陸自に対戦車ミサイルはいらないんじゃないか?

ウクライナでの戦闘で、ジャベリンなど対戦車ミサイルの存在がにわかに着目されています。

ですが、陸自に対戦車ミサイルって必要なのでしょうか。

防衛大綱でも大規模な着上陸作戦はかなりの期間ありえないといっています。つまり連隊規模で戦車が揚陸してくるような事態は想定しづらいわけです。
我が国が想定している、あるいはすべき事態はサイバー攻撃、島嶼防衛、弾道弾攻撃、ゲリラ・コマンドウでしょう。
そして最も可能性が高いサイバー攻撃に対して、自衛隊は自分たちを守るだけで、国や国民、そのアセットを守るつもりはありません。

まあ、陸自の機甲OBの将軍とか、産経新聞は戦車増やせとかいっておりますが、現実見た方がいい。そんな揚陸能力を持った国は、米国以外はないわけです。自分たちが無能であると宣伝して何が楽しいのかわかりません。彼らは中国やロシアの戦車は空を飛んだり、ホバークラフトよろしく海上を滑空して攻めてくるとでも思っているのでしょう。

つまり攻めてこない戦車に備えて対戦車ミサイルを開発あるいは装備することに意義があるのか、という疑問はあって然るべきでしょう。来るはずもない敵に備えるのであれば、自衛隊はゴジラに備えてメーザー光線砲も開発しないといけません。

MBTを撃破するための対戦車ミサイルは高価です。センサーやシーカーも高級だし、弾頭も大きい。当然ながら図体も大きく重くなります。

想定脅威が上記のようなものであれば、せいぜい装甲車両は軽戦車でしょう。後は建物に立てこもる歩兵。これらに対する兵器を充実させるべきです。
例えばカール・グスタフは全部最新型のM4にして、より多用な弾種を揃える。安価なロケット弾をモディファイした誘導ロケット弾を装備する。これはセミアクティブ誘導なので、デジグネーターなどが必要となります。調達コストが安く、軽量なので装甲車やヘリに搭載する場合、対戦車ミサイルより多く搭載できる。
また携行型40ミリランチャーから発射できるセミアクティブのミサイルもレイセオンやアセルサンなどで開発されております。普通科の火力の底上げに必要でしょう。
これらはドローンなどにも搭載可能であり、運用の柔軟性が極めて高い。
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また途上国ですら導入している榴弾砲、迫撃砲の精密誘導砲弾、自爆型ドローンも導入すべきです。

どうせ国産の対戦車ミサイルなんて大して試験射撃もしないから、信頼性も低くて、そのくせ生産数が少ないこともお値段も高い。それを買うのを止めて、上記のような火器の数を揃えて方がいいでしょう。
どうしても対戦車ミサイルが必要ならばイスラエルのスパイクとかを少数輸入すればいいでしょう。89式後継のICVを導入するにしても対戦車ミサイルを搭載しないならば、その分コストもやすくなります。

更に申せば、大規模な機甲部隊の上陸を想定しないならば、機甲部隊や砲兵部隊は種火程度でいいわけで、次の大綱ではさらに定数を減らすべきです。


よそ軍隊が持っているから欲しいというのではなく、防衛省、自衛隊の大好きな「我が国独自の環境と運用」の通り、我が国に必要なものを調達し、不要なものは調達しないということも必要でしょう。

■本日の市ヶ谷の噂■
航空医学実験隊司令辻本哲也空将補は、専門医資格なし、博士号なし、研究歴なしの3無し男。医師としての自己研鑽の源である医学会も未入会、との噂。

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この記事へのコメント

偽陸士
2022年04月17日 19:42
余剰になる対戦車ミサイルですが、海自に譲渡してもいいのでは?

海上民兵やアデン湾の海賊にハープーンは勿体無いかと。

M2機関銃と5インチ砲の中間を埋めるのに良いかと。
333
2022年04月17日 21:14
>防衛大綱でも大規模な着上陸作戦はかなりの期間ありえないといっています。つまり連隊規模で戦車が揚陸してくるような事態は想定しづらいわけです。

まさかと思いますが。
実はクーデターとか北海道あたりの独立を想定しているとか・・・・

>最も可能性が高いサイバー攻撃に対して、自衛隊は自分たちを守るだけで、国や国民、そのアセットを守るつもりはありません。

サイバー攻撃への対抗手段を研究してゆくと自ずからサイバー攻撃を行える能力も向上すると思うんです。
だから、そんなに危ない物を自衛隊に持たせたくないという勢力もあるんじゃないでしょうか?
諸外国並みの大きい組織にして権限を持たせるのに顔をしかめる
人はいっぱい居そうです。
だから、あんな少人数の組織でお茶を濁したんでしょう。あんなのは政府の政府の「一応やってまっせw」的なアリバイ作りでしかありませんね。

国民に対しては「頑張ってやってまっせ!」、危惧する人々には
「安心して下さい。実力は全然たいしたこと無いです。あくまでも体裁だけですよ」w

ミスターフリゲート
2022年04月17日 21:21
>どうしても対戦車ミサイルが必要ならばイスラエルのスパイクとか

難しいところですがこれメインですね。79式や87式は恐らく旧式化が進んでいるでしょうし、スパイクですかね。携行式はそれらと、予備に中距離多目的誘導弾があれば充分でしょうね。
19190213
2022年04月17日 22:32
微妙な塩梅ですね。
スイッチブレードでもやれないことはないらしいので金額だけ見ればあちらに軍配が上がりそうですね。
ドローンが安価すぎるんですよね。
対策は絶対取られるでしょうけども、まだ確定していない上に物理的な手段であれば飽和するように数を増やすでしょうしそれに耐える経済性がある。

中多は旧来ATMよりシューターの生存性が高いいわば間接照準を主とした迫のような運用をするATMで完成度は極めて高いものです。
今まであれば普通科においての対戦車戦闘というのが不安であったものがそうでもなくなったと言えます。
今までは応射で射手が死ぬとかそもそも徒歩行進部隊にはキツイ重量であったりと必ずしも良好とは言えなかったですからね。
射程伸ばして車載は最適解です。

正直戦車以上に戦車に強い上にマルチな目標にぶち込める。
防御戦闘でこれ以上にいい器材(ATMというジャンルを見渡した時に)はないぐらいに使い勝手は良いです。
ただし・・・経済的な面を見ればスイッチブレードのような自爆ドローンの方に軍配が上がるのも確かです。

とは言えども中多そのものも平成16年開発開始の装備であって最新器材と比べるといろいろ分が悪いのは仕方がないと思います。

この価格差だけ見ても今後ATMというジャンルで更新していくとなるとかなり厳しいです。
少なくとも対空もこなせるぐらいに本当にマルチになるかサーモバリックなどの弾頭も付けくわえていくとか、ATMが主というのを捨てていかないと割に合わないかもしれないですね。
 それか、ドローンなみの価格を実現するとかそういうのでも良いかもしれません。
何より今後は価格を抑えていかないといけません。

84は便利で良いですね(重いけど)。
歩兵砲みたいなもんですしもっと増強していいので火器小隊(WW2の米軍じゃないですが)でもNO中隊隷下に置いて7.62の機関銃と擲弾筒、重機なんかと混成で増強しても良いぐらいです。
単純に戦車の調達辞めればすぐに増せます。
それも全部の部隊にやる必要性はなくて主として機甲科や師団砲兵クラスからの支援を任務上受けにくいWAiRとか空中機動する部隊なんかの軽歩兵の火力の増強は戦車買うよりは安価で需要もあると思います。
というか任務特性上普通の戦闘団を組みにくいのに母体の普通科の火器構成が殆ど変わらないっていうのが変だと思うんですよね。
状況によっては、艦船、航空機の支援は当然あるもんですがCT単体である程度はやれることを増やしていかないと昨今の電子戦環境下では遮断されることもあれば、任務特性上支援が何らかの事情で止まった時に84はあるが5.56が主体です。となると相手の軽火器に頭を抑えられそうですよね(迫もあるが)。

ATMもそうなんですがどちらかというとLAMも要らんかなと。
01とLAMは更新かけずに84に統一した方が良いかもしれないですね。
やれやれ
2022年04月18日 09:09
「また途上国ですら導入している榴弾砲、迫撃砲の精密誘導砲弾、自爆型ドローンも導入すべきです。」
対戦車ミサイルが不要とまでは思いませんが(実積あるものなら)上記兵器の方がコスパはよさそうですからね。数を揃える意味では有効でしょう。

■本日の市ヶ谷の噂■
なんか医局からも見放されたはぐれ町医者レベルのようですね...
ヤブ医者でないと良いのですが(恐)。
町医者だって学会出席のために休みますとか病院の中に貼ってあったりしますけどね。
偽陸士
2022年04月18日 12:15
19190213様。


棲み分けに成るんでしょうね。

軽装甲車やトラックなら装薬の少なくて済むスイッチブレードや擲弾。
戦車みたく装薬も多めにして距離も取りたい相手なら中多や重迫の誘導弾。

でもそのうちに中間を狙ったのも出て来るんでしょうね。

84か。
M20しか撃ったことないんで何とも言えませんが、軽いに越した事はありません。

M3は倉庫に入れてM4をもっと買うべきでしょう。

戦車調達止めて人員を全てドローンに振り向ければ、お釣りも来るでしょうね。

84もMULEに載せてしまいましょう。
二読者
2022年04月19日 11:47
確かに今日明日の話ではありませんが、東で行き詰まったロシアが北海道に太平洋へのゲートウェイとしての活路を見出さないとも限りません。
名目は、日本政府に迫害されているアイ○民族を保護するための人道的介入辺りでいいでしょう。
無論向こう(露軍)も正面切って機甲部隊を強襲揚陸できるとは考えていないでしょう。
したがって自分なら、ミサイル、サイバー、電子、ゲリコマ等を複合して日本のレーダーサイト、航空基地、SAMサイトを麻痺させ、その隙に空挺軍を主体とした先遣隊で空港・港湾施設を占拠、後続部隊の受入態勢を整えます。
あとは

ニ読者
2022年04月19日 11:59
続きます
あとは各都市を制圧・人質化して多大な死者が出る市街地戦闘を封じ、「北海道人民共和国」(ベタ?)の独立を宣言させ、日本政府が右往左往している間に占領を既成事実化、という流れを考えます。維持できるかは未知数ですが、決して可能性ゼロではないと思います。
てあれば、威勢のいい方々のように大幅増勢しろとは言いませんが一定の戦車・火砲・ATMは維持必要と考えます。
(SSM網の整備などでの代替も考慮すべきではありますが)

露軍も航空優勢と海上優勢が確保できない中で対象地域の制圧はできないのは承知ですから、(実際に実行するかは別として)裏を掻く手法は検討していることでしょう。
偽陸士
2022年04月19日 12:48
二読者様。

戦車や自走砲より緊急時に沖縄でも道北でも移送が容易な装備を爆買いすべきです。

ドローンやテクニカルならそれも容易で威力も実証済みです。


でも一番良いのは銃刀法・火薬類取締法の撤廃です。
ドローンの規制も原則届け出のみとして、投下も自由にさせるべきです。
他人に損害を与えて初めて、民事.刑事.行政処分を交通事故同様に対応すべきです。



またサイバーも同様でこの分野に国境も軍用も企業の境界はありません。
民間主体のサイバー防衛組織に、防衛に必要な権限や捜査権、逮捕権を与えるのが最良かと。

イギリスの金融犯罪の取締にあたるFSAに近い組織が良いかと。

とにかく役人の関与は最小限にしたいのです。


マリンロイヤル
2022年04月19日 14:10
>>防衛大綱でも大規模な着上陸作戦はかなりの期間ありえないといっています。つまり連隊規模で戦車が揚陸してくるような事態は想定しづらいわけです。


そう思っていた時期が、私にもありました(笑)今回のウクライナ戦争で判った事は、独裁者が「合理的判断」をするとは限らない、という事ですね。独裁者は不合理な判断をするし、しかも独裁者を止める事は出来ない。部下が合理的判断の上申をしようにも、独裁者が気に入らない報告だと、クビと胴体が物理的に分離するので怖くて出来ない。「日本に着上陸は無い」確かに合理的な判断ですが、独裁国家が合理的判断をするとは限らないもんだ、と身にしみました。戦車や大砲、航空機や兵員の数とか素人にも分かり易い指標も重要だなと痛感しました。
二読者
2022年04月19日 17:55
追伸
市ヶ谷の噂についてはまあ、指揮官は管理職ですから無理に高級ドクターの資格なくてもいいんじゃないですか。
部下の冷たい視線や士気を気にしなければの話ですがね(棒)
ブロガー(志望)
2022年04月24日 21:42
お邪魔します。
 軍事的合理性から言えば、人・物・金・時間及びできる事自体が極めて限られる以上、「可能性が高く、かつ対処か可能な事」に集中するのは当然でしょう。極端な話「地球に巨大隕石または小惑星が衝突する」可能性は零ではない(実際それで恐竜が絶滅か)ですが、宇宙の広さから考えてその確率は低く、かつ今の人類ではそれに対処は不可能でしょうから。しかし自衛隊(特に陸自)は「治安部隊としての本性」を隠したいでしょうから、そういった事はしないものと思われます。
 それから日本本土に機甲部隊を上陸させてそれを運用できるとすれば、それは先の大戦末期のように海上及び航空優勢を完全に奪われているという事であり、そこで地上戦とかをやっても沖縄戦のように犠牲を積み増しする結果にしかならないのではないかと思ったりもします(するのなら海上及び航空優勢の奪還が優先か)。ウクライナの場合旧西側からの支援を遮断する力はロシアにはなさそうですし、抗戦して出血を強い続ければ元々それ程余裕が無いロシアの方が出血多量に陥る可能性もありますが。