防衛航空宇宙産業に対する報道 韓国の方が我が国よりも遥かにマトモで健全。
国産といっていたが…韓国型機動ヘリ「スリオン」、核心装置はまだ輸入
中央日報日本語版 2014年12月13日
http://japanese.joins.com/article/971/193971.html?servcode=300§code=300
こういう自国の防衛航空宇宙産業や軍の装備の問題点に切り込む報道がなされる分だけ、韓国の方が我が国よりも遥かにマトモです。
我が国は記者クラブ制度という宿痾もあり、大手メディアは防衛装備や防衛航空宇宙産業に関して無関心です。これらに税金が投じられており、それをメディアが監視するという意識が欠けています。防衛省担当記者は勿論、経済部や産業部の記者も興味がありません。
先にぼくは防衛省の定例会見で江渡防衛大臣にティルトローター機のオスプレイ以外の候補について質問をしたのですが、大臣はいけしゃあしゃあとAW609も候補として上げました。
これはダンプカーの候補に軽ワゴンを挙げているようなもので、他国だったらメディアから袋叩きになっていたケースです。
ですが、これについて報道したマスメディアはありませんでした。
そのくせオスプレイはよく落ちるとか、根拠の怪しいトンデモな話を根拠にしたネガティブ来キャンペーンに熱心だったのは不思議です
この件をもっと突っ込めば、「大嫌いな」オスプレイの導入の不透明さを追求できたでしょうに。
それでもって、UH-Xやらスキャンダルという「祭り」になると大騒ぎをします。
政治部や社会部、経済部が横断的なチームを作って取材をすることがほとんどなく、断片的な取材で終わります。例えばヘリであれば日本のヘリ産業をどうしていくべきか、そういう視点での報道すらありません。単にスキャンダルを面白おかしく報じるだけ。
それでいて役所の縦割り批判するわけですが、目くそ鼻くそを嘲笑うです。
で、騒ぎが終わると忘れてしまって、防衛調達の報道は無くなります。
メディアがモンダイを報道しないから、メデイアリテラシーの低い軍オタやら安っすい愛国者の類が、「我が自衛隊の装備に問題なし、世界の最先端をいっている実戦的な装備を開発、しているのだ」と、思い込んでしまうわけです。
さて韓国のヘリ技術移転ですが、基本的にエアバスヘリが、将来の競争相手になるであろう韓国に核心部分の技術を完全に渡すわけはありません。これは中国に対しても同じです。また仮に渡しても簡単に同じものが作れるわけじゃありません。非常に高い経験工学的なノウハウが必要です。
ですから韓国が自力で輸出市場を開拓できるはずもなく、自力で売れるヘリを作れるようになるには10年単位の年月がかかるでしょう。
それでもヘリ産業育成のため、必要な数機種を一機種に絞り、挙国致体制をつくって輸出も行おうという姿勢を馬鹿にはできません
翻って我が国の場合、BK117以外メーカー3社が、国内の民間市場も全く取れない体たらくで、防衛省市場という公共事業にたかっている寄生虫です。
自前でマトモな製品も作れず、将来市場に打って出るつもりも無いのに、外国製の3~6倍も高いライセス品を細々と生産して税金を無駄遣いしています。
やっていることは政治家に献金して公共事業で食っている地方の土建屋と同じです。
国家という親にタカっている中年のニートのようなものです。
OH-1にしても実戦では使い物ならないくせに、値段だけは高くて250機の調達予定が僅か34機で打ち止めです。メーカーもダメなら、自衛隊、防衛省も当事者意識が欠けています。
ですからマトモなヘリを開発する能力がありません。実戦よりも自衛隊村の利益調整ばかりに熱心ですから、まともな仕様や調達計画が作れません。
空自のUH-60Jにしても、調達単価24億円弱で調達するはずが、未だに40億円程度しています。しかも空自の公式見解は「劇的に価格を下げる方策はありません。頑張ります」です。
装備部の能力が著しく低いのか、官製談合なのかその両方なのかを疑われてしかたありあせん。ですが、マスメディアはこのようなケースでも取り上げようとしません。
防衛航空宇宙産業という括りで国家が関与しない、あるいはできないから、防衛省も経産省も当事者意識がないし、産業として自立させようというプランもない。
まさに縦割りの弊害です。本来政治が何とかすべきですが、防衛装備にマトモな見識をもった政治家がほとんどおらず、防衛産業の現状維持と予算の拡大だけを騒ぐ、声が大きくて程度の低い連中ばかりです。
こうして税金が浪費されているわけです。
自立する気のない国内ヘリ産業の維持にカネを使うくらいならば、東北の復興やら待機児童対策にそのカネを使うべきです。
ところが自衛隊応援団的な「国士」的なジャーナリストやら「保守の論客」の方々は、「自衛隊は常に正しい、防衛産業は予算削減の被害者だ、財務省が悪い、防衛予算を増やせ」と壊れたテープレコーダーのように妄言を繰り返すだけです。
で、当事者能力の低い業界と防衛省を甘やかしています。
こういう現状を見るにつけ、韓国の方が余程まともな報道をしているように見えて仕方ありません。
東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
「駐在武官」を機能させるために必要なこと
増員だけでは強化にはならない
http://toyokeizai.net/articles/-/55366
『なぜ自衛隊は「暴発する機銃」を使うのか』
2014年11月09日
http://toyokeizai.net/articles/-/52889
アパッチ攻撃ヘリの調達、なぜ頓挫?
問われる陸自の当事者能力
2014年11月02日
http://toyokeizai.net/articles/-/51971
オスプレイ選定の不透明、対抗馬は商用機?防衛省は「複数候補から選んでいる」と強弁
2014年10月26日
http://toyokeizai.net/articles/-/51614
御嶽山への自衛隊派遣、口を挟むとサヨク?必要なのは事実に基づく冷静な議論
2014年10月05日
http://toyokeizai.net/articles/-/49744
戦傷者は「想定外」という、自衛隊の平和ボケ
「国内では銃創や火傷は負わない」との前提
2014年09月17日
http://toyokeizai.net/articles/-/47994
strong>WEBRONZA+に以下の記事を寄稿しました。
厚生年金強制加入は、景気をさらに悪くする
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014111400007.html?iref=webronza
Japan in Depth に以下の記事を寄稿しました。
【防衛省・高機動パワードスーツ開発は税金のムダ】~装備開発の在り方、抜本的に改めよ
http://japan-indepth.jp/?p=12178
【防衛駐在官の質の向上を図れ】~外務省出向システムでは機密情報が防衛省や内閣府に届かない?~
http://japan-indepth.jp/?s=%E6%B8%85%E8%B0%B7%E4%BF%A1%E4%B8%80
中央日報日本語版 2014年12月13日
http://japanese.joins.com/article/971/193971.html?servcode=300§code=300
こういう自国の防衛航空宇宙産業や軍の装備の問題点に切り込む報道がなされる分だけ、韓国の方が我が国よりも遥かにマトモです。
我が国は記者クラブ制度という宿痾もあり、大手メディアは防衛装備や防衛航空宇宙産業に関して無関心です。これらに税金が投じられており、それをメディアが監視するという意識が欠けています。防衛省担当記者は勿論、経済部や産業部の記者も興味がありません。
先にぼくは防衛省の定例会見で江渡防衛大臣にティルトローター機のオスプレイ以外の候補について質問をしたのですが、大臣はいけしゃあしゃあとAW609も候補として上げました。
これはダンプカーの候補に軽ワゴンを挙げているようなもので、他国だったらメディアから袋叩きになっていたケースです。
ですが、これについて報道したマスメディアはありませんでした。
そのくせオスプレイはよく落ちるとか、根拠の怪しいトンデモな話を根拠にしたネガティブ来キャンペーンに熱心だったのは不思議です
この件をもっと突っ込めば、「大嫌いな」オスプレイの導入の不透明さを追求できたでしょうに。
それでもって、UH-Xやらスキャンダルという「祭り」になると大騒ぎをします。
政治部や社会部、経済部が横断的なチームを作って取材をすることがほとんどなく、断片的な取材で終わります。例えばヘリであれば日本のヘリ産業をどうしていくべきか、そういう視点での報道すらありません。単にスキャンダルを面白おかしく報じるだけ。
それでいて役所の縦割り批判するわけですが、目くそ鼻くそを嘲笑うです。
で、騒ぎが終わると忘れてしまって、防衛調達の報道は無くなります。
メディアがモンダイを報道しないから、メデイアリテラシーの低い軍オタやら安っすい愛国者の類が、「我が自衛隊の装備に問題なし、世界の最先端をいっている実戦的な装備を開発、しているのだ」と、思い込んでしまうわけです。
さて韓国のヘリ技術移転ですが、基本的にエアバスヘリが、将来の競争相手になるであろう韓国に核心部分の技術を完全に渡すわけはありません。これは中国に対しても同じです。また仮に渡しても簡単に同じものが作れるわけじゃありません。非常に高い経験工学的なノウハウが必要です。
ですから韓国が自力で輸出市場を開拓できるはずもなく、自力で売れるヘリを作れるようになるには10年単位の年月がかかるでしょう。
それでもヘリ産業育成のため、必要な数機種を一機種に絞り、挙国致体制をつくって輸出も行おうという姿勢を馬鹿にはできません
翻って我が国の場合、BK117以外メーカー3社が、国内の民間市場も全く取れない体たらくで、防衛省市場という公共事業にたかっている寄生虫です。
自前でマトモな製品も作れず、将来市場に打って出るつもりも無いのに、外国製の3~6倍も高いライセス品を細々と生産して税金を無駄遣いしています。
やっていることは政治家に献金して公共事業で食っている地方の土建屋と同じです。
国家という親にタカっている中年のニートのようなものです。
OH-1にしても実戦では使い物ならないくせに、値段だけは高くて250機の調達予定が僅か34機で打ち止めです。メーカーもダメなら、自衛隊、防衛省も当事者意識が欠けています。
ですからマトモなヘリを開発する能力がありません。実戦よりも自衛隊村の利益調整ばかりに熱心ですから、まともな仕様や調達計画が作れません。
空自のUH-60Jにしても、調達単価24億円弱で調達するはずが、未だに40億円程度しています。しかも空自の公式見解は「劇的に価格を下げる方策はありません。頑張ります」です。
装備部の能力が著しく低いのか、官製談合なのかその両方なのかを疑われてしかたありあせん。ですが、マスメディアはこのようなケースでも取り上げようとしません。
防衛航空宇宙産業という括りで国家が関与しない、あるいはできないから、防衛省も経産省も当事者意識がないし、産業として自立させようというプランもない。
まさに縦割りの弊害です。本来政治が何とかすべきですが、防衛装備にマトモな見識をもった政治家がほとんどおらず、防衛産業の現状維持と予算の拡大だけを騒ぐ、声が大きくて程度の低い連中ばかりです。
こうして税金が浪費されているわけです。
自立する気のない国内ヘリ産業の維持にカネを使うくらいならば、東北の復興やら待機児童対策にそのカネを使うべきです。
ところが自衛隊応援団的な「国士」的なジャーナリストやら「保守の論客」の方々は、「自衛隊は常に正しい、防衛産業は予算削減の被害者だ、財務省が悪い、防衛予算を増やせ」と壊れたテープレコーダーのように妄言を繰り返すだけです。
で、当事者能力の低い業界と防衛省を甘やかしています。
こういう現状を見るにつけ、韓国の方が余程まともな報道をしているように見えて仕方ありません。
東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
「駐在武官」を機能させるために必要なこと
増員だけでは強化にはならない
http://toyokeizai.net/articles/-/55366
『なぜ自衛隊は「暴発する機銃」を使うのか』
2014年11月09日
http://toyokeizai.net/articles/-/52889
アパッチ攻撃ヘリの調達、なぜ頓挫?
問われる陸自の当事者能力
2014年11月02日
http://toyokeizai.net/articles/-/51971
オスプレイ選定の不透明、対抗馬は商用機?防衛省は「複数候補から選んでいる」と強弁
2014年10月26日
http://toyokeizai.net/articles/-/51614
御嶽山への自衛隊派遣、口を挟むとサヨク?必要なのは事実に基づく冷静な議論
2014年10月05日
http://toyokeizai.net/articles/-/49744
戦傷者は「想定外」という、自衛隊の平和ボケ
「国内では銃創や火傷は負わない」との前提
2014年09月17日
http://toyokeizai.net/articles/-/47994
strong>WEBRONZA+に以下の記事を寄稿しました。
厚生年金強制加入は、景気をさらに悪くする
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014111400007.html?iref=webronza
Japan in Depth に以下の記事を寄稿しました。
【防衛省・高機動パワードスーツ開発は税金のムダ】~装備開発の在り方、抜本的に改めよ
http://japan-indepth.jp/?p=12178
【防衛駐在官の質の向上を図れ】~外務省出向システムでは機密情報が防衛省や内閣府に届かない?~
http://japan-indepth.jp/?s=%E6%B8%85%E8%B0%B7%E4%BF%A1%E4%B8%80
この記事へのコメント
コンプレックスに現実逃避したい心理なのかなぁ?
確かに軍事は外交の一部ではありますが、これを軽視している大国(自称含む)は日本くらいのものでしょう。
いい加減30年位前に正式採用した拳銃が、ろくに改良もされずに自衛官の腰にぶら下がってる事や国産兵器の開発にまつわる問題点を突っ込める政治家や記者が出てこないもんですかね~
日本人の良い面なのか悪い面なのか、わかりませんが空気を読むことが暗黙のルールのようになっているような気がします。空気を読むより時代を読むことが大事ではないでしょうか?
持論としてマスメディアは第4の権力です。政治のチェック機能という役割があります。ウオーター・ゲート事件では大統領のクビを飛ばしました。最近ではウィキリークスの存在です。ジャーナリストには反骨精神が求められるのではないでしょうか?
彼らはいざとなったらそれこそ誰より命が掛かってくるのですから、氏と同じ、言ってみれば当たり前の思いを持つのでしょう。
問題はトップの連中ですね。それとやはり政治家、メディア連の、今もって自分の身に降りかかってくるという緊迫さを感じていない鈍感さでしょう。
メディアは相変わらず、スキャンダル系統になるものしか興味は無く、先の大戦時のように社会不安を書いて、或はそうなるように国民を仕込んで(朝日?)新聞を売る事しか考えなかった時と変わっていないように思えます。
だからこそ、氏のような評論家が必要となってくるのだと思います。
現在の中堅隊員達がトップになり始めたら、幾分変わってくるでしょうか?
是非、変わってほしいと思いますが、他省庁の官僚も若い時は改革心を持っているが、自分がいざ、トップになると先輩天下りの体制を壊す事ができず取り込まれるか、止めるしかないという状況ですから、その点が唯一、心配ですね。
韓国の戦う相手は北朝鮮という「何もしなければ負けるが、努力をすれば(怠らなければ)勝てる可能性のある相手」です(=努力のしがいか有る)。しかし日本の場合は相手は「かつては旧ソ連、今は中国(北朝鮮の後ろ盾も中国)」といった「一対一のデスマッチ(核兵器の使用もありえる)では日本に到底勝ち目の無い、アメリカ様が助けてくれなかったらやられるしかない」相手です(=努力のしがいか無い)。それゆえに「軍事的に真っ当な努力」などしようという気が起こらないのでしょう。「真っ当な努力」を放棄しているから「高額兵器への執着」といった事が起こるのではないかと思われます(どうせ戦争になったらやられるしか無いから、せめて欲しい物くらい買いたい?)。「戦争=一対一または多勢に無勢のデスマッチ」ではなく、「戦争も他の人間の行為と同じく、リターンとリスクとコストのバランスの上にあるもの」という認識が必要と思われます。無論「リターンとリスクとコスト」はあくまでその国が考えるそれですが(例えばロシアにとってはクリミアの(ロシアにとっての)奪還>欧米との関係)。
自分は元幹部自衛官です。20年間の見識と経験から、ろくさんの疑問と疑問についてお答えします。
1 トップの意識について?
正直に申しますと、危機感や当事者意識は欠如していると言わざるを得ません。理由は簡単、お客がいない、試合という評価がない、倒産しないので組織防衛、保身、インナーサークル、自己利益に走ります。組織文化 陸は動脈硬化、海は唯我独尊、空は支離滅裂となります。よく倒産した企業の共通点として経営陣の危機管理や当事者意識がないのと同じです。しかし、3佐以下の中堅幹部=中間管理職や2曹以上のベテランは危機意識や問題意識を持っている方が多いです。226の青年将校もそうです。ノモンハン事変で赤軍のジューコフ将軍曰く、日本軍の高級将校は無能であるが下士官は優秀で、下士官が指揮官だったら負けていただろう!2 中堅隊員がトップ層になれば良くなる?
多分良くなるでしょう。40歳から若い隊員はバブル崩壊後、しっかりとした基準で採用されているので、能力や資質ではバラツキは少ないし、人材の質は概ね均質になっています。冷戦・バブル期に入隊した40代、50代はピンからキリの格差が大です。信じられない頭の悪さ、幼稚、無能さが特徴です。防衛省の統計で懲戒処分を受けた割合が多いのはバブル期入隊の中年の老兵です。そのバブル隊員は癌細胞・不良債権で組織のパフォーマンスを低下し、そのことにうんざりして辞めた中堅・中核層が増えています。自分もその一人です。自分が若手の新人だった頃は中堅層が離職・自殺・メンタルダウンしている方は今よりもかなり少ないです。5年~10年後はまともになると思います。政策・制度・予算は永田町の問題ですので どうなるのかわかりません。答えになっていないかもしれませんが説明させていただいました。
記者クラブの問題は、記者クラブが
目の前の直接的な人間関係>>社会に於ける己の役割
である事が問題と思われます。儒教の「父は子の為めに隠し、子は父の為に隠す」に関し孟子の弟子が孟子に「伝説の帝王舜の父親が殺人を犯して連行されてきたら、その時舜はどうするか」と問うたら孟子は「地位を捨てて父親を選ぶ」と答えたと聞いています。もし仮に「直接的な人間関係」が優先なのであれば「役割」を捨てていただきたいものです。例えば特定の団体が発行している機関紙であれば、記事の内容は「あくまでのその団体の見解」ですから。