財政制度分科会(令和3年11月15日開催)「防衛関連資料」読む。その14 調達改革その12

財政制度分科会(令和3年11月15日開催)の防衛に関する資料、参考資料を解説評論していきます。
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20211105zaiseia.html

「資料」と「参考資料」2つがあります。既に「資料」編が終わったので「参考資料」を解説していきます。

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20211115/02.pdf

今回は調達改革についてその12です。

<参考>戦闘機の機体サイズ等について(P25)
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<参考>各国の戦闘機開発事情(P26)
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〇 近年の諸外国の傾向として、開発費を抑制するため、共同開発やグローバル市場への展開を志向。
〇 機体は、費用対効果を重視した設計となっており、F-35はもとより、露国の新型機のモックアップは、エンジン1基型の戦闘機を提示。

 財務省としては新戦闘機開発であまり豪華なものはつくるなよ、外国でも単発が増えているだろう、という主張をしているわけです。

 そもそも空幕も装備庁もどの程度の金額で開発し、装備化するのか、そのアウトラインすら示さず、要素研究をしてきました。将来の技術予測は難しいのは当然ですが、「民主国家の軍隊」であれば開発費+調達費(調達機数)+運用コストを大まかでいいから提示すべきです。ところがそれすらも「敵に手の内を明かすことになる」と考えているのでしょうか、明らかにしてきませんでした。
財務省からせっつかれて渋々出してきたのが最近のことです。

 装備庁、空幕は予算の概念がないので、プロジェクトが始まってしまうと、コストが高騰することは十分にありえます。23.75億円で調達する予定の救難ヘリ、しかも既存機の改良型が2倍以上の50億円ですから、コスト意識があるよといっても信用できないのが大人というものです。
そうはいっても予算の限度がありますから、途中で大幅に何かを削減することになって、F-35より低性能で値段だけは3倍みたいな、ものになる可能性は十分あります。F-2もそういう戦闘機になりました。F-15Jより調達費も運用コストも高い。であればF-15Cでも輸入したほうがよほど戦力強化になっていたでしょう。

空自のC-2輸送機も事実、当初の予定を上回った単価になっており、単価も運用コストも諸外国の数倍です。

国産戦闘機が空自の弱体化になるのではないか、というのは財務省ならずとも心配することろでしょう。
運用上大型の機体が本当に必要なのか。そもそも戦闘機に随伴する無人機も計画されているわけですから、そちらの開発、調達費も必要でそれが賄えるか。

 そもそも、たかだか100機、単価は200億円といわれていますが、その程度の機数では1機あたりの開発予算は莫大なものになります。その価値があるのでしょうか。

今のF-35ですら期待寿命はF-15の半分、維持費は2倍ですから相当の金食い虫です。さらなる金食い虫を抱える余裕はあるのか。
そして空自基地は三沢など一部を除きバンカーもありません。高価な作戦航空機は丸裸同然であり、弾道弾、ドローンのスウォーム攻撃に脆弱です。これをこのまま放置するのでしょうか。

更に米軍などのように定期的にアップデートできるのか。日本の調達システムでは長期、少量生産であり、事実上計画が存在しないわけです。そして機体維持費も高ければ定期的にアップデートもできなくなるでしょう。であれば部品は枯渇し、稼働率は激減することになります。

とりあえず評価できるのはプライムを三菱重工にして責任をもたせたことです。むしろ装備庁が関わらないほうが、安く上がるでしょう。
それに英国との連携を深めていることです。テンペストに相乗りしないまでも、多くのコンポーネントを共用化すればその分開発費も調達費もさげることが可能でしょう。
C-2とP-1の共同開発によるコンポーネントの共用化よりよほどまともです。その場合、日英の間をつなぐのがBAEの代理店である住商です。住商の役割に注目すると面白いと思います。

 個人的にはテンペストに相乗り、あるはF-15EXを調達するほうが

■本日の市ヶ谷の噂■
 昨年の大規模ワクチン接種センターはただでさえ、余力のない自衛隊衛生に多大な負担を強いており、今年の大規模ワクチン接種センターは規模を大幅に縮小する予定が、頭の悪い自民党議員のゴリ押しで規模拡大にり、現場は怒り心頭、との噂。



European Security & Defence誌 2月号に寄稿しました。
Japan's Defence Budget –an Issue of TransparencyP68~69)
https://euro-sd.com/wp-content/uploads/2022/02/ESD_2_2022.pdf

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この記事へのコメント

やれやれ
2022年03月08日 16:30
「F-2moそういう戦闘機になりました。」
も、ですね。

自民先生のゴリ押しで嫌になったら自民に票を入れない様にしないとダメだすな。
仮に上司が自民と公明に入れろと言っても別の政党に涼しい顔して。
まあその頃には自主退社しているから圧力も掛からないかな?
Goodman80
2022年03月08日 17:11
新型機の開発でF-3はテンペスト開発にレーダー、複合材料、電波吸収塗料等を提供し、日本の兵装が使える日本版を作ってもらう。F-35の調達は60機程度で打ち切り、F-15の改修は止め、改修予算でF-15Xを調達、新型機の足りない分はチェックメイトを西側のエンジン等で作った物程度なら日本だけでも可能でしょう(ロシアは無理だろうから韓国とか台湾とかの共同が望ましい)。チェックメイトはステルスを重視しておらず、飛行性能を向上させる為、兵装を機体内に取り込んだだけの機体です。高価な材料も使用せず、F-35の簡易版的な機体なので、単価も維持費もずっと安く済みます。
キヨタニ
2022年03月08日 18:21
ご指摘ありがとうございます。

>やれやれさん
>
>「F-2moそういう戦闘機になりました。」
>も、ですね。
>
>自民先生のゴリ押しで嫌になったら自民に票を入れない様にしないとダメだすな。
>仮に上司が自民と公明に入れろと言っても別の政党に涼しい顔して。
>まあその頃には自主退社しているから圧力も掛からないかな?
>
F-5
2022年03月08日 19:25
 世界的に戦闘機メーカーを絞っている中に新規参入は難しいんじゃないかと思いますね。
 今後は米1社・露1社・中1社・印1社となり、欧州も1社に絞らないと共倒れになるんじゃないでしょうか?
 日本トルコ韓国は採算割れで、残念ながらの撤退になるんじゃないでしょうか。

 タイポ報告
> 頭の悪い自民党議員のゴリ押しで規模拡大に「」り、現場は怒り心頭、との噂。
ミスターフリゲート
2022年03月08日 21:43
goodman80さん
>F-15の改修は止め、改修予算でF-15Xを調達

これって、これ以上の改修は止め、F15Jの一部をF15EXに置き換えってことですかな?
Goodman80
2022年03月08日 23:46
ミスターフリゲートさん
>これって、これ以上の改修は止め、F15Jの一部をF15EXに置き換えってことですかな?
その通りです。老い先短い機体の改修は費用に見合いません。コスパが悪すぎます。長く使えて今後も改修に耐えられる新品を購入すべきでしょう。F-15EXは80機程度の購入で良いと思います。
KU
2022年03月09日 06:25
<独自>ウクライナ 日本に対戦車砲要請 法的根拠なく提供見送り

https://www.sankei.com/article/20220308-RONJ4C2SVVKXZJPB7SXHUYTKNY/

仮に送ってもなあ、陸自の小銃弾は弱装薬弾だし、威力は落ちますよね。対戦車砲だとカールグスタフとかパンツァーファーストなら、それほど操作訓練に時間は掛からんですよね?SAMは何を希望していたのやら。もし携SAMだというならドイツ他もスティンガーを供与しているのだから、そんなに扱うのは難しくはないだろうし。
KU
2022年03月09日 12:21
ウクライナは紛争当事国じゃない? 自衛隊の防弾チョッキ特例で提供 防衛装備移転三原則の歯止めどうなる

https://www.tokyo-np.co.jp/article/164468?rct=politics

自衛隊装備スゲーとか三原則でんでんと法律論は書いたり報じても、自衛隊の国産装備品はアレすぎるwとは絶対、書かないニッポンメディア(^_^;)。そんなに、防衛省自衛隊からネタを貰えなくなるのが怖いのか?
ブロガー(志望)
2022年03月13日 20:55
お邪魔します。
 「単発」云々ですが、F35が下手な双発機よりも大きな単発機ですし、その事が様々なトラブルの一因とも聞いた事があります。それよれよりも前に「何のために何をどこまでやらせるのか」を問い質すべきではないかと思われます。兵器もあくまでも「道具」なので。日本の場合「他国に攻め込んで航空優勢を奪う」といった事は考えられず、「航空優勢を奪われれない」事だと思われますので、地対・艦対空ミサイルやシェルター他の強靭化の比率が高くなると思われますが、未だに排気タービン等の遅れでB29に対抗し切れなかったトラウマに未だ囚われているのでしょうか。尤もマッハ3のXB70が「敵国の都市等を核で焼き尽くすなら弾道ミサイルが最善」で正式採用されませんでしたが。