愛国という商売
昨今、日本人は凄い、外国から賞賛されている、日本人は優秀だ、自衛隊は強いとかいう愛国心をくすぐるような書籍やら雑誌の企画が増えています。
同様に韓国や中国の欠点をあげつらう本も同じように売れております。
戦後長い間、日本はダメだとか、戦前は全部間違っていたとか、東側やら連合軍側のプロパガンダが幅を利かせてきました。朝日の慰安婦報道などもその延長にあるわけですが、そのような声がマスメディアに多く影響を与えて、バイアスのかかった、いわゆる自虐的なメタリティや歴史観が形成されきました。
何しろぼくの中学時代でも「北朝鮮はこの世の天国」なんて言う社会科の教師は少なくありませんでした。
また中国や韓国、北朝鮮に過剰に配慮する風潮がマスメディアにありました。
更には未だにそうですが、左翼活動家は「市民の団体」と報道され、右翼団体は右翼と報道されているという不平等もまかり通っております。
このような世情に対して保守の論壇が劣勢な反論を繰り返してきました。
ですが、現状は熱きに懲りて膾を吹く的な感じがします。
確かにプロパガンダに基づく誤った知識やイデオロギーに反論することは必要です。
ですが、過剰に自国の優位性を主張したり、旧軍はすべて正しいとか、特攻を肯定するような過剰なナショナリズムは戦前のアレな時代と同じような感じがします。
日本は良い国、優れた国と主張するのは結構ですが、ご自分がどれだけ日本人として他国に誇れるような行動をとっているのか省みるべきでしょう。
ネットで周辺諸国の悪口を書き散らすことは「優れた日本人」のやることでしょうかね。
周囲から評価されない、職がない、異性にモテない、あまりいい思いをしたことがない、自分に自信ない。誇れるのは日本人という事実だけ。
これは欧米のプアホワイトと同じです。アメリカ人、あるいはフランス人であるということだけがレーゾンデートルとなっているわけです。
自分の国を過度に卑下する必要もありませんが、過剰な選民意識が正しいかといえばちがうでしょう。選民意識はコンプレックスの裏返しだったりします。
例えば日本のいいところが7割あって悪いところが3割あったとしましょう。
かつての自虐的な報道が3割だけを報道、あるいは6割に膨らましていたとしましょう。
これは許されることではありません。
ですが、だからといって3割の悪いところに目をつぶり、7割のいい部分だけ、あるいはそれを120パーセントに膨らまし日本は良い国、強い国と主張するのは愚かで知的な行為とはいえません。
ちまたで日本マンセー、自衛隊マンセー的な本を書いている人達や出版社が何故それを書くか、それは儲かるからです。
「愛国」は商売として旨味があるからです。
威勢のいい、愛国心をくすぐる本は良く売れます。
読むと誇らしい感じになって気持ちが良くなるからでしょう。まあ、酒を飲むようなものです。
リテラシーが低く、自己愛欲求が強い、ある意味純朴な人間ほど騙し易いものです。新興宗教にハマるのはこの手の人達です。
無論真摯な志を持って書いている人もいますが、「商業的愛国者」も少なからずいるように思います。
自衛隊を全面肯定をすれば防衛省の覚えもめでたいわけです。
取材もあれこれアレンジしてくれるわけで、タダでネタを仕込めます。また防衛省が著作を買ってくれたりもするでしょう。部隊の図書館がその手の本だらけになれば隊員もそれを真に受けるかもしれません。
どんな組織にも光の部分と影の部分があります。
それを自衛隊は太陽のように輝ける存在だといわんばかりに、ポジティブな面ばかり書いたものを読んでいると実態を見誤ります。実際自衛隊内のいじめや自殺も多いわけです。
あたしゃ、左翼よりもこの手の愛国を食い物にする連中の方が余程たちが悪いと思いますけどね。
儲けるため書かかれた「愛国書籍」を嬉々として読むのは知的な行為とは言えません。ある種詐術にかかっているようなものです。
まあ、前の戦争のときも朝日新聞やら多くのメディアが軍を褒めたたえ、戦争を煽り、それに多数の国民が乗っかって、行くとこまで行っちゃったわけです。
楽しい愛国書籍を読むよりも、まともな歴史の本でも読むほうが宜しいのではないでしょうか。
新しい防衛航空宇宙専門サイトを始めました。
「東京防衛航空宇宙時評・Tokyo Defence & Aerospace Review」
http://www.tokyo-dar.com/
strong>NEXT MEDIA "Japan In-Depth"[ジャパン・インデプス]に以下の記事を寄稿しております。
NEW<海上自衛隊のシーレーン防衛はフィクション>日本には戦時に守る対象となる自国の商船隊が存在しない
http://japan-indepth.jp/?p=6994
<バーバリーと三陽商会>ファッション業界「ライセンスビジネス」の怪
http://japan-indepth.jp/?p=6198
<防衛産業も営利企業>政府は防衛産業の持続可能な利益確保の必要性を国民に説明すべき。
http://japan-indepth.jp/?p=5052
<武器禁輸緩和>安倍政権は「防衛装備生産基盤の危機回避」という本意を国民に説明せよ
http://japan-indepth.jp/?p=5014
<200億円の海自P-1哨戒機>性能も怪しい高コスト機の開発ではなく現有機の近代化を
http://japan-indepth.jp/?p=4818
朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しました
NEW国連加盟は憲法違反である
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014061900005.html?iref=webronza
国益のために国内ヘリ産業を潰すべきだ
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014051200007.html?iref=webronza
ロシアとウクライナが簡単に刀を抜けない理由
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014041500002.html
知られざる日本発のクールジャパン的ヒット商品「エア・ソフト・ガン」はなぜ市場を失いつつあるのか?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014032400011.html
同様に韓国や中国の欠点をあげつらう本も同じように売れております。
戦後長い間、日本はダメだとか、戦前は全部間違っていたとか、東側やら連合軍側のプロパガンダが幅を利かせてきました。朝日の慰安婦報道などもその延長にあるわけですが、そのような声がマスメディアに多く影響を与えて、バイアスのかかった、いわゆる自虐的なメタリティや歴史観が形成されきました。
何しろぼくの中学時代でも「北朝鮮はこの世の天国」なんて言う社会科の教師は少なくありませんでした。
また中国や韓国、北朝鮮に過剰に配慮する風潮がマスメディアにありました。
更には未だにそうですが、左翼活動家は「市民の団体」と報道され、右翼団体は右翼と報道されているという不平等もまかり通っております。
このような世情に対して保守の論壇が劣勢な反論を繰り返してきました。
ですが、現状は熱きに懲りて膾を吹く的な感じがします。
確かにプロパガンダに基づく誤った知識やイデオロギーに反論することは必要です。
ですが、過剰に自国の優位性を主張したり、旧軍はすべて正しいとか、特攻を肯定するような過剰なナショナリズムは戦前のアレな時代と同じような感じがします。
日本は良い国、優れた国と主張するのは結構ですが、ご自分がどれだけ日本人として他国に誇れるような行動をとっているのか省みるべきでしょう。
ネットで周辺諸国の悪口を書き散らすことは「優れた日本人」のやることでしょうかね。
周囲から評価されない、職がない、異性にモテない、あまりいい思いをしたことがない、自分に自信ない。誇れるのは日本人という事実だけ。
これは欧米のプアホワイトと同じです。アメリカ人、あるいはフランス人であるということだけがレーゾンデートルとなっているわけです。
自分の国を過度に卑下する必要もありませんが、過剰な選民意識が正しいかといえばちがうでしょう。選民意識はコンプレックスの裏返しだったりします。
例えば日本のいいところが7割あって悪いところが3割あったとしましょう。
かつての自虐的な報道が3割だけを報道、あるいは6割に膨らましていたとしましょう。
これは許されることではありません。
ですが、だからといって3割の悪いところに目をつぶり、7割のいい部分だけ、あるいはそれを120パーセントに膨らまし日本は良い国、強い国と主張するのは愚かで知的な行為とはいえません。
ちまたで日本マンセー、自衛隊マンセー的な本を書いている人達や出版社が何故それを書くか、それは儲かるからです。
「愛国」は商売として旨味があるからです。
威勢のいい、愛国心をくすぐる本は良く売れます。
読むと誇らしい感じになって気持ちが良くなるからでしょう。まあ、酒を飲むようなものです。
リテラシーが低く、自己愛欲求が強い、ある意味純朴な人間ほど騙し易いものです。新興宗教にハマるのはこの手の人達です。
無論真摯な志を持って書いている人もいますが、「商業的愛国者」も少なからずいるように思います。
自衛隊を全面肯定をすれば防衛省の覚えもめでたいわけです。
取材もあれこれアレンジしてくれるわけで、タダでネタを仕込めます。また防衛省が著作を買ってくれたりもするでしょう。部隊の図書館がその手の本だらけになれば隊員もそれを真に受けるかもしれません。
どんな組織にも光の部分と影の部分があります。
それを自衛隊は太陽のように輝ける存在だといわんばかりに、ポジティブな面ばかり書いたものを読んでいると実態を見誤ります。実際自衛隊内のいじめや自殺も多いわけです。
あたしゃ、左翼よりもこの手の愛国を食い物にする連中の方が余程たちが悪いと思いますけどね。
儲けるため書かかれた「愛国書籍」を嬉々として読むのは知的な行為とは言えません。ある種詐術にかかっているようなものです。
まあ、前の戦争のときも朝日新聞やら多くのメディアが軍を褒めたたえ、戦争を煽り、それに多数の国民が乗っかって、行くとこまで行っちゃったわけです。
楽しい愛国書籍を読むよりも、まともな歴史の本でも読むほうが宜しいのではないでしょうか。
新しい防衛航空宇宙専門サイトを始めました。
「東京防衛航空宇宙時評・Tokyo Defence & Aerospace Review」
http://www.tokyo-dar.com/
strong>NEXT MEDIA "Japan In-Depth"[ジャパン・インデプス]に以下の記事を寄稿しております。
NEW<海上自衛隊のシーレーン防衛はフィクション>日本には戦時に守る対象となる自国の商船隊が存在しない
http://japan-indepth.jp/?p=6994
<バーバリーと三陽商会>ファッション業界「ライセンスビジネス」の怪
http://japan-indepth.jp/?p=6198
<防衛産業も営利企業>政府は防衛産業の持続可能な利益確保の必要性を国民に説明すべき。
http://japan-indepth.jp/?p=5052
<武器禁輸緩和>安倍政権は「防衛装備生産基盤の危機回避」という本意を国民に説明せよ
http://japan-indepth.jp/?p=5014
<200億円の海自P-1哨戒機>性能も怪しい高コスト機の開発ではなく現有機の近代化を
http://japan-indepth.jp/?p=4818
朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しました
NEW国連加盟は憲法違反である
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014061900005.html?iref=webronza
国益のために国内ヘリ産業を潰すべきだ
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014051200007.html?iref=webronza
ロシアとウクライナが簡単に刀を抜けない理由
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014041500002.html
知られざる日本発のクールジャパン的ヒット商品「エア・ソフト・ガン」はなぜ市場を失いつつあるのか?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014032400011.html
この記事へのコメント
前の戦争の時の事をもう忘れたのか、と。
あんまり人の事を言える立場では有りませんが自衛隊は実戦に耐えうる組織では有りませんし。
何よりも身内に足を引っ張る奴がいるのが・・・
今も昔も、拝金主義の輩が国益や倫理に構わず世論に迎合する事に変わりはないですので、惑わされない様に情報の真贋を見極める見識を改めて磨かねばと清谷氏のブログを見て思いました。
陸海空自衛隊24万人のうち、鬱病になった人間、これからなる人間、いったいどれくらい居るんだろう?
もちろん彼らは有事の際に無理の利く精神状態じゃない。でも彼らも定員に含まれている。
事実上予備役制度が無いも同然の自衛隊で、後詰めの居ない現役隊員としてカウントされている。嗚呼!
集団的自衛権やら日米同盟の深化やら勇ましいのも結構ですが、
この悲惨かつ深刻な現状をまず何とかして欲しい。
実際、40度の炎天下では、10戦車(に限らず)内の室温はどの位になるのでしょうね。車だと60度位になって、パチンコ馬鹿親により、車内に残された子供が熱射病で亡くなる悲惨な事件が毎年のように起こりますが、戦車内はどうなのでしょう。
真夏は戦車訓練は行わないのでしょうか。
隊員の方に聞いてみたいものですね。
だってどちらも同じ人間というか同じ集団でしょう。
例えば昭和20年に25歳の人間が社会からリタイアするのっていつ頃ですか。昔は定年が早かったから50歳としても昭和45年ですよ。
戦後になった瞬間に人間が総入替えされるわけではない。戦前戦中と同じ人間、同じ集団が社会を担い続けていたはずなのに。
確かに湿度は問題です。
ぼくはエル・アラメインに実際にいったことがあるのですが、乾燥していても大変ですよ。
比喩でなくボンネットで目玉焼きが焼けるし、風邪はドラヤーの中にいるみたいだし。よくもこんなところで戦争したものだと。両軍ともかなり暑さで消耗したことでしょう。
それとNBC兵器が使用されなったことが戦闘を可能にしました。アレでハッチを閉めきったらアウトでしょう。
やれと言われたらエアコンの有無に関わらずやらなければいけないのが兵隊さんの辛いとこ。
ただ今は技術が進んでいるのだから、その気になれば省エネタイプの冷房くらい労せず装備出来ると思うのですが・・・
程度の低い愛国は自虐教育がもたらした結果です。「愛」とは「受容」です。例えば人は家族を「完全無欠では無く欠点を持つ存在」として認識した上で「受容」しています。だから「愛」は「愛想入り混じった複雑な感情」なのです。しかし自虐教育によって国に対しそういった感情が持てなかった(持つ機会が無かった)ため、自国を「他国との比較」(我国は他国よりも優れている)の上でしか愛せないのです。日本人が「普通の愛国心」が持てるようになるには長い時間がかかるでしょう(今の世代では無理?)。ひょっとしたらその前に日本が無くなっているかも知れません。
このような内容は、ダブルバインドと呼ぶのがいいのでしょうか、なんと呼べばいいのか、、
「分っている者」にとってはわかっていることなので、、
でも「分っていない者」にとっては「理解できないこと」「自分のコトではない事」「何言っているの?」と、分っていないものに対してこのエントリの内容は届かない。
どーすればいいのか?と大昔悩んだんことがありますが、「バカにつける薬は無い」ということで諦めるしかないと。先人たちも悩んだ末のこの格言というか、なんでしょうねぇ
循環型水冷のジャケットなんか便利ですけどね。
それなりの快適性を求めるのは異論はないですが目的は戦闘であることを忘れてはいけません。
初期のUボートの内部って油や排泄物の匂いがすごかったとか。でも兵士はすぐになれて任務を全うしたとか。ベトナムのジャングルのアメリカ兵の任務は私には務まりません。でも泥水をすすり草を噛んでも踏ん張るのが兵士の役目ですよね。
問1「軍隊は必要だと思うか?」
「イエス」90%
問2「ボランティアなどで軍隊を積極的に支援するか?」
「イエス」80%
問3「自分の子弟に軍隊に入ることを奨めるか?」
「イエス」20%
うむ。さすがアメリカ。自分の子供を兵隊にしようという親がなんと2割もおるw
これが日本なら1%もおらんだろうな。
さすが世界のスーパーパワー。いや大したものですわw
清谷さんの記事、これからいっぱい読みます。軍事以外のネタにもどんどん切り込んでいってほしいです。
センセとその読者も鏡映しで全くおんなじなんですよねぇ。ブーメランが深々と刺さっておりますな。
本心はともかくセンセの市場価値は自衛隊と自民を批判するためにあるので、褒めるような記事書いても「非国民」扱いされて売れませんもんね。
結局結論先にありきのアンチ感情はその対象が自国だろうが他国だろうが非生産的ということですね。
まあ、大抵自己評価が異様に高くて頭は悪いようですがね。
ぼくは恥ずかしくてできませせんけどねえ。
まあオナニーみたいな愛国報道読んで自慰行為に励んでくださいとしか言いようがないですね。
まあ、大抵自己評価が異様に高くて頭は悪いようですがね。
ぼくは恥ずかしくてできませせんけどねえ。
まあオナニーみたいな愛国報道読んで自慰行為に励んでくださいとしか言いようがないですね。
ぼくは恥ずかしくてできませせんけどねえ。
ぼくは恥ずかしくてできませせんけどねえ。