フィリピン軍がATMOS 155ミリ自走榴弾砲を導入

5月20日付けのJane’s Defence Weekly によるとフィリピン軍が12輌のATMOS(Autonomous Truck Mounted howitzer System) を導入します。契約は政府間契約です。
ATMOSは砲をあれこれチョイスできますが、52口径のタイプです。採用された車体は6輪のようです。

https://www.youtube.com/watch?v=PirR9UweBOQ

戦闘重量は21トンで、」乗員は4名、内装填手が2名ですから、19式自走榴弾砲より自動化されており、更に2名が追加できますが、これまた19式と異なってキャビンに収容できます。

19式の開発、調達に当たって本当にこれやカエサルなどの諸外国の装輪自走榴弾砲を調査したのでしょうか。多分やっていません。だから重たく、コストも高いのに3人しかキャビンに乗れない、NBCシステムも機銃もないような胡乱な自走砲を調達したのでしょう。
ネットワーク化も恐らくはATMOSの方が進んでいるでしょう。

実際問題として我が国では最大射程40キロ程度の試射すらできない状態です。
それでどうやって開発したんでしょうか。また19式は8輪、26トン近く、6輪では射撃時の反動をマネジメントできなかったのではないでしょうか。それを実現するための実験もできなかった。しかも重量低減のためにキャブを3人乗りにして、機銃も搭載しない。
開発能力が高いわけではない。
確かに日本製鋼所の砲身の精度は第一級です。それと優れた砲、自走砲を開発する能力があることとイコールではありません。
砲だけを開発し(99式のものの手直し)、システムはイスラエルやフランスなどに委託すればよかったのではないでしょうか。
その方が遥かに調達コストも下がり、国内に仕事も落とせました。


ATOMOSは39口径型、ロシアの130ミリM46S、122ミリのD-30もチョイスできます。
19式よりもFH70を流用してATMOSにした方が良かったかもしれません。
何しろ殆ど最大射程で撃ったことがないから砲身寿命はまだあるし、数も多いのでスペアの砲身やコンポーネントも確保できるでしょう。そうすれば格安で調達できたでしょう。
19式をみるに実戦よりも国産の自走榴弾砲調達が目的化しているように見えます。


個人装備などもそうですが、最近のフィリピン軍は自衛隊よりも先進的な装備を導入しているケースも少なくないです。「昭和の陸軍」陸上自衛隊はなんとかすべきです。途上国以下という現実を見ようとしない市ヶ谷の人たちのメンタリティが、その一番の障害でしょう。

Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
 
陸自新小銃に多くの課題
https://japan-indepth.jp/?p=52127

防衛省、陸自の新小銃と新拳銃公開
https://japan-indepth.jp/?p=52014

19式自走榴弾砲を安価に調達する方法
https://japan-indepth.jp/?p=51931

日本に最先端戦闘機開発の能力無し
https://japan-indepth.jp/?p=51870


防衛大臣囲み取材は「三密」
https://japan-indepth.jp/?p=51726

European Security & Defence に以下の記事を寄稿しました。
https://euro-sd.com/2020/04/articles/exclusive/17070/bulldozer-contract-win-for-hitachi/



東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。

培養肉がこの先「有望」な食材になりうる事情
環境負荷や食料自給の観点からも期待集まる
https://toyokeizai.net/articles/-/342551

防衛記者クラブの「台所事情」何とも厳しい実態
不要不急の支出、財政破綻の危機を迎えていた
https://toyokeizai.net/articles/-/343696

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この記事へのコメント

やれやれ
2020年06月03日 13:59
フィリピンの方が先進的...正直ショック、は無いです。
お金は無いかも知れませんが、その分装備を慎重に吟味した
結果なのでしょう。陸続きなので中国の驚異をもろ感じている
のでしょうね。自衛隊とは違いますね


「途上国以下という現実を見ようとしない市ヶ谷の人たちのメンタリティが、その一番の障害でしょう。」
市ヶ谷もそうですが官邸も昭和脳だから仕方ないかも知れません。
PCR検査にしても途上国以下。怪しいトンネル会社に委託しても適正、ブルーインパルスを飛ばさせたのが胸張って誰だか言えない、経緯も不明とか何もかも有耶無耶のままいいじゃんで済ませる体質は正に昭和。前時代的な政治をしていて未だ政権が生き残れているのですからこれこそ令和の奇跡でしょう。
通りすがりの名無し
2020年06月03日 15:29
危機感というのがないのかってことですかな。そもそも自走砲自体、使う確率が極めて低いわけで、短距離ミサイルも代用できるとなると、所有する必要性も薄れる。
自走砲は全廃、代わりに短距離ミサイルの配備を進め、装軌式のやつは改造してAPCとして使う案も
マリンロイヤル
2020年06月03日 19:30
フィリピンは、南シナ海の自国領スカボロー礁を中国に取られてますからね。1999年フィリピン海軍艦船と中国漁船が衝突、2000年フィリピン海軍が中国漁船の船長を射殺、2012年中国軍がスカボロー礁を占領。南部ミンダナオ島ではイスラムテロ組織と戦闘してますから、軍事的判断はフィリピンの方がマシですよ。日本の尖閣は、1999年のスカボロー礁と同じ状態ですね。
Goodman80
2020年06月03日 21:44
陸自は真面な運営能力に著しく欠けている。各方面隊毎に分けて、州兵として各自治体に運営を任せるしかない。装備は装軌装甲車が上限。上陸作戦が出来る国家が米国しか無い以上、日本本土防衛に戦車や自走砲、戦闘ヘリ等は不要。
海外への派兵等は分不相応な第七師団を水陸機動団と合わせて海兵旅団として独立させれば良い。北海道に海兵旅団、沖縄に海兵連隊、四国にはそれらの支援等(空挺、特戦群を含む)を行う軽旅団を配置すればいい。無駄な装備は削って、海外での邦人救助等の活動(情報収集等)に予算を充当すべき。
イージス・アショアなどに無駄金を使っている時ではない。
やれやれ
2020年06月04日 08:46
陸自バイク「偵察オート」はなぜ「ゲームチェンジャー」たりうるのか 日米演習の事例
https://trafficnews.jp/post/96832

こんなヨイショ記事読んで自衛隊サイコーとかで惚れ惚れしているヤフコメ住民の書き込み見ると暗澹たる気持ちになります。普通ドローンで偵察する所ですよ。災害派遣の偵察ならともかく危険な戦場では特攻にも等しい。敵がいれば生きて帰れないでしょう。それと無線だけで映像も送れないでは
ドローン以下。米軍のリップサービスも理解できないようで。
typhoon
2020年06月06日 14:54
やれやれ様
どうも今日は。

私も「ゲームチェンジャー」と言うならば〜仰る様に偵察バイクではなく、ドローンだと思います。
そして、この様な荒涼とした土地でバイクが疾走したら〜おそらく土埃で存在がバレて、下記の連中に狙い撃ちされて散る可能性があります…そう、クレイジーな白熊達に。
https://youtu.be/Lf2uPLjYl5U

因みに、普通科は戦闘部隊にも関わらず、年間で150発前後しか射撃訓練しないことに驚きました!
なんせ、その弾数ですと…欧米の戦闘部隊は一度の訓練でそれくらい消費しますので〜はて、銃器に慣れる程度の射撃訓練で果たして実戦で正確な射撃が出来るのでしょうか?汗

こちらのブログをご覧の皆様でしたらご存知だと思いますが、米英の海兵隊は乗艦移動時でも射撃訓練を欠かしません…なお、下記は英海軍強襲揚陸艦アルビオンにての射撃訓練。
https://youtu.be/llvWLdkrT4w

しかし、空自は飛行訓練時間を削られて、陸自は殆どの時間をランニングと祭事訓練に時間を充てられて…パンダ人民と白熊に囲まれた我が国の国防に不安を覚えます。
typhoon
2020年06月06日 16:47
白熊特殊部隊のYouTubeを添付しましたが〜シリアでの軍事活動が含まれており、サーマルイメージャーとはいえ、狙撃により○片が飛び散るシーンが含まれております…やはり、現実の戦闘は映画やドラマと違って「綺麗」なものではないので、ご覧になる際はお気を付け下さいませ。
やれやれ
2020年06月06日 22:00
草マシマシだった2020年「総火演」 あれはなんだったの? その意味と演習本来の目的
https://trafficnews.jp/photo/96953#photo3

草マシマシがそんなに珍しいですかね?総火演ではそうかも知れませんけど。なので同じ戦争ごっこなら実弾を使う総火演より間近で見れる駐屯地祭の模擬戦の方が面白かったりします。音の迫力だけは総火演には勝てませんがそれくらいですね。
それはともかくこの写真を見て初めて19式の真横の写真を
見ましたが無駄に車長が長いですよね。屋根を凹ませて砲身を置くようにすれば6輪にしてもっと短く、中国のSH15位の大きさになったものを。それと安定板と言うか駐鋤って言うんですか、あれがどうも不安定に見えます。やはりアウトリガーが必要な構造の様ですね。無駄に長過ぎるのも原因かも。

typhoonさん、
「そして、この様な荒涼とした土地でバイクが疾走したら〜」
隠密行動を取らないと普通にスナイパーの餌食になると思います。砂漠であれは無いでしょうが間抜けですね。雑木林や山道ならともかく(しかしエンジン付きならすぐ分かってしまう)。電動も含めて使い方をよく考えないと現代の特攻隊になってしまうでしょうね。

「因みに、普通科は戦闘部隊にも関わらず、年間で150発前後しか射撃訓練しないことに驚きました!」
実弾を殆ど使わないとは言え空砲はどのくらい使っているのでしょうね?駐屯地祭だけだと笑える。あとバトラーシステムとお得意の口鉄砲でしょうか?(泣)。
昔聞いた笑い話?ですが自衛隊に入ったら好きなだけ銃をぶっ放せると思って入隊したら...銃ヲタは早々に辞めるらしいですが気持ちは分かる気がします。せいぜい1日分、まあ可愛そうだから1週間分ですよね。1年分とは思わないでしょう。小銃を撃つ職種でない人は本当に検定の時とその練習しか撃たないって言っていました。今でも同じかも?と思いますが流石にどうよと思います。

「米英の海兵隊は乗艦移動時でも射撃訓練を欠かしません」
ペルシャ湾とかに派兵される部隊では射撃訓練やっているとは聞きましたが、他はどうでしょうね。練習艦隊はやっている見たいですが、日本近海で哨戒や訓練している艦艇はどうでしょう?

一つ言えるのは陸海空とも小銃や拳銃の実弾演習は少ないという事です。それで故障する銃って...話も出ますが。

「空自は飛行訓練時間を削られて、陸自は殆どの時間をランニングと祭事訓練に時間を充てられて」
そうなんですか?最新の状況はよく知らなくて。空自は米空軍に次ぐくらい飛行訓練していたと思うのですが最近は金が無くてそこまでできない?オランダのマニアが航空祭シーズンに空自基地によく集まるのは毎日のように飛行訓練するので写真が撮りやすいからだそうです。オランダは週イチとか戦闘機訓練が寂しいそうです。
typhoon
2020年06月07日 02:51
やれやれ様、皆様
どうもお疲れ様です。

米英海兵隊は常に何かしらの戦争で常に即応状態の為、仏海兵隊もマリなどのアフリカ旧領土で活動してますが〜その他の蘭や西もまだ少し海外領土あって強襲揚陸艦も持ってますが…その海兵部隊は殆ど本国で、そこまでは活発じゃないので、比較対象としては不適切かもしれませんね…つい、よくリサーチする部隊で話を進めてしまいました。汗

空自も表現は不適切でしたね…ファントム運用部隊に限定した話で、機体寿命に起伏する問題なので、誤解を招いてすみませんでした。
そういえば、残り少ないファントム運用を惜しんでフランス人のマニアが撮影に来てました。

我が国よりもオランダ空軍が飛行訓練時間を減らしてるとは知りませんでしたので、情報を有難う御座います。
よく、ドイツ軍がメルケル政権に骨抜きにされてNATOでも問題になってますが…東欧がNATO陣営に鞍替えしたお陰で、ドイツ以西の国々は白熊圧力から大分緩和しましたから〜政策も緩んでるんでしょうかね。

因みに、時計業界には意外と元陸自が多く、部下にもおり…全く同じ事を言ってましたね〜オフはサバゲーに参加してたそうです。笑
やれやれ
2020年06月07日 17:50
typhoonさん、

「空自も表現は不適切でしたね…ファントム運用部隊に限定した話で、機体寿命に起伏する問題なので、誤解を招いてすみませんでした。」
F4は仕方ないですね。飛ばしたくても機体寿命が殆ど残ってない。さりとて全部用廃にするにも今年一杯使う予定で予算組んじゃっているのでアラートだらけでどうしようもない限りはバックアップ任務でのんびり余生を過ごすことになると百里の整備士も言っていました。言い方は悪いですが老人ホームで死を待つ老人状態です。そんな機体がしょっちゅう飛ぶとも思えません。これも言い方が悪いですがパイロットの技量維持と飛行時間維持の為に飛ばしているようなものです。

「そういえば、残り少ないファントム運用を惜しんでフランス人のマニアが撮影に来てました。」
ギリシャもトルコもそろそろ終わりですが外撮りしていると捕まるかな?どっちが撮りやすいかと言うと日本でしょうね。
百里も長いこと平日の外撮りに行ってないですね...
昔より撮影ポイントが減って撮りにくくなったのもありますが、自家用車を捨てたのが結構大きいです。陸の孤島ですから。

「我が国よりもオランダ空軍が飛行訓練時間を減らしてるとは知りませんでしたので、情報を有難う御座います。」
個人の飛行時間はそこまで少ないことは無いと思いますが。そもそも戦闘機がF16のみ90機位ですからね。特別な演習でもない限り1つの基地で毎日ガンガン飛行訓練することは無いと言う意味だと思います。それに日本だとF15,F2,F4、F35(以前はF1とかも)と結構種類が見れますからね。米軍も入れれば結構な種類ですよ。天気が余程悪く無ければ(中には基地行事や周辺の学校の試験で飛ばない日もありますが)概ね毎日午前午後、時々夕方から夜も飛んでいる基地って彼らにしてみれば珍しいと思いますよ。その昔百里で朝から夜までウンザリするほど見た日もありますから(茨木空港ができる前ですが)。