陸自は攻撃ヘリを持てる予算はあるのか?
今月の月間防衛技術ジャーナルに以前ご案内した「運用の観点から、1飛行時間当たりの経費(CPFH)を分析・検討する」の後編が掲載されています。著者は防衛技術協会の菅野秀樹特別研究員です。
この記事によるとAH-1Zの1飛行時間当たりの経費(CPFH)は5,000USD(米ドル)、AH-64Dが8,000USD弱、AH-64Eが6,000USDです。D型がE型より高いのは、運用の週末である2025年が近づいており、コンポーネントなどの量産ができないからではないでしょうか。また一定のコンポーネントをソフトウェアで置き換えて部品点数を減らしているからかもしれません。
さてCAS(Close Air Support:近接航空支援)使用される機体ではA-10 が6,863USD、F-16Cが9,054USD、F-15Eが31,700USDです。これらジェット機に対してA29(スーパーツカノやAT-6は1,000USDに過ぎません。
さて陸自は予算的に攻撃ヘリを調達・維持できるのでしょうか。調達予算はやり方にもよるでしょうが単価は60~80億円程度になるでしょう。一括契約すればもっと下がるとはおもいますが、陸幕には無理でしょう。調達はなんとかなるでしょう。
問題は維持費です。調達費は一時費用ですが運用費は固定費用で毎年ずっしりとかかってきます、それが30年は続くわけです。
ぼくは今の予算枠では無理だと思います。オスプレイの維持費が17機で毎年170億円かかりますから、ずっしりです。しかもUH-2も調達する必要がある。
そして空自には対中国戦では近接航空支援を行える戦闘機の余裕はないし、またゲリコマ対処でも速度が速すぎて、正確な対処ができません。
いつも申し上げているように、スーパーツカノなどのcoin機の導入を真剣に考えるべきです。CPFHはAH-1Zの1/5、AH-64Eの1/6です。そして機体が単純なぶん稼働率も高い。スーパーツカノで8割程度ですから攻撃ヘリより高いでしょう。当然訓練費用も安く上がります。
調達単価も20億円ほどで攻撃ヘリの数分の一です。
なんのために攻撃ヘリが必要かといえば、以前は匍匐飛行して敵の機甲部隊を叩くのが最大の任務でした。ですが、近年ではISR(情報、監視、偵察)と火力支援が中心です。
匍匐飛行などは必要とされません。はじめか攻撃ヘリの更新と考えるではなく、なんの為の機材が必要かと視点を変える必要があるでしょう。
よくCOIN機は生存性が低いと言われますが必ずしもそうではありません。ISRや火力支援では相応の高度を保てるので、敵の携行ミサイルの射程距離にからなずしもはいらなくてすみます。特にヘリと違い小直径誘導爆弾なども使えます。
また火器管制装置、射出座席、防御システムはジェット戦闘機並です。またコックピットは装甲化されています。攻撃ヘリには一部の例外を覗いて射出座席はありません。
そして我が国が想定しているのはゲリラコマンドウ対処であり、島嶼防衛です。別に本格的な機甲部隊に対する攻撃を想定しているわけではありません。
それから機内のタンクだけで航続時間は3時間半、航続距離は約450キロです。増槽をつければもっと延びます。攻撃ヘリの滞空時間はその数分の一です。速度も攻撃ヘリの約2倍です。
アフガンでも問題になったのは、攻撃ヘリは滞空時間が短いためにCASのために戦域に常駐するが困難です。かりに1時間だとすれば2機でチームを組むとして8時間ならば16機が必要です。それを何日も続けられるでしょうか。整備も大変なので稼働率はてきめんにさがります。
また島嶼防衛でも場所によりますが、COIN機は使えますし、海自のSHに対戦車ミサイルや誘導ロケット弾、ガンポッドを搭載すれば相応に使えます。彼らは洋上航法も取得していますし、DDHや他の護衛艦内で整備も当然できます。
COIN機ならば進出速度が高く、長時間滞空できるのでより少ない機数でCASが可能です。また国内は大抵小さな空港、飛行場あるので運用に問題はないでしょう。
よく攻撃ヘリは猫額みたいな場所で運用が可能と思っている人がいますが、武装と燃料を搭載した場合滑走が必要だし、また部隊単位で運用するならば相応の広いスペースが必要です。
予算の面から考えれば、現用の攻撃ヘリの後継はCOIN機と武装がロールオン・オフ可能であるH135MやH145Mのような汎用ヘリの武装型が適当でしょう。小型ヘリならば連絡や軽輸送にも使えて、COIN機と相互補完が可能でしょう。
またこのCOIN機の練習機型を空自のT-7、T-4の後継にすれば、運用コストは大幅に下るでしょう。
仮に攻撃ヘリが欲しいといっても、予算的な裏付けがなければ、必要な調達数と、維持予算が確保できず、定数に大きく欠けた機数で、低い稼働率になりかねません。また五月雨式に調達すことになり、調達コストは益々膨れるでしょう。
どうしても攻撃ヘリが運用上必要だというのであれば、予算的な裏付けが必要ですが、それは陸幕が最も苦手とするところでしょう。

防衛技術ジャーナルNo.475(2020 10) (最新技術から歴史まで、ミリタリーテクノロジーを読む! 特別寄稿:真に必要な防衛技術開発態勢を確立するための課題)
■本日の市ヶ谷の噂■
日本学術会議の走狗と揶揄される京都大学は軍事研究を毛嫌いしているが、北朝鮮からの核物理学の留学生を受けいていた過去があり、との噂。
Japan In Depthに以下の記事を寄稿しました。
危機管理意識欠ける防衛大臣と記者クラブ
https://japan-indepth.jp/?p=54238
日本学術会議は解散したら?
https://japan-indepth.jp/?p=54181
この記事へのコメント
あるいはbk117とかにミサイルランチャーやガトリング銃とかを装備したものでもいいかと。
coin機は陸自の航空科が運用、訓練は空自と言った感じですか。
coin機も言い出すが、UAVも最近巡るましいので、そこも外せないかと思います。
>>DDHや他の護衛艦内で整備も当然できます
問題なのはジャンプ台ですね。ひゅうが型はソナーがあるので艦首だとバランスが悪くなりそうです。ただ、清谷氏が中途半端と言うひゅうが型が、多いに役立つチャンスとも言えると思います。
>>>危機管理意識欠ける防衛大臣と記者クラブ
さっそく拝見しましたが、未だに濃厚接触しまくりな訳ですかorz。あれだけ厚労省が再三再四に渡って密を避けましょう、と広報しているのに全く意味が理解出来ないのでしょうね、きっと。マスクをしていようが完全に感染を防げるわけではないのに。こんな有り様で感染予防をしませう、とか言われても説得力ゼロですよ。
>コンパクト、新型護衛艦進水へ 省人・稼働率向上
、22年配備-海自
http://www.jiji.com/sp/article?k=2020101000160&g=soc
パワハラ・イジメしまくりなバカ幹部を、すべて纏めて更迭するのが最優先な気もしますが。それにしても、海自も本気で22隻も揃えるつもりなのでしょうか。
Russia plans to equip its combat helicopters with suicide drones
https://defence-blog.com/news/russia-plans-to-equip-its-combat-helicopters-with-suicide-drones.html
単純に戦闘ヘリの機種変更とは行かないようです。大型ドローンも高性能、重武装化してますし、練習機をCOIN機や軽攻撃機にするとか、SU-25をリニューアルするとか、選択肢は増えているのでアゼルバイジャンの戦闘方法みたいに新しい機材を有効に活用出来る柔軟な発想がこれからの陸海空軍には必要とされるでしょう。自衛隊も地上イージスの検討を民間に調査を依頼したのだから、これからの自衛隊について民間の知恵を借りて将来の構想について検討して貰えば少しは真面になるのでは無いか。
>コンパクト、新型護衛艦進水へ 省人・稼働率向上
、22年配備-海自
貧乏人に限って無駄遣いに走るのか、それとも無駄遣いするから貧乏なのか。
私には後者に見えます。
一般的には小型艦の方が、居住性に難があるはずです。
其れなら大型イージス艦を調達して、人員を集中させる。
3クルー制でも艦長を3人にすればポスト減に成らないはずですし、何が悲しくて小型で中国艦船に勝てない有人小型艦を揃えるのでしょうか?
索敵範囲は水中水上ドローンで稼げば済む話しです。
>>何が悲しくて小型で中国艦船に勝てない有人小型艦を揃えるのでしょうか?
有人艦がいることである程度の威力偵察哨戒があると誰かの意見を聞いたことがあります。そこにコスト削減、省力化を突っ込んだところ、こうなってしまったんだと。
>>索敵範囲は水中水上ドローンで稼げば済む話しです。
清谷氏は、無人航空機(ガーディアンやトライトン)による哨戒偵察も言っているので、そこもお忘れなく。
個人的には、あぶくま型の分だけ(5隻くらい)置き換えて、残りは旗艦能力なしのイージス艦でいいかと。FFGはそっちの方で問題があったらしく。
>個人的には、あぶくま型の分だけ(5隻くらい)置き換えて、残りは旗艦能力なしのイージス艦でいいかと。FFGはそっちの方で問題があったらしく。
自分も上記の意見は賛成だが、やはり人員は大型イージス艦に集約した方が良いと思います。
あぶくま型はミサイル降ろし、RWSに置き換えて海保か他国の沿岸警備隊に譲渡すれば良い哨戒艦に成りそうですが。
携行ミサイルの射程外まで飛べれば携行ミサイルは安心ですが他の脅威、対空機関砲や対空ミサイルが隠れているのでそれらの脅威がなくなるまで高度を取るのは危険です。
COIN機と攻撃ヘリと戦闘機の使い方は悩ましいですよね。
理想論で言えばマルチロール機を充実させて全部任せたいのですが不可能ですし、攻撃ヘリの地形を活かした低空からの奇襲も捨てがたいですしCOIN機の安価で用意できるのも良いですよね。
ただ今から用意するのであれば無人機やドローンに力を入れて欲しいと思います。
http://news.yahoo.co.jp/articles/c876256b9046b3b5a701b7896b81e89679a9bb25
無人戦闘機も良いですが、その前に調達その物を見直す必要がある装備品が有りすぎなんですが。トイレットペーパーの心配所じゃないでしょう。
A10だとかもしぶとく現役だし。
ただこれはUAVじゃないですか?
いわゆる中進国でも実戦投入を始めてるし。
ティルトローター機も良いかも
デルタ翌機で機首と翼端に3つプロペラをつけるとかではだめなのでしょうか
それではだめなのでしょうけど
それぞれの兵科でのしのぎあいがすべてでしょう
ほかの科が予算やポストを取るのをなんとしても妨害するというのがこういうムラ社会の合理性でしょう。
ムラ合理性というヤツ。
ムラ警察というヤツ。
はじめから攻撃ヘリ、ですね。
それにしてもAH1Sも機数が減っておりAH64Dは使い物にはならない、OH1も当分使えない、偵察、攻撃用UAVも無いではお話になりません。
輸送ヘリもUH2の調達が進まないならUH1の延命か当分オスプレイにでも肩代わりさせるつもりでしょうか?とにかく調達を決めた時点から見たらどれもこれも使えないものばかり。先見の明がなさ過ぎですね。
真面目に戦略を考えない調達の結果、本当にポートフォリオの大切さがよく分かります。
せめてこれからでも真面目に考えて欲しいものです。
「■本日の市ヶ谷の噂■」
京大に入って大学院まで出た知り合いがいますが、日本の大学の軍事嫌いは相当なもの、そこまでしなくても好きに研究すればよいのではないかとの話で盛り上がった事があります。
京大はその辺かなり嫌いなようで自衛隊はおろか海外の軍人の留学生も入れないとかイジメの様な話もありました。
なので身分を隠してこっそり入っている軍関係の人もいたと言う話を聞きました。30年程も昔の話ですけど。今は知りません。
噂の留学生がどういった経緯だったのかはよくわかりません(在日だったのか本国からの派遣か民間人か軍人か)が、京大の核物理学が御用学者の集まりのようで反原発に異常に厳しい事は京大の助教の扱いを見れば分かります。
むしろ不思議なくらいの話です。だからといって噂を否定するものではありません。
https://grandfleet.info/european-region/turkish-uav-that-changed-the-rules-of-war/
米国の無人航空機MQ-9の1/8しか無いトルコ製のバイラクタルTB2が20年間保持してきたアルメニア軍陣地を崩壊させたそうです。9K33オサー(最大射程10km/有効射高5,000m)に守られていた陣地は最大到達範囲が約14kmもあるレーザー誘導爆弾「MAM」で何の抵抗も出来ず破壊され、自爆ドローンなどの兵器に蹂躙され、戦車や銃砲などの兵器を置き去りにして改装したようです。
これからの陸上戦は戦場の様々な情報を収集、分析、対応策の策定、必要な武器類の配備、戦場でのネットワークの構築、戦闘、終息等の戦術が必要となる。様々な戦場に対抗出来るフレキシブルな装備、人員教育等が必要になる。国内では都市線とか戦場は限られるが、海外へ派遣される部隊には周到な準備が必要となる。
有人COIN機というのもアリかもしれませんが、個人的には今アルメニア紛争で話題の無人攻撃機の方が近接支援にいいかなと思います。
コブラ主力の現行では対機甲戦闘では中多の方が余程頼りになりますし、眼という観点ではドローンを運用した方が多角的な情報が手に入るとも感じます。
火力支援で言えば、継続性と投射量で砲迫に劣り唯一砲迫が展開できないしてない場面ではその長所が活かされる物と思います。
それは現況で言えば島嶼戦闘で大切な分野だとおもいますが果たしてAHの足の長さは用兵側として満足たるものでしょうか。。。
ましてや生存性においても昨今良くない話を訊きますので値段の割に仕事をしていない兵科としては槍玉に上がるのも避けられないものと思います。
航空科は依然として輸送、偵察として必要ですがそれこそ本格的なドローン運用を始めても良いはずですしエスコート役として器材が必要ならばそれはそれで必要な物を揃えて欲しいものです。
西側兵器の方が整備資材も手に入りやすく運用も楽なのは理解できますが、露製のヘリ資材は有用な物も多いです。Mi-26とかハインドとか。カモフのヘリも結構面白いです。
友好条約ついでに買ってくれないものかとも思ったりします。アントノフと言いMi-26と言い輸送キャパの高い魅力的な機材が多いので羨ましいです。
今はどれくらい残っているか知りませんが、以前は日本でもMi8とかKaの二重反転ロータのヘリを会社や個人で運用している所もありました。オウム真理教もMi8を購入しよう(した?)としていたし民間ヘリとしてロリアンヘリコプターからヘリを買う事は問題無いでしょう。それらの魅力としては大型の割に安価で大量輸送に向いているとかテールローターが不要なので尻尾が短くコンパクトだとか購入を検討するべき理由があるのですが。
固定武装のないヘリ(ドアガンは勝手に付ける)を輸送機として運用できるなら検討する価値はあるかも知れません。
広大な戦場となる北海道と都市部や島嶼防衛などで必要な攻撃兵器は変りますが、情報収集の機材、通信機材等は共通です。地上攻撃用にA-10やSu-25なども有効に使える戦場も有るでしょう。ロシアでヘリに搭載できるドローン制御装置も開発されたので、ヘリを中心としたドローンの攻撃部隊も可能です。情報ネットワークの中で空中から指揮する航空機も必要となるでしょう。リアルタイムで情報を共有し、情報を活用した速やかな指示系統がこれからの陸戦の中心となるのではないでしょうか。
「徘徊型兵器」って何? コスパ最強「自爆型ドローン」でハイテク兵器不要時代到来か
https://trafficnews.jp/post/100656
ご参考までに。
反論したら、「国防とやらにとって一番危険なのは自衛隊。かつての日本が壊滅したのは軍部に発言権持たせた結果。軍部に発言を持たせるべからず。」です。
確かに文民統制を放棄した結果ああなったのはありますし、軍部があまり政治に突っ込むなってのはわかります。ですが一人の元自衛官の発言で解体しろだなんて、早まりすぎかと思います。冷笑しませんが、やはり左翼って完全なアレルギー体質になってしまっているようで。
ドローン相手に高額なミサイルを使うのは、割に合わないですね。
Pentagon to release its counter-small unmanned aircraft systems strategy
https://defence-blog.com/news/army/pentagon-to-release-its-counter-small-unmanned-aircraft-systems-strategy.html
流石米国やることが早い。自衛隊は10年か15年後と言うところでしょうか。
北朝鮮が夜間に軍事パレードを行いましたが、
North Korea held ‘clone’ army parade
https://defence-blog.com/news/army/north-korea-held-clone-army-parade.html
陸上装備は自衛隊の一歩先に行ってしまった感じです。日本は海空が無かったら完全に三流国家軍ですね。方面隊は州兵レベルに格下げして重装備削りまくり軽機甲旅団編成に改編して、重装備は海外派遣用に中央軍を編成するしか陸自の生き残る道は無い気がします。
ロシアンヘリコプターズでしたね。誤入力したようで...
https://www.rhc.aero/en/
Goodman80さん、
仰ることはご尤もです。ただ防衛省自衛隊がどれだけ危機感を持って考えてくれることか...
通りすがりの名無しさん、
髭の隊長のツイッターですか?
個人的にはSNSでの発信は迂闊な事を書くとバカ発見器になる事がしばしばなので自分では積極的にやらないですね。
それに髭の隊長も一家言あるなら字数も少なくて真意が伝えにくい
、変なのも集まってくるお手軽なツイッターなどでは無くホームページやYoutubeに真意が伝わるように発信するべきでした。
それに嘘か本当かわからないような事を証拠もなしに上げるのは政治家として愚の骨頂かと。炎上してくださいと言わんばかりですよね。
>>方面隊は州兵レベルに格下げして重装備削りまくり軽機甲旅団編成に改編して、重装備は海外派遣用に中央軍を編成するしか陸自の生き残る道は無い気がします。
うーん、重装備削りまくりの軽機甲旅団というのが、なんとなくイメージが湧きません。対ゲリラ戦・揚陸阻止・市街戦と言った形でしょうか?
ただ、地対艦ミサイル部隊や対船艇ミサイル、兵員輸送用の装甲車などはは少なくとも残すべきかと。
そもそも北朝鮮は陸続きなので陸軍に力を入れるのは当然なわけで、反面日本は海空がメイン故に陸自はさほど重要性が低いのかも?
中央軍を編成するとなったら、それを海外派遣ではなく国防特化型であって、全国に分散配備という型でしょうか?
>ドローンは貧者のトマホークや攻撃機、攻撃ヘリコプターになってますからね。
ドローン相手に高額なミサイルを使うのは、割に合わないですね。
WWⅡ時代にレーダーが急速に発達し、これが勝敗の鍵を握る様になりました。
今、我々はドローンが戦争と経済の主導権を握る様になる時代に居合わせているのかも知れません。
攻撃ヘリの代わりにCOIN機というのは、陸上での使用は問題ないと思いますが、艦載での使用例はあるのでしょうか?
「なんの為の機材が必要かと視点を変える必要があるでしょう。」という視点から言えば、現在の南西諸島方面を中心に考えた場合、水機団の直掩ということを考えると、艦載攻撃機が最も必要とされているように考えます。確かにCOIN機なら、離島の短い滑走路でも十分に運用できますし、整備も用意なことから分散運用にも向いています。しかしそれでも、いずも型・ひゅうが型でCOIN機を運用するのは無理があるでしょう。
かといって、虎の子で搭載機数が限られるF-35Bに、水機団の直掩任務をすべて任せるのは不安ですし、できればいずも型は防空任務にあて、水機団の直掩はひゅうが型搭載機で賄うぐらいの運用の幅を考えておくべきだと思います。
まあ、他の方が言われているようにそこは廉価なドローンを使うという手が現実的かもしれませんが、やはり1~2個飛行隊程度の艦載攻撃ヘリ部隊は、お財布が許すなら必要なんじゃないかと。
その代わり現在5個ある対戦車ヘリコプター隊は西部方面航空隊以外全廃で、UH-2、もしくはH135MやH145M汎用ヘリの武装型配備でいいでしょう。当面、南西諸島方面以外で攻撃ヘリが活躍するシチュエーションは考えにくいですから。偵察ヘリも汎用ヘリをベースにした偵察型導入でいいでしょうし。個人的にはBK117 D-3 / H145押しです。
けしてCOIN機を否定しているわけじゃありません。空自のT-7後継と同一機種で揃えるのは、ありな話だと思います。対戦車ヘリコプター隊を廃止した北海道方面は、これに任せましょう。
海外邦人の救出、各方面隊で対応出来ない脅威に対しては中央の軍が対応する。特殊作戦、揚陸作戦等を行う為の実行部隊と、後方支援(輸送、補給や情報収集等)を行う部隊を主力とする。
戦車等の不要はわかりました。ただ、ミサイルは空自海自の火力支援として、対船艇ミサイルは揚陸阻止として残すべきと思っていますが、そこはどうなんでしょう?
捕捉としては、ジャガー装甲車にあたるものはに、次期装輪装甲車の中の偵察型もあるようですが
対舟艇用ミサイル程度の物であればジャガー装甲車やウランUGVにも搭載されています。バイラクタルTB2のようなUAVに搭載して攻撃するのも有効でしょう。前線で使用する車両は、防空兵器であってもIM-SHORADの様に、全て装甲車両にすべきです。
最前線に特殊部隊を送り込まなければならない状態に陥っても、
フランス政府 軍特殊部隊用にNH90ヘリコプターを10機発注
https://otakei.otakuma.net/archives/2020101307.html
の様に突入時の損害を最低限に抑える装備を充実させるべきです。
前線に投入する兵員は最低限に抑え、UGVやUAVをフルに活用して人員の損害を最低限にする作戦を立案できる自衛隊でなければならない。
ジャガー装甲車やウランUGVにしても、そのまま購入する必要は有りません。私が思いついた機材がこれだったというだけで、必要な性能を満たしていれば他の機材で全く問題は有りません。次期装輪装甲車の中の偵察型が性能が有れば採用されれば良いと思います。要は今の自衛隊に使いこなせる能力が有るかにかかっています。
なるほど。
>>ジャガー装甲車とかウランUGV
どうしてもこの2種類だけは絶対に調達すべきで、他の候補はないと?。個人的には、中途半端な16式を改造(主砲から機関砲、IEDジャマーその他諸々)するってのも考えたのですが
小さな車体に大口径砲を搭載!アメリカの新たな「軽戦車」計画で2社に試作発注
https://otakei.otakuma.net/archives/2018122004.html
名称はグリフィンII、120mm砲に自動装てん12発/分の発射速度、重量は28トン程度で空中投下も考慮され、実戦配備は2025年を目標とするそうです。大きさは不明ですが、C-2の載せられれば自衛隊でもつかえるかも。
coin機の空母からの運用ですが、ベトナムとシリアでOV-10ブロンコの例があります。
他の機種でも試してみる価値はあります。
F-35やAH-1Zは運用コストも然ることながら、滞空時間が短いのが難点です。
空挺戦車ですか、良いかもしれませんね。
ロシアのパトリオットパークに行った時に空挺部隊の展示と
BMD3などの空挺戦車などがまとまって展示されていたのと現用のBMD4の映像等をみてロシアは今でも空挺戦車を運用している事を知りました。調べてみるとBMD4をベースにした装甲車などのシリーズもあるようで空中からの強襲は有効との考えなのでしょう。ドイツもヴィーゼルなど空挺可能な小型装甲車もあるし、島しょ部への素早い展開なら空挺戦車やそのシリーズもありかも知れないと思っていました。
どうせ日本の戦車は紙装甲だし軽量化はお手の物。そこそこの物ができるかも知れません。速射砲でもミサイルでも機関砲でも装甲車でもバリエーション展開すればそれなりの物ができそうな予感がします。
陸上のヘリコプター部隊は大再編が必要ですね。
とくにOH1は不具合が多く、装備も時代に合ってないので、早く全廃すべきです。
アパッチは仕様が古くメンテナンスサービスが切れそうな上に数が少ないので、ダメですし、AHは古過ぎる。
どれもこれもスクラップか売却か無人機の実験ベース(装備として使えたら使う)で使い潰すか標的に使うのがいい代物です。
私はスクラップよりは、後の3つ押しですが。
オスプレイはちょっとどうするか悩みますね。
廃棄するなら、損切りのつもりで格安でもいいからアメリカに戻したいですね。
オスプレイ買うくらいなら、アメリカのアフガン派兵で使った中古装甲車買っておくほうが良かった。
日本としては、それなりには使えますし、アメリカとしても、米国政府の財政改善に役立ったと宣伝できますから。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2010/13/news136.html
...この条件で応募してくれる人がどれだけいるでしょうか?
しかも若干名。TOPレベルのサイバー技官の手足として働く方ですよね?何にしろ全く数が足りませんが。
因みにITスキルレベルはこちらをご参照ください。
https://www.ipa.go.jp/jinzai/itss/itss7.html
これではIT土方の防衛技官募集という方が正確かも知れません。
まさか5毛(日本なら1円?)のバイト募集?国防に燃えるとかネトウヨ、底辺IT土方、なんでも良いから公務員になりたい人向けでしょうか。
これでは先が思いやられます。あまり本気で取り組む気がなさそうで...
自衛隊中に散らばっている情報を集めて、甘々なセキュリティ対策で囲って世界中に閲覧して頂く壮大なプロジェクトを考えているのでしょうか?流石、防衛大学エリート(脳筋バカ)の考えることは、私のような凡人には理解できません。
YahooNewsでも色々コメントされていましたが、あの待遇で必要なレベルの人が集まるか、極めて悲観的でした。各国のスパイが入り込めば情報の集め放題な職場だと思うのですが。
インテリジェンスの欠片も無かった自衛隊の第一歩と考えたいんですが、余りに稚拙な見切り発車な感じが拭えません。
難しいことは自衛隊には似合わないので、軍艦と戦闘機、戦車を与えて戦争ごっこをして貰っているのが一番なのかもしれません。
それはもう自衛隊は惨めにやってろってことですよね。もう自衛隊は信用していないし役立たずとの考えで?
まあ冗談さておき、正規軍が民間軍事会社に訓練や作戦の立案まで任せることは、ボスニアでも有りました。
省庁が個別でやるのでなく、政府丸ごとセキュリティを連携してやるべきかと。
別に防衛省だけでは無く、政府自民党は「自民党民の自民党民による自民党民のための政治」を行い、防衛省は「防衛省の防衛省による防衛省のための予算使用」を行っているので、日本政府は同じように運営されているだけです。
もし、防衛省が一般国民の生命財産を守るので有れば、世界中の戦争、紛争の情報を入手、分析し、日本で起きた場合の対策、外国の邦人の救出方法等の計画立案を行い、将来の起こりうる事象の検討を行い、国内の部隊編成、配置、教育、武器の調達、開発や国外の情報収集等を独自に行い、関係各国と協調の協議等を行っているはずです。
処が実際は世界から目を逸らし、与えられた予算を食いつぶすだけのごくつぶし集団に過ぎません。別に防衛省だけでは無いので、現在の日本ではしょうがないのでしょう。天下り先の企業の為に、使えない武器を購入したり、要りもしない戦車やヘリ空母を購入したり、涙ぐましい努力をしているのだから、それらを国民に見せて「日本は安全です」と思ってもらうのが一番でしょう。図体は大きく成りましたが、中身は警察予備隊から変わっていません。
横から失礼します。
前にも僭越ながら似たようなことを申し上げましたが、「~しろと?」「~してろと?」みたいな書きぶりは、その意図がなくても相手の感情を逆撫でするおそれがあるので、控えられた方がよろしいと存じます。
本気で戦争やるつもりないなら、オモチャで戦争ごっこでもやってろ、というのはGoodmanさんだけでなく、ブログ主の清谷さんをはじめ、防衛に対して問題意識のあるここの常連さんなら、大なり小なり共通した考えなのではないでしょうか。
というより、大昔の某首相が防衛大生に宛てた言葉ではありませんが、その方が国家にとっても国民にとっても幸せなのでしょう。
それに甘えて、何も考えず年間の業務計画さえ消化してりゃいい、と考えてる問題意識皆無のおバカさんも防衛省・自衛隊には大勢いるでしょう。
しかし、それが許されない時勢であるのは周知のとおりです。
批判的であれ肯定的であれ、防衛の現状を改善するのには色々な意見があっていいではありませんか。人は人、我は我で。
https://newswitch.jp/p/24215
欠陥品を量産し続ける某住重とかも救済する心算なのでしょうか?心が凍り付く気がします。
事業存続に向け、利用できる支援制度や補助金などをアドバイスすることを、民間コンサルティング会社1社に委託するらしいのですが、かなりきな臭い感じがします。コロナ対策で同じような会社が問題になっていたような気が?役所のやることはどこも同じ。
やはり自衛隊は中国軍はおろか韓国軍、フィリピン軍、北朝鮮軍よりも弱いんでしょうかね。
自衛隊が強い弱いという話では無く、今のままでは実際の有事(テロ、特殊部隊上陸等)には全く役に立たないと言う事です。島嶼防衛奪還作戦の為の水陸機動団とやらを作りましたが、子供の水遊びレベルです。米国からオスプレイやAAV7を押付けられたために仕方なしに作っただけなので全く使えません。地上イージスと同じで、日本の防衛の為に真剣に検討して出した結果で作られたものでは無く、お偉いさんが押付けられた物を如何にも防衛に役に立つかのように捏造したのだから当然です。夢の無い話に成ってしまいましたが現実です。国防と言う名のもとに策定された予算を消費する為の組織で、他の省庁と同じものです。
なんでしょうかね?
この脱力感。
怪しげなコンサルに頼んで、産業の維持をする。
どう考えても、国益的にいいように転がる気配がないのですけど。
怪しげなコンサルに頼んで、産業の維持をする。
脱力感、理解出来ます。
ならばエグゼクティブ・アウトカムズに依頼し直せば宜しいのです。
ただ余りグダグダな状況になると、彼等も嫌がるかも知れませんが。(笑)
にしても此の國は右も左も現実は見るが、眼鏡が合って無いのか視力に問題が在るのか、物事が歪んで把握されているようです。
後世の歴史家が恐ろしく無いわけでも無さそうですが。(笑)
攻撃ヘリはあの時代だったからヘリになったのであり、今であれば「戦車の装甲の薄い上面を狙い撃つ」のにはドローンが選択されるのかも知れません。「攻撃するには一定以上接近しなければならない」かつ「空を飛ぶ物に撃たれても尚戦い続けられるだけの防御力を持たせるのは困難」であれば、「帰還できなくても、たとえ木っ端微塵にされても人命が失われない」のは魅力的なのではないかと。
ヘリの優位性は「固定翼機に比べより低空を低速で飛べる。より狭い範囲を周回でき空中に停止する事もできる」ですので、それを生かすとすれば「ゲリラやテロリスト及び侵入した敵方の工作員等の捜索」ではないかと思われます。たとえ発見できなくても頭上等を飛び回る事で相手方の行動を抑制できるのではないかと。「たとえ目の前の敵(ヘリ)は倒せても、より多くの敵に囲まれる」事になりかねないので。尤もこれが機甲戦や紛争地帯であれば勢力が拮抗しているので、「相手方の航空勢力を抑制するための対空攻撃」が行われるのでしょうが。そのためのヘリは「武装は小型の機関銃程度、赤外線その他のセンサーを搭載し、データリンクで発見した敵の本格的な殲滅は味方の地上兵力及び攻撃機に任せる」ヘリになるものと思われます。それか速度等が近いドローンの指揮機になるのではないかと。
田村装備開発さんでも良いですけれどね。
露のヘリと言い他国の器材と言い導入するにはやはり米国の影響がありますね・・・。
FHやカールなんかを導入できる訳ですから出来ないものとそうでないない所に分かれるのかなと。
思えば対日貿易の不均衡を是正する為に米国製兵器を買っているような物なのである種市場を米国だけに限らず開拓して依存度を多かれ少なかれ下げる事は一つの手かもしれませんし、中東リスクを下げるためにも米国の石油をある程度買うとか色々やりようはあるのかもしれません。
今の日本が草刈り場になっているようにも感じられるのは悲しいですね。
>米軍はペンタゴン毎本気でドローン対策を行う様です。
私が訊いた話だと露は重要な施設はGPSが誤作動するような電波処置と対ドローン電波妨害をやっていると訊いたことがあります。(一寸ソースがどっかいったんで不確定な話ですが。repellent-1を運用している国家ですからあり得る話です。)
日本は一寸今更ですよね。
法で規制しようが対抗措置もまともにしていない訳ですから・・。
もしかして後で捕まえればいいや位に考えてるんですかね・・・
中国が極超音速兵器「DF-17」を福建省と広東省に配備、台湾や日本が射程圏内に
https://grandfleet.info/china-related/china-deploys-hypersonic-weapon-df-17-in-fujian-and-guangdong/
当然、米軍がターゲットに成るでしょうが、米国とも協議してしっかりとした対応策を行ってほしいものです。
「露のヘリと言い他国の器材と言い導入するにはやはり米国の影響がありますね・・・。」
横槍が無かったとしても忖度はあるでしょうね。
それと米国と結びつきが大きいNATOの使用する兵器を採用する傾向にはあると思います。
弾などの互換性や融通を考えたらそれはそれで良いとは思うのですが、そもそも論で言うと防衛省に国防の戦略が無い、戦略に沿った調達ができない事がよいよ選択肢を少なくしているのかな、と。
「中東リスクを下げるためにも米国の石油をある程度買うとか色々やりようはあるのかもしれません。」
私もそう思います。
「今の日本が草刈り場になっているようにも感じられるのは悲しいですね。」
この辺は政治のあり方の問題も大きいかも知れませんね。
米国追従が是としてもトランプに媚びへつらうが如く無駄なお買い物をする必要は無かった。日本に必要な物を買うように交渉とかできないものかな、と。まあ他国との交渉が弱いのは日本のお家芸かもしれないですが。
いかに役立ち安定的に入手出来る安いものを揃えるかという、基本がなってないから、交渉にすらならないのでしょうね。
組織内には国家としての情報収集の為、外務省等の省庁の協力、通信会社等の情報の提供などの人員を確保。又、情報収集の為の非合法組織(人、スパコン等)も必要。
手数料ぼったくりの天下りコンサルタント会社など造っている場合ではありません。
昔で言えば自衛隊というのはなんでもかんでも米国依存はしたくなかったのだと思います。
割ときな臭い時期がありましてそういう空気と言いますかそういうのもあって警察官僚が防衛庁を抑えるようにしていたのかなと邪推します。
内局もそうですよね。彼らが邪魔ばっかりすると言われるのはそういう任務だとしか・・・(必ずしも邪魔100%ではないですが)。
武器の製造権というのは当時はある種の影響力を持つために必要と考えていたのかもしれません・・。
現在に至っては必ずしも”ソレ”が必要な訳ではないですので仰るとおり海外に委託するのはアリだと思います。
一方でドライバー視点で申し上げるならば狭い道を通る事が割と多いので・・・小回りが利くか少し小さい車両というのは有難かったりします。
勿論ドライバーが良くてもそれが全体の善になる訳ではないのですけれどね。
自爆無人機など12事業推進 「無人戦闘時代」に備え=韓国軍
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20201019001800882?section=politics/index
「軍は人工知能(AI)やドローンなどの新技術を採用した製品を民間から購入し、テスト運用を経て迅速に導入する事業を今年から実施しており、その第2次事業として新たに12事業を選定した。
……
防衛事業庁は19日からこれら12事業の事業者を募集し、年内に選定して来年上半期(1~6月)のうちに軍への製品納入を受ける計画だ。」
益々、世界から置き去りになる様です。予算だけ増えても何に使って良いのかも判らない組織には単に重荷なだけのでしょう。