日本の武器輸出は「武士の商法」

日本の武器輸出は「武士の商法」

インドネシアと艦艇共同生産 海自装備原型に 安保協力を強化
https://www.sankei.com/politics/news/210511/plt2105110038-n1.html

>日本政府が海上自衛隊の護衛艦を原型にした「共同生産」方式で、インドネシアへの艦艇の受注を目指すことが11日、分かった。
>平成26年策定の防衛装備移転三原則で「輸出」を認め得るのは救難や警戒監視などに用いられる装備に限られ、殺傷能力のある護衛艦を移転するには輸出ではなく、共同生産でなければ認めにくいためだ。艦艇の共同生産が実現すれば初めてとなる。

>装備の海外移転に道を開いた防衛装備移転三原則では、輸出を認め得るのは(1)救難(2)輸送(3)警戒(4)監視(5)掃海-という用途の装備を想定している。

>防衛装備移転三原則実質的な全面禁輸方針とされた従来の武器輸出三原則に代わり、平成26年4月に閣議決定された。(1)国連安保理決議の違反国や紛争当事国には移転しない(2)平和貢献・国際協力の積極推進やわが国の安全保障に資する場合に限定し移転を認め、透明性を確保しつつ厳格審査(3)目的外使用および第三国移転について適正管理が確保される場合に限定-の3本柱で構成される。


今度の商戦もどうでしょうか。競合が中国ならば難しいでしょう。

そもそも我が国の輸出ポリシーは「武士の商法」です。自分の気に入った相手に、気に入った条件ならば売ってやっても良い、という上から目線で、顧客の事は考えていません。ですから豪州の潜水艦商戦も負けたわけでしょう。

水上戦闘艦といっても自前はほぼドンガラだけですから、勢い価格勝負を強要されるでしょう。調達単価が著しく高く、試験射撃すらろくにやっていない国産兵器を選ぶ国はないでしょう。あり得るのはライセンス生産した主砲ぐらいでしょう。

そして業界側にも輸出で売上を上げて、事業規模を維持拡大していこうという強い意思がありません。国が売ってくれて契約したら作ってやっていいよ、というスタンスです。
そして「国営企業」にありがちな、自分の会社の製品が世界の市場で位置を把握しておらず、自衛隊という浮世離れした「ユーザー」専用に作って、彼らと付き合ってきたのが「世界」ですから、外国の軍隊や業界と共通語で理解し合うのが難しいと思います。

FFMにしろ、コストを意識したといいつつ、搭載センサーやコンピューターは極めて高い。国産ジャイロなんてそのいい例で外国製の何倍もします。近接防御にしてRWSは2基だけで、追尾装置もレーザー測距儀もないし、カバーできる射界は狭く、艦の後部はがら空きで、他の機銃も搭載しません。こういう浮世離れした実戦を想定していない艦が世界の市場で売れるのかというと大変難しいでしょう。
 そしてオフセットの問題もあります。採用の対価として技術移転はもちろん、何らかのオフセットが要求されるでしょうが、それに省庁横断で対応できる仕組みがあるとは思えません。

 そんなわけで政府は武器輸出に関してもっとマトモなポリシーと防衛省、業界の考え方、文化を変える努力が必要です。

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この記事へのコメント

Goodman80
2021年05月13日 16:05
文中のFFM(もがみ型護衛艦)は外国の同規模艦艇に機雷戦を追加して乗員は半分、機関出力は1.5から2倍で艦載機迄運用出来る宇宙戦艦ヤマト並みの超未来兵器です。此れをアマチュアレベルの海自の隊員が真面に運用できるのか大いに疑問です。まあ、中身は巡視船レベルで大砲と機関銃、ミサイル、レーダー等を無理やりくっつけただけなので、真面に動くと思う方が間違いなんでしょうが。運用が始まり、訓練でも行えば過労死続出と成るでしょう。
此れをイージス搭載艦で同じような事を考えている様なので、一隻3500億円のゴミが出来る可能性が非常に大と思われます。まあ、アメリカ様用の物なので真面に動かなくても、何の問題も無い事は無いんですが。
ミスターフリゲート
2021年05月13日 16:48
FFMはジャイロセンサーは海外製にして、RWSは海外製の追尾装置などをつけたものに交換すべきですかな今後。

Goodman80 さん
そもそもあさぎり、あぶくま型などの旧型艦置き換えですし、哨戒とかがメインなので、真面目に動く必要がないと言われればそうなのかも?
typhoon
2021年05月13日 20:42
まだ艤装も終わっておらず、そして実績も無いのに〜主動機はRR製、VLSはロッキードマーチン製、掃海装備はタレス製…インドネシアにアレコレ条件付けてる前にこれらの装備品の輸出許可を取れるのでしょうかね?
もうこの時点で武士…いえ、殿様気分ではないでしょうか?
スタッドレスタイヤ
2021年05月14日 01:36
CSISの資料によれば日本は既に「駆逐艦」扱いされているそうですね。40年くらい前には「不沈空母」発言で大騒ぎになっていましたが、空母から駆逐艦とはだいぶ低く見られるようになってしまいましたが、まぁ要するに、海自がイージスアショアとかいうわけのわからない代物を載せたガラクタとか、胡乱な造りのFFMをお出ししようがそんなことは大した問題ではないわけです。宗主国様からはその程度のハナクソ国家としてしか見られてないわけですから。


>そもそも我が国の輸出ポリシーは「武士の商法」です。自分の気に入った相手に、気に入った条件ならば売ってやっても良い、
>という上から目線で、顧客の事は考えていません。
>ですから豪州の潜水艦商戦も負けたわけでしょう

ユーザー目線もヘッタクレも無い、押し付けがましさ満点の兵器商売……どこかで見た構図だなぁと思ったんですが、一昔前のODAとほぼ同様ではないでしょうか。恐ろしく複雑な造りでメンテのしにくいディーゼル機関車とか、鍬や鋤を使っているところにブチ込まれた無駄に高価な農機具とか……。
もっとも、コストや使用性の問題に目を瞑れば、曲がりなりにも先方の役に立ち平和国家日本のプレゼンス向上に貢献したODAと、こっちのガラクタ押し売りとでは比べるのも失礼かもしれませんが(苦笑)
ミスターフリゲート
2021年05月14日 11:19
スタッドレスタイヤさん
>>恐ろしく複雑な造りでメンテのしにくいディーゼル機関車とか、鍬や鋤を使っているところにブチ込まれた無駄に高価な農機具とか……。

これなんですかね
二読者
2021年05月15日 21:14
色気出さず、あぶくま型の払い下げから始めたらと思いますね。
インドネシア辺りなら無理なく運用でき、武装もサイズもちょうどよいでしょう。
小型で近代化改修の余地もない旧式艦を艦齢ギリギリまで使い倒すより、人材と資金と資材を不足している部署に回せますし、艦艇の置き換えもはかどります。
ブロガー(志望)
2021年05月16日 21:14
お邪魔します。
 「武士の商法」というよりも、「時に感情も絡んだ直接的な人間関係ありきで、その上で『悪いようにはしないよ』で行うムラの商法」ではないかと思われます。「時に感情も絡んだ直接的な人間関係」は日本人同士でも簡単には構築できませんし、ましてや原理原則等が異なる外国人相手ではほぼ絶望的でしょう。尤も「輸出どころかガラクタしか作れない日本の兵器産業」は「血と死と人の恨みに穢れた軍事なんかには関わりたくない今の日本人」にとっては好都合と思われます。なまじ「兵器産業は無いが優れた民間産業はある」なら「ならこういったものは作れるだろう」と作らされるかも知れませんし。