【朝日新聞社説5月10日】宇宙基本法―あまりに安易な大転換【日本は耳の短いウサギであれ?】

 http://www.asahi.com/paper/editorial20080510.html#syasetu1

 何でこの法律に朝日が反対なのか理解に苦しみます(朝日だからいってしまえばそれまでですが…)。別に別に衛星軌道上に核弾頭を搭載したミサイルを配備するわけでもないですしね。

 この社説の冒頭でも、
「約40年前の国会決議のころとは宇宙をめぐる事情は様変わりした。多くの国が軍事衛星を打ち上げている。自衛隊も事実上の偵察衛星である情報収集衛星をすでに使っている。核とミサイルの開発を進める北朝鮮の動向を探るためなら、宇宙から情報を得ることに多くの国民が理解を示すだろう」と、まともな現状認識を示しているわけです。にもかかわらず、

「政府は情報収集衛星を自衛隊に持たせず、内閣府の管轄にしてきた。情報収集衛星の解像能力も、民間で一般的な水準に抑えられてきた」「国家としての得失はどうか、自衛隊の活動にどんな歯止めをかけるのか、といった論議は抜け落ちたままだ」

 などと訳のわからんことをいうわけです。
 内閣が運用しようと自衛隊が運用しようと何が違うんでしょうか。自衛隊に持たすと悪さをするといいたのでしょう。ですが、その論法だと我々日本人は自衛隊=軍隊をコントロールできないできの悪い国民で、民主主義国家の資格がない、ということなります。

「基本法が成立すれば、自衛隊が直接衛星を持ち、衛星の能力を一気に高める道が開ける。それにとどまらず、将来のミサイル防衛に必要な早期警戒衛星を独自に持つことができたり、様々な軍事目的での宇宙空間の利用が可能になったりする」

 お説の通りです。
 そしてそのどこが悪いのでしょうか。周辺諸国に不穏な動きがあればその動きを察知したり、更に弾道ミサイルなどを撃ち込んで来た場合にそれを察知し、より正確に迎撃できるようになるわけで、それが悪いというわけです。
むしろそのような衛星を持つこと自体が抑止力となり、戦争や紛争を未然に防ぐことになります。

 朝日の主張だと、中国がや北朝鮮が悪さをし易いように自衛隊の監視を緩めておくべきだ、また弾道ミサイルが撃ち込まれた場合、我が国の損害を極大化すべきだ。そのように主張しているように聞こえますが、気のせいでしょうか。

「衛星による偵察能力の強化は抑止力の向上につながるという議論もあるだろうが、日本が新たな軍事利用に乗り出すことは周辺の国々との緊張を高めないか。巨額の開発、配備コストをどうまかなうのか。宇宙開発が機密のベールに覆われないか。そうしたことを複合的に考える必要がある」

 では、我が国が防衛費を減らせば中国や北朝鮮、韓国ロシアも減らすのでしょうか。少なくとも過去10年ほど各国の国防費をみていると我が国が防衛費を減らしてもそれに相応して減らした国はありません。
 また日本は偵察衛星をもってこなかったわけですが、だからといって中国やロシアもその開発を抑制してきたということもありません。
 また我が国は弾道ミサイルを保有していませんが、その我が国に向かって中国は核弾頭を搭載した弾道ミサイルを向けています。
 「巨額の開発、配備コストをどうまかなうのか」そら、人工衛星だろうと戦車防衛費で賄うに決まっているじゃないですか。
 
 朝日の論法で行くと、自衛隊は一切の新兵器は開発できないことになります。新しい兵器は一切開発するな調達するな、自衛隊は銃剣突撃だけ訓練していればいいのでしょうか。

「基本法の背景には、日本の宇宙産業を活性化したいという経済界の意向もある。衰退気味の民生部門に代わり、安定的な「官需」が欲しいのだ」

 これまたヤクザの言いがかりです。既に人工衛星に限っていえば民需の方が大きいわけです。しかも軍事的な合理性から偵察衛星を持つ必要性があるのは今更いうまでもないでしょう。「安定的な官需」を欲しがっているなら、何で三菱重工らが自らロケット打ち上げの商売を抱え込んだりしないでしょう。

 朝日は自衛隊が人工衛星を保有しないというオプションを取った場合の安全保障上のメリットを挙げるべきです。このオプションには周辺諸国のメリットはたくさんあるのですが、我が国が得るメリットはほとんど無いはずです。

 我が国は戦争に関しては多くの制約を自ら課しているわけです。ですから他国より尚更情報収集には力を入れるべきです。それが無用な摩擦や紛争を回避する最大のツールになるはずです。また情報を握っていれば仮に戦争になったとしても自衛隊は勿論国民の被害を最小限に止めることができます。
 朝日が敢えて他国が皆軍事衛星をもって、自衛隊が情報の面で著しい劣勢におくことが地域の安定化につながるというのであれば、情緒に訴えたりするのではなく論理だった主張を展開すべきでしょう。

 まあ宇宙の軍事利用がいけないならインド洋に派遣した部隊と衛星回線で通信するのも禁止すべきです。
 短波通信機の使用も、闇夜の夜襲とか、干潮に合わせての上陸作戦とかも禁止しろということになります。

 朝日の主張は我が国は「耳の短いウサギになれ」ということです。
 つまり、隙をつくって戦争や紛争を起こりやすくしろ、戦時の被害を最大にしろといっているわけです。恐らく我が国の国益ではなく、どこか近隣の戦争がお好きな独裁国家の国益を代弁しているとしか思えません。
 築地には弾道ミサイルが飛んでこないという密約でもあるんでしょうか。

 独裁国家で思い出しましたが、ミャンマーに関する報道で軍事政権と枕詞を使うならば中国も共産党独裁政権とか、北朝鮮も世襲制独裁政権とか呼称して欲しいものです。

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