財務省、財政制度分科会(平成30年10月24日開催)の防衛予算に関する資料を読む。その12

財務省の財政制度分科会(平成30年10月24日開催)において防衛予算に関しても討議されまた。その資料を財務省がHPで公開しています。

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia301024/03.pdf

引き続きこれについて重要な指摘とその解説を行います。

>平成28年10月以降の財政制度等審議会財政制度分科会における主な論点(P-59 )
>① 装備品の取得方法の効率化・最適化
・取得方法(国内開発、国際共同開発、ライセンス国産、輸入)を比較し、効率的な調達を行うべき。
・各年度の調達数量は取得単価に大きく影響を及ぼすため、中長期的な計画に沿って効率的な取得を行うべき。
② 選定・契約時における価格上昇リスクの抑制
・企業からの提案等について、価格上昇等のリスクを国が一方的に負うことのないよう、国と企業の間でのリスク分担が必要。
・航空機以外の装備品におけるプロセス等の明確化・透明化を図るとともに、装備品全般については、企業の提案内容につい
て一定の拘束力を持たせる仕組みを検討すべき。
③ 原価の監査の徹底
・原価の監査の徹底やコストデータベース管理などにより製造原価を抑制すべき。
④ GCIP率の在り方、ダブルGCIP
・GCIP率の在り方について、経営効率化を促す仕組みにすべき。
・複数の大手企業が分担しているケースにおいて、製造分担企業のコスト・GCIPを含めた総原価に主契約企業のGCIP率を乗じ
る(いわゆるダブルGCIP)ため、高コスト構造となっている。
⑤ F-35Aの調達と国内企業参画
・国内企業の製造参画により価格上昇が発生。今後の調達を検討する際には、国内企業参画の在り方を検討すべき。
⑥ C-2機体単価
・受注の少ない国内企業であっても、調達数量の増加に伴い、適切に単価低減が図られるよう取り組むべき。
⑦ 装備品のライフサイクルを通じたプロジェクト管理の強化
・ライフサイクルコストの精緻化、価格上昇等のリスクが顕在化した場合のプロジェクトの見直しの仕組みを構築すべき。
⑧ 研究開発に係る知的財産権の活用
・装備品を構成する知的財産の権利化に関し、オープン化・秘匿化等のオプションの適切な活用の検討が必要。
⑨ 国内産業の組織再編・連携
・非競争・非効率的な調達が組織再編を阻害することのないよう、機会の平等や調達の効率化を徹底すべき。
⑩ 「防衛装備移転三原則」(平成26年4月)を踏まえた装備品等の海外移転
・装備品の海外移転の実現に向けて、一層のコストダウンとともに、政府と企業が一丸となる取組みが必要。


などが挙げられております。ですがこれらは以前から言われてきたことであって、それを実行できない防衛省や経産省、産業界の意識をどう改革するかが焦点です。

>プロジェクト管理における事業見直し基準(P63)


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日本の基準は米国のそれを真似して作ったわけです。ところが劣化コピーもいいところで、強制力はまったくない。事実陸のUH-Xは調達単価12億が18億超えても調達がOKされています。更に申せばUH-Xは試作を1機しか作らなかったので、なにか不具合があるとすべて米国ベル社に送り返して解決してもらうので時間がかかります。元々が米国製で陸自用に改修も米国まかせ。これを「国産装備」として高い金払って製造する必要があるのでしょうか。恐らくは追加の開発費用などは「初度費」や「性能向上のための改修」という名目で延々と払い続けられるのではないでしょうか。

■本日の市ヶ谷の噂■
海自の30FFMの富士通製コンピューターは、高いから採用を見送ると言われたら途端に、4割引きの大バーゲン。市ヶ谷ではバナナの叩き売りかよと冷笑されたとの噂。

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この記事へのコメント

濡れネズミ
2019年11月05日 19:39
海外の軍事情報サイトを見るに、あんまり国産化している所は無いような。

おまけに数を揃えて実戦投入している所は改修も多い。
こうした傾向を財務省が把握して頂けるとありがたいですね。
出来れば通信機器、暗視装置から爆発反応装甲や曳行式デコイなどちゃんとした官公庁納入品として監査して欲しいです。

利権を作りやすい新規の機種じゃないと認めないと言うのはやはり腐敗の温床になりやすい気がします。(ブラックホークとか)

富士通に関してははっきり言ってハリスには敵わない訳で、その上でこんな真似をする。

野戦通信システムの防護についてアメリカ軍もロシア軍も新型を導入するのに防衛省は2〜30年遅れている。 

富士重工も結局は大失敗をやらかし、反省もしない。
国産派は一体全体どうしてこれで信用できると言えるのか。

陸自には装甲トラックを供給するのを断り、海外には輸出したいとよだれを垂らしておいてどうして魅力的に見えると言うのか。
ss
2019年11月07日 19:54
清谷様
ssと申します(名前を書くべきだとは思いますが、事情がありお許しください)。

いつもブログを興味深く読ませていただいております。
「噂」で言及されています富士通製コンピュータについて少し、検索エンジンで調べてみました。すると、以下の議事録を見つけました。

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/198/0059/19803120059003a.html
第198回国会 外交防衛委員会 第3号
平成三十一年三月十二日(火曜日)午後一時三十分開会

こちらでは以下のような質疑があったようです

大野元裕君 先ほど申し上げたP1もSH60Kも全て同じものだと現時点では私は理解をしていますけれども、この堅牢型サーバーの市場というのは実は大きくて、富士通だけではありません。専用メーカーから汎用のコンピューターメーカーまで様々な選択肢があります。
 防衛省としてですけれども、このプライムチューン2200と世界の同じような種類のコンピューターの性能を調査、比較したことがあったでしょうか。その結果はどうでしょうか。
○政府参考人(深山延暁君) この御指摘のプライムチューン2200は、情報処理サブシステムのOYX1の設計、製造を行う富士通株式会社が防衛省の要求する性能を満たすために選定した製品でございます。
 防衛省としては、同種のコンピューターの性能を細かく比較したものではありません。しかしながら、これは防衛省が提示した性能を、必要な機能、性能を、失礼しました、契約した金額の範囲内で、防衛省として要求する必要な機能、性能を満足することを確認しているところでございます。

このプライムチューン2200については以下に情報があります。

https://www.fujitsu.com/jp/documents/solutions/infrastructure/integrated-system/fortpd/PRIMETUNE_2200_00_1810.pdf

現状、性能は十分で、13年間の修理対応ということで、高価になっているようです(価格が適正であるかは検討しておりません)。

またミドルウェアのソフトウェアについても質疑がありました。

しかも、先ほど申し上げた対潜システムや戦闘指揮システム、大臣、聞いてくださいね、電子戦システム、こういったところをつくっている三菱電気やNECや沖電気、この三社は、この防衛省が官給しているシステム、このソフトウエアありますよね、このソフトウエア、この皆さんにお配りしたものでいうと二ページ目にあると思いますけれども、ソフトウエアがレッドホークですね、レッドホークというのがありますけれども、このソフトウエア、皆さんお使いにならない、使わない、使いたくないので、この三社が共同でミドルウエアを共同開発して、このソフトウエアは使わずに別なソフトウエアで使っている。つまり、別にそれは金掛かっているはずなんですよ、開発費とか全部。それを黙って防衛省は払っているんですよ。

こちらのRedhawkはミドルウェアというよりは、OSの実時間応答性を高めるモジュールを組み込んだLinux OSで、確か、これは米国海軍で採用されていたはずです。ただ、このRedhawkの会社は投資会社に売却されてしまったので、もしかしたら先行き不安ということで、別ソフトウェアを開発しているかのかもしれません。このあたり、航空宇宙向けソフトウェアの知識がないと、なかなか難しい分野なような気がします(私詩人は少しだけ関わったことがございます)。
個人的感想
2019年11月07日 20:57
防衛省がフリーランスを入れてくれないと嘆く前に、自分自身の影響力を確保しましょう。そうしたら相手も話しを聞くでしょう。
やれやれ
2019年11月07日 22:55
ssさん、
富士通の試料を見る限り特段特徴のないよくある
ブレードサーバーみたいですね。特に専用設計でもなんでも無い汎用部品の組み合わせの様です。恐らく同等品は世界中に溢れています。もしかしたら同程度のものなら秋葉原で部品を買い揃えれば作れるかも知れません。ある意味それくらいありふれているものです。ただし販売から13年保守ですか?これは並大抵では無いと思います。ぶっちゃけて言うと2倍の価格で売って2倍の部材を仕込んで半分を製品として出荷、残りの半分を保守部品にでもする位でないと厳しいかも知れません。或いは保守費用や保守備品費を非常に高額にしないといけないかも?コンピュータ部品のサイクルは早いですからあっという間に旧式化しますので10年も前の物、同程度のものを供給し続けるのはかなり大変です。なので出荷停止間際にはそれなりの部品を買い込まないと残りの保守期間は難しくなります。
例えばスパコンの京が今年ゴミになりましたが7年しか使用していません。既に保守してもコスパが悪いだけなので次世代の富岳に入れ替えます。その京の2倍の製品寿命を保証するわけです。自宅用のパソコンでも京ほど長く使った事はありません。
一般用途だと時代遅れのコンピュータに未練は無いでしょうが産業用や組込装置の制御装置としてなら10年くらいは使いたいお客さんはいるんですよ。性能もソフトも可能な限りそのままで。恐らくそのような感覚なのでしょう。で10年以上経って保守もできなくなったらその時代の最新に入れ替えるような感じです。その都度その都度最新に入れ替えれば良いと思いますが、恐らくソフトの修正が追いつかないからやりたくないのかな?と言うのが感想です。ワードやエクセルのような汎用ソフトじゃないでしょうから。

なので適正価格を算出するのは難しいですね。契約内容次第かなと思います。ライフサイクルコストが市価の2倍の価格なら安いかも知れません。13年も使えば十分元は取れるでしょう。故障したら都度最新(ソフトをアップデートしなくて良い前提)に入れ替えることが可能ならぐっと安くできるでしょうね。個人的には自宅のWin7の古いパソコンからWin10の新しいパソコンへの引っ越しにも苦労したので面倒はしたくない気持ちは分かります。
ss
2019年11月08日 09:52
やれやれ様

ssです。コメントをありがとうございます。
現在の勤務先ではインフラ系のソフトウェアを、また前職では航空宇宙向けのソフトウェアを担当しておりました。その時の経験ですと、10年から15年の稼働期間を想定、導入までの試験期間が2年ほどというものが多かったように思います。ハードウェアは基本的にはその間保守可能なものでしたので、かなり高価なものをお客様は購入されておりました。
ソフトウェアについても10年保守が要求され、こちらは体制の確保が難しく、それをすると、現実的な費用ではなくなるので、非常に困ったことを覚えております。
やれやれ
2019年11月08日 16:14
ssさん、
うちの顧客より使用期間が長いですね。ある意味うちもインフラ系と言えるかも知れませんが概ね同じ様な感じです。制御ユニットはできるだけ安くと買い叩かれているので修理や部品販売などは高めの設定です。そうしないと赤字を出してしまうので。制御ソフトも顧客が独自でやっているのでうちは主に装置の面倒だけ見ていれば良いのでソフトの方は門外漢ですが、バグ取りが主でアップグレードはベースになるソフトが大幅なバージョンアップ(Ver1->Ver2になるみたいな)でなければあまりいじりたく無さそうです。この辺が組込装置の制御ソフトだからかも知れません。コンピュータが絡むと必ずソフトとハードのメンテの問題がついてまわるのでそれが凄い厄介です。壊れないことを祈るのは現実的でないので。

とにかく部品点数の多い複雑な中身の製品を息長く販売し使い続けるのはビジネスとしてはかなりしんどい部類だと思います。
兵器なんてそんなこんなで30年とか40年とか使ってますからね。簡単な構造の機械部品は分かりませんが電装系は定期的に中身入れ替えないと保守自体が苦行になりますよ。要するに性能含めコスパが悪くなるのでどこかで車体や機体などドンガラはそのままでも電装系の中身をリフレッシュしていかないと保守しきれなくなります。それを防ぐ簡単な方法が部品の買いだめなんですが、それもあまり古すぎると腐ってしまいますから程々で。なので戦略的に切り替えるタイミングなど見てバシッと一気にアップグレードしないと五月雨式だと年度ごとに中身が微妙に違う物になる可能性もあり最悪です。同じ製品なのにこの部品はこれには使えないと言うのが出てくるんですよね。すると保守部品が増えてコストが上がると言う悪い流れになります。そこまで考えて調達して欲しいですね。