何を今更ミサイル防衛の欠陥指摘

ミサイル防衛、重層性なく
中国や北朝鮮の脅威増す 敵基地攻撃のみでは不足

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO77381170Z01C21A1EA1000/


>いままでの日本のミサイル脅威への対応をまとめると「対処が一面的で、事態が悪化しても一時的に反応するだけで、総じて国民の命を守ることへの執着心が薄い」ということになるだろう。

>北朝鮮は、1カ所に何発ものミサイルを撃ち込む「飽和攻撃」、打ち上げ高度を高くとることで再突入時の速度を高める「ロフテッド発射」など新たな攻撃手法を次々に誇示した。

>中国や北朝鮮は、極超音速ミサイルや落下後に再び高度を上げることで迎撃を難しくする変則軌道型ミサイルなどの保有を誇示するようになった。政府はようやく迎撃は困難と認めるようになり、ミサイルを発射前に無力化する、いわゆる「敵基地攻撃」が議論になっている。

>国民保護は17年春から18年春の間に一部の自治体でミサイル避難訓練が実施されたが、18年6月の米朝首脳会談の開催決定後に中断した。米朝交渉が何の成果もなく終わり、北朝鮮の核戦力強化が続いているのに訓練再開の気配は見えない。

>ミサイル防衛の4つの要素別に整理すると、(1)の核抑止は揺らぎ、(2)の敵基地攻撃は実行のメドが立たず、(3)の迎撃は現状では困難で、(4)の国民保護も忘れられたまま、ということになる。なかでも敵基地攻撃に関しては、日米同盟の存続を左右する課題ととらえる必要がありそうだ。


まず前提条件を整理する必要があります。我が国周辺で弾道弾攻撃をする可能性のある国は、ロシア、北朝鮮、中国、韓国です。ロシアがそのようなことをする可能性は現状極めて少ない。北朝鮮は主に、交渉や譲歩を引き出すための「政治的な兵器」に過ぎなく、実際に攻撃されることは少ないし、その場合は米軍が報復するであろう。
韓国については、西側にとどまっている状態では無謀なことはしないだろう。

となると一番警戒するのは中国でしょう。対空母用含めて各種の弾道弾をもっているし、数も多い。また本気で中国が使用した場合は報復を恐れる米国が報復をしない可能性は極めて高い。ざっくりいうとこんな感じでしょう。
そして弾道弾防衛はどれほどの喫緊の脅威があるのか?
ぼくはさほど大きくはないと思っています。むしろサイバー攻撃の方が可能性は高いでしょう。一発も弾を撃たずに、正体を隠したまま、日本のインフラと経済を破壊できます。

であれば、ミサイル防衛よりもサイバー防衛の方がより緊急度も深刻度も高いわけです。
ところが防衛省、自衛隊はサイバー部隊が守るのは自衛隊だけです。他国に対する攻撃もしません、です。攻撃しないで防御の技術が上がらないのは専門家がいつも指摘していることですし、自衛隊なんぞ放おって、電力や空港、金融などのシステムを止めたほうがよほど攻撃の効果があります。
端的にいえば自衛隊のサイバー部隊は誰も来ない山奥に立てこもっているのと同じで、金の無駄です。いまだにそんなことだから、陸自初代のサイバー部隊の隊長から三行半を叩きつけられたのではないでしょうか。

そもそもミサイル防衛は万が一の場合の保険として始まりました。優先順位は低いが、かといって無視もできない。投資は最小限で済ませたかった。だから普通の駆逐艦としても使えるイージス艦を利用したわけです。本気でやるならば1隻あたりの迎撃ミサイルは8発だけなんて、ありえないでしょう。またアショアにしても法改正をやっていたはずだし、
国民用のバンカーも整備したはずです。それは整備新幹線よりも遥かに重要なはずです。

端的にいれば東京、阪神、中部さえ守れればいいわけです。それ以外を攻撃しても意味は薄いし、全国をユニバーサルに守るほどの費用は出せないでしょう。それを正直に国民に告げるべきです。

また一番効果が高いのはミサイル潜水艦にSLBMを搭載することです。撃たれたら中南海や平壌やソウルを火の海にしてやるという圧力を加えることです。
それは国民が道義的に嫌だというのいうのであれば諦めないといけないでしょう。
核兵器を許容するか、いざという場合は核の火で焼かれてかまわないのか、と選択を迫るべきだと思います。

ぼくは以前から通常動力ミサイル潜水艦に通常弾頭を積むことを提案しています。それは周辺諸国の態度によっては、核弾頭を搭載するオプションを取りうるよ、という脅しにも使えます。

繰り返しますが、政府は国防の中で、ミサイル防衛の優先順位を決めて、ミサイル防衛にどの程度の資源をさせるのかを明確にして、防衛の構想を国民に提示すべきです。

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この記事へのコメント

やれやれ
2021年11月09日 20:56
防衛省自衛隊も杓子定規に正面から武器を持って襲ってくる敵を迎え撃つ防衛しか考えてない様な前時代的思考では無理でしょう。ある意味世界は進みすぎ、日本は遅れすぎた。現代の日本の防衛に本当は何が必要でどうするべきか政治と一緒に考えないといけないでしょうね。
従来型の防衛装備だけ集めて訓練やスクランブルしていればどうにかなった時代は終わっているというのに。
政治的な駆け引きは昔からですが日本はそれも弱い。
ITもAIも弱い。ドローンなど論外だし。
やれやれ、どうしたものか。
2021年11月09日 21:09
>ところが防衛省、自衛隊はサイバー部隊が守るのは自衛隊だけです。他国に対する攻撃もしません、です。攻撃しないで防御の技術が上がらないのは専門家がいつも指摘していることですし、自衛隊なんぞ放おって、電力や空港、金融などのシステムを止めたほうがよほど攻撃の効果があります。
端的にいえば自衛隊のサイバー部隊は誰も来ない山奥に立てこもっているのと同じで、金の無駄です。いまだにそんなことだから、陸自初代のサイバー部隊の隊長から三行半を叩きつけられたのではないでしょうか。

サイバーもそうですが、国内には在日中国人が多数います。国防動員法でたちまち便衣兵と化し、刃物や鈍器を持って集団で交番や基地を襲い、武器を奪われて政治中枢制圧ということや、インフラを襲撃するという最悪な事態が想定されるとみます。これでは戦わずして敗北するんではないかと懸念しています。一応、機動隊や治安出動もありますが、対処できるのか。

さてサイバーの話ですが、これは本当に困ったものです。清谷氏は自衛隊にやらせるより専門の組織に任せるとおっしゃってと思いますが、その通りかと。しかし防御だけではダメというのがまた。どうしたものでしょう。
19190213
2021年11月09日 22:56
最も現実的な回答だと思います。
この国はやはり戦えない。
抑止を前提に話を進めていくしかありません。
国民がどうしても嫌というならばやむを得ないですが、選択肢としてあるということは暗に示すことは良いかと思います。

後は時間の問題だと思います。
戦後焼野原からこの国を立て直し経済にて優越を図った功労者たちが去っていけば残るは、つらい現実を見なければならない世代が主役となります。
持たずとも、持つかもしれないという事実を相手に知って頂かなければなりません。
Goodman80
2021年11月10日 00:45
中露海軍日本一周の意図:北海道はロシア領、沖縄を中国領に
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/67637
いつになったら真面な外交の出来る大人の国家になれるのだろうか?果たしてその日は来るのだろうか?
米国の支配下で借金をしてまで上納金を貢ぎ、金がどこからも借りれなくなり捨てられる年老いた売春婦の行く先はホームレスとなって路上で行き倒れの未来しか無いだろう。
ブラック
2021年11月10日 01:08
>陸自初代のサイバー部隊の隊長から三行半を叩きつけられたのではないでしょうか。
その話、詳しく知りたいです。
スタッドレスタイヤ
2021年11月10日 02:33
私は「やろうと思えばいつでも核武装できるぞ」というポーズ以上のものは必要ないと考えています。このポーズだけでも一定の抑止効果はありますし、そもそも達成するまでにも、また達成した後にも失うものがあまりにも多いからです。先人たちが戦後80年をかけて築き上げた平和国家というブランドと国富を捨ててまで、その一線を超えるべき理由はありません。しばしば「玉虫色」とネガティブな意味で言われ、実際「あやふや」「なし崩し」という態度が弊害を生むことの多い日本外交ですが、この点だけは貴重な成功例として挙げてもいいでしょう。
通常弾頭のミサイルでも、球数を揃えて泳がせておけば十分に脅威としてのシグナルを発してくれます。何より核弾頭なんかより圧倒的に扱いやすくコストも安い。清谷さんが言われているように、SLBMにミサイルを満載しておくのがベターな選択肢ではないでしょうか。

それにしても、敵基地攻撃とかいうカビの生えた概念はいつまで生きているのでしょうか。この国はただでさえも情報力がゴミすぎるのに、移動するサイロや地下の発射基地をおいそれと発見することも、それが日本を狙っているのだと分析することもできっこありません。国防族(笑)の先生方は、くだらないごっこ遊びに血道を上げず真面目な議論をしてほしいものです……。
キヨタニ
2021年11月10日 08:33
大石英司氏の小説の最新刊に彼をモデルにした人物が出てきます。

>ブラックさん
>
>>陸自初代のサイバー部隊の隊長から三行半を叩きつけられたのではないでしょうか。
>その話、詳しく知りたいです。
ミスターフリゲート
2021年11月10日 09:06
Goodman80さん
>米国の支配下で借金をしてまで上納金を貢ぎ、金がどこからも借りれなくなり捨てられる年老いた売春婦の行く先はホームレスとなって路上で行き倒れの未来しか無いだろう。

本当に口の悪いことで。しかし本当にろくな外交官がいないのは事実やもしれません。清谷氏が外務省は解体しろという始末。少なくとも解体再編は不可避でしょう。

記事の件、真意はどうなんでしょうね。少しタイトルが大げさにも思えますが、警戒はすべきですな
Goodman80
2021年11月10日 10:00
暗号電は傍受され、解読され続けた 真珠湾攻撃80年、日本の敗因を検証―戦史研究の原勝洋さん
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021110500970
全然進歩してない処か、寧ろ退化しているないか?宇宙とかサイバーとか口先だけで、かっこいいお題目だけ並べて近頃の小学生の方がよっぽど進歩している(比べるなと怒られそう)。
5兆円の予算に群がる白アリの群れに真面な運用は1000%無理だろう。まあ、国全体が同じレベルだからどうしようもないか、吉田茂の様な人物も現れそうもないし。白アリ達の女王アリ様(米国様等)に期待するしか無いか、でも無理だろうな~。
Goodman80
2021年11月10日 10:22
ミスターフリゲートさん
外務省は解体して、その予算で各官庁から外交担当を派遣し、その国独自の交渉等を行わせ、人材を育てて行く必要が有ります。日本によくある合同庁舎的な物にすべきでしょう。
今の領事館の仕事程度ならHIS等の民間に丸投げすればもっと真面な物になり、仕事のスピード、サービス等は大幅に向上します。
ブロガー(志望)
2021年11月14日 08:31
お邪魔します。
 以前確かNHKの番組で、かつて米は雨あられと降ってくる旧ソ連のICBMから本土を守るためにSDI構想をぶち上げて開発に着手したが、旧ソ連の崩壊等でそれが中断になった。その開発費用の回収といった一面も持つのがミサイル防衛といった事を言っていました。となれば日本は米防衛産業というか冷戦の「尻拭い」の一端を背負わされたという一面もあるのではないかと思ったりもします。それと今のミサイル防衛は本土防衛というよりも「前線部隊等を敵の弾道ミサイルから守る」もののような気がします。液晶ディスプレイやARM CPUのように本土防衛までカバーできるようになるのかも知れませんが、SDIで構想されたブリリアントべブルズ(上がってくる敵ミサイルを体当たりで破壊する超小型衛星)ぐらいを持ってこないと難しいのかも知れません。