政治が無能だから借金して防衛費を増やしても防衛産業から撤退する企業は減らない。


https://www.jiji.com/sp/article?k=2022060200993&g=eco
部品企業撤退、運用に支障も C2輸送機、代替先確保急ぐ―防衛装備庁

>航空自衛隊C2輸送機のブレーキなどを生産する企業が今年2月に事業からの撤退を決めたことで、C2の運用面への影響が懸念されている。防衛装備庁は撤退企業の協力を得て、速やかに事業の引受先を探すとしている。背景には衰退への危機感も指摘される防衛産業の実態がある。

>油圧機器大手のカヤバは2月の取締役会で、航空機器事業からの撤退方針を決定した。同社は戦前、旧日本軍の零式艦上戦闘機(ゼロ戦)の油圧緩衝脚などを製造していた歴史ある企業。ただ、利益率が低く調達数も少ない防衛産業の厳しい現状にさらされていた。

>防衛省幹部は、カヤバの撤退について「氷山の一角だ」として、適正な利益水準の維持など抜本的対策が必要との認識を示した。

多くの防衛関連企業が将来性もない防衛産業からの撤退を決断できずに、問題先送りしている、しかも防衛費を増額しろと安倍晋三や子分の国防族が喚いている中、カヤバの経営陣はまともな人たちで、当然の決断をしたわけです。

自民党の国防部会は防衛産業振興のために、防衛費増やせといっていますが、防衛産業の凋落は政治と防衛省の無能、メーカーの当事者意識の欠如によるところが大きい。
そして借金軍拡では途中で長続きはしません。一旦は軍拡しても後になって防衛費が大きく削られることになるのは目に見えています。カヤバの経営陣はそう見抜いたのではないでしょうか。

同社はP-1やC-2の油圧関連のコンポーネントを供給してきました。
当初それらは共有化されるという絵が書かれていました。それによって両機合わせて開発費は3400億円に収めます、というのが防衛省と自衛隊の言い分でした。

これは財務省や情弱な自民党の先生方を騙す方便だったと思います。

【次期輸送機XC-2と自衛隊の川崎重工への偏愛について(中)】
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2012120500005.html
>XC-2とP-1は同時開発が決定された。この二つの機体は全く別の機体であり、このような開発がおこなわれた例は世界でもほとんどない。だが、防衛省(当時は防衛庁)は二つの機体のコンポーネントを共用化することで開発費、調達費を大きく削減できると主張した。防衛省は機体重量比で約15パーセント、搭載システム品目数で約75パーセントの共通装備部品を使用してコスト削減に寄与していると防衛省は発表している。だが、実はこれも眉唾だ。

>XC-2、P-1のアクチュエーターなどを製造しているカヤバ工業は10月に名古屋で開かれた航空宇宙展にXC―2/P-1用のコンポーネントを展示していたが、本来同一のはずのコンポーネントは別々なものだった。機体の特性が異なりすぎて、同一コンポーネントの使用は不可能だったそうである。

所詮無理な共用化と、P-1、C-2、US-2の同時開発結果、P-1とC-2の開発では不具合が続出し、開発費は高騰しました。当然ながら共用化できなかったコンポーネントが増えている。そしてそれはコンポーネント調達単価を高騰させて、整備が膨らむ。

率直に申し上げて当時の技本と空幕、海幕が無能で、国産のおもちゃで遊ぶことだけしか考えていなかったからです。当然ながらP-1、C-2も調達機数が削られました。調達機数が減るということはコンポーネントの調達単価が上がり、これが維持整備をまた圧迫するという無限地獄です。

そもそも自民党国防部会の政治家にも防衛省にも、自衛隊にも、経産省にも、当の防衛産業にも目先の話ばかりで、中長期的に防衛産業をどう育成、振興していこうかというビジョンも覚悟もなかったわけです。
鳴り物いりで作った装備庁は本来中核にすえるべき、改革に前向きな課長クラスの人材を「和を乱す」「現状維持の邪魔」という理由で左遷させてきた。それが現在の装備庁の混迷を招いているわけです。つまり当事者として改革する能力が組織的にない、という話です。

80年代ぐらいまでならば、国産装備が何倍か高く、性能、品質が劣っていても、将来は防衛産業が実力をつけて、自立もして、外国並のコストと性能品質を実現してくれる、よしんば輸出もして外貨を稼いでくれるならば許容できる「投資」だったでしょう。
当時であれば財政状況も今のような危機的な状態ではありませんでした。

ところが政治、防衛省、自衛隊、メーカーに当事者能力がなかったために、コマツや住友重機などが散々外国の何倍も高い、低性能、低品質の装備をつくって、税金を食い散らかして撤退しました。
本来防衛産業の再編とか、輸出振興とかは官僚任せではなく、政治の仕事です。それが政治家に能力も問題意識もないのでほったらかしできたわけです。

すでに多くの分野で我が国の防衛産業は、中国、韓国、シンガポール、UAE、セルビア、ポーランド、チェコあたりから大きく遅れており、途上国と言っていいレベルです。ですが自民党の国防部会のセンセイ方は未だに、日本の軍事技術の一等国、みたいな夜郎自大な夢をみています。
「夢」をベースに考えているわけですから、まともな政策がでてくるわけがありません。



ですから、今後いくら借金軍拡でカネをつぎ込んでも、それを防衛省は活かすことはできないし、政治家も現実が見えていないで未だに一等国という白日夢をみているので、防衛産業の宿跡も言える体質の改善はなされて、税金の無駄使いで、最後はメーカーが撤退、国の借金だけは残るという間抜けな将来が待ってくるでしょう。

今後まともな企業ほど、防衛産業からの撤退を決意するでしょう。

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この記事へのコメント

ミスターフリゲート
2022年06月03日 16:35
昭和の武器輸出や軍事の研究開発を絶対悪とみなし、軍事から逃げ続けた結果です。
やれやれ
2022年06月03日 19:50
https://www.kyb.co.jp/media/ir_20220209.pdf
カヤバ工業なんと2月には撤退発表していたんですね。
調べたら航空は防衛だけかと思ったら787や777xと民間機も手掛けているようで。
売上が40億行ってない様なので規模は小さいようで。
民間機はコロナの影響があったかも知れませんが、今後伸びないと判断したのでしょうね。
祖業が航空機用のアクチュエーターだったとしても今やオマケレベルまで下がっては止めるのも仕方ないかと。
軍オタは金出さないから撤退したんだとか書いてありますが、必ずしも防衛だけでは無かった所を見ると金出しても遠慮しますで止めていたと思います。
航空部門は多分同業他社との競争に負けたか勝てる見込みが無いと判断したんでしょうね。
戦略的撤退ならこれは仕方ない事だと思います。

偽陸士
2022年06月03日 19:51
元を糺せば武器をそれも国産を持ち、プライドを保ちたい。
けど市民の武装権は否定したい保守派。

それと猟銃も駄目、輸出なんてもっての外の左翼。

双方の妥協の産物がこの惨状をもたらしています。

誰が武器を持とうが造ろうが、誰に売ろうがそんなの自由だという社会でなければ、兵器の製造に手を出すべきではないのです。

100%輸入で良いんですよ。

武器製造輸出で誇りを持って食べていく気概が無いなら脚を洗うべきです。

生兵法は怪我の元。
ミスターフリゲート
2022年06月03日 20:41
>元を糺せば武器をそれも国産を持ち、プライドを保ちたい。
けど市民の武装権は否定したい保守派。
それと猟銃も駄目、輸出なんてもっての外の左翼。
双方の妥協の産物がこの惨状をもたらしています。

やはり武器輸出三原則や武器輸出反対ネットワークの罪はでかいですね。

>誰が武器を持とうが造ろうが、誰に売ろうがそんなの自由だという社会でなければ、兵器の製造に手を出すべきではないのです。
100%輸入で良いんですよ。

少なくとも航空機系は輸入ですね。個人的には艦艇は今のまま継続でいいですが。
F-5
2022年06月03日 21:22
 部品供給に応じてくれるメーカーが無くなり、気がついたら中国製・韓国製部品がないと運用出来ない未来もあり得ますね。
 まあ、A-10の主翼が韓国製になったら墜落すると本邦のミリオタさんたちはやかましいのですが、専門家が品質を認めて価格が適切であれば火星人が作ったものでも構わないんじゃないかと思うのですね。
 今後は兵器のスマートフォン化が進み、世界中の部品メーカーから最適な部品を選び適切な価格で必要とされる機能を有する物を開発できるメーカーだけが生き残れるのだと思います。
 これって、中国と韓国が得意なんですよね、困ったことに。


 
やれやれ
2022年06月03日 22:45
F-5さん、
きちんと原材料、加工、組立など各工程で品質チェックがきちんと行き届いていればどこが作ろうが構わないんですよ。
計らずも三菱や住重の品質改ざんデータ改ざんが行われた事で証明されました。軍ヲタや酷使様は元々高品質だったから仕方ないと言う謎の擁護まで出る始末。本当は御本家以下でろくでもない物を作っていたと言うのに。
それに韓国兵器もK9の輸出が好調な事からヤフコメの内容も
韓国だから駄目~から少し羨ましい感じで認めるしか無いみたいな雰囲気が感じられるコメントも。ポーランドがM1購入台数が十分ではなくT72等の代替を急速に進めたいから韓国のK2戦車導入に興味あるとのニュースにも、まあ選ばれても仕方ない雰囲気のコメントもありますからね。散々段差が超えられない、パワーパックの開発失敗で~と馬鹿にしていたのに。
偽陸士
2022年06月04日 09:42
やれやれ様。

>散々段差が超えられない、パワーパックの開発失敗で~と馬鹿にしていたのに。


これこそが日本の衰退の元凶です。
日本よい国つよい国などと他国を見下し舐め腐った態度が、自らを腐敗させたのです。

他国を見くびる限り日本の衰退は止まる事は無いでしょう。

残念です。
やれやれ
2022年06月04日 12:44
偽陸士さん、
まあ間違いでは無いんですが、いつまでもそのままな訳が無いでしょう。昔の失敗を論っているばかりではね。
それに韓国は売れてない時も含めて武器輸出に
一生懸命だったのでようやく軌道に乗ってきたと
言う所でしょう。
韓国と比べると国も企業も売るための努力もしていない日本が売れる訳ないんですよ。
やれC2がP1がUS2が、と言ったところでね。
ミスターフリゲート
2022年06月04日 13:06
やれやれさん
勿論メーカーの努力不足ですが、やはり武器輸出反対とかの風潮も大きいかと。戦争反対、人殺しのもので利益得るなと喚き、武器輸出三原則や規制禁止ばかりして、産業として一切認めず防衛産業の芽を潰してきたからです。
F-5
2022年06月04日 13:38
やれやれ様、偽陸士様

 韓国の兵器開発はトライアルアンドエラーの見本になると思うのですね。
 自分たちが手の届くギリギリより僅かに上の所に狙いを定めて、当然のように失敗してそこから改善を図る。 もちろん改善が進んでいない案件も多いのですが全体を見れば過去10年と比べれば遥かに良くなってきている。
 失敗や不正が公表されることで組織も改善されてゆく。
 失敗や不正が隠蔽される国の兵器を買う国なんてありはしないと思うんですよね。
 多少の欠点はあったとして、欠点がわかっていたら運用でカバーすれば良いだけの話しなんですから。 というか、本邦のミリオタさんの一部にある国産兵器最強論は、一隻も敵艦を沈めていないのに世界最強を自称した戦艦大和に起源があるんじゃないかと思います。(カタログミリオタのはしりですね)
偽陸士
2022年06月04日 15:16
F-5様。

>失敗や不正が公表されることで組織も改善されてゆく。
 失敗や不正が隠蔽される国の兵器を買う国なんてありはしないと思うんですよね。

まさにその通りです。
小川和久氏の著書『戦艦ミズーリの長い影』に、陸自がグレネードランチャーの開発に着手し失敗した話があります。

陸自は研究を継続、あるいはデータの保存に取り組むのでなく、隠蔽に走ってしまった。

最初の失敗を糧に研究を再開する気風があれば、また随分と違ったと思います。

失敗に寛容になった方が、いろいろな分野で成功を納めるんでしょうね。