COIN機を中国UAV対策に。
先日漢和代表ののピンコフと話していたのだけど、彼が中国のUAV対策用にCOIN機を導入してたらどうか、という話をしていましたが面白い案だと思います。
まず我が国ではUAV関連の法案もまだ整備されていないので、これらはUAV代わりのISRアセットとしても有用でしょう。
AT-6
スーパーツカノ(提供:エンブラエル)
無人機やISR用のプロペラ機相手にジェット戦闘機でスクランブルかける必要もないでしょう。燃料代もかさむし、機体の寿命も縮みます。
既存機ならばスーパーツカノやAT-6が最右翼ですが、洋上を長時間監視するのであればキングエア350型をベースにした「双発戦闘機」なんぞもいいでしょう。機首に12.7ミリ機銃を搭載するとかし、主翼下には4~6箇所ぐらいハードポイントをつけて、増槽やAAMでも搭載させれば宜しい。既存機の改造ですから割安です。
キングエア350は陸自がLR-2として採用していますから、整備の面でも有利です。
繰り返されるスクランブル 防空体制強化で飛行隊倍増 那覇基地http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131212/plc13121207510003-n1.htm
予算は陸自のAH-1なんぞを全部退役させれば、容易に予算は捻出できます。
なにせ攻撃ヘリよりも調達・維持コストが格段に安い。随分とおつりが来るでしょう。まあ本来は空自がやるべき任務ですが、空自は「安い戦闘機」を嫌うでしょうからね。
ですから、AH-1のリプレイスとして調達すればいい。どうせ旧式化し、近代化の予定もないAH-1なんぞ使い道はさほどないでしょう。維持するだけ予算の無駄です。最近は統合運用を進めると防衛省も言っております。
それといっそのこと、この手の戦闘機を「警戒機」とかかといって、海保に保有させるのも手です。そうすれば軍の戦闘機ではなく、警察組織の機体なわけですから、中国空軍がジェット戦闘機を繰り出してくれば国際社会で大問題となるでしょう。
そういえば陸自のAH-64Dどうするんでしょうかね。
陸自の説明が正しければ、現在のブロック2の部品は非常に近い将来枯渇します。
ブロック3にアップグレードという話も聞きませんしねえ。
AH-1を全部退役させて、AH-64DEを一個飛行隊輸入で調達。既存の機体も同じ仕様に米国でアップグレード。
あわせてターボプロップ戦闘機を2~3個飛行隊を導入する、なんてところでどうでしょうか。攻撃ヘリも実質増強でき、AHに掛けていた予算も大幅に削減できるでしょう。
よくCOIN機は攻撃ヘリの代わりにはならない、匍匐飛行ができないからとかいう人がいますが、何時の時代に生きているのでしょうか。
既に攻撃ヘリの主たる任務は匍匐飛行で敵の機甲部隊を狙うのではなく、上空にとどまって火力支援と、ISRアセットして使用されるのが主流です。
またアフガンでは常にヘリの火力支援があてに出来ないことが問題になりました。ヘリは滞空時間が短いからです。また整備にもカネがかかる。
であれば、コストが安く滞空時間が長く、ヘリよりも高速であるプロペラ機のCOIN機を採用することは十分に検討する価値があるでしょう。
ISR用ならばUAVの方が有利だという人もいますが、UAVののカメラは視界が狭く、状況把握が有人機に比べ不利です。またUAVは一般に急な加速や機動か不得意です。
新しいアイディアを否定するのは結構ですが、かつて戦略爆撃も機甲戦も軍の主流からは否定されておりました。チャーチルが軍艦の燃料を石炭から石油に変えた時も、多くの反対がありました。
無論こういうアイディアに賛成、不賛成はあるでしょう。ですが攻撃ヘリとはこういうものだという固定観念に凝り固まって、現実を無視してただ否定しても得ることは少ないと思います。議論をするのであれば、古い常識を捨てた上で建設的に行うべきです。
現状こそがベストなのだ、現状が常に正しいというのは思考停止です。得てして伝統墨守で新しい時代についていけない、自己革新を怠った国家は大抵戦争でまけたり、衰退したりしているのは歴史の教えるところです。
新しいウェブニュースサイト、NEXT MADIA Japan In-Depthに寄稿しております
民主主義・法治の危機〜国家安全保障会議(日本版NSC)と特定機密保護法は警察官僚に支配される(1/2)
http://japan-indepth.jp/?p=1821
民主主義・法治の危機〜国家安全保障会議(日本版NSC)と特定機密保護法は警察官僚に支配される(2/2)
http://japan-indepth.jp/?p=1824
防衛省・技術研究本部に実戦的な装備は開発できるのか①〜リモート・ウェポン・ステーションとは何か?
http://japan-indepth.jp/?p=1703
防衛省・技術研究本部に実戦的な装備は開発できるのか②〜必要な調達をする気のない自衛隊と必要ない装備を技術実証する技術研究本部の悪すぎる連携
http://japan-indepth.jp/?p=1720
防衛省・技術研究本部の海外視察費はわずか92万円〜写真やカタログだけで十分な開発ができるのか?(1/2)
http://japan-indepth.jp/?p=1750
防衛省・技術研究本部の海外視察費はわずか92万円〜写真やカタログだけで十分な開発ができるのか?(2/2)
http://japan-indepth.jp/?p=1758
[仏パリ“ミリポール”リポート]防衛産業の輸出を阻害しているのは防衛産業を擁する大企業トップの無知蒙昧と保身
http://japan-indepth.jp/?p=1508
朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しています。
日経が伝えないトルコとの戦車エンジン共同開発の真実(上)――トルコの狙いは何か?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013112500006.html
日経が伝えないトルコとの戦車エンジン共同開発の真実(下)――日本がパートナーを組むべき国はどこか?
アベノミクスで食材偽装が増える?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013111100009.html
機動戦闘車は必要か(上)――島嶼防衛にもゲリラ・コマンドウ対処にも不向き
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013103100010.html?iref=webronza
機動戦闘車は必要か(中)――脆弱な防御力
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013110100004.html?iref=webronza
まず我が国ではUAV関連の法案もまだ整備されていないので、これらはUAV代わりのISRアセットとしても有用でしょう。
AT-6
スーパーツカノ(提供:エンブラエル)
無人機やISR用のプロペラ機相手にジェット戦闘機でスクランブルかける必要もないでしょう。燃料代もかさむし、機体の寿命も縮みます。
既存機ならばスーパーツカノやAT-6が最右翼ですが、洋上を長時間監視するのであればキングエア350型をベースにした「双発戦闘機」なんぞもいいでしょう。機首に12.7ミリ機銃を搭載するとかし、主翼下には4~6箇所ぐらいハードポイントをつけて、増槽やAAMでも搭載させれば宜しい。既存機の改造ですから割安です。
キングエア350は陸自がLR-2として採用していますから、整備の面でも有利です。
繰り返されるスクランブル 防空体制強化で飛行隊倍増 那覇基地http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131212/plc13121207510003-n1.htm
予算は陸自のAH-1なんぞを全部退役させれば、容易に予算は捻出できます。
なにせ攻撃ヘリよりも調達・維持コストが格段に安い。随分とおつりが来るでしょう。まあ本来は空自がやるべき任務ですが、空自は「安い戦闘機」を嫌うでしょうからね。
ですから、AH-1のリプレイスとして調達すればいい。どうせ旧式化し、近代化の予定もないAH-1なんぞ使い道はさほどないでしょう。維持するだけ予算の無駄です。最近は統合運用を進めると防衛省も言っております。
それといっそのこと、この手の戦闘機を「警戒機」とかかといって、海保に保有させるのも手です。そうすれば軍の戦闘機ではなく、警察組織の機体なわけですから、中国空軍がジェット戦闘機を繰り出してくれば国際社会で大問題となるでしょう。
そういえば陸自のAH-64Dどうするんでしょうかね。
陸自の説明が正しければ、現在のブロック2の部品は非常に近い将来枯渇します。
ブロック3にアップグレードという話も聞きませんしねえ。
AH-1を全部退役させて、AH-64DEを一個飛行隊輸入で調達。既存の機体も同じ仕様に米国でアップグレード。
あわせてターボプロップ戦闘機を2~3個飛行隊を導入する、なんてところでどうでしょうか。攻撃ヘリも実質増強でき、AHに掛けていた予算も大幅に削減できるでしょう。
よくCOIN機は攻撃ヘリの代わりにはならない、匍匐飛行ができないからとかいう人がいますが、何時の時代に生きているのでしょうか。
既に攻撃ヘリの主たる任務は匍匐飛行で敵の機甲部隊を狙うのではなく、上空にとどまって火力支援と、ISRアセットして使用されるのが主流です。
またアフガンでは常にヘリの火力支援があてに出来ないことが問題になりました。ヘリは滞空時間が短いからです。また整備にもカネがかかる。
であれば、コストが安く滞空時間が長く、ヘリよりも高速であるプロペラ機のCOIN機を採用することは十分に検討する価値があるでしょう。
ISR用ならばUAVの方が有利だという人もいますが、UAVののカメラは視界が狭く、状況把握が有人機に比べ不利です。またUAVは一般に急な加速や機動か不得意です。
新しいアイディアを否定するのは結構ですが、かつて戦略爆撃も機甲戦も軍の主流からは否定されておりました。チャーチルが軍艦の燃料を石炭から石油に変えた時も、多くの反対がありました。
無論こういうアイディアに賛成、不賛成はあるでしょう。ですが攻撃ヘリとはこういうものだという固定観念に凝り固まって、現実を無視してただ否定しても得ることは少ないと思います。議論をするのであれば、古い常識を捨てた上で建設的に行うべきです。
現状こそがベストなのだ、現状が常に正しいというのは思考停止です。得てして伝統墨守で新しい時代についていけない、自己革新を怠った国家は大抵戦争でまけたり、衰退したりしているのは歴史の教えるところです。
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民主主義・法治の危機〜国家安全保障会議(日本版NSC)と特定機密保護法は警察官僚に支配される(1/2)
http://japan-indepth.jp/?p=1821
民主主義・法治の危機〜国家安全保障会議(日本版NSC)と特定機密保護法は警察官僚に支配される(2/2)
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防衛省・技術研究本部に実戦的な装備は開発できるのか①〜リモート・ウェポン・ステーションとは何か?
http://japan-indepth.jp/?p=1703
防衛省・技術研究本部に実戦的な装備は開発できるのか②〜必要な調達をする気のない自衛隊と必要ない装備を技術実証する技術研究本部の悪すぎる連携
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防衛省・技術研究本部の海外視察費はわずか92万円〜写真やカタログだけで十分な開発ができるのか?(1/2)
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防衛省・技術研究本部の海外視察費はわずか92万円〜写真やカタログだけで十分な開発ができるのか?(2/2)
http://japan-indepth.jp/?p=1758
[仏パリ“ミリポール”リポート]防衛産業の輸出を阻害しているのは防衛産業を擁する大企業トップの無知蒙昧と保身
http://japan-indepth.jp/?p=1508
朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しています。
日経が伝えないトルコとの戦車エンジン共同開発の真実(上)――トルコの狙いは何か?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013112500006.html
日経が伝えないトルコとの戦車エンジン共同開発の真実(下)――日本がパートナーを組むべき国はどこか?
アベノミクスで食材偽装が増える?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013111100009.html
機動戦闘車は必要か(上)――島嶼防衛にもゲリラ・コマンドウ対処にも不向き
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013103100010.html?iref=webronza
機動戦闘車は必要か(中)――脆弱な防御力
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013110100004.html?iref=webronza
この記事へのコメント
陸上戦に使うのなら、遅くてよいのでどれでも良いですが、UAVの迎撃まで考えるなら、高速な方が有利なので、PC-21あたりが良いのでしょうか?
#もう少し高速の単発機(=安価)があると良いのですが、、、
あるいは、単発の高速のターボフロップ機を新たに開発するとか?(いずれはそれが、無人機になる前提で)
なるほど、となると突発的な攻撃にはある程度対応出来そうですね
本格的な衝突が始まってからは投入出来ないでしょうから、余り多く有っても仕方ないと思いますが、数機くらいはあっても良さそうですね
敵航空機の行動範囲内で使用するのが厳しいのが難点ですが
UAVについてはどの程度の役割まで考えて開発するかが難しそうです。
>それといっそのこと、この手の戦闘機を「警戒機」とかかいって、海保に保有させるのも手です。
「COIN機は軍事兵器」と見なされ、海保が「事実上の軍隊」または「非合法の軍事組織(ゲリラ他)」と見なされる可能性は無いのかなと思います。
またロッキード・マーチン社がF35Bの無人機版みたいな無人機の構想を出しているようですが、これにはCOIN機では対応できないのではないのかと思います。尤もこの構想自体は実現まで行くか分かりませんし、有人のVTOL機もハリヤーとF35Bぐらいですから、中国とかが無人VTOL機を作れるかどうかは分かりませんが。
どうせ戦闘が起こるような場所には投入できないので、現在のような睨み合いの状態なら使い道あるのでは?
戦闘機相手には相手に脅威は与えられないので監視役にはなれませんが、現在のUAV相手なら武装しているという事実だけでいいので、低コストの監視役として使えるかも知れません
それでも600km/h以下の機体だと速力的にキツいかも知れませんが
よくわかりませんが、そもそも無人機警戒は空自担当で陸自が買うというのもわかりません。
それに飛行場がないと飛べない・着陸できないプロペラ機と
どこでも発進でき、どこでも着陸できるヘリ。
なんか比べるものが違うような気がします。
長時間飛べるといってもパイロットの許容範囲以内。
戦力的にも乏しく、価値が全く理解できない。
安い?そりゃそうだけど、それしかメリットがないような。
本来はそうであろうが、肝心の空自が戦闘機とかにしか興味が無いようであればそれもやむを得ないのでは。別に陸自でなくて海保でもかまわないですが。
>それに飛行場がないと飛べない・着陸できないプロペラ機と
>どこでも発進でき、どこでも着陸できるヘリ。
>なんか比べるものが違うような気がします。
確かにヘリはどこでも発進でき、どこでも着陸できるが、速度や航続距離等では固定翼機には及ばない。車や船を追いかけるのなら兎も角航空機(無人機含む、プロペラ機であっても)相手では難しいのでは。相手が止まれる(空中でも地上でも)のなら別だが。