行政不在がチャンスと創意工夫の芽をを潰す 静岡県、防災船「希望」のインドネシアへの輸出断念

 静岡県はインドネシアの民間関係者から打診のあった防災船兼フェリー「希望」の売却を、「軍事転用の可能性がある」として断念したそうです。

 これは国から購入したテクノスーパーライナー(TSL)を改造したもので、高性能のガスタービンエンジンなどが問題となったようです。
 で、輸出できないとなると、これまでに投じた約100億円の税金がパァ。しかも解体料までかかるんですから泣くに泣けません。

 この手のグレーゾーンの製品の輸出は経産省の事前審査と許可が必要なわけです。逆に経産省がうんと言えばすんなり販売できるんですから、すんなり許可を出せばいいんです。
 高速船一隻輸出したからといって戦争がはじまるわけじゃなし。しかも支那や北朝鮮に輸出するわけでもなし。

 どうせ確固たるガイドラインは無くて官僚の胸先三寸ですから国庫に負担をかけない配慮をすべきでしょう。

 実は今月の東京財団の政策提言誌「日本人のちから」に「何が兵器かわからない日本の行政」と題した論を寄稿しておりますが、正にこのテーマについて書いております。

 だいたいトヨタのランクルなんぞ軍事転用の恐れがあるどころか、軍隊で使用されているし(あたしゃなんども現物を拝んでおります)、実戦にも多数使用されております。ありゃ立派なコンバットプルーブンされた兵器だってば。

 そんなら帝人が世界各地の兵器見本市で「トワロン」なるブランドでアラミド繊維を売っているのはどういうことだ?
 しっかり、ボディアーマーや車輌の防弾という軍用としてセールスしてるぞ。

 因みに不思議なことにボディアーマーを輸入できますが、輸出あるいは個人が海外にもちだすのは「武器輸出に当たる」ので原則禁止という間抜けな状態になっております。

 つまり兵器および転用可能な製品の輸出は矛盾だらで何ら整合性もないわけです。

 こういう曖昧な基準の規制はビジネスチャンスや創意工夫の芽を摘むだけなので早急に改善すべきです。 

(2006年5月4日9時32分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060504i202.htm

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