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zoom RSS 空母という言葉に脊髄反射する軍事音痴な毎日新聞

<<   作成日時 : 2018/12/13 13:53   >>

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いずも型護衛艦の空母化 なし崩しの議論を憂える
https://mainichi.jp/articles/20181213/ddm/005/070/061000c

いやあ、社説書いているヒトタチがまるで軍事音痴の運動家レベルと告白して何が楽しいのかと。



>政府・与党の調整で焦点となったのは、海上自衛隊の保有する最大級のヘリコプター搭載護衛艦「いずも」型2隻を戦闘機も搭載できるように改修する「空母化」の扱いだ。

>いずも型は艦首から艦尾まで飛行甲板がつながっている形状から「ヘリ空母」とも呼ばれるが、通常の戦闘機は発着艦できない。しかし、短距離での離陸や垂直着陸が可能なタイプの機体なら、甲板などを改修すれば艦載機として運用できる。

>一方で政府は従来、憲法9条のもとで「攻撃型空母」の保有は許されないとしてきた。戦闘機は航続距離や弾薬の搭載量が限られるが、空母で海上を移動すれば他国の領土近くから出撃できる。それは自国を守るときにのみ武力を行使する専守防衛に反するとの憲法解釈だ。

>護衛艦を空母化しても他国への攻撃に使わなければ攻撃型空母ではないというのが政府の説明だが、それを明確に担保するよう公明党が政府に求め、与党ワーキングチームでの了承が3回見送られた。

>最終的に、戦闘機は常時搭載せず「必要な場合に運用する」ことで落ち着いた。これにより「多用途化」と表現する狙いがあるようだが、他国を攻撃する能力を持つことには変わりない。それだけでは空母運用の歯止めになるとは言い難い。
 
昭和の御代から延々と思考停止状態です。そら、読者も減るでしょうや。

まるで病気について無知な人間が、人間は健康であるべきだ。だから病気について何も知らなくてもいいのだ。健康健康と唱えていれば健康になるのだ、と叫んでいるようなものです。

世間ではそれをカルトと呼びます。

そもそも兵器の定義だって時代によって変遷しています。例えば155ミリ砲だって年代までは20キロ強、ロケットアシストつかっても30キロがせいぜい。ところが南アのG5がでていきなり39キロに射程が伸びて、ロケットアシストつかえば50キロを超えます。さらに薬室を23リットルから26リットルに代えたタイプでは射程は70キロを超えます。

そもそも「攻撃型空母」なるものの国際的な確固たる定義もなく、我が国でも確固たる定義はないのに、国会答弁で蒟蒻問答してきたわけです。敢えて言えば、米軍の大型空母みたいな、1隻で戦闘機、攻撃機、早期警戒機などをパッケージで相応の機体を搭載した空母のことを指していました。

ところがその言葉を使っていた頃はVTOLのハリアーなんぞは存在していませんでしたし、仮にいずもにF-35Bを搭載しても10機前後を運用する(搭載するだけなら20機以上ですが)わけで、その機数で大した攻撃なんぞできません。

であれば護衛艦だって艦砲射撃やミサイルで釜山や上海を火の海にできるわけです。こいつの禁止をなんで毎日新聞は言わないのでしょうか。

更に申せば、F-4EJの爆撃装置や空中給油機能を「攻撃的」だとはずさせたのは当時の野党と、メディアでしたが軍事的にはヤクザのいいがかりに等しいわけです。


またぼくは16DDHのときにこれは空母へのスプリングボードだと警鐘を鳴らしましたが、当時16DDHの予算化に際しては野党もメディアも殆ど疑問視も反対もしなかったでしょう。例外はボクが教唆した週刊金曜日ぐらいのものです。
石破茂氏との共著で彼は当時の国会でこの問題を追求されたときに備えて、相当綿密に用意をしたが、まったく質問がなくて肩透かしを喰った、という話を紹介しています。

つまり野党も、毎日新聞を含めてメディアも軍事音痴で16DDHの意味が分かっていかったわけです。


防衛省は空母が必要であれば、堂々と建造すべきだ
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2013082800007.html

それはいずも級のときも同じ話です。
なにかあると言葉だけ、あるいは思い込みで騒ぎ出す。
ジャーナリストのやる仕事じゃないでしょう。そこいらの活動かと同じレベルです。


>だからといって、中国に対抗心を燃やして空母を持つというのでは、軍拡競争につながりかねない。

この一文をみても、書いた人間が中国の「攻撃型空母」と自衛隊が保有している「多目的空母」あるいは「軽空母」
は同じものだと思っていることがわかります。つまり完全な軍事音痴の思い込みであるということです。

むしろ、中国が勘違いして軍拡してくれればしめたものです。あちらのほうが何倍も多くの資源を注ぎ込まないといけない。


中国の空母建造の野望を歓迎する(上)――巨額の予算と低い能力
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2011100400009.html
中国の空母建造の野望を歓迎する(中)――米空母とはオトナと子供
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2011100500017.html
中国の空母建造の野望を歓迎する(下)――人民解放軍の弱体化へ
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2011100600003.html

少なくとも取材する限り、いずも空母化は島嶼防衛よりも、むしろ南シナ海で米国及び、その同盟国とのプレゼンスを強化して、中国に軍事予算の拡大を強要することに主眼をおいているように見えます。


>専守防衛とは、他国の脅威にならないことで自国の安全を維持する日本の基本戦略でもある。なし崩しに変えるかのような疑念を国内外に与えてしまうことを危惧する。

専守防衛とは敢えて後手にまわり、自軍の損害を許容するだけでなく、国内を戦場にすることを是とする「基本戦略」です。ところがこの社説の著者と、毎日新聞(社説は社の統一見解です)は空理空論のキレイな戦いだと夢想しているわけです。

そうやって幻想を振りまいて読者をミスリードしているわけです。
まあ、政府に媚を売って、我々専門記者を記者会見から排除し、テメエ達だけ定率減税適用してもって甘い汁を吸おういう卑しい根性の連中にふさわしい駄文であるといえるでしょう。


■本日の市ヶ谷の噂■
空自ファイターマフィアは装備庁にエース級を送り込み、よせばいいのに国産戦闘機開発を成就させようと躍起との説。

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コメント(15件)

内 容 ニックネーム/日時
F35戦闘機、105機購入へ うち42機は「空母」向けのF35B
https://mainichi.jp/articles/20181213/k00/00m/010/063000c
F35Bかなり買うんですね。2飛行隊分ですか。
その分A型が少なくなりますが、F3で増すつもりでしょうか?

「空自ファイターマフィアは装備庁にエース級を送り込み、よせばいいのに国産戦闘機開発を成就させようと躍起との説。」マフィア、しかもエース級って...成就させたかったらF2開発が終わって量産フェーズに移った時から次世代機の研究開発をやっておくべきでしたね。
やれやれ
2018/12/13 16:51
毎日新聞を含めて、日本のメディアはいつまで攻撃型空母とか専守防衛に拘るのですかね?

正直、もうウンザリです。
Masaya Hariu
2018/12/13 18:12
>>>軍拡

『空母いぶき』の作中でも、同じような国会のやり取りがあったような。毎日新聞とか東京新聞とか赤旗の記者さん達の中では、とてつもない強力無比な侵略兵器になっているのでしょうね。

>防衛大綱 「空母」明記へ/骨子案提示 F35B運用 事実上の攻撃型

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-12-12/2018121201_01_1.html

>いずも「空母化」与党了承 大綱案に事実上明記 専守防衛逸脱の恐れ

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018121290065823.html

すっかり沙汰止みになりましたが、かなり昔、空中給油機導入を巡る論議もありましたね。「空中給油して航続距離が長くなると、他国の脅威になる!」でしたか。今では誰も気にしませんけど(^_^)。「いずも」にF-35が着艦したら、また大騒ぎになるでしょうけど何年かすれば、すっかり慣れて皆さん、文句を言った事すら忘れていそうですね。

>ヘリ護衛艦の分類変えず=改修後の「いずも」型ー防衛省方針

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181213-00000103-jij-pol

これはこれで、酷いと思います。いつまで正面切って議論しないつもりなのでしょうね。
KU
2018/12/13 19:21
そもそも兵器の定義だって時代によって変遷しています。例えば155ミリ砲だって年代までは20キロ強、ロケットアシストつかっても30キロがせいぜい。ところが南アのG5がでていきなり39キロに射程が伸びて、ロケットアシストつかえば50キロを超えます。さらに薬室を23リットルから26リットルに代えたタイプでは射程は70キロを超えます。

仰天です。
19190213
2018/12/13 22:12
榴弾砲の話を例に出されていますが、近頃は小火器から榴弾砲まで初弾必中が世界の趨勢という印象を受けます。
射距離と精度は反比例しますが、榴弾砲の場合はGPS砲弾が出てきました。
M777がGPS砲弾で40km先の敵部隊を仕留めたという話もあります。
小火器からグレネードランチャーまで光学照準器搭載が当たり前ですし、モノによっては弾道計算機が搭載されています。
小火器やRWSはもちろん、榴弾砲でも陸自の取り残されが進んでいきそうですね。
CPR
2018/12/14 05:06
>離島防衛 「いずも」改修で抑止力高めよ

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20181213-OYT1T50123.html?from=ycont_top_txt

今ごろになって、やれ「調達のやり方を変えろ!」とか言われても...。10年くらい遅すぎますよ。にしても、『壊滅的破壊をもたらす「攻撃型空母」』ってorz。WWII以降の戦争で、空母だけで相手に壊滅的破壊をもたらした戦争って、ありましたっけ?
KU
2018/12/14 06:37
>海にも出る陸自、攻撃ヘリに求めるものは?ベル社AH-1Z、次期ヘリ選定に自信アリ

http://trafficnews.jp/post/82335

イージスアショアだの、攻撃型空母だのを導入することには敏感な与野党の議員のセンセイ方やマスコミの皆さんも、こうした装備の導入には無関心なんですかね?
KU
2018/12/14 08:05
F-15Jは空中給油出来るんですけど…
oz
2018/12/14 10:58
KUさん、
「にしても、『壊滅的破壊をもたらす「攻撃型空母」』ってorz。」その次の丁寧に説明する事が大切って、現政権で国民が納得するような丁寧な説明って何かありましたっけ?この説明の内容の方がorzになりそうな予感がします。

「海にも出る陸自、攻撃ヘリに求めるものは?ベル社AH-1Z、次期ヘリ選定に自信アリ」
「こうした装備の導入には無関心なんですかね?」
既に前機種のAH-1Sは導入されていますからね。
F35Bを導入する事に比べたら誤差以下かと。
やれやれ
2018/12/14 11:43
F-15の給油能力
ご指摘あります。勘違いです。訂正します。
キヨタニ
2018/12/14 20:13
「中国海軍に対抗して我々も空母を保有したい」という子どもっぽい見栄と「米軍様の都合に合わせていつでもお貸ししますよ」という在日米軍へのゴマすりが空母保有の真の動機、って知れたら、野党もマスコミも一般国民も怒る前に呆れかえることでしょうな。(やれやれ様も別の日記で似たようなことを書いてませんでしたっけ?)

空母より、病院船を導入した方がコスパが良いと思います。貧弱な自衛隊の救急医療体制を強化できるし、大災害や大事故が発生した場合は被災者を輸送&治療できるし、マスコミも野党も反対しないし。海外派遣しても中韓その他が「日本が軍事大国化している〜」って因縁つけることもない。

世界最大の病院船=米海軍所属、初寄港−東京
https://archive.li/EZAxK#selection-655.0-655.21
被本塁打大王
2018/12/14 20:22
しかしAH64は何だったんでしょうか
少額納税者
2018/12/14 21:04
お邪魔します。
 結局は「四は死、九は苦に通じる」といった「イメージの連鎖・弄び」でしょう。「イメージの連鎖」が"空気"を作り、"空気"によって物事が決められるのが我が日本なのです。F4の爆撃装置が外されたのは、空自としては「敵にやられている陸自の部隊を、指をくわえて見ているわけにはいかない」だったからかも知れませんが、取り外しを要求した人達は「爆撃」と言えば「日本の各都市を焼き払ったB29のそれ」しか思い浮かべられず、「B29がやったのは戦略爆撃といった爆撃の一部で、F4なんかで戦略爆撃なんかできない」と言っても、それを「屁理屈」としてしか捉えられなかったのではないかと。
それと「専守防衛」については「敵が日本本土にまで到達したら降伏するに違いない」とでも思っているのかも知れませんが、実際その状況になった時の"空気"次第では分かりませんし、敢えて井伊直弼になれるだけの度胸がある政治家がいるようにも思えません。日露戦争後、日本に既に戦う力が残っていなかったにも関わらず、日比谷の焼き討ちとかもありましたし。
ブロガー(志望)
2018/12/15 21:23
攻撃型空母だとかの定義は、やはり微妙よね

あえて言えば、敵主力艦隊や、敵主力母港への打撃が可能な攻撃力を持つことの出来る空母、だとかがそれに相当するのでは?

それを考えると、インビジブル級やいずも級は、そうではないかと。

昔みたいに空母部隊として、六隻を投入だとかも、どこの国でも不可能だろうし。
中国もどうにか、竣工してるレベルだしね。

ネービーサンのアメリカ級の揚陸艦でも、数を揃えるのは不可能か。

それを考えると、巡航ミサイル艦を揃えた方がよいのかもね。

軍用ドローンの発展ぶりも、読み切るのもむずいけど。
aaa
2018/12/16 18:07
本日、「軍事研究」2019年1月号を手に取り、文谷数重氏の「空母戦力は大陸深奥の戦略拠点を狙う」を読みました。

ざっくり言うと「射程距離の長い対艦ミサイル等を備えた水上艦の登場で、大型正規空母の存在価値が減少しつつある」「そこで米海軍は新たな空母の任務として中国大陸深奥の『大後方』(雲南、四川等)の戦略拠点をぶっ叩くことを計画している」「新たな空母艦載機としてスパホをF-35Cに替えたり、無人ステルス空中給油機を実用化しようとしているが、これも空母の新任務のため」という内容でした。

「カネと人材の豊富な米軍ですら、大型正規空母は持て余しものになりつつあるのか。ならば、米軍よりはるかに小規模な自衛隊は『空母保有の夢』を追うより、既存の護衛艦に長距離対艦ミサイルや航続距離の長いドローン等を持たせた方がコスパが良いんじゃないの?」との感想を抱きましたが、いかがでしょうか?

…って、aaa様の「巡航ミサイル艦を揃えた方がよい」との意見とほぼ同じ?
被本塁打大王
2018/12/21 19:39

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