F-35が欠陥機か、ニューズウィーク・ジャパンが欠陥メディアか?



さて、空自のF-35A戦闘機が墜落しましたが、未だにパイロットも機体も発見されていません。
現時点で墜落原因の特定は困難です。あれこれ言っても推測の域をでません。
ですからぼくはこの墜落自体には発言してません。

F-35 1機の金額で何ができたかという志葉玲氏の記事が話題になっています。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/04/f35114762000.php

無論高額な防衛装備で福祉などで何ができるという話は納税者として大いに議論すべきです。
ですが、防衛費をなくしてそのカネをというのは空理空論でしかありません。

ですが、問題なのはこの場合、F-35が空自の戦闘機で適切でなかった、そのカネをなにかに使えばという話なのか、そもそも戦闘機自体がいらないというのかでは議論が全く違ってきます。

この記事ではそれがありません。カナダはF-35の調達やめた、という話も書いてありますが、それは議会の税金の使い方として適切ではなかったという話であり、欠陥云々という話ではありません。牽強付会もいいところです。

今の段階で欠陥機だと断定するのは早急でしょう。
また編集部がつけたであろう「墜落したF35、1機分のお金で何ができたか―「欠陥商品」147機6兆2000億円を爆買いの愚」というタイトルも欠陥機だと決めつけており、ジャーナリズムとしての節度が疑われます。
同じことを自動車メーカーにやるでしょうか?まず訴えられる可能性が高い。

率直に申し上げれば、まるで活動家のアジとしか思えないタイトルです。
ニューズウィークをマトモな媒体と思わない読者も少なくないでしょう。他の記事の信憑性まで疑われてしまうでしょう。

防衛費の使い方について、防衛費使わなければそのカネをという寝言をいっていると、いつまでたっても防衛費を削減なんかできません。

例えば米国の8倍もする小銃を調達する必要があるのか、もっと安くならないかという議論ではなく、小銃はいらない病院が欲しいでは問題の解決になりません。
このような主張は議論を放棄しているのと同じです。

常日頃防衛費の削減と、適正化を訴えている身としては、この手のロジックを弄ぶひとがむしろ最大の敵であるとすらいえます。

ぼくはF-35Aの導入に反対でしたが、導入するならばFACOで国内生産しても技術移転もなく、単に機体調達が高くなるだけだから輸入がいいと主張しました。当時は「保守の論客(笑)」とか軍オタさん達から散々叩かれましたが、今年度以降は輸入に切り替わりました。これで2千億円程度は調達費が削減されるでしょう。

https://webronza.asahi.com/politics/articles/2013051500010.html
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2013051600004.html


エビデンスに基づく分析によって、具体的な指摘をしない限り、防衛費の適正化や低減はできません。

率直に申し上げて、こういう記事を書いてたり、記事中に登場する運動家の皆さんがいくら騒いでも、防衛費は削減も適性化もされません。

防衛省や安倍政権にとっては痛くも痒くもなでしょう。ぼくからみれば彼らは防衛省や安倍政権の防衛費の無駄遣い追求を妨害する、「無能な味方」でしかありません。


東洋経済オンラインに寄稿しました。
日本の防衛装備が中国に後れを取る根本的背景
技術的問題はもちろん法規制もハードルだ
https://toyokeizai.net/articles/-/274368

Japan in Depth. に以下の記事を寄稿しました。

RWS搭載海自護衛艦に疑問
https://japan-indepth.jp/?p=45105

新防衛大綱・中期防を読む(上)
https://japan-indepth.jp/?p=45030


新防衛大綱・中期防を読む(下)
https://japan-indepth.jp/?p=45047














この記事へのコメント

KU
2019年04月17日 18:15
>フィリピン軍へ装備品協力を推進 日比防衛相が会談

http://this.kiji.is/491108308051461217

そろそろ、有償での装備品供与を本格的に始めたほうが宜しいのでは。
元キャプテン
2019年04月17日 21:05
高校時代、世界史の先生が授業中、ソ連の軍拡で経済破綻したお話がありまして、先生曰く 国力を阻害しない軍事力として軍事費がGDP5%以下、兵力が1%以下が目安らしい。 その算定根拠は不明ですが、常識的に考えても妥当だと思います。現在の日本に当てはめると兵力120万人、25兆円が国力上の限界値となりますが、現実として?。組織を維持運営する支出予算の割合として人件費・教育費が1/3、開発費・設備投資が1/3、ランニングコストが1/3が適切らしい。組織の健全経営として。
マクロとミクロの視点ですが やはり議論する前に一定の尺度というものが必要だと私は思います。 軍事も金がないと成り立たない。だから経済・財政の学識が不可欠だが、自衛隊側も経済知識は中学生以下では?
私に言わせれば平和運動家と自衛隊は同じ穴のムジナ、目くそ鼻くそ笑うみたいなものだと思います。
元キャプテン
2019年04月18日 07:49
清谷様

田母神元空幕長自身の著書で 現役時代、ユーロファイターを安倍首相に押したらしい。結果的にFー35に決定しましたが、意思決定のプロセスは闇の中で、その部分は政治の世界です。兵器の調達は政治が絡む話が多いです。装備品の調達の仕事をした経験者として。
次期主力戦闘機の候補として 1 Fー35、2 ユーロファイター、 3 F/Aー18 フォーネットですが 清谷さんは3つの中からどの機種がふさわしいのでしょうか?理由 例えばランニングコスト、性能、相互運用性とか。ご教示願います。
マリンロイヤル
2019年04月18日 12:27
F35よりヤバいのは、ソーティーレートを一切考えてない空自ですよ(笑)ただただ、最新鋭機に乗りたいだけの飛行クラブだ。
名無しの助
2019年04月18日 22:28
今時、装備品の選定は密室ではないですよ。RfPを公表して、提案してもらって比較検討しての機種選定です。その妥当性は別の議論ですが。
やれやれ
2019年04月19日 10:33
元キャプテンさん、
「先生曰く 国力を阻害しない軍事力として軍事費がGDP5%以下、兵力が1%以下が目安らしい。」
こんな事を知っているとは凄い先生ですね。しかしぶっちゃけこれができるのは戦争をしている時くらいでしょうね。平時だと国が倒れます...
それと人件費ですが概ね平時の防衛予算の半分位を占めていたかと。これは日本に限らずですが、なので兵隊の数を減らしつつ自動化やドローンなどの導入で省力化を進めているという訳です。

「現在の日本に当てはめると兵力120万人、25兆円が国力上の限界値となりますが、現実として?。」
因みに100兆円のうち国債償還と社会保険費合わせて60兆円程なので実質フリーで決めて使える予算は40兆円程しかありません。そのうちの5兆円強が防衛費です。1/7強ですかね。1/17ではありません。そう考えると国家予算の占める防衛費の割合が非常に高い事が分かります。それの5倍と言うことは使える予算が15兆を切るくらいですから各種補助金はほぼ0円、公共工事も修繕費の一部、各種対策予算もほぼ0円になるんでしょうね...正に国家総動員体制で挑まないといけない難局でしょう。欲しがりません勝つまでは、です。戦争中は年金の支払いを停止にでもしないと国の運営ができないかもですね。
やれやれ
2019年04月19日 10:46
元キャプテンさん、
清谷さんではありませんが、飛行機写真愛好家で集まった飲み会での話ですが、FA18(スパホ)の線は絶対ないとのことです。個人的には一押しでしたが海軍機なので機体の大きさの割に重量が重く(空母への離着艦があるため)燃料の搭載量が少ないので行動半径が小さい等です。F4と言う海軍機の先例がありますがこれは空軍型があったから自衛隊が採用したという側面もあります。空軍型は無いんですよね。F35は未だ試験中で配備も遅れているしユーロファイターが筆頭になりますが、こちらも遅れ気味の上に欧州だから(アメリカでは無い)と言うのもあるんでしょうね。それとF22を欲しがった空自?防衛省?が欲しいのはステルス機なので一番遅れているF35でも無いよりはマシと言う思考で決めたかもしれません。戦略や戦術があって決めたわけでは無いと思いますよ。個人的には時期的に(F4の退役時期から考えて)F35は無いわだったのですが蓋を開けたら...お蔭でF4は無理やり延命で老骨に鞭打つ事になった訳で漸く退役できそうですって感じですから。
やれやれ
2019年04月19日 18:17
ブルーインパルス、飛行停止=エンジン不調で訓練できず-空自
https://www.jiji.com/sp/article?k=2019041900865&g=soc

これ以前とある人から聞いていたT4のエンジンでトラブルではないか?と言われていた問題が表沙汰になったと言う事かな?
やたらIHIに返却修理の依頼が増えてるらしいと聞いていた。

清谷さん、取材して実情分かりますかね?
2019年04月19日 19:45
>T4

この件に関してはまだ何も掴んでいません。
やれやれ
2019年04月19日 20:38
清谷さん、
早速ありがとうございます。
今後の取材に期待しています。
T4もOH1みたいな事になったら
それこそ大事。
スネクマからラルザックでも買いますか?
って話にでもなったら洒落にならないし、
航空学生の養成には重大な問題になりかねませんからね。

XF9もどうなることやらって感じになり
ますし、不正問題も含めてIHIはいっきに
崖っぷちになってしまった感があります。
ブロガー(志望)
2019年04月21日 23:08
お邪魔します。
 結局のところは「血と死と人の恨みに"穢れた"軍事などまともに関わるべきではない」といったところでしょうか。かつてアメリカで禁酒法が施行された結果、マフィアが密造酒で大儲けした事が思い出されます。

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