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zoom RSS 防衛産業から撤退する企業の挟持。

<<   作成日時 : 2019/02/09 18:31   >>

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先のブログでコマツが装甲車両製造から撤退することをご案内しました。
軽装甲機動車に関しては整備などもやらんそうです。これは複数の業界関係者や機甲化OBに確認した話です。

コマツの売上は連結決算で2.7兆円、防衛省売上は約280億円、全体の1.1%に過ぎません。
以前は装甲車両の売上は1/3で後は砲弾や信管でしたが、昨今は軽装甲機動車の改修がダメ出しされ、8輪装甲車もキャンセルになってお先真っ暗でした。そこで撤退ということでしょう。

既に2014年に東洋経済オンラインの記事で警告していたとおりの展開になりつつあります。

コマツが防衛事業から撤退すべき5つの理由
取り組み姿勢が、キャタピラーとは対照的

https://toyokeizai.net/articles/-/45208?page=2


残った弾薬信管も安泰ではありません。大綱別表にあるようにいずれは戦車や榴弾砲は現在の半分程度になり、コマツは精密誘導砲弾も開発を諦めたので自動的に売上は半分に減ることになるでしょう。迫撃砲は横ばいでしょうが。

ただ、財務省は弾薬業界の再編に熱心ですので、相当の圧力はかかるでしょう。であれば、こちらも将来撤退は目に見えています。

問題は撤退の方法です。

コマツは長年に渡って国際価格の3倍程度の値段で、性能の怪しい装甲車を開発、納入してきました。それは半分は陸幕、防衛省の責任ですが、企業側にも責任はあります。
その原資はすべて我々の払った税金です。

自分たちに実力もなく、特機部門の将来性が明るくないなら、早めに撤退するべきだった。
ところが延々と判断を伸ばして税金を食い物にしてきた。

これは名経営者と謳われた坂根元会長ですら、同じ穴のムジナです。
経団連会員の名門企業が税金食い物にして恥じないのはいかがものでしょうか。

地元の小学生にものづくりを教えるよりも、こっちの方のけじめつけるのが先でしょう。

更に申せば、撤退するにしても立つ鳥跡を濁さず、であるべきでしょう
まだ国内で基盤維持ができるのであれば、例えば事業を三菱重工に譲渡するか、あるでしょう。
防衛産業に残るならば本業との親和性の高い工兵機材に特化して、それも重工と協力していく、
という手もあるでしょう。そういう手段を取らずに、後は野となれ山となれ、では社会的な責任を取ったとは言えずに、パブリック・エナミーと非難されてしかるべきです。

日本政府はこういう不良企業に対しては他の公的セクターからの入札でも締め出すべきだと思います。


■本日の市ヶ谷の噂■
コマツが軽装甲機動車を放り投げたこともあってか、陸幕は軽装甲機動車と高機動車を統合した後継車輌の開発を企画中、これに三菱重工は困惑し、某自動車メーカーが助平根性と示しているとの噂。




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コメント(16件)

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>>>軽装甲機動車と高機動車を統合した後継車輌

日本版JLTVですか。まさか、陸自の伝統芸「他所様が持っているのと同じオモチャが欲しい!」病じゃないでしょうね?イベコのLMVとかを買うのではダメなのかと思いましたが、それだと困る人がいるに違いまい(棒)。にしても、助平根性を出しているという某自動車メーカーさん。せっかくだから海外で魔改造されている、あんなSUVのシャーシをベースにした車輌を作って欲しいですね。車体の装甲板は、三菱長崎機工さんに供給してもらうとかして。
KU
2019/02/09 21:17
矜持(プライド)では無く挟持で良いのでしょうか。
1 両側から支え助けること。
2 心に抱くこと。
3 物を携え持つこと。
の様です。
コマツですが砲弾の方もそろそろ終了ですか。今日日大砲の弾も迫撃砲も精密誘導が今後のトレンドになる事は間違いないので
できないならさっさと売り払った方が良いですね。今なら損切りにならないかも?
それにしても撤退するにしても放棄する様な無様な真似はして欲しく無かったですね。倒産したなら仕方ないとは思いますがそうじゃ無いですからね。コマツは重機のお客さんにははどう対応してるんでしょうね。もっとやり様があるんじゃないですかと思いますが。明るみになったら評判が悪くなるだけだと思うのですが。

新型の装甲機動車…まさか某ピックアップトラックがベースじゃないですよね。
中東で良く利用されていて実績もある。ポーランド軍も使ってましたよ。
やれやれ
2019/02/09 22:58
某日本車は世界で広く軍事利用されておりますし、それをベースに装甲車化している装甲車製造会社もあります。
自衛隊が海外展開した場合も、部品供給や整備の共通化といった兵站面で利があります。
ただし、正規軍向けの軍用装甲車両となるとまたノウハウが変わってきますので、早期に完成品には至らないのではと思います。
車両製造会社、東レ(テンカーテ・アドバンスド・コンポジット社を買収)、帝人などが協力すれば目が出てくるのではと。
CPR
2019/02/10 12:38
>首相、改憲は自衛隊員募集のため

http://this.kiji.is/467274626826814561

そんな訳の分からない屁理屈を唱えてまで改憲したいんですか、この人は。
KU
2019/02/10 21:16
>ドイツ「戦車王国」の黄昏 稼働するのは全盛期のわずか3%、どうしてそうなった?

http://trafficnews.jp/post/83385

陸自の戦車が半減するのは、いつの日やら。
KU
2019/02/11 12:28
コマツの撤退はやむを得ないと思いますが、事業はぜひ三菱かトヨタ(あるいは子会社の日野?)にでも継承して欲しいですね。軽装甲機動車は良い点も悪い点もあると思いますが、とにかく1800両もあるので、大事に使い続けるしかないと思います。

無線機の搭載が進んでいないことを逆にチャンスと捉え、欧米製でよいので、小型軽量の小隊-中隊レベルの新型無線機を大量に導入して一気にネットワーク化を進めるとか、どうでしょうね。1800両に4名ずつ搭乗するので、7200人相当が軽装甲機動車に乗れる。整備や後方での使用が3割としても、5000人の小銃兵、40-45中隊レベルを一気にネットワーク化するチャンスかと。。。

そうでなくとも、1800両のメンテナンス作業は大きいため、十分に事業として成り立つと思います。

あと、もしトヨタが出っ張ってくるなら、良いことだと思うのですが。。。あの会社が軽装甲車を作るとすると、自動車や(日野の)トラックで実践しているように、徹底して海外車両を研究し最先端(高価とは限らない)設計をしてくれないかと、期待してしまうのですが。。。
ドナルド
2019/02/11 16:59
国内業者をしめだせ的なこと、いつも書いてて、いざやめたら、これ。前にもコメントしたけど、ビジネスわかってない。昭和初期で止まってますよね。今後、いろいろな分野で同じこと起きますよ。また、契約上コマツに非は全くない。
かい
2019/02/11 19:07
頭の悪いコメントありがとうございます。
撤退するのはいいが、撤退の仕方が問題だといっている。読解力ない輩には何言っても無駄だろうがね。
キヨタニ
2019/02/12 00:58
かいさん、
仰るように防衛関係以外でも同じ様に止めるものが増えて行くでしょうね。しかし、
「契約上コマツに非は全くない。」
としても倒産して社員も資料も散逸してしまったとか一斉に新型に入れ替えるのが決まったならともかく、継続使用しながら入れ替えとかなら入れ替えるまでの保守は当然必要で一番面倒見られるのが製造会社です。そうでないなら整備できるだけの資料や治具、保守部品などを防衛省に渡して他の会社にやらせる事になります。産業界では部門ごと売却が手っ取り早いのでよくやりますが、そうでないならそれなりの資料、物、或いは人材もコマツは用意しないといけません。むしろ売り払うより金と時間が掛かると思いますがね。そうしないで見捨てるならコマツは整備もしない製品を売る駄目会社と自ら宣伝するようなものです。これこそビジネスに悪影響が出ます。そしてモノづくりのプライドはどこに行ったのか?という話になります。お客さんにいきなり迷惑をかけるビジネスがどこにありますか?町の自動車屋さんに整備できる程度の物だったらぶん投げて構いませんが、そう言うたぐいの物なのでしょうか?それと保守部品はコマツが用意してくれないと修理も交換もできませんから、いきなりしないって選択は倒産でもしてにっちもさっちも行かなくなった時以外は普通ありえません。製造会社の恥だと思った方が良い。コマツはとてもそんな状況には見えませんがね。
やれやれ
2019/02/12 10:57
市ヶ谷の噂の訂正及び追加情報。
これまでコマツは取材に応じて来なかったことが多かったが、今回は電話取材に応じ、NBC偵察車だけは製造を続け、既存の装甲車両のメンテは行うとのこと。ただし他のソース(OB,メーカー)からでは否定する情報が多数あり。

某社はメンテを押し付けられるんじゃないかと戦々恐々との噂。



キヨタニ
2019/02/12 18:31
清谷さん、
とりあえず保守含めていきなり放り出すではないようですね。NBC偵察車もまだつくるんですか。あと何台受注あるか知りませんが中途半端な。撤退するなら売却なりすれば良いと思うんですがね。周辺が否定的という事はそれだけコマツのやる気無なさの現れなんでしょうけど。ここまできたらすっぱり売り払って撤退した方が後腐れなくて良いと思うんですがね。ビジネスセンスが無いと言うか判断悪いですよね。
やれやれ
2019/02/12 18:46
清谷様

追加情報ありがとうございます。

ということは、コマツもまだ着地点を探っている可能性があり、清谷さんがこの場で批評することは、良いことなのかもしれませんね。

個人的には、また、維持のできない小さな「国産軍事産業」を残すよりも、事業そのものを三菱かトヨタへ売却して、よりリソースを集めて、「せめて輸入品と比較しうる」機能性能をもつ装備を開発して欲しいところです。

その途中段階で、外国製品を輸入しても全く問題ないと思います。現状の国産陸上兵器は、世界のトレンドから全く遅れてしまっており、追いつくにはそのくらいのインパクトが必要かと。。。



ドナルド
2019/02/12 22:32
ただコマツの主張もそもまま鵜呑みにみできないわけです。製造はNBC偵察車だけ。あと最大で30輌もないでしょう。あとは既存の車輛のメンテだけ。
事業を維持できないでしょう。
整備事業を譲渡するなどする必要があるかと。
キヨタニ
2019/02/13 01:21
清谷様

時効なので暴露します。私が現役時代に調達関係の仕事をしましてコマツ製作所特機事業部と直接的に仕事しました。トラブルがありまして、詳細は明らかにできませんが 対応や態度が舐めすぎというかふざけていました。私も怒りましたよ。誠意も欠片もなく、言い訳や自分の都合ばかり主張している。清谷さんの記事を読んで やはり体質は変わらないのかとかやはりそうかという感じです。
内容の真偽については知る由もありませんのでコメントは差し控えます。
生産中止、事業撤退、部門売却は会社の経営判断なので他人がどうこう言う筋合いはありません。民間企業なので採算性や将来性がなければ事業から撤退は当然です。同時にCSR=社会的責任もあり、既存の製品があればメンテナスや部品の供給する道義的責任があります。法律でも製造中止しても既存の製品の部品を7年間在庫にストックする義務があります。レオパレスの耐火基準の問題でも、入居者の引っ越し費用負担や建物の改修の義務があります。 やれやれ様の意見から ものづくりのプライドでしょう。製品を作り 世の中に出しているには責任が伴うし、撤退するにも 立つ鳥後を濁さすで投げっぱなしでなくアフターフォローをしっかりしろと主張したいのですか清谷さん。どうでしょうか?
元キャプテン
2019/02/13 08:46
>首相、護衛艦いずも「空母ではない」衆院予算委で答弁

http://www.asahi.com/sp/articles/ASM2F3J96M2FUTFK00B.html?iref=sp_pol_politics_list_n

屁理屈も、ここまで来ると...。
KU
2019/02/13 18:16
防衛産業の利益率は装備庁の制度上たかが5%程度しか得られません。実態は理不尽な査定で削られて赤字です。決して美味しいビジネスなんかではなく、皆撤退したいのです。撤退を表明した企業に製品の運用の最後まで面倒を見させるなら装備庁は実費コストを支払うべき。ボランティアでは株主に説明出来ません。こんな産業に新規参入があるわけないのに、それもわかっていないのが装備庁。防衛産業の崩壊は近い。
m
2019/02/13 21:40

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