーア人のオレンジ自由国とトランスヴァール共和国に戦争を仕掛けたわけですが、当初の楽観的な予測とは異なり、多くの犠牲を出し1902年まで続きました。
 
 英国は勝つには勝ったのですが、45万人の兵力をつぎ込み、多大な人的被害と巨額の戦費で国が傾きました。

 これによってアジアに充分な軍事的なプレゼンスを確保できなくなったわけです。

 そこで仕方なく有色人種の新興帝国、日本と同盟を結んだわけです。つまりボーア戦争がなければ日英同盟もなく、そうであれば我が国は日露戦争に勝利できなかったでしょう。
 それ以前に対露戦争を決意できなかったのではないでしょうか。
 となれば、満州は勿論、朝鮮もロシア領になっていた可能性が高く、その後の歴史は大いに変わっていたことでしょう。

 南アに行ったときにアフリカーナ系の連中に「我々の先達がロシアに勝てたのは君らの祖先が英国人をさんざ苦しめたお陰だ」と話すと大変に喜ばれます。

 日本陸軍もボーア戦争に関しては非常に良く研究したようです。陸軍が機関銃の有用性を認識していたのはこのためでしょう。ボーア戦争では英軍は水冷式のマキシム機銃を多用していました。

 南アフリカは乾燥地地帯が多く、機銃の冷却水の入手に苦労しました。
 因みにアパルトヘイト時代南アの特殊部隊、レクスコマンドウが敵性地域を長期(3ヶ月ほど)にわたって偵察作戦を行うときは空挺降下で潜入していました。その際の装備の重量が約90キロ、三分の一ほどが水でした。それだ水の確保が厳しい環境なわけです。

 空冷式は発射速度や連射性は水冷式に比べて劣りますが、冷却水が必要なく、重量も軽いので野戦には向いています。ですから要塞などの守備には水冷式が有利ですが、野戦、ことに満州のような水の少ない場所では水冷式の方がいいでしょう。
 

 当時の陸軍の空冷式のホチキス機銃を選択したのはこのような戦訓を分析していたからでしょう。

 さて、現在の「我が軍」がどれほどに真剣さをもって装備を調達しているのか気になります。
 



 イラク戦争&統治とボーア戦争
 http://kiyotani.at.webry.info/200509/article_24.html

 やっぱりNHK! 「坂の上の雲」独自の「視点」を加える
 http://kiyotani.at.webry.info/200912/article_7.html


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